関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ ザ・カセットテープ・ミュージック(後編)
■ ザ・カセットテープ・ミュージック(前編)から。
なぜかアクセスが増えているので、リンクつなぎなおしてリニューアルUPしました。
(字数制限にかかったので2つに分割しました。)
追記を繰り返して、とりとめのない記事になってるけど、筆者のいいたいことはかなり盛り込んでいると思う。
この番組、復活してますわね。↓
公式Web
NHKの「SONGS」、ほんとうにマキタスポーツ&スージー鈴木の司会でまわしてほしい。
■ Ride On Time - 山下 達郎
「いい音しか残れない」(日立マクセルUD)
↑ 至言だと思う。
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2021/09/20 UP
昨日、第1回目の再放送を流してました。
テーマは初期のサザン。
2人のやりとりがキレっキレで、めちゃくちゃ面白い。
第1回目から「はっぴいえんど中心史観」に異論を唱えてる(笑)
個人的には第1回目からすべて再放送してほしい。
記念すべき1曲目
■ C調言葉にご用心 - サザンオールスターズ
ラストにjfn 「memories&discoveries」で放送決定と出てましたが、どうなのかな?
--------------------------------
2021/09/12 UP
なんと、今回で最終回だそうです。
こんな面白い音楽番組、ほかになかったのに超残念。
■ Woman ~Wの悲劇より~ - 薬師丸ひろ子
↑ こういう曲のコード進行の凄さをきっちり解説してくれた。
他の音楽番組ではできない展開だった。
このところ再放送の回もけっこうあったし、やっぱりネタ切れか?
これだけ濃密なコンテンツ、ほんとに構成するのたいへんだったと思う。
→「ザ・カセットテープ・ミュージック」惜しまれる閉店
↑ 閉店を惜しむコメント多数。
じっくりネタを仕込んで、またリターンしてほしいです。
まずは特番でもいいから、たまに復活してほしい。
関係者のみなさま、ありがとうございました。
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2021/08/10 UP
Ride On Time カバー特集(ザ・カセットテープ・ミュージック)
個人的には「シティ・ポップ」の文脈で、五輪開会式でかけてほしかった曲のひとつ。
「ザ・カセットテープ・ミュージック」でカバーの特集してたので、ちょっと書いてみました。
〔 〕内はマキタスポーツ氏によるネーミングです。
■ 〔原曲〕山下 達郎Vers.
達郎の名曲は達郎のヴォーカルと完璧に一体化してるので、カバーはむずかしい、と思うでしょ。
でも、
〔無思想カバー〕May J. Vers.
■ May J. / RIDE ON TIME
May J. って声質いいし、テクもあるのになぜかなんとなく迫ってくるものがよわい気がする。
でも、よくこの難曲にトライしたと思う。
予想以上の仕上がりでびっくり。(May J.だと思わなかった。一瞬、杏里かと思った。)
達郎の濃密な作家性&思想性から、曲だけを切り離して届けてくれる存在と。
「Cover Eats」とは、マキタスポーツ氏、巧すぎる表現。
〔多様性カバー〕UNCHAIN Vers.
■ UNCHAIN - RIDE ON TIME
原曲の思想性をBAND SOUNDというかたちで再解釈、の意思が感じられるという。
大箱じゃなくて、LIVE HOUSE向けの仕様にしたもの、といっていたが、たしかにそんな感じがする。
メジャーじゃないけど、なかなかいいです。Charを思い起こした。
〔乗っ取り型カバー〕松崎しげる Vers.
■ RIDE ON TIME 松崎しげる
このテイクは凄い。
完全に松崎しげるのものにしている。
「達郎さんよりRide Onしてる」(マキタスポーツ氏)って、ほんとにそうかもしれぬ。
実力あるわ、この人。
それにしても、マキタスポーツ氏&スージー鈴木氏の感性&蘊蓄&音楽への愛情度おそるべし!
個人的には、五輪の音楽仕切ってほしかったわ。まじで。
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2021/07/31 UP
「ザ・カセットテープ・ミュージック」でひさびさに聴いた。
ちょーなつかし!
