風雅遁走!(ふうがとんそう)

引っ越し版!フーガは遁走曲と訳される。いったい何処へ逃げると言うのか? また、風雅は詩歌の道のことであるという。

新宿でフリー・ジャズ?!

2009-09-30 23:59:57 | アングラな場所/アングラなひと
Earh_dom_fullmoonclub 新宿「らんぶる」で、今週開催のE.G.P.P.100/Step99の打ち合わせを新MCの梓さんと行う。岩波文庫版の「与謝野晶子歌集」と論文集をお貸しする。その際、お土産としてパンをいただく。
 梓さんは、はじめて入る名曲喫茶が気に入ったようだった。

 その足で、大久保通りまで歩き本日(29日)破格の千円である満月倶楽部主催のアースダムのライブに行く。KORA KORA、ローライフサーファーなどが出演。だが、ボクは個人的には少なめの客がさらに少なくなった(笑)満月倶楽部のフリージャズのようなスタイルのセッションが気に入った。PUNKバンドや、ロックなバンドばかりだと思っていたライブハウスで、こうもフリージャズをリスペクトするミュージシャンもいるんだということを発見しただけでも収穫だった。それも、案外身近にいたということが、驚きだったのです。
 先の「ヤポネシア秋分祭」の言い出しっぺ木霊クンがカレー屋さんのケータリングとともに、ベース・プレイヤーで出演した。もちろん、その彼のカレーがこの日の夕食です。

 帰宅は、思いがけぬも最終電車になってしまったのでした。

(写真)「満月倶楽部」のフリー・セッションの模様。聞いていた客はおそらく4名ほど。


10/2 E.G.P.P.100/step99「君 死にたまふことなかれ/絶唱!与謝野晶子」

2009-09-28 02:55:51 | イベント告知/予告/INFO
Akiko_modern●オープンマイク・イベント/TOKYO POETRY RENAISSANCE
E.G.P.P.100/Step99
テーマ:「君 死にたまふことなかれ/絶唱!与謝野晶子」
2009年10月2日(金)開場18:30/開始19:30
参加費:1,000円(1Drinkつき)
MC:梓ゆい(新MC)
(出演予定者)梓ゆい(ポエッツ)、ココナツ(うた)、bambi(スピリチャル・トーク)、よねやまたかこ(うた)、蔵重のんべ(インプロひとり芝居)ほか……エントリーしてくれたあなた!
会場:ライブ・バー水族館(新宿区百人町1-10-7 11番街ビルB1)
問:03-3362-3777(水族館)→http://naks.biz/suizokukan/
主催:電脳・風月堂→http://www1.ocn.ne.jp/~ungura/

 数年前、鎌倉のある静かな山荘風のギャラリーで見たものがある。その場所は海からの風が吹き抜ける高台にあり、庭には水琴窟が埋め込まれた心安らぐ場所だった。そこのギャラリーにたおやかな女性文字で全面に短歌の描かれた屏風がおかれてあった。その「書」を書いたのは与謝野晶子で、屏風にはたくさんの晶子自身の自選秀歌が、流麗な書体で書かれてある。
 このような自作の短歌を自ら書いた屏風は、夫与謝野鉄幹(のち寛)の洋行費用をひねりだすために晶子が考えだしたアイディアだったらしい。
 与謝野晶子という歌人は、「新しきおんな」の青鞜社に近い近代性と、古風な明治おんなの二面性をもった不思議な人物だ。三十一文字に凝縮した短歌に、官能性とおおらかな解放を持ち込んだ。

 やは肌の あつき血潮に 触れも見で さびしからずや 道を説く君(「乱れ髪」)

 しかし、その秘めたような戦闘性は晶子の詩「君 死にたまふことなかれ」へ大町桂月が向けた批判に反論するために晶子が書いた書簡形式の「ひらきぶみ」に、見ることができるかもしれない。その話法は「おんなふみ」のようにみせかけながら、たくみに自分の主張へ誘導するといった戦略的な反論だ。
 「歌は歌に候。歌よみならひ候からには、私どうぞ後のひとに笑はれぬ、まことの心を歌ひおきたく候。」

