風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

エキサイティングだったSTEP51レポート(全)

2005-10-29 00:27:23 | トリビアな日々
karami_step51素晴らしい夜となりました。Step51というひとつの折り返し点で、観客も増え、なんだか騒然とした雰囲気もあり、そして水をうったように静かな場面もありとバラエティに富んだ素敵な夜でした。
マイクをオンにしてなかったりと、MCとPA(とはいえ素人です)をかけもちするボクは疲れ果てた夜でしたが??(笑。マジにPAスタッフを募集します。あ、DJもね。)。

今回エントリーは、PARAさん、オカニワフミヒロさん、ヤマさん、おもとなほさん、恋川春町さん、マツイサトコさんでした。
ほとんどが、事前エントリーのかたで、当日エントリーが少なかった。勇気を出して、もっと当日でも名乗りをあげてほしいな。

しかし、今回のエントリー者も濃かったです。まるで、ライブイベントの出演者のように一定のレベルを超えたひとばかり。ボクとしては、はじめて舞台に立つんですとか、はじめて人前で読みますというひとがもっと増えて欲しいです。いや、その充実ぶりに水をさす訳ではありませんが……。

さて、個性あふれユニークなエントリー者のなかでも今回の出色は、というかE.G.P.P.が見い出した歌姫のひとりとして売り出し中(?)のマツイサトコの歌声が、ひさしぶりに聞けたのが個人的には(主催者としてではなく)うれしかった。ボク自身がサトコのファンでもあります。
もっともっと歌ってほしいこの歌姫は、いたって奥ゆかしく自分でもブッキングをバリバリとっていくタイプではないようです。サトコは滞米中(留学していた)、音楽と出会うのですがメインの勉強はアートであったそうです。現在も英語教師をしながらアートイベントのプランナーを軌道に乗せたいようです。
しかし、ボクは個人的にはE.G.P.P.の中では、一番プロに近い実力の持ち主と見ています。E.G.P.P.100というイベント主催者としても、彼女を全面的に応援してゆく所存です。

ついで、その息もつかせぬ全力疾走のリィディング・スタイルでパティ・スミスの詩を読んだ恋川春町さんのまっすぐな声がグサリグサリと心に突き刺さってきました。恋川さんは名前は以前から知っていても、実際に聞いたのはUPJ3で、なんというかそのストレートで勝負するスタイルが懐かしかったのです。
かってボクの周辺にいた60年代の少女詩人が、そのような直球スタイルだった。その娘は油絵も描く多才な少女だったのだが、十代で結婚してさっさと子どもを産んでしまった。なんだか、ボクなど置き去りにされたような思いを味わったものです。今は、思い出を書く場合ではありませんでした(笑)。

ヤマさんは、演劇スタイルを取り入れてから歌が劇的な展開をするようで、ヤマさんというひとの生き方をかいま見せるようで、それが面白い。オープンチューニングの呪術的なうたはますます冴え渡ってきています。

おもとなほさんのパフォーマンスは今回ポエトリー・リィディング・スタイルでもありました。このところ別の場所でもパフォーマンスをする機会の増えているらしく、そのことがこのような試み(携帯電話を効果的にBGMに使うなど)を後押ししているのかもしれません。

トップバッターのPARAさんは、今回あがっているように感じました。ポエトリーというより散文を読み上げると言う形ですが、いつも自分の周辺の事を描きながら今回はボクがかかげたテーマの「猫街」にもクロスしてました。

オカニワさんのドラムソロはミュージシャンの方たちに受けてました。やっぱり、音楽家というのは当たり前ですが共感能力が音のようです。

さて、お客さんで「花&フェノミナン」のアクさん(B)と薫さん(G、コーラス)が遊びに来ており、ボクは指名して「KARAMI」のメンバーにフュチャーということで1曲やってもらいました。「花フェノ」ボーカルのハナちゃんのオリジナル曲で「光りのなかへ」。なかなかレアな取り合わせです。薫さんのボーカル・ギターに、アクさんのベース。「KARAMI」のゆきちゃんのリードギター。かしのドラム。純ちゃんのオーボエ。薫さんは歌にややテレ気味でしたが、楽しかったです(「花フェノ」は来春出演します)。