■ サディスティック・ミカ・バンド/タイムマシンにおねがい Time Machine Ni Onegai(1974年)
そういえば、この頃ってこういうのもあった。↓
■ フィンガー5/個人授業(1973年)
小学校の教室でみんなで踊ってたけど、いま聴いても曲のレベル異様に高いと思う。
ちょうど担任が、お美しいお姉たま先生だったですな・・・。リアルすぎた(笑)
↑ こういう突き抜けた曲がやたら聴きたくなる今日このごろ・・・。
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2021/07/19 UP
さきほどの「ザ・カセットテープ・ミュージック」。
■ 綺麗ア・ラ・モード - 中川翔子
これ名曲。松本隆&筒美京平ペアの最後の作品です。(2008年)
→コード
イントロのピアノのフレーズからしてただものじゃない。
つづいてヴォーカル・インをがっちり支える華麗なクリシェ。
そして、マキタスポーツ氏が指摘していた、
Bメロからのサビ 0:45~「優しく髪にふれる 綺麗のア・ラ・モードね Ah~」
Fm7 G#/A# Am7-5 G# A#/G# Gm7-5~
オンコードとハーフディミニッシュが効き過ぎで、異様な高揚感(笑)
↑ のパーツ以外はわりとシンプルなコード使っていて、ところどころで小ワザをかます職人ワザ。
↓ の複雑系コード駆使しながら聴きやすいメロを紡ぎ出すユーミンとは対照的なアプローチだと思うが、どちらもやっぱりグレートすぎる。
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2021/06/07 UP
さきほどの「ザ・カセットテープ・ミュージック」。
タイトルは「ずっと80年代でいいのに・・・」(笑)
これは抜群に面白かった。
次回はマキタスポーツ氏の曲編も視たい。
■ Woman ~Wの悲劇より~ - 薬師丸ひろ子
作曲:松任谷由実。
なに、このコード進行(→コード)
0:58 雪のような 星が降るわ
トライトーン(減五度)がらみのマイナー・セブンス・フラット・ファイブで、こんな華麗なメロディ引き出すとは・・・・。
やっぱりユーミン天才だわ・・・。
スージー鈴木氏の「知ったこっちゃねーよ」からのきれっきれのコメントがやたらによかった。
・平成以降は「やさしさ・ガンバロー インフレ」。
・口に出して「がんばれ」という言葉の無効性、限界(を80年代のアーティストは知っていた)
・”元気の提示”はやめてほしい。
御意! ほんとうにそう思う。
■ My Revolution - 渡辺美里 (作曲 : 小室哲哉、編曲:大村雅朗) /cover
↑ じっさい、メロやアレンジだけで高揚感をもたらしてくれる曲があった。
「きっと本当の悲しみなんて 自分ひとりで癒すものさ」 という歌詞が象徴的。
なんでこんなにメロがきらめいているかというと、
「後ろ髪コード進行 / F G7/F Em Am」をイントロからバリバリに使っているから、と・・・。
この曲では、 Fmaj7 G/F Em7 Am7 (→ コード)
これは、松任谷由実の「卒業写真」でも使っているけど、これは「人ごみに流されて」のサビで使ってる。 → (コード)
■ 卒業写真 - 荒井由実(松任谷由実)(カバー)
でも「My Revolution」はイントロから「後ろ髪コード進行」てんこ盛り状態。
それと、転調。
0:59~「きっと本当の悲しみなんて 自分ひとりで癒すものさ」 Fmaj7 Gsus4 G Esus4 E
から
1:09の A (「わかり始めた~」)への転調(前向きな転調感ばりばり)
この転調前のダブルサスフォーはアレンジャーの大村雅朗氏が意図的に仕込んだとのこと。 → wikipedia
そして返しのインスト転調(1:41)。
聴きどころありすぎ(笑)
でも ↓ の曲はさらにもの凄いけど・・・
■ Teenage Walk - 渡辺美里 (作曲 : 小室哲哉)
*****************
でも、いまはもう80年代当時のようないくらでも逃げ場のある(?)寛容な世界じゃない。
行き場のない閉塞感のなか、
「さぁ一直線に穿って 今日も不安定な将来へ」
「明日 明後日 僕ら どんな希望を 抱いていれば 生きていられるのか なんていわれるのか」
「わかってんだって、こんな夢の無いダイヤグラムで」
「世界はもう 決まりに切って 疲れるわ けど今は 明日を急かして向かうわ」
こんなことばを散りばめている曲も、けっこうあったりする。
■ 空奏列車 - めありー(歌ってみた)
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2021/04/19 UP
さっき放映してた「ザ・カセットテープ・ミュージック」。またしても個人的に思うところがあった(笑)
Led Zeppelin、そしてJimmy Pageのギター・リフとかJohn Bonhamのフィル・インとかにスポットをあてていた。
■ Achilles Last Stand - Led Zeppelin
・この曲、ほんとによく聴いてた。
マキタスポーツ氏が、Zeppelinとか一連のR&Rバンドが踊れる音楽(Roll)から離れていって、そこに隙間が生まれた。
で、こういった ↓ 楽曲のニーズが高まった的な発言あり。
■ Best Of My Love - The Emotions
たしかに、1970年代後半~1980年代前半にかけて、記憶に残るリズムがいくつも生まれている。
聴き返してみると、たいていリフが絡んでる。
この頃のグルーヴ感のなかで、リフがいかに重要な役割を果たしていたかがよくわかる。
■ Forget Me Nots - Patrice Rushen
■ Good Times - Chic
■ Never Too Much - Luther Vandross
■ Street Life - The Crusaders
■ No Reply At All - Genesis
■ True To Life - Roxy Music
■ What a Fool Believes - The Doobie Brothers
なぜか最近CMでよくかかってる。
Michael McDonaldの怒濤の鍵盤リフ。
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2021/04/12 UP
さっき放映してた「ザ・カセットテープ・ミュージック」。個人的に思うところがあった。
マキタスポーツ氏&スージー鈴木氏がいつになく感情的に語っていた「ビートパンク」。
そう、これです。日本の(メジャーな)POPミュージックの質を劇的に劣化させたのではないかと疑われているジャンル、というかムーブメント。
今回のテーマは「BAND」だったけど、インストの面々のテクやセンスにフォーカスした内容だった。すくなくとも前半は・・・。
このお二方が本当にいいたかったのは、日本のBANDを質的に崩壊させたのは、皮肉にも1980年代後半の空前のバンドブーム(第二次バンドブーム)だった、てことじゃないかと・・・。
これを境に日本のバンドは横ノリから縦ノリに、メジャーセブンスからペンタに完全に移行したと思う。
これによって失ったのは、たぶんアンサンブルなんだと思う。
パーマネントなバンドじゃないけど、アンサンブルが絶妙な例 ↓
■ Revo &梶浦由記 - 砂塵の彼方へ....
