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京都議定書の約束期限2008~2012年を目前にして、日本の温暖化対策は、いまなお混乱し、迷走し続けています。今朝の朝日新聞に日本の温暖化対策に関連し3つの記事がありました。まず、次の記事をご覧ください。
この記事の数日前に、環境大臣と経産省事務次官がそれぞれの記者会見でそれぞれの省の主張を繰り広げていました。上の記事の表題にある「環境税バトル」とは下の記事で報じられているような内容のものです。
日本の経産省が懸念を示している「環境税バトル」について検証してみましょう。世界経済フォーラム(WEF、ダボス会議)は毎年「国際競争力のランキング」を調査し、公表しています。ここでは環境税を導入しているか否かにかかわりなく、多くの指標を用いて「国際的競争力」を総合的に判断しています。スウェーデンはスイス(5.81ポイント)、フィンランド(5.76ポイント)に次いで、世界3位(5.74ポイント)でした。ちなみに、米国は6位(5.61ポイント)で、日本は7位(5.60ポイント)でした。
もう少し詳しく、このランキングの推移を見てみますと、2003年の順位はスウェーデン3位、日本11位、2004年はスウェーデン3位、日本9位、2005年はスウェーデン7位、日本10位、2006年はスウェーデン3位、日本7位となっています。なお、世界経済フォーラム(WEF)は10月31日に「国際競争力報告書 2007-2008」を公表する予定です。
つまり、1991年に二酸化炭素を導入したスウェーデンのほうが国際競争力の低下を懸念して二酸化炭素の導入に反対している日本よりも国際競争力が高くなっているのです。
なぜ、内閣府も、立法府も日本の行政すべてに関連する「行政の縦割り構造」を変えようとしないのでしょうか。この改革なしには、21世紀の新しい難問には対応できず、ますます迷走し、漂流することは間違いないでしょう。
二酸化炭素の削減に関するスウェーデンの基本的な考えをお知らせしましょう。この考えは産業界を含む国民各セクターの間で十分に共有されています。
ですから、次のような要求も出てくるのです。これは米国の環境経営コンサルタントのポール・ホーケンさんが京都のシンポジウムで発言したものです。環境経済・政策学会編「環境保全と企業経営」(東洋経済新報社、2002年10月発行)の45~46ページから引用しました。
このシンポジウムは「環境経営の革新-新産業革命とナチュラル・キャピタリズム-と題して、2001年9月29日/30日の両日、国立京都国際会館で開催された第6回環境経済・政策学会における市民公開シンポジウム(朝日新聞社・後援)で、その詳細な内容が上記の「環境保全と企業経営」に収録されています。
16年前の1991年1月1日に導入された二酸化炭素税はスウェーデンの二酸化炭素の削減に貢献しました。すでに、このブログでも紹介しましたように、1990年と2005年を比較するとスウェーデンの二酸化炭素の年間排出量は7%減少し、経済は36%上昇しています。日本の経産省が懸念するような事態はCO2の導入によって発生してはおりません。日本の国際競争力の低下にはもっと別な大きな要因があると思います。
次の2つの図も今朝の朝日新聞に掲載されていたものです。
ここでは、日本経団連と経済同友会が意見を異にしています。私の視点からは、経済同友会の主張のほうが正論だと思います。
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