そして、いよいよ今夜のメインゲスト「KARAMI」。かっちゃんのギター・ボーカル、ベースが加わって(アクさん、薫さんと交代して)たっぷり歌ってくれました。もちろん、ボクが大好きな「セイ」も歌ってくれました。この曲はまつりなどで歌い継がれて来た名曲です(ミルキーウェイのトモも持ち歌にしてました)。『KARAMI』の出演は、はやばやと6月の京都西部講堂前でのまつり(「太陽と月のまつり」)で申し込んでおりました。やっと実現です。かっちゃんは声もよく通るようになり、歌もうまくなっています。リードのゆきちゃんは上手すぎます(「国分寺エクスペリエンス」のギターリストでもあります。12月出演!)。純ちゃんのとっかえひっかえの管楽器、ジャンベもユニークです(純ちゃんは「色町劇場」のメンバーでもあります)。
こうして、なごやかに今宵も新大久保の夜は更けていくのでした。

※Step51のレポートは書きかけのまま放置してしまいました。上書きだとずっと前の日付けでアップされてしまうので、本日付けの日記でアップさせてもらいます。以前のものは、未完成のままおかれてあります。あしからず。

(写真はStep51でのゲストバンド「KARAMI」。手前はオーボエ、トランペット、ジャンベの純ちゃん! 歌・ギター:かっちゃん、奥・リードギター:ゆきちゃん、そして写真には写ってないけどドラムのかし)


E.G.P.P.100/11月のテーマはビート!

2005-10-28 00:54:42 | イベント告知/予告/INFO
satoko_egpp51_111月4日(金)※毎月第1金曜日に定例開催
E.G.P.P.100(One Hundred)
STEP52「チキン・スープ・ブルース」(T.T.へ捧げる)
●オープンマイク・イベント/TOKYO POETRY RENAISSANCE
(ゲスト)「ナラカズヲ」(ひとりラナテカ)
(出演)フーゲツのJUN……エントリーしてくれたあなた!

※ポエトリー、うた、バンド問わずフリー・エントリーが可能です!
事前エントリー専用BBS(TOKYO POETRY RENAISSANCE/EGPP 100 BBS)→http://8512.teacup.com/5lines/bbs

●オルガナイズ/MC:フーゲツのJUN
●開場18:30/開始19:30
●参加費:1500円(1Drinkつき)
●会場:ライブ・バー水族館(新宿区百人町1-10-7 11番街ビルB1)
●問:03-3362-3777(水族館)地図はここ→http://bsn.bbzone.net/suizokukan/
●主催:電脳・風月堂http://www1.ocn.ne.jp/~ungura/
開催場所が、新宿区百人町です。江戸の昔に百人同心の鉄砲隊が住んだところ。現在はコリアン、チャイニーズ、マレーシア、タイなどの在住外国人がたくさん住むところです。みんな世界のともだち百人作ろうか! そして百人の詩人となろう!
あらたな東京ポエトリー・ルネッサンスはオルガナイザー・フーゲツのJUNの原点である新宿に戻り、新大久保のアジア的な場所の一画で行われています!
今回のテーマは「ビート」。さらに原点返りが達成できるのか?
この詩を捧げたT.T.とは故・高松貴久くんのことです。

(写真はStep51に久方ぶりに出演してくれた歌姫マツイサトコ)


私の尻の居心地の悪い寒気!

2005-10-27 00:11:17 | コラムなこむら返し
korea_dorama水曜日の午後2時代に世の有閑マダム(死語かしらん?)たちは、映画館に結集しているらしい。なるほど、その時間帯なら買い物をして家に帰り、何食わぬ(?)顔をして夕食の準備は悠々とできる。きっとお友達ともちょっと洒落たカフェでお茶してダベっていけるほどの余裕もある。
驚いたのは若い御婦人方にまじってお年を召した方も、その韓流メロドラマを楽しみ、泪を流し、胸ときめかしていらっしゃるらしいことだった。
いや、ボクはその中に中高年の紳士面(?)してまぎれこんでいたのだが、なんとも尻がこそばゆくて途中で中座しようかと思ったほどである(好きな映画でそのような気持ちになったのは、久しぶりである)。
それほどまでに今回見た作品は、ボクの選択の中では珍しい部類の映画だったと言うことなのかも知れない。
映画で使われている言葉が、ハングル語でそれゆえ字幕だったからむしろ耐えられたのかもしれない。これが、日本語で進行していたらきっと映画を見ることを放棄していただろう。