「歌は ”心” っていいますが、心を表現するには絶対的にスキルが必要ですから」「感情の大きさだけでは、いい歌は歌えない」(梶浦語録)
だぶん、それは歌だけでなく、楽器の演奏もそうなんだと思う。
■ 今井美樹 - Boogie-Woogie Lonesome High-Heel
■ 角松敏生 w / 杏里 - I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME
■ Yuna Ito - Endless Story
バンドを離れたときに、奇跡的に生みだされるアンサンブルもある。
ほんとに一期一会の世界。
2000年代に入ると、アンサンブルは日本だけでなく、世界中の(メジャーな)POPシーンからも次第に失われていった。
だから、いまの世界的なシティポップ人気は、メロディだけじゃなく、アンサンブルを聴きにきているのかも?
でも、アンサンブルをとりもどした「BAND」が、日本には少なくともふたつはあると思う。
■ ONE OK ROCK - Clock Strikes 35xxxv Japan Tour 2015
■ Official髭男dism - I LOVE...[Official Live Video]
でも、ワンオクは活動の場を海外にシフトし、ヒゲダンのこの動画でもわずか1,100万回再生か・・・。
やっぱりリスナーの感性、というか心地よく感じる音楽のパターンがもはや変わってしまったのかもしれぬ・・・。
いい悪いは別にして。
■ 神はサイコロを振らない - 「未来永劫」【Official Music Video】
神サイは、アンサンブルあると思う。
どこかのタイミングで大きくブレイクするかも・・・。
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2021/04/07 UP
なぜか地上派で「ザ・カセットテープ・ミュージック」やっていた。再放送だと思うけど。
今回のお題はThe Beatles & The Rolling Stones。
7歳年上の姉貴がブリティッシュ・ロックにのめりこんでいたので、 BeatlesやStonesは、なかば強制的に聴き込まされていた(笑)
(その状況は →こちらに書いています。)
なかでも記憶に残っているのは、この2曲。
■ Let It Be - The Beatles
■ Angie - OFFICIAL PROMO (Version 2) - The Rolling Stones
やっぱり小さいころからメロディアスな曲が好きだったのかも。
でも、一番記憶に残っている洋楽は5歳で聴いたであろう ↓ だと思う。
■ Bridge Over Troubled Water (邦題:明日に架ける橋) - Simon & Garfunkel
いま聴き返しても、圧倒的な名曲感しか感じない。
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2021/03/09 UP
さっきまで録画してた「ザ・カセットテープ・ミュージック#83『ルパン三世と大人のアニソン特集』」視てました。
笑えた。
メジャーとマイナーが入り交じり、メロディーが複雑でどこに行くかわからない曲って、例えば洋楽ではこんなの↓ あったけど通しで聴くと構成としてはしっかり完結してる。
■ It's Hard To Say It's Over - Sheena Easton
■ Purple Rain - Prince ← やっぱり天才
邦楽では、そんなタガが吹っ飛んだような曲がある。
例えば前にザ・カセットテープ・ミュージックで紹介していたこんな曲↓
〔 メロはペンタだけどあとは違う例 〕
■ YELLOW MAGIC CARNIVAL - MANNA(作・細野晴臣)
チャイナ風なペンタのメロだけど、リズムはアップビートだし、マイケル・マクドナルド風のキーボードリフも・・・。
う~ん、なにこれ(笑)
さすがに才人、細野晴臣。
YMOや矢野さん絡みの曲は、えげつないほどメロやコード進行、そして演奏がかっ飛んだテイクがある。
■ 矢野顕子 with YMO また会おね(1979)
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2021/02/01 UP
先週放送のザ・カセットテープ・ミュージックの「夏歌分析」?、録画したやつさきほど見てみました。
「車とポップスの関係」に注目するものが多かったけど、コード進行的に気になった内容があったので書いてみます。
1.ユーミンの「中央フリーウェイ」
■ 中央フリーウェイ - 荒井由美
いや~、やっぱりすごいわこの曲。
→ コード
maj7(メジャー・セブン)、sus4(サスフォー)、dim(ディミニッシュ)てんこ盛り状態。
邦楽のコード進行とはとても思えず・・・。
ご参考 → 荒井由実「中央フリーウェイ」のコード進行を科学する
「アヴァンギャルドなコード進行の上にきれいにメロディが載っている」って、ホントにそうだと思います。
■ 12月の雨 - 荒井由美(chay - 『12月の雨』Rec Ver.)
