環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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スウェーデン企業の環境意識 ボルボ

2007-01-26 10:40:23 | 環境問題総論/経済的手法
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今日の「日本 あの日・あの頃」は、スウェーデンの自動車メーカー・ボルボの日本社会における一連のパフォーマンスの一端を取り上げます。

1989年に、ボルボは次のような「環境政策声明」を発表しました。

90年2月28日、当時の通産省(現在の経産省)の地球産業文化研究所が、東京で「地球環境の改善と経済成長の同時達成をめざして」と題するパネル討論会を催しました。


ここに、「予防志向の国」と「治療志向の国」の考え方の違いがはっきりとあらわれています。また、企業経営者と科学者の協力の必要性も明らかにされています。なお、このシンポジウムの模様は、1990年3月に、「テレビ・シンポジウム 技術は地球を救えるか」と題してNHK教育テレビで放映されました。 

そしてボルボは、2ヶ月後の90年5月17日付の日本経済新聞に、「私たちの製品は、公害と、騒音、廃棄物を生み出しています」というキャッチ・コピーで「全面広告」を打ったのです。この広告は第1回日経環境広告賞を受賞し、日本の環境広告に大きな一石を投じました。

左の一面広告の小さな判読不明の個所を拡大したのが右の図です。その1行目に、「現状で最もすぐれた、三元触媒を使った自動車用排気ガス浄化システムを世界で初めて市販車に採用したのはボルボでした」と書かれています。ここでいう「自動車用排気ガス浄化システム」とは、現在の日本のガソリン乗用車に標準装備されている排気ガス浄化システムのことです。

2005年10月、ボルボ・カーズ・ジャパンは、第54回日経広告賞で2度目の最優秀賞を受賞しました。審査委員長は「安全性など商品の機能面だけでなく人生観や生活提案という側面までを訴求し、ブランド広告として高い次元でまとまっている」と評価したと、日本経済新聞は報じています。

ボルボの環境広告も環境広告の審査基準も共に、時代の流れを背景に大きく進化していることが伺われます。

ボルボの環境広告は日本の自動車メーカーに衝撃を与え、日本の自動車メーカーの広告内容を一変させたのです。


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2 コメント

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低フリクショントライボロジー (ケンイチカルロス)
2020-06-15 18:37:09
ことしのノーベル賞候補の問題です。
マルテンサイト アダマンタン 境界潤滑 熱力学 状態図 ラマン分光
の技術用語が含まれる理論とは?
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地球環境を考えたものづくり (ディノベア)
2020-06-16 19:27:16
それはダイセルリサーチセンターの久保田邦親博士(工学)のCCSCモデルです。内燃機関シンポジウムの論文はとても参考になります。
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