見た作品は韓国映画『私の頭の中の消しゴム』という作品で、かなりヒットしているらしかった。しかし、演技もわざとらしくてクサくて、もうどこまでも居心地の悪い映画だった。ましてや、映画館は女性で一杯で、両隣りが啜り泣く女性ときたものだから、なおさら居心地が悪い。鑑賞しているボクが啜り泣く訳にはいかないではないか(笑)!
幸せの絶頂でヒロインが若年性アルツハイマーで徐々に記憶を失い、はては愛するひとも我が家もわからなくなっていくという設定だが、なんと言うか午後のテレビ番組で昔よくやっていたメロドラマであり、作り慣れたそれなりに上手いメロドラマと言えばいいだろうか(実際、原作は日本のメロドラマというかトレンディドラマであったらしい。『Pure Soul~君が僕を忘れても~』。2001年日本TV系列。その番組プロデューサー木村元子がノベラゼーションしたものが、小学館文庫から出ている)。

しかし、ボクは思ったものだ。見に来ている老人に近い方たちは、これは我がこととして不快にならなかったのだろうかと。ヒロインは遺伝性の若年アルツハイマーだというのだが、加齢による痴呆症がひとごとではないだろう世代も観客の女性の中にはかなりいそうだったからである。
号泣させることを目的としたドラマつくりで、定番なのはヒロインや主人公に難病を科すことだが、若年性にせよアルツハイマーという設定は、ボクにとっても不快なことだった。

トレンディドラマの嫌いなボクが、この映画の成り立ちを知っていたら、絶対見に行かなかっただろうと言う作品であった(笑)。決しておすすめしない。評価(★)。

『私の頭の中の消しゴム』(韓国映画)
監督 ・ 脚本:イ・ジェハン 
主演:チョン・ウソン(チョルス)/ソン・イェジン(スジン)/ペク・チョンハク

※ただヒロインのスジン役のソン・イェジンは可愛くて好きです(笑)。建築士役のチョン・ウソンの笑い顔は時に友人のアリによく似てました。ということは、アリは二枚目ということになるのでしょうか?



黄昏コラム/阿羅漢さん

2005-10-26 00:18:23 | まぼろしの街/ゆめの街
freedom_life宮下公園での集会の後、ボクは会ったのだ。そう、昔ならボクらはこういうひとをビートと呼び、旅人と呼んだのではないかと言うひとに。
2005年の今日、かれは単なる家なき浮浪者ホームレスと呼ばれている。
でも、それでもいいではないか。こころも身体も自由なのだから……真の自由人なのだから。

トイレ近くのベンチにぽつんと座って、カップ麺をすすっていた彼はなんだか泰然として見えた。その伸ばしたヒゲも、ビートヒゲみたいでかっこいい。
ボクはその公園に住みついてるひとかと思って集会での騒音を詫びたのだ。
すると、むしろ彼の方が恐縮しているのだ。話してみると声も小さく、いたって気弱に話すのだ。
で、話を聞いてみると最近渋谷に、いや東京に流れてきたということがわかった。彼は、なんと鹿児島から歩いて来たというのだ。
ヒッチハイクでもない、交通手段は金がないために一切使わず、ひたすら徒歩で東京まで来たと言うのだ。

健脚、その自由人ぶり、鹿児島出身(らしい)。ボクがただちにナナオのことを連想したのは当然だろう。
まだまだ、いるのだ。このような自由人が。それに、彼はまだ身なりもさっぱりしてバックもふたつで、きっとそれが彼の全財産なのだろうが、この冬は東京で過ごしてみようと思ってると言った。
バビロンシティの中の野生人だ。バーバリアンはまだまだ棲息しているのだ。