それと、たしかにこの曲のBメロの転調「通りを渡って~」(1:03~)、天才的なキレが感じられる。
→ コード
2.プリプリ「世界でいちばん熱い夏」の音の広がり感
■ プリンセス・プリンセス - 「世界でいちばん熱い夏」
→ コード
番組のなかでは、J-POP 進行(王道進行/未練進行)
F→G7→Em→Am
Fmaj7→G7→Em7→Am7(お洒落化した場合)
なので、すんなり入ってくるという見立てをしていた。
たしかに、カポ-9に移調するとF→G(7)→Em→Am(未練進行)乱れ打ち状態になっていて、これが聴きやすさにつながっているのは確かだと思うけど、この曲のはじける広がり感はAadd9(アドナインス)によるところが大きいと思う。
3.オーギュメント
クリシェなどで経過的に使われることが多いので、コードは省略されることがけっこうある。
■ SPARKLE - 山下達郎
0:57~ 「広がる~」のクリシェはオーギュメント絡みのクリシェだと思う。(少なくともカッティング・ギターは)
→ コード
コード上は出てきていない。(ディミニッシュ(Adim)にもってかれたのかもしれぬ。)
オーギュメントはメジャー・セブンス系の複雑なコード進行のなかで使われることが多いので、なかなかわかりにくいけど、
その独特な響きがよくわかる動画があります ↓
そうね、使い過ぎると「お腹いっぱい状態」になる(笑)
■ キセキ - GReeeeN
「明日、今日より」「今も こんなに」
→ コード
他は平易なコード進行なので、とてもわかりやすい例。
でも、1980年代のオーギュメントって、だいたいドミナント・モーション絡みで使われていると思う。↓
オーギュメントもディミニッシュもフラットファイブもたいてい(ドミナント・)セブンスの代理コード的に使われていて、どういう事件(ドミナント)を起こしてどういうふうに解決(トニック)するかのやり方だと思う。
この事件の「起こし方」や「解決のしかた」が、1980代の音楽はお洒落だったのだと思う。
それにしても、やっぱり面白い。
これだけ金かけないで(失礼)、これだけ面白い番組つくるとは・・・。
2人のパーソナリティならでは。
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2021/01/19 UP
日曜(1/17)放送の「ザ・カセットテープ・ミュージック」またしても面白かった。
今回のテーマは、やってほしいと思ってたドラム(リズム)。
最初にふれたのが「タンタンタトタト」のリズム。
たとえば ↓
■ Church Of The Poison Mind(ポイズン・マインド) - Culture Club(1983年)
これは60年代のローリング・ストーンズやシュープリームス(スプリームス)が使っていたリズムで、タテノリに近く日本人にも捉えやすいもの。でも”グルーヴ”は乗せにくい。
番組で「このリズムには(1970年代初盤以降)不遇な時代があった」というコメントがあったけど、おそらくそれが1970年代中盤~1980年代中盤の「グルーヴ系リズム全盛期」なんだろうと思う。
つぎにふれたのがフィル・イン。
例は山下達郎「SPARKLE」の青山純のドラムス。
■ SPARKLE - 山下達郎
イントロの十数秒のカッティング・ギターのあとの0:17~のフレーズと2:10~のサックス・ソロ前のフレーズ。
どちらもフィル・インがかってて、全開感炸裂。
こういうアンサンブルのなかで光るワザ繰り出せるって、ほんとにドラマーのセンスで、練習してどうこうなるものではないと思う。
イントロのフィル・イン的な入りって、↓も凄いと思う。
■ What Cha' Gonna Do For Me - Chaka Khan(1980)
↓ にも貼り付けたけど再掲です。ドラムスはJohn Robinsonだと思う。
そして、ハーフタイム・シャッフル。
これはTOTOの「Rosanna」が有名らしく、Webでもいくつかとり上げた記事がみつかる。
(たとえば → こちら)
■ Rosanna - TOTO(1982年/Jeffrey Porcaro(ds))
1.ハイハット
チッチ チッチ チッチ チッチという三連符の中を抜いたリズム。
シャッフル(バウンス)リズムの構成要素だと思う。
2.スネアA
ツ”タ”ツタツタ というリズムキープで、”タ”の部分が「ゴーストノート」といわれる、聴こえるか聴こえないかというくらいに弱く叩く技法。
3.スネアB
ツツツツ タツツツ ツツツツ タツツツ というリズムで「タ」の部分に拍(強く叩く)を置くもの。
16分で2拍、4拍の頭に拍がくる、いわゆるアップビート(裏拍)だと思う。
でもって、この「タ」の前後にも「ゴーストノート」が絡んで、バウンス的な響きになっていると思う。
4.バスドラ
タン タタンタン ンタタンタン という捌き。
番組では、ロックンロールの生みの親のひとりといわれるBo Diddleyの「ジャングル・ビート」を例にとっていた。
1~3は、Led ZeppelinのドラマーJohn BonhamとBernard Purdie(Steely Danが名盤『Aja』の「Home At Last」でフューチャーしたドラマー)をミックスしたもの。
■ Home At Last - Steely Dan (1977年/Bernard Purdie(ds))
つまり、John BonhamとBernard PurdieとBo Diddleyのリズム(シャッフル)のエッセンスをとり入れ、これをJeffrey Porcaroが自らのセンスを加えてつくり出したといわれるもの。
「ハーフタイム」とはテンポを半分に落とすというほどの意味で、通常のシャッフルからスネアの拍が後ろにズレることをいいますが、むしろ、このズレやゴーストノートがつくり出す「リズムの粘り」がキモだと思う。
あと、個人的にJeffrey Porcaroのシャッフルのこなしが凄いと思っているのがこの曲 ↓
■ The Goodbye Look - Donald Fagen from『The Nightfly』(1982年)
個人的には、1970年代中盤~1980年代中盤の「グルーヴ系リズム」は、8ビートと16ビートが絶妙に入り交じっていて、ハイハットとスネアの微妙な音のズレが「粘り」をつくりだしているのでは?
と考えているけど、やっぱりそんな感じでは?
それと、これに三連符が絡んでシャッフルやバウンスのニュアンスが入ってくるかと。
くわしくは → こちら(グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?))に書いています。
■ Lowdown - Boz Scaggs(1976年)
↑ ハイハットは16ビート、スネアは8ビート?
■ Untouchable And Free - Adrian Gurvitz(1979年)
AORの名盤として知られる『Sweet Vendetta』のA-1曲。
これも、ハイハットが16ビートをしっかりキープしているのがわかる。
Jeffrey Porcaro(ds)、David Hungate(b)、Steve Porcaro(key)、David Paich(Arranged)
↓のJeffrey PorcaroのInstructional Videoを視ても、スネアとハイハットの使い方がキモになっている感じがする。
■ Jeff Porcaro - Instructional Video
「粘り」がキモだから、リズム出しのためにピッチを上げる必要はなく、だからミディアム曲でもグルーヴ感のある曲が多かったのでは?
