咲とその夫

 定年退職後、「咲」と共に第二の人生を謳歌しながら、趣味のグラウンド・ゴルフに没頭。
 週末にちょこっと競馬も。
 

剣客商売・・・・池波正太郎

2011-02-23 22:44:30 | レビュー
 「剣術ひとすじに生きる白髪頭の粋な小男・秋山小兵衛と浅黒く巌(いわお)のように逞(たくま)しい息子・大治郎の名コンビが、剣に命を賭けて、江戸の悪事を叩き斬る・・・。」

 相変わらず読んでいる池波小説、同じ本を何度も読み返すと新たな発見もあり、楽しくなるものである・・・・・えっ、こんな細かい描写まで書き込んであったのかとか、ここのところは忘れていたのか、読み込んでいなかったのかとか。

 いろいろ気づき、いろいろあって、また楽しいものである

 以前、義兄から借りて面白かった「黒白」、この本は剣客商売番外編となっており、秋山小兵衛が32歳、時代設定は大御所と呼ばれた徳川吉宗晩年の頃である。

 剣客商売での息子大治郎の生まれる前、30年近い昔の小兵衛も若かりし頃の物語である・・・・この中で、亡き妻・お貞と夫婦になり、その後大治郎が生まれる。

 ところが、この本が実に面白く借りていながら2度読み返すほどの熱の入れようであった。最初、読み終えたときこの物語の展開が、余りにも虚を突く内容でもう一度読み返さないと分からない部分があった・・・・しかし、読み返すうちに実に深い内容が秘められており、何かを忘れてしまいそうなほど“のめり込んで”しまった。

 この時、本題である「剣客商売」は、以前からTVなどで放映されていたが、それほど関心はなかった。

 古くは山形勲主演、そして池波正太郎が秋山小兵衛の風貌を旧知の歌舞伎俳優・中村又五郎をモデルにしたと言われている中村又五郎主演、そして、ご存知中村主水こと藤田まこと主演の剣客商売である。

 



 しかし、あの番外編の黒白を読んでから、剣客商売に興味が湧きそのうちじっくりと読んでみようと思っていた。

 何しろ、丁度「剣の天地」を読み終えいま新たに2度目を読んでいる・・・・そろそろ最終ページ。

 「忍びの女」も3度目を読んでおり、新たに購入した短編集の「あばれ狼」(この中にあの真田太平記に出てくる樋口角兵衛の短編があったので購入)などを同時並行で読んでいる矢先、義兄が「貸すと言っていた剣客商売(全16巻)の一部を持ってきた」と・・・・・。

 義兄も随分昔、当方が貸した「真田太平記」にすっかりハマって、池波小説を読みあさるようになったらしい。

 そのようなわけで、剣客商売・第1巻にある1編の女武芸者を読み終えた・・・・ここからこの物語がスタートする。

 息子・秋山大治郎と父親である主人公の小男・秋山小兵衛のおかれている立場、生活の匂いが立ちこめるような書き出しの文中・・・・ワクワクしながら読み始めた。

 徐々に登場人物たちが現れてくる・・・・・そして、小兵衛親子に大きく関わってくる人たちも。

 特に女武芸者・佐々木三冬との関わりも始まる。そして、時の老中・田沼意次の妾腹の娘であると・・・・・。

 並行して、2度目を読んでいた「剣の天地」を昨日読み終えた・・・・・・。「あばれ狼」に集録されている7編中、4編も読み終えている。「忍びの女」は、下巻の中ほどであり・・・・近日中には、剣客商売1本に集中できそう。

 何か物事に取り組みながら、ちょっと時間ができるとこれらの本を並行して読むが、不思議なことにそれぞれの本を開くと、それぞれの本の筋立ての中にすなおに溶け込むことができる・・・・不思議なことである。


 これから、天候がよくなって来ると軽い運動も始めるので、読書のみに没頭できなくなりそうであるが、時間を見つけて読みふけりたい。(夫)


[追 記]~“黒白”あらすじ~
 「波切八郎の弟子・水野新吾が辻斬りをしていることを知り、これを切捨ててしまう。剣客として直情的な部分のある波切八郎は弟子を導くことが出来なかったことを悔やみ、道場を捨てることを決意する。
 ただ、気がかりなのは、秋山小兵衛(32歳)と真剣での勝負の約定を交していたことである。
 道場を去った波切八郎は橘屋忠兵衛のところに身を寄せた。そこで女中のお信といい仲になり、お信の父の敵、高木勘蔵を波切八郎は討つことにした。波切八郎の助勢でお信は父の敵を討つことが出来た。
 しかし、このことが知れたらしい。橘屋忠兵衛がやって来てすぐに逃げろと言う。このときに引き合わされたのが、岡本弥助である。
 この後の波切八郎は岡本弥助とともに方々を渡り歩くことになる。そして、いつしか波切八郎の目からは光が消え、荒んだ光が漂うようになることで、岡本弥助から離れることにした。
 一方、秋山小兵衛は波切八郎との約束の日、内山文太と共に平林寺へと向かう。しかし、約束の時間になっても波切八郎は現れない。あれほどの剣客が、小兵衛は何やら納得しかねるところがあった。
 小兵衛は波切八郎のところの下僕をしていた市蔵と知り合いになり、やがて、波切八郎が戻るまでのつもりで市蔵は小兵衛のところに世話になる。
 岡本弥助はある旗本に雇われている。その旗本は徳川吉宗が紀州から連れてきた家臣の一人である。この旗本から岡本弥助が頼まれたのは森平七郎という侍の暗殺である。
 しかし、森は強敵である。岡本弥助は波切八郎と別れており助けを得られない。死を覚悟して敵に当たる。しかし、波切八郎の突然の助けによって岡本弥助は命が助かる。
 その後、岡本弥助は旗本から暗殺の指令を受ける。岡本弥助はこれが最後の暗殺だと考えている。これが終わったら、何も言わずに旗本の下から消えようと思っていた。しかし、この暗殺の相手を旗本は言わない。一体誰を狙うのか?」
(出典:時代小説県歴史村 HP 抜粋)



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