風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

4/10 E.G.P.P.Nova!/step141 「シベール」と言う少女神

2013-04-03 23:56:55 | イベント告知/予告/INFO
Cybele_poster_1●オープンマイク・イベント/TOKYO POETRY RENAISSANCE
E.G.P.P.Nova!/Step141
テーマ:「シベール」と言う少女神
2013年04月10日(水)開場19:00/開始20:00
参加費:1,000円(1Drinkつき)
MC:フーゲツのJUN、梓ゆい
(出演予定者)フーゲツのJUN(ポエッツ)、松岡宮(ポエッツ)、梓ゆい(ポエッツ)、bambi(スピリチャルトーク)、藤木吾呂(お笑い)、ココナツ(うた)、よねやま・たかこフラワー(うた)ほか……エントリーしてくれたあなた!

会場:ライブ・バー水族館(新宿区百人町1-10-7 一番街ビルB1)
問:03-3362-3777(水族館)→http://naks.biz/suizokukan/
主催:電脳・風月堂→http://www1.ocn.ne.jp/~ungura/

 老いてくると思い出されるのは、昔の事ばかりと言います。好きなものは、ほとんど十代の頃に好きになったものばかりで、ヒトというものは実は精神的な成長と言うものは微々たるもので、わずかな歩みしか達成しえないのかもしれないと思う事もあります。
 で、つらつら思うに、かく言う自分もボク自身が少年であった思春期・青春期に見たものや好きになったものばかりが思い出されて仕方ありません。
 今回のポエトリーのテーマも、ボクが都電の通っていた不忍通りにあった根津アカデミーと言う名画座で見た一本で1962年フランスで制作された映画『シベールの日曜日』にまつわる記憶です。きっと根津アカデミーの硬い椅子に座ってボクが見たのは中学生だった頃だったのでしょう。

 「わたしの名は 遠い国の女神の名
  それは 誰れにも 教えない秘密
    心の小箱に しまってあるの
 それを あのひとに あげましょう
     それが わたしの 贈り物」

 アカデミー賞の63年外国語部門最優秀作品賞をとったこの作品には、こんな少女趣味の詩のような惹起文(宣伝コピー)が日本版のポスターには印刷されておりました。ある面「少女愛」の映画とも位置づけられる事もある『シベール』は、しかしフランスが介入していた頃のインドシナ(ベトナム)戦争という背景があり、主人公の青年ピエールは従軍したための戦闘トラウマでいわば少年期に退行した精神的な病を持っていたのでした。

 『シベールの日曜日』を根津アカデミーで見たあとボクは近所の須藤公園のベンチに座ってその人工的な作園の向こうにシベールの森を見ていたに違いありません。孤児シベールを演じたパトリシア・ゴッジは1965年の次回作『かもめの城』のイメージ以上に、少女の姿のままにボクの記憶に刻み込まれてしまったのでした。

 2011年4月、まさしく東日本大震災直後、奇妙に白々した緊張感の中で、地震の後、原発事故後はじめて行った展覧会が東京都庭園美術館で開催された『森の芸術』と言う展覧会でした。放射能汚染されたかもしれない山河や、森や河川や大地を人間が汚したためにもう永遠に、二度とピュアなものとして対峙できないかもしれないと言う恐怖を胸に秘めたまま展覧会のパネルを読んでいた時、ボクは思わず声をあげそうになりました。なぜなら、まさしくそこに懐かしいシベールの名前があったからです。
 シベールという名前の秘密も、この展覧会の監修者であった巌谷國士さんの解説文で知る事ができました。あの『シベールの日曜日』を根津アカデミーで見てから半世紀、もはや50年の時間が流れていました。
 巌谷さんの解説にはおのずから読み取れ、また自身もお書きになっているメッセージがありました。それは、森から旅立ってきた人間は森へ帰り、森を育てることからしか人間自身の蘇生、復活はないだろうということでした。

 物語さえも失いがちだったあの大震災、原発事故のあと、そうあえて言えば「3.11・原発忌」以降の、あらたな物語、新しい神話として(「安全神話」と言う使い方は「神話」の使い方が間違っていると思います。それは思い込み、幻想の事であってその使用法そのものが目眩ましの言語混乱です。これは「安全幻想」と言うべきでしょう。)森の少女神シベールや農耕神デメテールや、ナウシカやダイアナが復活するのではないか?
 そう、希望をかきたてる人間の共生と共同体のあたらしい神話そして物語の未来形の復活として…。
(文責:フーゲツのJUN)

 一般オープン・マイクにエントリーなさる方には、このテーマ設定にしたがう必要はありません、御自分の表現.テーマで挑戦してください。
 ?ポエトリー、うた、バンド問わずフリーエントリーが可能です!
 事前エントリー専用BBS(TOKYO POETRY RENAISSANCE/EGPP100 BBS)にエントリー表明を書き込んでください!→http://8512.teacup.com/5lines/bbs

E.G.P.P.Nova! MIXI内コミュ→http://mixi.jp/view_community.pl?id=230706

(写真:映画『シベールの日曜日』日本版ポスター)

※4/7に後半部分を書き足し更新しました。