目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

フリーソロで絶壁900メートルを登った男「ナショジオ」2019年3月号

2019-03-17 | マガジン


『ナショナルジオグラフィック』2019年3月号誌面(下)と同誌のWebサイト

いま発売中の『ナショナルジオグラフィック日本版』2019年3月号にすごい記事が出ている。アレックス・ホノルドというクライマーがヨセミテの絶壁エル・キャピタンをクライミングロープ(ザイル)なし、登攀用具なしで登ったというのだ(登頂2017年6月3日)。

こうした登り方はフリーソロと呼ばれ、一部のクライマーたちに崇められている。いっぽうで失敗したら、たちまち命を失う危険を伴うことから、フリーソロ否定派もいることを記事では紹介している。

こんな実例を出している。オーストリアの登山家パウル・プロイスは、27歳までに150ほどの山をフリーソロで登って賞賛を浴びていたけれども、1913年10月3日オーストリア・アルプスのマンドルコーゲル山北稜で滑落死した。フリーソロは、本来の登山の姿であることはたしかであるけれども、常に死と隣あわせなのだ。

話を戻すが、アレックス・ホノルド氏がすごいのは、失敗の可能性を限りなくゼロに近づけるために周到な準備をしていたことだ。いきなりフリーソロに挑むという無謀なことはしていない。標高1283メートルの取り付きポイントから頂上の2307メートルまで約900メートルの高度差があるルート内には、いくつもの難関があり、その対策にかなりの時間を費やしている。入念なクライミング・プランを練り、クライミングロープ、登攀用具を使っての試登を繰り返したのだ。

最初の関門、フリーブラスト・スラブではなんと90回以上も練習したというから、その執念には驚かされる。そんな執念と日頃の鍛錬が生みだした快挙なのだ。

蛇足ながら、記事の写真スタッフクレジットにジミー・チンの名前があった。あのドキュメンタリー映画『MERU(メルー)』の監督かつ主役を務めた人物だ。相変わらずの活躍ぶりに脱帽する。

参考:ナショジオサイト「命綱なしのクライマーはかくして巨岩を制覇した」
当ブログヒマラヤの未踏峰に挑むドキュメンタリー映画『MERU(メルー)』

 

ナショナル ジオグラフィック日本版 2019年3月号
クリエーター情報なし
日経ナショナルジオグラフィック社

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 山登りとコラーゲンで骨を強... | トップ | 花粉の時期は巣ごもりか »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

マガジン」カテゴリの最新記事