目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

辛抱強さを試される富士見山

2020-01-11 | 山行~南アルプスとその周辺

標高1640m 山梨県

2019年11月10日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:50平須登山口駐車場8:00--9:03展望地9:10--10:04休憩10:16--御殿山分岐--10:40富士見山展望台(昼食)11:13--11:26富士見山山頂11:29--12:10御殿山分岐12:20--13:14展望地13:24--14:03駐車場

さてどこに行こうかと山の神と相談。お手頃なのはやはり山梨百名山かとまだ行っていないところを探して、ここになった。山名のとおり富士山がよく見えるのだろうと勝手な解釈をし、意気揚々と山の神と自宅を5:03に出発した。


左:平須登山口の駐車場 右:駐車場上の登山口

中央道にあがって談合坂SAで朝食をとり、カーナビに目的地最寄りの「みのぶ自然の里」を入れた。甲府南ICで中央道をおり、途中セブンイレブンで昼食、行動食の買い出しをし、平須登山口の駐車場には予定より10分早く到着した。

同じようなタイミングで登山者が続々とこの駐車場に入ってくる。山の神とさくっと支度を整え、8:00歩き始めた。


左:杉林のなかを登り始める 右:ビューポイントに出て休憩

なぜかご立派な階段がつけられている平須登山口から杉林のなかを登り始める。このときはまだ余裕綽々だったのだが、富士見山なんて素敵な名前なのに、この山がメジャーになりきれない理由をすぐに思い知ることになる。

暗く、かつそれなりに斜度のある登山道を辛抱しながら歩いていると、追いついてくる単独者、男性、そして女性。その健脚ぶりに道を譲る。やがて明るい紅葉の樹林帯が突然現れ、下界の景色も堪能できる、まさに格好の休憩場所に出て腰を下ろした。

追いついてきたパーティでにぎやかになった頃、このビューポイントを後にした。ここからしばらく紅葉を楽しみながらの至福の登山道だったが、一方では急勾配でひたすらアキレス腱を限界まで伸ばしながらの体力的にはきつい上りだった。

 左手に崩落地が見えてくる

やがて崩落地が見えてくる。まだまだ山頂は遠そうだなとつぶやきながらも、辛抱強く前に進むしかない。そのうち、そろそろ休憩タイムじゃないのと山の神が主張し、樹林帯のなかで水分補給しようとなった。

山の神とお茶を飲んでいると、また健脚者が追い越していく。われわれの姿が目に入ったせいで登山道を見失ったのか、明らかにルートからそれていく。たしかに踏み跡があいまいではあった。彼はその自覚があったのか「こっちですかね?」とこちらに向かって問うので、「いやいやこっちです」と正しいルートを指した。

10:16山の神と歩き始めたが、この先でも台風で崩れたのか登山道が不明瞭な箇所があった。もしかしたら新しく道を付け替えたからなのかもしれない。


左:富士見山・御殿山分岐 右:カラマツ林を見ながら登高

しばらくして富士見山・御殿山の分岐に出て、山頂までもう少しだとちょっとばかり元気が出る。思わずいいねえと山の神と顔を見合わせた雰囲気のあるカラマツ林の横を登っていく。

10:40おだんごの山名標示のある富士見山展望台に到着した。すでにかなりの疲労感で山の神はもうここまででいいと宣言している。そこへ元バレー部なのか、高身長のお姉さま方のパーティがやってきて山の神と同じことをのたまっている。えっえ~と心のなかで異を唱えつつも、腹が減っては戦さはできぬで、まずは昼食をとろうとなって、狭い展望台の端っこに移動してご飯にした。


左:富士見山展望台 右:富士見山山頂

下山の誘惑に抗しきれなかったお姉さま方が去っていくのを見送ると、またパーティが到着し同じようなことを相談している。問われるがままにここから山頂まで30~40分じゃないですかといっていると、彼らはお姉さま方とは異なり山頂に向けて出発していった。

山の神と私も昼食後、山頂までたいした距離ではないと見越して後を追うことにした。それはずばり当たってほんの13分で、あっけなく富士見山山頂に到着した。先ほどのパーティの一人に山の神とツーショット写真をとってもらい(冒頭写真)、即下山開始。御殿山の分岐まで下りて、富士山を見ながらティータイムとした。あとはゆるゆると元来た道をたどるだけだと下っていくと、思わぬ落とし穴が待ち受けていた。


山頂から富士山をあおぐ

往路で休憩したビューポイント(ここから左に進路をとる)をいつの間にか通り越していたのだ。こんな倒木があるのはおかしい、朝見た記憶がないと山の神に声をかけ登り返すと、見覚えのある場所に出た。やはりそうだったかと安堵し、小休止。その後まっすぐ下って無事14:03駐車場にたどりついた。