例 → ミディアムなAOR。
それにしても、こんなマニアックな内容の番組、地上波では放送できんわな・・・(笑)
これからも、この路線でお願いしたい。
なぜかアクセスが増えているので、リンクつなぎなおしてリニューアルUPしました。
(字数制限にかかったので2つに分割しました。)
追記を繰り返して、とりとめのない記事になってるけど、筆者のいいたいことはかなり盛り込んでいると思う。
この番組、復活してますわね。↓
公式Web
NHKの「SONGS」、ほんとうにマキタスポーツ&スージー鈴木の司会でまわしてほしい。
■ Ride On Time - 山下 達郎
「いい音しか残れない」(日立マクセルUD)
↑ 至言だと思う。
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2021/09/20 UP
昨日、第1回目の再放送を流してました。
テーマは初期のサザン。
2人のやりとりがキレっキレで、めちゃくちゃ面白い。
第1回目から「はっぴいえんど中心史観」に異論を唱えてる(笑)
個人的には第1回目からすべて再放送してほしい。
記念すべき1曲目
■ C調言葉にご用心 - サザンオールスターズ
ラストにjfn 「memories&discoveries」で放送決定と出てましたが、どうなのかな?
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2021/09/12 UP
なんと、今回で最終回だそうです。
こんな面白い音楽番組、ほかになかったのに超残念。
■ Woman ~Wの悲劇より~ - 薬師丸ひろ子
↑ こういう曲のコード進行の凄さをきっちり解説してくれた。
他の音楽番組ではできない展開だった。
このところ再放送の回もけっこうあったし、やっぱりネタ切れか?
これだけ濃密なコンテンツ、ほんとに構成するのたいへんだったと思う。
→「ザ・カセットテープ・ミュージック」惜しまれる閉店
↑ 閉店を惜しむコメント多数。
じっくりネタを仕込んで、またリターンしてほしいです。
まずは特番でもいいから、たまに復活してほしい。
関係者のみなさま、ありがとうございました。
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2021/08/10 UP
Ride On Time カバー特集(ザ・カセットテープ・ミュージック)
個人的には「シティ・ポップ」の文脈で、五輪開会式でかけてほしかった曲のひとつ。
「ザ・カセットテープ・ミュージック」でカバーの特集してたので、ちょっと書いてみました。
〔 〕内はマキタスポーツ氏によるネーミングです。
■ 〔原曲〕山下 達郎Vers.
達郎の名曲は達郎のヴォーカルと完璧に一体化してるので、カバーはむずかしい、と思うでしょ。
でも、
〔無思想カバー〕May J. Vers.
■ May J. / RIDE ON TIME
May J. って声質いいし、テクもあるのになぜかなんとなく迫ってくるものがよわい気がする。
でも、よくこの難曲にトライしたと思う。
予想以上の仕上がりでびっくり。(May J.だと思わなかった。一瞬、杏里かと思った。)
達郎の濃密な作家性&思想性から、曲だけを切り離して届けてくれる存在と。
「Cover Eats」とは、マキタスポーツ氏、巧すぎる表現。
〔多様性カバー〕UNCHAIN Vers.
■ UNCHAIN - RIDE ON TIME
原曲の思想性をBAND SOUNDというかたちで再解釈、の意思が感じられるという。
大箱じゃなくて、LIVE HOUSE向けの仕様にしたもの、といっていたが、たしかにそんな感じがする。
メジャーじゃないけど、なかなかいいです。Charを思い起こした。
〔乗っ取り型カバー〕松崎しげる Vers.
■ RIDE ON TIME 松崎しげる
このテイクは凄い。
完全に松崎しげるのものにしている。
「達郎さんよりRide Onしてる」(マキタスポーツ氏)って、ほんとにそうかもしれぬ。
実力あるわ、この人。
それにしても、マキタスポーツ氏&スージー鈴木氏の感性&蘊蓄&音楽への愛情度おそるべし!
個人的には、五輪の音楽仕切ってほしかったわ。まじで。
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2021/07/31 UP
「ザ・カセットテープ・ミュージック」でひさびさに聴いた。
ちょーなつかし!
