風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

名月ヲ 愛デル宴ノ 枯レ薄(五)

2007-09-26 01:44:08 | コラムなこむら返し
Autum_moon_party_7 今日25日は「中秋の名月」別名「十五夜」である。そうは言っても満月ではない。「十五夜」というのは旧暦の八月十五日の月の事を言い、今月は27日が満月であるから、フルムーンの2日前の月になる。

 天気予報では、昨日の時点で関東地方は曇りで、厚い雲におおわれて名月は臨めそうもないという予報だった。ところが、午前中から暑いくらいの陽気になり、空も若干の雲はあるにせよ、これで名月が見えないの?と疑問にかられるほどだった。先日の月食の日とは明らかに違う。案の定、夕刻になって雲はほとんど無くなり、気付いた時(午後5時50分頃)には、まだほの明るい空に名月が浮かんでいた。

 大急ぎで帰宅すると、さっそく「観月の宴」の準備だ。お団子と季節の野菜をザルに盛り、純米酒をそなえ、用意したススキを花瓶に活ける。灯りを消して、月明かりだけで鑑賞する。月の光に照らされて、畳にススキの影が映ったが、弱い光でカメラまして携帯のカメラでは全く露光不足であった。

 煌々と夜の闇を照らす、美しい名月だった。やや左弦の下がまだ丸くなりきれていない。それなのに、その微妙なアンバランスがいいのか、美しいと思う。そこで思わず一句口から漏れい出た。

 名月を 愛(め)でる宴(うたげ)の 枯れ薄(すすき)

 この句をこの記事のタイトルにすることにした。