ちなみに、東京の中にまるで仙人のように住みついている自由人がいる。風呂にはもう何年も入らず、髪は伸ばし放し、異臭をはなちながら超然と悠然と生きているひとたちだ。
彼らはこの国の中のサドゥだと思う。いわば、聖者だ。
彼らのことを「アラカンさん」(阿羅漢)と呼んで写真を撮り続けているカメラマンがいるらしい。ボクも何人かの阿羅漢さんを目撃している。
もしかしたら、彼らは精神的には病んでいるひとかと思う程、市民生活には無関心で「おもらい」でもなく、ゴミという都会の中の狩猟採集生活で生命をつなぎながら、超然とマイペースで生きている。まさしく孤高の超然とした姿だ。

宮下公園で遭遇したビートヒゲの彼も(見た目にはまだまだ若そうだった)またそのような阿羅漢さんの予備軍のようにボクには思えた。
これから寒くなります。青カンもきつく厳しくなります。どうか御自愛ください。


夕焼け評論/いまこそ自由をキョウボーしよう!

2005-10-23 17:59:33 | アングラな場所/アングラなひと
reina_pinkguerrila22日の共謀罪を廃案にすることを求める「共謀罪に反対する表現者たちの集い」に参加してきた。

まつり好きのボクが、同日開催されていた日比谷野音の「戦争よりも祭りを!」に行くことを断念して宮下公園で急遽開かれた「共謀罪に反対する表現者たちの集い」に行ったのは、このあらたな治安維持法の成立に、多大な不安と危機感をもったからである(委員会での審議は月曜とも、火曜とも聞いた)。
ボクはひとりの表現者としてポエトリー・リィディングとPAそしてにわかDJとして、こちらの集会を選んだのだ。
ボクのPAセットが、野外でも充分の音を鳴らすのを確認できた。そして、DJというのが結構面白いものであることも分かった。始まりと幕間と、ラストにボクがセレクトした音楽を流しただけだが、音が空間を変えるのが面白かった。それも、これまでわがPAセットでは鳴らしたことがないほどの音量で流すのだ。パーティをやりたくなってくるではないか!

さて、この日、宮下公園でパフォーマンスをおこなったのはストリートバンドのシャーマンズ、桃色ゲリラ(増山麗奈/白井愛子)、自給自足ミュージシャンのZAKI、生田卍(ソロ)そしてボク、フーゲツのJUNであった。合間に主催仕掛人のフリーランスのライターたちの対談、座談が入るのだがそのメンバーの濃いこと濃いこと。なにしろ集会は、デモに行くグループとの共同開催だったのだが、準備の段階から多数の公安警察の面々に取り囲まれていた。
カメラを構えて写真は撮られる、メモは取られるそれにきっと撮影や、録音等もされていたのではないかと思われる。当初100名にも満たない集会になんでこんなに20名近くも公安がはりつくのか疑問だったが、その謎はその座談で解けた。なんと登場したひとたちはもと公安警察にいた方や、警察に勤務されていた方で、なんらかの形で警察とのトラブルをかかえた人物たちで、著作や記事で警察批判の文章等をかかれていたり、裁判をかかえている方たちだった。その風采からして司会も言っていったが、マイフィアかヤクザのような方たちばかりだった。「明るい警察を実現する全国ネットワーク」というグループがあり、なんらかのかたちでそれに関わっているひとたちである。
で、でてくるその発言の過激なこと、過激なこと(笑)!

ボクらがそんなことをいっても少しも信ぴょう性も、説得力もないが元警察官の方たちから、警察はノルマ達成のために犯罪をデッチあげるとか裏金をもらってるとか、組織ぐるみで不等な手当てをもらってるとかいった発言がどんどんでてくるものだから、ピリピリしているのは当の公安や警察であることが飲み込めた。それで、集会を取り巻いた公安や私服警官の多さの訳がわかった訳で、こんなにピリピリしたはじまりの集会にはまったくひさかたぶりに出た(笑)。
しかし、それにしても今回は「表現者たちの集い」というコンセプトだったのだから、政治集会ではないのである。それでも、公安、警察の多さはかれらが相手にしているのが、ボクのような小兵ではないことがよく分かった。安心したというより、不満である(笑)!
ボクも結構過激なことを詩にしているのだから、相手にしてもらいたいものだ!
(この日、ボクがポエトリー・リィディングしたのは「阿呆船」で、過激に批判的なリリックに満ちたポリテックなポエトリーだった)