 その論争のもととなった晶子の詩はこのようなものだった。まさしくまことのこころから発せられた絶唱とも言うべき作品だった。

 ああをとうとよ、君を泣く、
 君死にたまふことなかれ、
 末に生れし君なれば
 親のなさけはまさりしも、
 親は刃をにぎらせて
 人を殺せとをしへしや、
 人を殺して死ねよとて
 二十四までそだてしや。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 今回、初めて梓ゆいが最初から仕切りをします。
 ぼくが梓ゆいさんとともに選んだテーマは、歌人与謝野晶子です。
ウィクペディア→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8E%E8%AC%9D%E9%87%8E%E6%99%B6%E5%AD%90

 一般オープン・マイクにエントリーなさる方には、このテーマ設定にしたがう必要はありません、御自分の表現.テーマで挑戦してください。
 ?ポエトリー、うた、バンド問わずフリーエントリーが可能です!
 事前エントリー専用BBS(TOKYO POETRY RENAISSANCE/EGPP100 BBS)にエントリー表明を書き込んでください!→http://8512.teacup.com/5lines/bbs

EGPP100 MIXI内コミュ→http://mixi.jp/view_community.pl?id=230706


ヤポネシア秋分祭のこと

2009-09-25 00:02:28 | アングラな場所/アングラなひと
 和太鼓の腹にひびくような音と、ボクの「ヤポネシア部族宣言2009」で始まった「ヤポネシア秋分祭」??結果としてみれば、いいまつりになったし参加人数も適正規模だった。オルガナイズをした木霊クンのネットワークの広さと、まつり本部になった高円寺「がんばらねBAR」のつながりによるものだろう。
 まつりのピークは22日のキャンドルナイトにあっただろうか? 丹波川のせせらぎに沿って置かれたキャンドルは、完成してみれば地上に置かれた銀河のように思えた。参加者はおのおのバンガローを割り振られていたが、まともに寝たのは子供連れの参加者くらいだったのではないか?
 ある意味、高円寺周辺のライブハウスで活躍するインディーズバンドが中心になったまつりで、オールドヒッピー系とは切れたつながりだったが、それをつなぐ役割がボクのポエトリーであり、「ヤポネシア部族宣言」だったのかもしれない。言うまでもなく、これは昨年夏のねたのよいが提唱した「ねた祭」と、毎月のようにミッションズで開催していた「月裏」というライブイベントが起爆剤になったもので、ボクはそこで毎月のように叫んでいた。そう、ボクの年齢を忘れたかのような(笑)シャウトは、そのために書かれたものだ。若者へ向かって「自らのトライブ(部族)を自覚せよ!」と叫び、挑発するものだったのだ。

 サリーがBarを開いた。そこはオープンマイクのサブステージ前で、気のいいうどん、総菜屋さんと隣あっていていい感じだった。まつりの間の食事はそことガンジーのつくる麺類でまかなった。どちらもおいしかった。
 ちょっと素敵で面白いお姉さんと知り合った。彼女は墨絵を描くひとで、そのA5サイズくらいのハガキか、それよりひと回りくらい大きい墨絵はひと目見て金子光晴が旅の過中で旅費をかせぐために描いた色紙絵を思い起こさせた。彼女、キタハラゆかりさんはその光晴の絵を知らなかったが、あなどる事なかれ、彼女は各種のメディアで取り上げられているプロのイラストレーターだった。
 キタハラさんの隣では倍音ケイイチが店開きをしていた。久しぶりに顔を合わせました。E.G.P.P.にまた誘いましたが、もしかしたら100回記念に出演してくれるかもです。乞う、ご期待!

 2日め23日秋分の日の午前11時からのボクのステージはガンジー(Sax)、木霊(ジャンベ&ベース)、サリー(ダンス&パーカス)それに急遽加わってくれたアダッチ(ディジュ)のサポートで3編のポエトリーをやりました。「アース・ウィンド」「ある愛のうた」「精霊のイカロ」でした。ボクのステージが終わってまもなく、空から秋分の光が射してきました。空が晴れてきたのでした……。

 ボクも楽しめました。まつりスタッフのみなさんありがとう!


9/22~23“ヤポネシア秋分祭”開催!

