![Sept20_sunrise Sept20_sunrise](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/07/781a40062b55dbdf37ca0d4cdbd15ef9.jpg)
中上が『破壊せよ、とアイラーは言った』(1979年8月集英社)で懐かしがっていた「ヴィレ」とその仲間が、街に播いた種はどうなったのだろうか?
ボクらはふたたび、書を捨てる(寺山修司)ことなく、街中の書を拾い集め分別するだろう。時代は若者に特有の「反抗」を許さない。不良よりも叡智が称えられるようだ。秩序は貫徹されたのだ。その上に、「成長の限界」(1970年の「ローマクラブ」の報告書の名前)、「宇宙船地球号」(B・フラーの造語)の資源の有限性に思いを果たさねばならない。むしろ環境派こそが手段を選ばないほど先鋭化している。ジェネレーション・ギャップで語られるのではなく、生存と生命へのおもいやりの深さがそれを決定する。
若者にアイディンティのゆらぎや、クライシスなどというものが無くなったとは思えない。そのストレスは自傷行為や、自殺などの自己破壊に向かっているのかも知れない。
有限の世界で、過剰になった人口。人口調整のため群れをなして本能のままに、海に飛び込み、自死する生き物。それってレミング(※1)というネズミ科の生物ではなかったか?
で、レミングにそのような生態があるということは、事実ではなかったらしいが、まさかそれもまた寺山修司がついた一流のウソではなかったのだろうな?
※1:寺山が主宰した「天井桟敷」の最終公演作品はその名も『レミング』である。
(おわり)