撮影してから40年も時間が経つと、記憶が徐々に消えて往き兼ねないが、この光景だけは未だに鮮明に脳裏に焼き付いている。品川駅の一番海よりのホームから撮影した午後のプレゼント。言わずと知れたEF58重連けん引となった荷35列車の待機シーンだ。実際には走りの撮影のため、荷35ㇾの発車はこの品川駅では未撮影だが、重連のゴハチが機廻しをして客車に収まるまで十分観察できたものだ。
掲載写真は、側線に現れたEF65F型の貨物列車と顔を並べた時に撮影したものを。この時は、これが普段通りの光景で、あまり感動もせず、曇ればシャッターを押すことも拒んでいたが、これだけ時間が経ち、自分自身も多々経験を積んできた今日にして再び振り返った時、そこに写っている機関車からは郷愁の念を感じてしまうのだ。そしてこれら機関車は無くなっても、この時同じ思いで連れ添った友人たちは、今でもアントンKの隣にいる。彼等こそ唯一無二のかけがえのない人たちに思えてならないのだ。改めてそんな気持ちにさせてくれる人達に感謝の気持ちで一杯になっている。
1978-03-29 荷35ㇾ 東海道本線:品川駅にて