風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

ひかりは藤野町から

2007-09-04 00:09:29 | アングラな場所/アングラなひと
Hoito_1 きっと現代によみがえった門付芸としては、これまでのダンスや暗黒舞踏の歴史の中で、今回の藤野町門付公演は画期的な試みだったかも知れない。

 ボクも「Liberty-comm」の一員として加わった「ひかりまつり」への参加で、会場で31日1回、地元の山下さんのお宅で1回。9月1日は会場で2回(体育館、コンサート会場前)、「スーパーまつば」、「カフェレストランSHU」、甲州街道ぞい吉野宿の大房宅と2日間全部で7公演の強行軍、にもかかわらず投げ銭も、1万数千円になるという村びと、ひかりまつり参加者のあたたかい反応で、「ホイト芸」の一行は二日間にわたり、貧しい食事どころか、豪勢な食卓に囲まれることになりました。

 ボクは、ポエトリーしつつ、ホイト芸一座の口上役、インド魔術奇術団団長ガンジーにうまく乗せられておりました。なんの打ち合わせも皆無であるにも関わらず、7回も公演すると、なんだか展開が様式化され完成されてくるのです。インプロヴィゼーションで鍛えられたLiberty-commの面々は、やはりただものではない。

 「カフェSHU」もわざわざ駆けつけてくれた近隣の住民の方々で賑わい面白かったのですが、なんと言っても最期の公演となった吉野宿の大房宅での庭先公演は藤野町門付ホイト芸の今回の集大成となったようでした。庭先には手入れのゆきとどいた花々が咲き乱れ、小振りだが堅牢な蔵は格好の舞台上、ボクはそこに陣取って脇を見れば、昭和26年と墨書きのある脱殼機、焼けた蔵の扉などがたてかけてある。

 子どもも混じっているが、ほとんどはこの宿の古老、ご老人、中高年の方々、思わず「口上」にも力がこもる。ここでの「口上」(実はポエトリー・リィディング)は「骨はうたふ」(竹内浩三にインスパイアされたオリジナル)、即興で「異貌の神々」。そして3人のホイト、踊り手を紹介する「口上」。黒田オサム翁のナベにつぎつぎとおひねりが投入される。ここの方々ははじめからポチ袋や、チリ紙に包んでおひねりを用意してくれていたのだ!
 あとで見れば、お札や500円玉のたぐい、乞食(ホイト)と教師は3日やったらやめられなくなるという風聞の一端を垣間見た気がする(あ、フーテンも放浪乞食のたぐいですが……)。

 「Liberty-comm」なる異形のホイト(乞食)の一座。構成しますは、伝説のホイト芸・黒田オサム、オドラデク路上劇場・福士正一、そして舞踏歌・成瀬信彦。
 囃し手としてインド魔術奇術団団長およびクラリネット、チャルメラそして名シェフ・浅原ガンジー、芝田一の美女名ピアニスト繭やKYOU、ZAIM204の座敷童・池田ヒロそして口上時に詩人またある時はゾンビの死人はたまた都会のネズミ男(もん)フーゲツのJUNでありました。

 静かなる町藤野町のみなさまお騒がせいたしました。また、ひかりまつり会場の旧牧郷小学校で目撃し、さらに投げ銭まで恵んでくれた観衆のみなさまに感謝いたします。