2009-09-20 13:48:41 | イベント告知/予告/INFO
?シルバーウィークのこの連休に、どこにも行くあてのないひとにおすすめの「もうひとつのまつり」があります。東京近郊でオープンエア、キャンプの楽しさも味あえるという一石二鳥のまつりです。ボクも出演します。
ただし、完全予約制なので連絡をしてからお出かけください。詳細は下記。

 “ヤポネシア秋分祭”? マツロワヌタミの祭り
 まだ日本という国家が無かった頃、この島には自然と共に生き太陽や月の動きと共に祭りを行った人々が長く暮らしていました。 ?そこに移住してきた人々は森を切り開き国家を形成し先住の民をマツロワヌタミと呼び迫いやってきました。そして現代においては完全にその暮らしは途絶え、その誇り高き文化や魂は失われたかに見えます。しかし我々にはそのネイティブの血が今も脈々と流れています。そこに確かなルーツを感じ再びその魂を呼び戻すことは決して不可能なことではありません。そしてそのルーツの繋がりをヤポネシアと呼び、唱えてきた精神を受け継ぎ秋分の日にヤポネシア祭りを開催します。秋分前夜に祈りの火を焚き、秋分の朝を待ちます。
??○日時 ?9月22日 13:00~ 23日16:00 雨天決行
??○会場 ?奥多摩川井中茶屋キャンプ場 ?東京都西多摩郡奥多摩町大丹波561 ?0428(85)1597 ?http://www7a.biglobe.ne.jp/~nakachaya/access/map/map.html
??○参加費 ?¥2500(宿泊代込み、日帰りも同一料金) ?小学生以下無料 ?
  ?○アクセス ?JR 青梅線川井駅からバスで10分です。バスの時刻は9:27 13:02 16:16の一日3本です。 ?車でお越しの方は駐車場の予約が必要です(¥1000)。なるべく乗り合わせてお越し下さい。
??○宿泊 ?バンガローでの宿泊になります。寝袋だけご用意下さい。布団の貸し出し有り(一組¥800)。基本は雑魚寝になっています。前もってまとまった人数での申し込みを頂くと一棟貸切りでご利用いただけます。若干テントサイトもあります。(要予約、同一料金)
??○予約 ?宿泊を希望される方は予約が必要です。車で来られる方は駐車場の予約も必要になります。日帰りの方もご連絡の上お越し下さい
?○お願い ?マイ食器、マイ箸等お持ち下さい。使い捨ての容器は使用しないようお願いします。 ?出たゴミは全てお持ち帰り下さい。食料品などを持ち込む際はゴミの事も考慮した上で持ち込んでください。キャンプ場のゴミ箱には絶対に捨てて帰らないようお願いします。 ?今回の場所は多摩川支流の大丹波川の一番上流にある施設です。生活廃水など全く混ざってない水が流れていますので川に洗剤、食べ残し、飲み残し等を流さないように心掛けています。食器の洗浄には重曹、灰などを使ってください。 ?夜間は音を止めます。夜間は大きな音の鳴る楽器はお控え下さい。 ?車を停めるスペースが限られています。なるべく電車をご利用ください。お祭り終了後はみんなで協力して片付け清掃をお願いします。
??○出店者募集 ?物販等、出店を募集します。参加費のみで出店料はありません。売り上げがあった場合カンパをお願いします。フードは締め切らせて頂きました。
??○お問い合わせ ?E-mail japonesia8@yahoo.co.jp
??〇祭り本部   ?ガンバラネBAR 東京都杉並区梅里2-16-9 03-6304-9699
???〇LIVE
 SOUL REBEL SESSION
 WAVE DRUM
 ?HOL-ON
 ?ねたのよい
 ?TAMバンド
 浮遊
 フーゲツのJUN
 あだっち
 そうや
 GUN JAZZ
 ピアノ 
 アストロブルースター
 アンチェインクリボー
 モンゴロイドスポッティング&アペプチカムイ
 ?KORA KORA
 ?石井明夫
 SEEDSTONE
 ?アンギャー
 鵺院
 波動
 ミッキーズマウス
 ローリングヒル
 TERU POO
 リワード
 ローライフサーファー
??○フリーステージ
 ジャムセッション、オープンマイクを行うフリーステージを設けます。どなたでも自由に遊んで頂けます。 ?機材は小さいドラムセット、アンプ2~3台、マイク2~3本です。当日エントリー大歓迎です。
○キャンドルナイト
 22日夜に河原とライブスペースをろうそくで照らすキャンドルナイトを行います。主催者で用意しますがより多くのキャンドルを灯したいと考えています。可能な限りキャンドルとガラスの器の持ち寄りをお願いします。 ?キャンドルナイト中は電気の照明を切ります。会場内に川や段差があり危険ですのでヘッドライト、懐中電灯など各自でご用意下さい。