■ サディスティック・ミカ・バンド/タイムマシンにおねがい Time Machine Ni Onegai(1974年)
そういえば、この頃ってこういうのもあった。↓
■ フィンガー5/個人授業(1973年)
小学校の教室でみんなで踊ってたけど、いま聴いても曲のレベル異様に高いと思う。
ちょうど担任が、お美しいお姉たま先生だったですな・・・。リアルすぎた(笑)
↑ こういう突き抜けた曲がやたら聴きたくなる今日このごろ・・・。
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2021/07/19 UP
さきほどの「ザ・カセットテープ・ミュージック」。
■ 綺麗ア・ラ・モード - 中川翔子
これ名曲。松本隆&筒美京平ペアの最後の作品です。(2008年)
→コード
イントロのピアノのフレーズからしてただものじゃない。
つづいてヴォーカル・インをがっちり支える華麗なクリシェ。
そして、マキタスポーツ氏が指摘していた、
Bメロからのサビ 0:45~「優しく髪にふれる 綺麗のア・ラ・モードね Ah~」
Fm7 G#/A# Am7-5 G# A#/G# Gm7-5~
オンコードとハーフディミニッシュが効き過ぎで、異様な高揚感(笑)
↑ のパーツ以外はわりとシンプルなコード使っていて、ところどころで小ワザをかます職人ワザ。
↓ の複雑系コード駆使しながら聴きやすいメロを紡ぎ出すユーミンとは対照的なアプローチだと思うが、どちらもやっぱりグレートすぎる。
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2021/06/07 UP
さきほどの「ザ・カセットテープ・ミュージック」。
タイトルは「ずっと80年代でいいのに・・・」(笑)
これは抜群に面白かった。
次回はマキタスポーツ氏の曲編も視たい。
■ Woman ~Wの悲劇より~ - 薬師丸ひろ子
作曲:松任谷由実。
なに、このコード進行(→コード)
0:58 雪のような 星が降るわ
トライトーン(減五度)がらみのマイナー・セブンス・フラット・ファイブで、こんな華麗なメロディ引き出すとは・・・・。
やっぱりユーミン天才だわ・・・。
スージー鈴木氏の「知ったこっちゃねーよ」からのきれっきれのコメントがやたらによかった。
・平成以降は「やさしさ・ガンバロー インフレ」。
・口に出して「がんばれ」という言葉の無効性、限界(を80年代のアーティストは知っていた)
・”元気の提示”はやめてほしい。
御意! ほんとうにそう思う。
■ My Revolution - 渡辺美里 (作曲 : 小室哲哉、編曲:大村雅朗) /cover
↑ じっさい、メロやアレンジだけで高揚感をもたらしてくれる曲があった。
「きっと本当の悲しみなんて 自分ひとりで癒すものさ」 という歌詞が象徴的。
なんでこんなにメロがきらめいているかというと、
「後ろ髪コード進行 / F G7/F Em Am」をイントロからバリバリに使っているから、と・・・。
この曲では、 Fmaj7 G/F Em7 Am7 (→ コード)
これは、松任谷由実の「卒業写真」でも使っているけど、これは「人ごみに流されて」のサビで使ってる。 → (コード)
■ 卒業写真 - 荒井由実(松任谷由実)(カバー)
でも「My Revolution」はイントロから「後ろ髪コード進行」てんこ盛り状態。
それと、転調。
0:59~「きっと本当の悲しみなんて 自分ひとりで癒すものさ」 Fmaj7 Gsus4 G Esus4 E
から
1:09の A (「わかり始めた~」)への転調(前向きな転調感ばりばり)
この転調前のダブルサスフォーはアレンジャーの大村雅朗氏が意図的に仕込んだとのこと。 → wikipedia
そして返しのインスト転調(1:41)。
聴きどころありすぎ(笑)
でも ↓ の曲はさらにもの凄いけど・・・
■ Teenage Walk - 渡辺美里 (作曲 : 小室哲哉)
*****************
でも、いまはもう80年代当時のようないくらでも逃げ場のある(?)寛容な世界じゃない。
行き場のない閉塞感のなか、
「さぁ一直線に穿って 今日も不安定な将来へ」
「明日 明後日 僕ら どんな希望を 抱いていれば 生きていられるのか なんていわれるのか」
「わかってんだって、こんな夢の無いダイヤグラムで」
「世界はもう 決まりに切って 疲れるわ けど今は 明日を急かして向かうわ」
こんなことばを散りばめている曲も、けっこうあったりする。
■ 空奏列車 - めありー(歌ってみた)
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2021/04/19 UP
さっき放映してた「ザ・カセットテープ・ミュージック」。またしても個人的に思うところがあった(笑)
Led Zeppelin、そしてJimmy Pageのギター・リフとかJohn Bonhamのフィル・インとかにスポットをあてていた。
■ Achilles Last Stand - Led Zeppelin
・この曲、ほんとによく聴いてた。
マキタスポーツ氏が、Zeppelinとか一連のR&Rバンドが踊れる音楽(Roll)から離れていって、そこに隙間が生まれた。
で、こういった ↓ 楽曲のニーズが高まった的な発言あり。
■ Best Of My Love - The Emotions
たしかに、1970年代後半~1980年代前半にかけて、記憶に残るリズムがいくつも生まれている。
聴き返してみると、たいていリフが絡んでる。
この頃のグルーヴ感のなかで、リフがいかに重要な役割を果たしていたかがよくわかる。
■ Forget Me Nots - Patrice Rushen
■ Good Times - Chic
■ Never Too Much - Luther Vandross
■ Street Life - The Crusaders
■ No Reply At All - Genesis
■ True To Life - Roxy Music
■ What a Fool Believes - The Doobie Brothers
なぜか最近CMでよくかかってる。
Michael McDonaldの怒濤の鍵盤リフ。
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2021/04/12 UP
さっき放映してた「ザ・カセットテープ・ミュージック」。個人的に思うところがあった。
マキタスポーツ氏&スージー鈴木氏がいつになく感情的に語っていた「ビートパンク」。
そう、これです。日本の(メジャーな)POPミュージックの質を劇的に劣化させたのではないかと疑われているジャンル、というかムーブメント。
今回のテーマは「BAND」だったけど、インストの面々のテクやセンスにフォーカスした内容だった。すくなくとも前半は・・・。
このお二方が本当にいいたかったのは、日本のBANDを質的に崩壊させたのは、皮肉にも1980年代後半の空前のバンドブーム(第二次バンドブーム)だった、てことじゃないかと・・・。
これを境に日本のバンドは横ノリから縦ノリに、メジャーセブンスからペンタに完全に移行したと思う。
これによって失ったのは、たぶんアンサンブルなんだと思う。
パーマネントなバンドじゃないけど、アンサンブルが絶妙な例 ↓
■ Revo &梶浦由記 - 砂塵の彼方へ....