パフォーマーの中では、完全インプロのパンクロックバンド「シャーマンズ」が気に入ったし、自給自足シンガーのZAKIさんの力強い歌声も良かった(実際に力も強そうだった(笑))。
すぐ止められてしまったがZAKIさん、シャーマンズのドラマーのオーストラリア人の若者と一緒に即興のセッションをやった。あとで、「JUNさん、歌ってましたね」と誰かに言われた。

さて、ある意味、裏方でもあったこの日、共謀罪と言うあらたな治安維持法の成立した暁には、市民の雑談や井戸端会議までもが取締りの対象になりそうだということと、ちょっとした軽犯罪でもこの共謀罪で罪を相乗化する市民監視社会が到来するかも知れないという危機感がさらにたかまった。
国民安全法などという市民の、国民の権利や人権を制限する法律(しかし、国民は自民党小泉政権が名付けるそのネーミングに見事に騙され続けている!)や、果ては水面下で画策されている憲法改正など(自民党は選挙前に憲法試案を発表している)このままでは、この国はどこへ行こうとしているのか?

若者よ! 渋谷や原宿や新宿や繁華街で遊んでいるのもいいが(人生を青春を楽しむ意味では)このような目前に迫っているポリテックな動向にも覚醒せよ!
自分達の将来、未来がかかっているのだよ!

いまこそ自由を、共謀しよう! 自由な生き方をキョウボーし、考えつくせ!

(写真は一番目立っていた桃色ゲリラの増山麗奈さん。彼女は画家で、妊娠中の大きなお腹に「共謀罪反対!」と大書してました。お腹の赤ちゃんもきっと反対! お母さんとキョウボーしてます(笑)。しかし、麗奈さんっていつ見てもアイドルなみに可愛いひと!)


ビザールなりし見せ物小屋(3)

2005-10-22 00:45:54 | まぼろしの街/ゆめの街
misemono_3どうやら、新たな「ヘビ娘」である美少女はおミネ太夫に仕込まれたようである。そう、おミネ太夫の跡を継ぐ、二代目の「ヘビ娘」が誕生したのだ!
どうして確信をもってそういうことが言えるかと言えば、芸風が同じだったからである。ネタの展開も同じだからである。もっと言えば、同じネタが他にもあったからである(たとえば「河童のミイラ」)。
ただ、おミネさんは巨大な白ヘビとたわむれるのもウリだったが、さすがになつかなかったのか扱いが難しいのか登場しなかった。この白い大蛇は脱皮のたびに大きな抜け殻を残し、そのヘビの皮を財布に入れておくと金が無くなることがない!というので、以前ボクも一部をいただきいまだ財布の中に大事に入れているものなのだ(効果の程は全然なのですが、こころ安らぎます)。

という訳で、ボクはふたまわりほど同じ演目を楽しんでからやっと小屋を後にした。
ボクの確信は感慨もひとしおであった。大寅興業の見せ物は、「人間ポンプ」などの日本独自の見せ物芸が風前のともしびで、あまり体調も良くなかったらしいおミネ太夫の芸を継承する娘が現われたのだ。それも、若干19歳の美少女だ。これは、ますます通わなければならなくなった。

きっと、この二代目誕生のいきさつにはこれは勘だが、「月蝕歌劇団」がからんでいるに違いない。アングラ劇団が滅びかかった日本の見せ物芸を継承するに、ひと役かったに違いない。

今年の「酉の市」の花園神社の見せ物興業に、ボクはこれらの推測と確信をもって自分の直観を確認しに行くだろう。

もちろん、いまからこの日本の見せ物芸観劇ツアーにともに行くひとを募集する!
日本の見せ物芸観劇ツアーのコンダクターはボクで、ボクの解説付き(笑)のツアーになるだろう。

(行きたいひとは、メアドを明らかにしてコメント欄に書き込んでおいて下さい!
11月21日(月)の「二の酉」を考えています。)

(photo_1)少女はやおら片手にもったヘビの頭にガブリと噛み付くと、ヘビの頭を食いちぎった。そして、口中を開いて観客に見せたのだ。

「ビザールなりし見せ物小屋」(3)/「蔵の町を徘徊する」(4)
(おわり)



緊急行動!みんなで行こう!共謀罪を廃案に!10・22共同キョウボー行動!

