マジョルカピンク

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告白

2010-06-13 19:18:39 | 映画
本日も真夏並みの気温で雲ひとつない青空。
街ん中は薄着の人で溢れていましたが、私が行ったシネコンは日曜の割りに閑散としておりました。
しかーしその中でほぼ唯一といっていいでしょうね。満席の映画がありました。
先週ずっと首位をキープしていたアリスを引き摺り下ろしての1位を獲得した話題の映画「告白」見てまいりました。

今のところ、今年ナンバーワンの邦画ではないでしょうか。
とにかく感心したのがほぼ原作の小説に忠実だったことですね。
それでいて原作の世界観をより一歩推し進めたカタルシスを感じさせてくれ、中島監督の持ち味が生きていること。
このぐらいやってくれれば、原作者も本望でしょうね。ベストセラーの映画化っていつも賛否両論ありますが、原作ファンにとって常に不満の種なのが、「なんで大事な設定とか話を変えちゃうの??」っていうのがあるんです。結構あるんだよこのケースが。

ラブストーリー風にしたくて男性の役を無理やり女性にしたりとか、登場人物の年齢や職業を変えてみたりとか、あるいは独自性を出したいのか結末を変えてみたりとか。
そんなことするんなら、原作使わないでオリジナルで勝負したら?と言いたくなることが多々あるわけです。
名前あげて恐縮ですが森田芳光監督とか私にとってはもうもう…。「模倣犯」にしろ「サウスバウンド」にしろ本当に原作読んだの?と言いたくなりました。

この「告白」は衝撃的な内容ですし、人気作ですし、正直どうなるか不安もありましたが中島監督ということで成功はほぼ約束されたようなものでしたしね。大好きですこの監督の作風。この作品によって、いよいよその評価を不動のものにしたのではないでしょうか。
原作に忠実でありつつ、しかも原作を超えるカタルシス。
この小説世界に流れる不気味な恐怖感と妙な緊張感を保ちつつ、何故か不思議に天晴れ!と思わせる爽快感がありました。

映像は幻想的で詩情にあふれ美しいのに、描かれている話は過激で残虐。
そのあたりのバランスも見事だし、ミステリーとしては少々強引で荒唐無稽に思えなくもない物語が、リアルすぎる中学生たちの描写と松さん、木村さん、岡田さんの絶妙な演技で説得力があるんですねえ。
今年この作品が賞レースでどのように評価されるのか。
エンタメ作品としても一級品ながら超問題作の今作品。賞を総ナメにするのかあるいは無視されてしまうのか。今から楽しみであります。