「歌は ”心” っていいますが、心を表現するには絶対的にスキルが必要ですから」「感情の大きさだけでは、いい歌は歌えない」(梶浦語録)
だぶん、それは歌だけでなく、楽器の演奏もそうなんだと思う。
■ 今井美樹 - Boogie-Woogie Lonesome High-Heel
■ 角松敏生 w / 杏里 - I CAN'T EVER CHANGE YOUR LOVE FOR ME
■ Yuna Ito - Endless Story
バンドを離れたときに、奇跡的に生みだされるアンサンブルもある。
ほんとに一期一会の世界。
2000年代に入ると、アンサンブルは日本だけでなく、世界中の(メジャーな)POPシーンからも次第に失われていった。
だから、いまの世界的なシティポップ人気は、メロディだけじゃなく、アンサンブルを聴きにきているのかも?
でも、アンサンブルをとりもどした「BAND」が、日本には少なくともふたつはあると思う。
■ ONE OK ROCK - Clock Strikes 35xxxv Japan Tour 2015
■ Official髭男dism - I LOVE...[Official Live Video]
でも、ワンオクは活動の場を海外にシフトし、ヒゲダンのこの動画でもわずか1,100万回再生か・・・。
やっぱりリスナーの感性、というか心地よく感じる音楽のパターンがもはや変わってしまったのかもしれぬ・・・。
いい悪いは別にして。
■ 神はサイコロを振らない - 「未来永劫」【Official Music Video】
神サイは、アンサンブルあると思う。
どこかのタイミングで大きくブレイクするかも・・・。
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2021/04/07 UP
なぜか地上派で「ザ・カセットテープ・ミュージック」やっていた。再放送だと思うけど。
今回のお題はThe Beatles & The Rolling Stones。
7歳年上の姉貴がブリティッシュ・ロックにのめりこんでいたので、 BeatlesやStonesは、なかば強制的に聴き込まされていた(笑)
(その状況は →こちらに書いています。)
なかでも記憶に残っているのは、この2曲。
■ Let It Be - The Beatles
■ Angie - OFFICIAL PROMO (Version 2) - The Rolling Stones
やっぱり小さいころからメロディアスな曲が好きだったのかも。
でも、一番記憶に残っている洋楽は5歳で聴いたであろう ↓ だと思う。
■ Bridge Over Troubled Water (邦題:明日に架ける橋) - Simon & Garfunkel
いま聴き返しても、圧倒的な名曲感しか感じない。
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2021/03/09 UP
さっきまで録画してた「ザ・カセットテープ・ミュージック#83『ルパン三世と大人のアニソン特集』」視てました。
笑えた。
メジャーとマイナーが入り交じり、メロディーが複雑でどこに行くかわからない曲って、例えば洋楽ではこんなの↓ あったけど通しで聴くと構成としてはしっかり完結してる。
■ It's Hard To Say It's Over - Sheena Easton
■ Purple Rain - Prince ← やっぱり天才
邦楽では、そんなタガが吹っ飛んだような曲がある。
例えば前にザ・カセットテープ・ミュージックで紹介していたこんな曲↓
〔 メロはペンタだけどあとは違う例 〕
■ YELLOW MAGIC CARNIVAL - MANNA(作・細野晴臣)
チャイナ風なペンタのメロだけど、リズムはアップビートだし、マイケル・マクドナルド風のキーボードリフも・・・。
う~ん、なにこれ(笑)
さすがに才人、細野晴臣。
YMOや矢野さん絡みの曲は、えげつないほどメロやコード進行、そして演奏がかっ飛んだテイクがある。
■ 矢野顕子 with YMO また会おね(1979)
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2021/02/01 UP
先週放送のザ・カセットテープ・ミュージックの「夏歌分析」?、録画したやつさきほど見てみました。
「車とポップスの関係」に注目するものが多かったけど、コード進行的に気になった内容があったので書いてみます。
1.ユーミンの「中央フリーウェイ」
■ 中央フリーウェイ - 荒井由美
いや~、やっぱりすごいわこの曲。
→ コード
maj7(メジャー・セブン)、sus4(サスフォー)、dim(ディミニッシュ)てんこ盛り状態。
邦楽のコード進行とはとても思えず・・・。
ご参考 → 荒井由実「中央フリーウェイ」のコード進行を科学する
「アヴァンギャルドなコード進行の上にきれいにメロディが載っている」って、ホントにそうだと思います。
■ 12月の雨 - 荒井由美(chay - 『12月の雨』Rec Ver.)