2005-10-21 20:43:01 | イベント告知/予告/INFO
明日!! 10月22日(土)

共謀罪廃案をアピールするアクションにご参加を!

市民の活動を監視し、犯罪をでっちあげることも容易、実行してなくても話し合っただけで逮捕される、というとんでもない共謀罪がこの特別国会に提出されることが閣議決定され、与党大勝の勢いをかって、スピード可決される状況です。

私たち、「共謀罪に反対する表現者たちの集い」実行委員会(元「共謀罪の廃案を求める!表現者・言論人の緊急共同声明の会」(仮))はこの10月、次のようなアクションで廃案に向けてアピールします。
みなさんの積極的な参加と行動を呼びかけます。

■表現者による大パフォーマンス 《反共謀罪ストリートパフォーマンス》
10月22日(土)13時~16時 雨天結構(誤植にあらず、雨天でもやるぞという意味)
会場:宮下公園(渋谷駅下車) 駅より徒歩3分ほど
自由を共謀キョーボーしよう 平和を共謀キョーボーしよう
 民主主義を共謀キョーボーしよう

タイムテーブルの詳細はこちらに。
http://incidents.cocolog-nifty.com/the_incidents/2005/10/post_4fba.html#more
言葉、体、音楽、各ジャンルの表現者がそれぞれの立場からメッセージを発する
というものです。
参加予定者:増山麗奈(桃色ゲリラ)、シャーマンズ、生田卍、ZAKI、
フーゲツのJUN ほか

増山麗奈さん http://www.renaart.com/
シャーマンズ http://www015.upp.so-net.ne.jp/shamans/
生田卍さん http://members3.jcom.home.ne.jp/sososha/
ZAKIさん http://www.zaki8.com/
フーゲツのJUNさん http://angura.blogzine.jp/fugue/
(参加歓迎、独自のパフォーマンスもビラも鳴り物もOK)

■お問い合わせは
「共謀罪に反対する表現者たち」の集い実行委員会
〒113-0033東京都文京区本郷2-10-9富士ビル3F出版労連・出版ネッツ気付
hyogensya@yahoogroups.jp まで
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(この記事に関しては転載、転送などを歓迎してます!)


ビザールなりし見せ物小屋(2)

2005-10-21 01:30:19 | まぼろしの街/ゆめの街
misemono_6さて小屋の中に勇気をふるって入って見れば、舞台ではなにやら面妖な扮装をした男が緋の襦袢を着た少女を紹介している。少女は舞台の裏側から上半身だけ出して、おもむろに蝋燭に火をつける。
少女は火のついたたばねた蝋燭から流れる蝋を口の中で受け止め、ついには50本ほどたばねた蝋燭を口中に差し入れて消してしまう。
そして、その美しい姿形を舞台の上にあらわにすると、そこで片手にもったヘビの頭にガブリと噛み付いた。そしてヘビの頭を食いちぎると、口をひらいて口中を観客に見せる。少女こそが「ヘビ娘」だったのだ。「ヘビ娘」は、たいそう美しい少女で、花も恥じらう19歳だという。見上げたものだ。

ボクのかって書いたものを読んでくれている人なら(ボクはつい2年前までは、BBSの中にブログのように日記や記事を書いていた )気付いたと思うが、花園神社に小屋掛けする見せ物小屋を数年に渡り見続けてきた。現在、小屋掛けをする見せ物興業師はふたつしかなく、そしてヘビ女もしくはヘビ娘のネタで興業を続けているのは、言わずと知れた大寅興業さんである。とするとおミネ太夫の跡継ぎだろうか?
3年前この花園神社の見せ物興業は、アングラ少女歌劇団のような芝居を見せる(そしてアイドルなみの女優さんがいることで知られる)「月蝕歌劇団」が、見せ物もどきの芝居として「見せ物」を敢行した。それはそれでアングラで面白かったが、見せ物興業としてはフィクションであってフリーク度で欠けていた。「金返せ!」のレベルだったと思う。
(つづく)
「蔵の町を徘徊する」(3)

