環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

緑の福祉国家12 「気候変動」への対応 ①

2007-01-23 16:59:30 | 市民連続講座:緑の福祉国家
皆さんへの期待は「環境問題」に対する私の考えや「スウェーデン」に関する私の観察と分析を、ぜひ批判的な立場で検証し、日本の将来を「明るい希望の持てる社会」に変えていくためにそれぞれの立場から日本の現状を真剣に考えてほしい ことです。私たちの子どもや孫のために・・・・・

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1960年代から常に環境分野で国際社会をリードし、72年6月には首都ストックホルムで「第1回国連人間環境会議」を主催し、そして、96年9月には世界に先駆けて「持続可能な社会の実現」を21世紀前半の新しいビジョン(国家の政治目標)に掲げたスウェーデンの「緑の福祉国家」をめざす転換政策を順次、概観することにしましょう。

1.気候変動(日本では地球温暖化)防止政策の大前提
CO2(二酸化炭素)など温室効果ガスによる「温室効果」は、厳密に言えば、 「環境問題」ではありません。オゾン層の存在とともに、地球上の生命が生存できるかどうかにかかわる本質的な要因です。地球の大気中に「水蒸気」「CO2」がなかったら、地球の平均気温は現在の平均気温(15℃)よりおよそ33℃低いマイナス18℃で、地球は氷結していたことでしょう。
 
経済活動の拡大の結果、化石燃料の消費が増えたことによって温室効果ガスであるCO2の排出も増加し、温室効果が高まったことが「環境問題」なのです。過去150年にわたる経済活動が、大気中のCO2濃度をおよそ30%上昇させ、地球の平均気温は20世紀の100年間に、およそ0.5℃上昇しました。気温の上昇はとくに、20世紀最後の25年間に加速されています。
 
温室効果ガスには、水蒸気CO2、フロン、メタン、亜酸化窒素(N2O)などがあり、とりわけ「水蒸気」がいちばん大きな温室効果を持っています。水蒸気を除けば、温室効果の半分以上が「CO2」とされています。CO2の大気中濃度は、産業革命以前には270ppmだったのに、1987年には350ppmを超えるほどに増えています。亜酸化窒素、メタン、フロン、地表レベルのオゾンなども強力な温室効果ガスですが、大気中濃度は高くありません。

ですから、地球温暖化をくいとめるために大気中のCO2の濃度を増やさない対策がとられるのです。CO2は炭素が燃えてできるものですから、なるべく炭素を燃やさないようにすること、すなわち「化石燃料の消費」を抑えることが必要なのです。

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