所沢ビエンナーレ『引込線』で会場に萌える

2009-09-16 12:56:02 | アート・文化
Art_tokorozawa_3 この二日あまり、記事に挿入した写真は内容とは直接関連しなかった。Macのトラブルと車両検査を引っ掛けてシャレで写真を使ったのである。
 さて、その写真がなんなのかを解き明かすのが今日のテーマです。

 Macのクラッシュに振り回されていた1週間のうち、開催中の古書展と掛け持ちで行ったのが、「第1回所沢ビエンナーレ美術展」だった。
 所沢駅には西武鉄道の本社ビルが東口にあるのをご存知の方は多いだろうが、西口にはその立派な本社ビルとは対照的な西武鉄道の車両工場があるのである。駅から向かうと西口には西武デパート系列の「WALTZ」があるから、まったく気づかないのだが、そのすぐ先に西武鉄道の長い歴史を担うかのような古びた旧所沢車両工場がある。現在は、工場としては機能していないらしいこの場所を会場としたのが、今回が第1回目の所沢ビエンナーレ『引込線』である(昨年プレ美術展が同会場で開催されていたらしい)。

 がらんとした工場内の空間がなんともいい。ただよう空気が昭和を感じさせるのだ。こういう機会でもなければ中に入れない場所である。「工場萌え」という言葉があるが、無機的なコンビナートに「萌え」ることはないが、古めかしい廃墟然とした工場や、打ち捨てられたような番小屋には俄然「萌え」てしまうボクである。
 その点、この「引込線」そのものである西武鉄道旧車両工場は佇まいといい、礎石といいなかなかいい。ボクは違うが、いわゆる鉄チャン(鉄道ファン)にもおすすめしたい。

 さて、美術家や現役の武蔵野美術大学の学生が中心になって運営しているらしいビエンナーレの肝心の作品である。これは求められたアンケートに書いたのだが、会場である車両工場の迫力にまったく負けてしまっている。数点、会場に溶け込んでいる作品もあったが、それは大きさでかろうじて拮抗できたものでむしろ作家たちにはもっと「工場萌え」して欲しかった。ま、2年後にはもっと学生の発表会の域を出て国際的なビエンナーレに発展することを祈ってやまない。
(会期9月23日まで。西武鉄道旧所沢車両工場。埼玉県所沢市東住吉10-1。主催:所沢ビエンナーレ実行委員会→http://www.tokorozawa-biennial.com

(写真)第1会場。遠藤利克作品。


とんでもハップンな一週間(3)

2009-09-15 00:51:25 | コラムなこむら返し
Art_tokorozawa_2 Macストアはボクの知る限りの近所の店はことごとく統廃合されていた。量販店でもノートタイプ(MacBook)かディスクトップはiMacしかない。駆動部分がタワー型になっているものはMacProという名で27万強と35万強の2タイプでずばぬけて高価である。もうMacで仕事をすることはないだろうボクには手が出ない。それにしても、現在のMacのラインアップはせいぜいメモリー交換ができるくらいで、マシン本体はもうブラックボックスの世界だ。これはPCに関しては、ユーザーが手が出せないようにして3年間の修理込みのサポートパックを各機器ごとに2~4万で売るという戦略に特定してしまったためらしい。
 長い間、Macコーナーに行っていなかったボクにはなんだか、新鮮というよりカスタマイズの不可能な世界は閉鎖的に思えたのだ(以前はよくストアを覗きに行っていた)。

