久しき人に逢うは嬉し
手入れの花咲たるは嬉し
失くした銭を見つけ出すも嬉し
酒注ぎ過ぎたるを頂くは嬉し
駆け込んで間に合う便所もまた嬉し
嬉しさを昔は袖に包けり今宵は身にも余りぬる哉
願わくば春死なむその望月の如月のころ
といろいろあるが、
初孫やすやすと生まれたるは嬉し
子より孫のほうがかわいいとはよくいわれるが、孫がかわいいのはやはり子がかわいいからで、孫が幼いからそれだけかわいさが増すのであろうと思える。
何事もなく成長するようになるようにと、自分の年の寄るのも忘れて、三度の飯を食わせ、寝かして起こして病気をしないよう、事故にあわないよう、恥ずかしくないようと、いろいろと面倒をみてきた子がかわいくないはずもない。
その子が一人前になって、その芋版かもしれん孫に逢うことができる。それは嬉しきもののうちでもなかなか上等の面白いことである。
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