それと、たしかにこの曲のBメロの転調「通りを渡って~」(1:03~)、天才的なキレが感じられる。
→ コード
2.プリプリ「世界でいちばん熱い夏」の音の広がり感
■ プリンセス・プリンセス - 「世界でいちばん熱い夏」
→ コード
番組のなかでは、J-POP 進行(王道進行/未練進行)
F→G7→Em→Am
Fmaj7→G7→Em7→Am7(お洒落化した場合)
なので、すんなり入ってくるという見立てをしていた。
たしかに、カポ-9に移調するとF→G(7)→Em→Am(未練進行)乱れ打ち状態になっていて、これが聴きやすさにつながっているのは確かだと思うけど、この曲のはじける広がり感はAadd9(アドナインス)によるところが大きいと思う。
3.オーギュメント
クリシェなどで経過的に使われることが多いので、コードは省略されることがけっこうある。
■ SPARKLE - 山下達郎
0:57~ 「広がる~」のクリシェはオーギュメント絡みのクリシェだと思う。(少なくともカッティング・ギターは)
→ コード
コード上は出てきていない。(ディミニッシュ(Adim)にもってかれたのかもしれぬ。)
オーギュメントはメジャー・セブンス系の複雑なコード進行のなかで使われることが多いので、なかなかわかりにくいけど、
その独特な響きがよくわかる動画があります ↓
そうね、使い過ぎると「お腹いっぱい状態」になる(笑)
■ キセキ - GReeeeN
「明日、今日より」「今も こんなに」
→ コード
他は平易なコード進行なので、とてもわかりやすい例。
でも、1980年代のオーギュメントって、だいたいドミナント・モーション絡みで使われていると思う。↓
オーギュメントもディミニッシュもフラットファイブもたいてい(ドミナント・)セブンスの代理コード的に使われていて、どういう事件(ドミナント)を起こしてどういうふうに解決(トニック)するかのやり方だと思う。
この事件の「起こし方」や「解決のしかた」が、1980代の音楽はお洒落だったのだと思う。
それにしても、やっぱり面白い。
これだけ金かけないで(失礼)、これだけ面白い番組つくるとは・・・。
2人のパーソナリティならでは。
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2021/01/19 UP
日曜(1/17)放送の「ザ・カセットテープ・ミュージック」またしても面白かった。
今回のテーマは、やってほしいと思ってたドラム(リズム)。
最初にふれたのが「タンタンタトタト」のリズム。
たとえば ↓
■ Church Of The Poison Mind(ポイズン・マインド) - Culture Club(1983年)
これは60年代のローリング・ストーンズやシュープリームス(スプリームス)が使っていたリズムで、タテノリに近く日本人にも捉えやすいもの。でも”グルーヴ”は乗せにくい。
番組で「このリズムには(1970年代初盤以降)不遇な時代があった」というコメントがあったけど、おそらくそれが1970年代中盤~1980年代中盤の「グルーヴ系リズム全盛期」なんだろうと思う。
つぎにふれたのがフィル・イン。
例は山下達郎「SPARKLE」の青山純のドラムス。
■ SPARKLE - 山下達郎
イントロの十数秒のカッティング・ギターのあとの0:17~のフレーズと2:10~のサックス・ソロ前のフレーズ。
どちらもフィル・インがかってて、全開感炸裂。
こういうアンサンブルのなかで光るワザ繰り出せるって、ほんとにドラマーのセンスで、練習してどうこうなるものではないと思う。
イントロのフィル・イン的な入りって、↓も凄いと思う。
■ What Cha' Gonna Do For Me - Chaka Khan(1980)
↓ にも貼り付けたけど再掲です。ドラムスはJohn Robinsonだと思う。
そして、ハーフタイム・シャッフル。
これはTOTOの「Rosanna」が有名らしく、Webでもいくつかとり上げた記事がみつかる。
(たとえば → こちら)
■ Rosanna - TOTO(1982年/Jeffrey Porcaro(ds))
1.ハイハット
チッチ チッチ チッチ チッチという三連符の中を抜いたリズム。
シャッフル(バウンス)リズムの構成要素だと思う。
2.スネアA
ツ”タ”ツタツタ というリズムキープで、”タ”の部分が「ゴーストノート」といわれる、聴こえるか聴こえないかというくらいに弱く叩く技法。
3.スネアB
ツツツツ タツツツ ツツツツ タツツツ というリズムで「タ」の部分に拍(強く叩く)を置くもの。
16分で2拍、4拍の頭に拍がくる、いわゆるアップビート(裏拍)だと思う。
でもって、この「タ」の前後にも「ゴーストノート」が絡んで、バウンス的な響きになっていると思う。
4.バスドラ
タン タタンタン ンタタンタン という捌き。
番組では、ロックンロールの生みの親のひとりといわれるBo Diddleyの「ジャングル・ビート」を例にとっていた。
1~3は、Led ZeppelinのドラマーJohn BonhamとBernard Purdie(Steely Danが名盤『Aja』の「Home At Last」でフューチャーしたドラマー)をミックスしたもの。
■ Home At Last - Steely Dan (1977年/Bernard Purdie(ds))
つまり、John BonhamとBernard PurdieとBo Diddleyのリズム(シャッフル)のエッセンスをとり入れ、これをJeffrey Porcaroが自らのセンスを加えてつくり出したといわれるもの。
「ハーフタイム」とはテンポを半分に落とすというほどの意味で、通常のシャッフルからスネアの拍が後ろにズレることをいいますが、むしろ、このズレやゴーストノートがつくり出す「リズムの粘り」がキモだと思う。
あと、個人的にJeffrey Porcaroのシャッフルのこなしが凄いと思っているのがこの曲 ↓
■ The Goodbye Look - Donald Fagen from『The Nightfly』(1982年)
個人的には、1970年代中盤~1980年代中盤の「グルーヴ系リズム」は、8ビートと16ビートが絶妙に入り交じっていて、ハイハットとスネアの微妙な音のズレが「粘り」をつくりだしているのでは?
と考えているけど、やっぱりそんな感じでは?
それと、これに三連符が絡んでシャッフルやバウンスのニュアンスが入ってくるかと。
くわしくは → こちら(グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?))に書いています。
■ Lowdown - Boz Scaggs(1976年)
↑ ハイハットは16ビート、スネアは8ビート?
■ Untouchable And Free - Adrian Gurvitz(1979年)
AORの名盤として知られる『Sweet Vendetta』のA-1曲。
これも、ハイハットが16ビートをしっかりキープしているのがわかる。
Jeffrey Porcaro(ds)、David Hungate(b)、Steve Porcaro(key)、David Paich(Arranged)
↓のJeffrey PorcaroのInstructional Videoを視ても、スネアとハイハットの使い方がキモになっている感じがする。
■ Jeff Porcaro - Instructional Video
「粘り」がキモだから、リズム出しのためにピッチを上げる必要はなく、だからミディアム曲でもグルーヴ感のある曲が多かったのでは?
例 → ミディアムなAOR。
それにしても、こんなマニアックな内容の番組、地上波では放送できんわな・・・(笑)
これからも、この路線でお願いしたい。
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