 そろそろ結論を書こう。結局デスクトップ型のiMacを買い、G4のHDを読み込むためのコネクターも求めた。G4の半分以下の値段であった。コストパフォーマンスはよくなっているようだ。
 そしてデータの救出に成功したかと言うと、実は見事に失敗した。HDは壊れていたらしい。いや、取り出す過程で自分で壊してしまったようだ。テキストデータも永遠に失われてしまった。

 CDドライブも壊れていた。通電しないのだ。そのためディスクから起ち上げることができなかった。ボクはPowerMac時代のマシーンを捨てられないでいた。それのCDディスクを取り出し、G4につなげる。そして取り出したG4のHDを元に格納する。そして、ディスクを挿入するとCで起ち上げる。ユーティリティソフトで見ると、HDが見えている。しかし、やはり修復はできないらしい。もう意を決して初期化する。そしてOSをインストールし直すとG4はデータは失われたが、息を吹き返した。でも、もう後の祭りである。

 MacはiPodのヒットで減収がつづく他社を尻目に利益を出し続けているらしい。iMacを手に入れたおかげで、ボクもiTuneなどに手を染めるかもしれない。音楽をBGMに作業ができるのは確かに快適である。内蔵スピーカーも性能がいい。毒リンゴは若者の生活スタイルを刷新したという意味では、企業的ヴィジョンは確かに持っている。そのことは認めなければならないだろう。

 G4は娘のものになった。システムがサラになって愛称も変わった。娘はまだ1本指でローマ字入力の練習をしている。きっとボクなどすぐ追い越されてしまうだろう。毒リンゴはこうして二代目に増殖してゆく。これは合法的な世界征服計画ではないのか?
 ボクはというとビデオも撮れるというiPod nanoを羨望の目で見ている。

 なんてとんでもない一週間を過ごしてしまったのか、ボクは!

(終わり)

(写真)車体も機体も修理が必要だ。後日報告のイベント会場。



とんでもハップンな一週間(2)

2009-09-14 00:01:22 | コラムなこむら返し
Art_tokorozawa_1 Appleは時に毒リンゴにもなるらしい。保証期間もサポートも切れているのは分かっている、しかしサポートセンターに電話して自社の正式ユーザーであることが確認されても、現在、部品も製品も製造しておりませんの一点張りじゃラチが明かない。「Appleは売りっぱなしなのか?」というひと言が効いたのか別の部署につないでくれた。それにしてもオタクな話し方をする窓口だった。ヤセてメガネをかけ、短髪で一見学生ぽいといったイメージがわいてくる話し方だった。
 しかし電話を代った旧バージョンのOS担当者は、G4はあきらめてもせめてデータを救い出したいというエンド・ユーザーであるボクにネットで復旧サービスを探してくれとなんともそっけない応答なのである。そのネットにつなげないで困っているのにである。しかし、そこでヒントになりそうなことを言った。適正なコネクターを用意すれば、外付けとしてHDをよみとれるかもと言ったのである。

 こうしてPC難民となったボクは安価、現物、性能を条件の目安にして量販店、Appleストアなどに走ったのである。もちろん毒を喰わらば皿までの気分である。Appleコンピュータ社のロゴマークのように毒リンゴをひと口でもかじってみたことのあるものは、その甘美な味にとりこになってしまうのであるらしい。習慣性のあるドラッグのような効用が、そのシステムの中には仕掛けられてあるらしい。これを「マッキントッシュ・ハイ」と呼んだ作家がいた。
 それでいてその商売の仕方は独善的なのが、Appleコンピュータ社である。いやいや、独善的なのはマイクロソフト社も変わらないだろう。気位が高いというのかどこか「売ってやる」というタカビーな態度が見え隠れする。これは日本にも日本的商いスタイルからすると異色だったライブドアという金満会社があったから(いまも人事刷新して続いている)、これはIT産業の特質だったのかもしれない。
(次回完結)

