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同時多発している諸問題の解決には、問題ひとつひとつに取りくむのではなく、同時解決を図るために「システマティックなアプローチ」が必要です。
民主主義の国で「現行の社会(制度)」を「将来の新しい社会(制度)」にスムーズに変えていくには、まず、大多数の国民が賛成できる「望ましいビジョン」を描き、次にそのビジョンの実現のために「現行の行政組織や社会制度」を段階的に変えていかなければなりません。その際に、「従来の判断基準」を新しいものに変える原動力となるのは、時間の経過に伴って私たちが学び、獲得してきた「新しい知識」です。
スウェーデンでは、90年代中頃までに政治、行政(中央政府、自治体)、企業、市民など国民のセクター間で「人間は自然の法則から免れて生存できないこと」が理解されており、企業も含めて社会全体としてすでに「環境問題に対する社会的なコンセンサス」ができ上がっていました。
そして、「生態系の保全」こそが自分たちの生存を保障すると考えています。その上に、「緑の福祉国家を実現すること」が長期的な政治目標となっているので、スウェーデン企業は他国の企業よりも環境分野の活動に自信を持っており、環境分野の投資に積極的です。
民主的な法治国家で「ビジョン」を実現する具体的な方法は、図に示したように、予防の視点でつくられた包括的で整合性があり、柔軟性のある法体系の下に策定される「政策」と「その政策を支える予算の優先的な配分」です。新しいビジョンを実現するためには「新法の制定」と旧ビジョンである「福祉国家」を支えてきた既存の法体系の改正や廃止、行政省庁の刷新、転換政策などが必要となります。
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このような整った行動計画の枠組みのもとで、利害を異にする組織やそれぞれの国民が、共通の目標である「緑の福祉国家の実現」に、それぞれの置かれた立場で、「できるところ」から一歩一歩努力を積み重ねていけば、道はおのずから開けるはずです。
下の図は上の図の⑥の部分(各主体の協力と行動)を具体的に示したものです。
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行動計画のイニシァティブは地方自治体にあります。
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