南無煩悩大菩薩

今日是好日也

ほんとの自尊心

2018-07-20 | 古今北東西南の切抜
(写真/棟方志功)

『我々は、怖れ、怒り、苦痛、悲しみといった強烈な感情には源泉があると考えています。そしてこの源泉は、喜びや幸福感をも生み出すものなのです。

人間の本性というのは、肯定的な面と否定的な面が表裏一体の関係で結びついているのだと思います。したがって、否定的な感情の源泉を突き止めることは、肯定面を引き出すうえで有効な方法なのです。

創造性を開放した人々に見られる最も典型的な変化は何かと言えば、瞬間瞬間を生きる力を身につけることです。』

-マイケル・レイ

『いま、ここに全面的に没頭し、完全にその場で見聞きするためには、強靭なパーソナリティをすべて備えていなければならない。過去も未来も忘れ現在だけを考えることだと言ってもいい。

つまり、現在の問題を過去に経験した問題の発展型としてとらえたり、過去の解決策の中から現状に最適な解決策を探したりしないということだ。また問題が生じている現在の状況を将来の為の学習期間と見なしたり、今後取るべき行動の下準備(リハーサル)に当てたりするようなこともない。完全に今、ここに没頭するのだ。

この姿勢はまた、彼がかなり勇敢な人物で、自分自身に信頼を寄せていること、そして、新たな問題を解決できるという静かな自信を秘めていることを示すものである。

これは、健康な自尊心、健康な自己信頼の表れであり、不安や怖れから解放されていることの証左でもある。さらに、彼が世界や現実、環境に信頼を寄せていること、それらを自分を圧倒する危険で強力な存在とみなしていないこともわかる。

つまり、自分は世界に対処できると感じており、決して怖れを抱いてはいないのだ。世界は怪物でも恐るべきものでもない。

自尊心とは、自分自身を原動力、責任ある自律的人間、自己の運命の決定者として見ることなのである。』

-アブラハム・マズロー「創造性に関する覚え書き」より