風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

「風のまま」/渡った橋は還れない

2007-09-17 19:15:42 | アート・文化
Yuco_exb_2 田端優子と有田武生つまりYUCOとアリのカップルにからんで二日間を楽しく遊んで過ごした。

 第1日めは田端優子小品展「風のまま」(西国分寺「或る」ギャラリー)。優子のこころ優しい最新作??テラコッタ作品、彩色彫像、平面作品の展示なのだが、まるで住宅街の中のセンスのいいお宅の書斎が会場なのだ。「或る」ギャラリーというネーミングからしてその素っ気無い自負心を表わしているが、どうやらオーナーは詩作もし、写真も撮るひとであるらしい。
 そのギャラリーに至るための中央線を跨ぎ越す陸橋には名前がないのか「小さな橋」と呼ばれているらしい(そう「案内地図」に書いてあった)。

 「不思議な橋が/この街にある/渡ったひとは/還れない」

 オープニングに一番あとから行って、結局最後まで居座ってしまったボクは、なんだか、飲むほどにオーナーと気が合ってしまい、酒はどんどん出てきてもう少しで、本当に「小さな橋」を渡ったまま還れなくなるところだった。ちなみにこの日は一滴も酒を飲んでいないアリに途中まで車で送ってもらい、渡った橋からは戻ってこなかった。

 優子の作品は、彫刻作品が具象で、今回見た彩色作品は漆に彩色したものなのだろうか、フォルムは違うのだが、ギリシャ的なものを感じた。そう、アルカイックという意味での……。テラコッタのあどけない少女の表情など愛おしくなってしまう(写真)。

 むしろ、平面作品の方が抽象的だ。だが、その作品からは童画のようなポエジーがただよってくる。色彩とフォルムから音楽が聞こえてくると言ってもいいかもしれない。でも、その音楽(ムジーカ)はアリが奏でるようなブルースやロックではないような気がするが……(笑)。