(photo_2)少女はたばねた蝋燭に火をつけると、それを口中に差し入れ火を消した。



ビザールなりし見せ物小屋(1)

2005-10-20 00:36:39 | まぼろしの街/ゆめの街
何の情報も持たぬまま彷徨いながら、親切な伯母さんや、祭りの粋な着流しの伯父さんたちに聞いて、ボクはその寺に辿り着いた。水子地蔵の碑もあるその寺の境内は、通りの屋台にもましてひしめきあっていた。一杯飲み屋や射的場まで境内の中にはあって、静かな寺の境内がまるでひと夜の歓楽街のおももちである。
そんな境内の一画に、「お化け屋敷」と隣あって目当ての「見せ物小屋」は小屋掛けしておりました。
とみれば、その看板のペイントもどこやら稚拙なアングラ芝居の看板のようであります。というか、その荒々しいタッチはかっての懐かしい貸本マンガの「劇画」風に見えたりもします。その下に書かれた「TVでは放送できない過激ネタ。ヘビを生でたべるおんな」と書いてあります。たしかに看板絵もヘビ娘が描かれており、どうやらこの見せ物のメインイベントであるようです。その時、ボクにはひとつのことが閃いたのです。その瞬間のボクはまるで、瞳を星のように瞬かせた小林少年のようであったでしょうか?
客寄せの口上はこうです。

さぁさ、この篭の中に入ってるものを見せてあげるから、もっと近くにおいで! ホラ、この中には生きたヘビが入っているのさ。さぁ、触らせてあげよう! ホラ、そこのお嬢ちゃん! ここへおいで、ヘビなんか触ったことはないだろう? (「キャ~~!」) どうだい、むしろ気持ちいいだろう? さ、小屋の中には、綺麗な顔をしたお姉さんが、このヘビがめっぽう好きときた。悪食のお姉さんが、このヘビを食いちぎって食べちゃうのね。めったに見れるもんじゃ、ないよ!

そして口上のお姉さんは、片手にムンズとつかんだヘビを取り出すと、群集はつられるように前へワ~ッと集まった。口上のお姉さんの脇の幟(のぼり)には「見せ物地獄」と書いてある。もう、悪夢のような演出が小屋の入り口からプンプンと匂う。
(つづく)「蔵の町を徘徊する(2)」


蔵の町を徘徊する(1)

2005-10-17 01:02:39 | まぼろしの街/ゆめの街
051016kawagoe_3ほんの少し路地をまがれば闇がある??そんな街に数十万のひとびとがひしめいているかのようだった。地の日本酒のポケットサイズを片手に、地図ももたずに彷徨っていると、突然往来の向こうから大きな山車が着物姿の子どもたちや、揃いのハッピ姿の男たちに引かれて出現する。街並も蔵がたちならぶ江戸時代の風情なら、山車も祭りもまるでタイムスリップしたかのような古式あふれるものだったようだ。

酔った眼で山車を見上げ、山車の上で少年や少女たちは、狐やおかめなどの面をつけて神仏に変身して憑依の神楽舞いを舞っている。祭りの高揚感に巻き込まれ、さらに酒の酔いも手伝ってフラフラと、まるで迷路を彷徨うかのように歩き回って、人込みにまぎれる。それは、昼に観光に来た時とは、うって変わった不思議な雰囲気をたたえていた。

夕刻から突然、思い立って川越に行く。15~16日の両日に開催されている国指定無形文化財の「川越まつり」の真っ最中なのだ。なかでも、とりわけボクのお目当ては「見せ物小屋」である。その観劇報告がネットの中にアップされてあった。ならばとボクも重い腰をあげた訳である。しかし、どこで小屋掛けされているのかもわからぬまま川越に着いたボクは駅前からの異様な盛り上がりに圧倒されてしまった。
そうして、途中でもとめたワンカップを片手に蔵の街並が保存されているあたりを彷徨い歩き、酔いも手伝って夢の中のような奇妙な夜の彷徨をするはめになったのだった。
(つづく)