(写真)工場萌えなアート会場。このイベントについては後日報告。


とんでもハップンな一週間

2009-09-12 13:23:33 | コラムなこむら返し
Ran_tentokuji 6日、ボクの母が樹木となって眠る天徳寺からランが死んだという連絡をもらった。ランは天徳寺に拾われた猫で、ずっと腎臓を病んでいた。天徳寺の樹木葬地を訪れる関係者や遺族をいつも迎え、元気なときは樹木葬地までついてくるのだった。本堂で昼寝するボクの腹の上に這い上がってはそこで寝ているという天徳寺の関係者なら、なんらかの思い出を持っている猫だった。晩年はやせ衰え、毛も抜け落ちてすっかりやつれてしまったが、ボクら家族にも忘れがたい思い出を残した。6日の朝9時ころ天徳寺の和尚の膝の上で、静かに息を引き取ったという。

 ランが死んだという連絡をもらった日、ボクの愛機MacG4が臨終してしまった。こういうことは、シンクロするものらしく愛するものを一日にふたつも失ったのだ。Macの場合はボクはもう少しでパニックを起こしそうだった。なにしろこの10年あまりの詩作やデータやあらゆるものを持ち去って逝ってしまったからだ。だが、同時にどこかサバサバした気持ちもあった。「裸の人間」とか「原始人」とかいう言葉を使いながら、長い間ボク自身がパソコン依存症であったことに気づいたからだ。

 ひさしぶりにノートを開いた。アナログをゆめゆめあなどることなかれ! とはいえ、ボクの思考は上書きしながら考えるというスタイルが定着してしまっていた。その上、決してタイピングは上手くも早くもないくせにキーボードをペンとする方が、考えがまとまるようだ。G4をあの手この手でいじってみるが、テキストデータのみを閲覧することに成功した。しかしデータをすくいあげるにしてもどうしてももう1台のMacがいるのである。
(つづく)

(写真)本年7月21日撮影時のラン


あと2回? E.G.P.P.100/step98

2009-09-05 18:08:23 | コラムなこむら返し
Step98_1 ひと月ぶりの新宿??職安通りにはもう秋風が吹いているかのようだった。短い夏は終わったのか? 7年越しで成長させたイベントももうすぐ終りになるのか? それにしてもこんな小さなイベントだとしても最近やっと認知されてきたところではないのか? だれかがちゃんと引き継いでくれるのだろうか?
 この日も、直前まで詩を手直しし、かける音楽を選んでいた。本当にぎりぎりの時間まで。

 にもかかわらず始まってみるとあい変わらず面白かった。この日は、竹内浩三というほとんど世間では知られていない戦没詩人をテーマに取り上げ、戦争というテーマとしては暗くて重いが、重要なテーマを設定した。それでも、テーマを決めたボクの思いとは関わりなく表現者は自分の表現を披露しに来るもので、先ほどこのイベントも7年越しでやっと認知されて来たらしい、と書いたのもこの日東京ツアー中のシンガーも遊びに来て飛び入りでやってくれたこともある。その方、藤川真里さんはかなりの実力の持ち主と見たが、よねやまたかこさんのギターを借りて2曲歌ってくれた。宿が南千住らしく(山谷のドヤ街には最近安いゲストハウスがオープンしている)早々にお帰りになったが、西成に泊まったことのあるボクはツアーの緊張感と浮遊感がなんとなく分かる(ボクも関西ツアー中だった)。
 藤川さんは、関西出身でそのキャバレーのボーイのようなMCとキャラでボクによくからかわれている二代目助千与さんとも顔見知りらしい(彼は先月から来ている)。それにしても、関西勢はみな歌が上手いし、個性にあふれている。ツアー中のオフに遊びに来る、顔を売る、告知宣伝に来る、武者修行をする??そんな使い方は大歓迎だし、ぜひ全国のシンガーソングライターには東京ツアーの際には立ち寄ってもらいたい。

 玉石混交、表現形態はチャンプルー、スタイルはコミックから真面目まで??もうボク自身でさえ、なんと呼べば良いのかわからないオープンマイク・イベント??それがE.G.P.P.100だ。その98回目。エントリーは13組だった(先月は18組でてんやわんやだった)。

1.bambi 2.のんべ 3.ココナツ 4.新宿前田屋 5.よねやまたかこ 6.藤川真里 7.二代目助千与 8.安達がらん+ガンジー+サリー 9.丸本武 10.ユカイなダザイトリオ 11. 美季マドカ 12.梓ゆい  13.フーゲツのJUN

 今宵は、よねやまさんのライブを見に稲生座へ行く。