(photo/original unknown)
その昔、亀と呼ばれた大泥棒がついに捕まり打ち首となった。
なかなかの洒落者で首を刎ねられる前に一句所望しこんな辞世を残している。
萬年も生きよとおもうたこの亀が こころの泥で首がスッポン
同じ泥棒にこんな者もいた。是非にもと辞世を所望し、
浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ
すると、立会人がそれは大泥棒石川五右衛門じゃないかといったところ、「はい、これが盗み納めでございます」
ある乞食は寺の門前にこう書いてこと切れていたという。
知り知らぬ憂さ嬉しさの果ては今 もとの裸のもとの身にして
他にも乙なところでは、
一期栄華一杯酒 四十九年一酔間 生不生死亦不死 歳月只是如夢中 -上杉謙信
善もせず悪も作らず死ぬる身は 地蔵も褒めず閻魔叱らず -式亭三馬
今までは人のことだと思うたに 俺が死ぬとはこいつはたまらん -太田南畝
詩も歌も達者なうちによんで置け とても辞世はできぬ死に際 -多田八千次郎
来山は生まれたとがで死ぬるなり そこでうらみもなにもかもなし -小西来山
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