すでに40分強の遅れ。計画どおりであれば、近所の句碑の里に寄るつもりだったのだが、そうもいっていられない。遅くなればなるほど高速の渋滞が長くなるだけだと思い、まっすぐ帰宅することにした。

帰路、道の駅のような施設、塩の華でトイレ休憩したのち中央道にあがった。すでに交通量は多く、ぞっとするほどの大渋滞に巻き込まれてしまった。自宅に着いたのはなんと18:35になっていた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマビル大量発生! 貫ヶ岳

2016-10-23 | 山行~南アルプスとその周辺

2016年10月10日(月) くもり

メンバー 山の神と私

雨ばかりで、今年は本当につまらない。体育の日3連休は、テントをもって会津方面に行こうと計画していたのに……。最終日、晴れの予報に勇んで、山梨百名山の貫ヶ岳と平治の段に登ろうと出発した。

4:30頃起床し、5:05自宅を出発した。東名の海老名SAで朝食をとり、新東名新清水ICで高速を下りた。登山口までで唯一のコンビニ、ローソンに入り、昼食の買出し。順調に進んで、目印の中沢公民館に到着した。公民館の前にあるドクターヘリ離着陸場の駐車場に車を停めた(7:55)。ここには、ゲートボール場もあって、普段はこの集落のご老人たちの憩いの場なのだろう。 

 
左:中沢ドクターヘリ離着陸場 右:中沢公民館。トイレが外についていて、登山者の利用可

前日貫ヶ岳の山行記録をチェックしていたら、ヤマビルがいるというので、山の神とともに普段は滅多に使わないスパッツを装着する。中沢公民館でトイレに入ると、親切な地元の方が用意したのだろう、登山者のためにと塩水入りのアンプル状のものが置かれていた。ヒルにかければ、ぽとりと落ちるらしい。山の神と私は、募金箱にお金を入れつつ、それぞれ1本もらっていくことにした。

 
左:貫ヶ岳登山道案内板。中河内峠からの下山は不可 右:登山口

まず中沢公民館の横の林道を上がっていくのだが、その入口に登山道の案内板があった。その案内板の左下に紙が貼られていて、現在中河内峠からの下山路は通行禁止になっていると出ていた。それなら、ピストンしかないよなと。十国展望台か平治の段、あるいは時間によっては、駿河展望台まで行って戻るかと山の神と話しながら、8:15林道を歩き始めた。民家を左手に見、竹林を右手に見、次にお墓を左手に見、薄暗い杉林に入っていく。

やがて貫ヶ岳の登山口が出てきた。「マムシ、ヤマビルに注意」 と嫌なことが書かれている。

 薄暗い杉林を縫って登山道が続く

ジグザグに登っていくと、落ち葉がだいぶ増えてきた。そろそろヤマビルが出るんだろうかと思い、地面に視線を落とすとさっそくいた。第一ヤマビル発見。細長い体をめいっぱい伸ばして、メトロノームのように左右に体を降っている。見るからに感じの悪い生き物だ。

第一発見から、すぐにまた次のヤマビルを見つけた。その後はもうひっきりなし。登山靴を見ると、常時2匹はいる状態になる。立ち止まって、指先で弾き飛ばしても、またいつの間にか、別のヤツは這い上がっている。ヤマビルだらけだ。落ち葉の隙間に数匹いるところも見た。スパッツを這い上がって来るやつを見ていると、動きの早いこと。あっという間に最上部に達する。スパッツの溝に丸くなって、ボクはヤマビルじゃないよと潜んでいるやつもいる。そのうち、背後で山の神の声が甲高くなってきた。「ヤダ~もうこれ、どうしたら、いいの」。弾き飛ばそうとしても、しっかりとしがみついているヤマビル。「そんなにしつこいなら、塩水を使えばいいじゃん」というと、もう全部使い切ったという。山の神はだんだん、鉄板の猫踊り状態になって、悲鳴をあげながら、ヤマビルを払いのけようと必死にもがいていた。

 
2点とも:次々に登山靴に這い上がってくるヤマビル

山の神のイヤー、キャーと立て続けに発する声に、これはもうダメだと私は観念した。登り始めて30分くらいしか経っていないから、まだ当分はヤマビル地帯が続くはずだ。振り向きざま、「もう戻ろうか?」というと、山の神はうなずき、脱兎のごとく猛スピードで下り始めた。それにしても、こんなにヤマビルがいるとは、、、ここのところずっと温かかった影響なのだろうか。

9:00駐車場に戻り、ヤマビル退治。引き返すときに足元にいたやつは、すべて取り除いたはずなのに、しかもあれだけ早足で下りてきたのに、もう数匹がへばりついていた。登山靴に飛びついてくるすばしこさは驚くほどだ。

やれやれ、でもまだ9:00だよ。このまま帰るのはなあ、どこか軽く登れるところは、、、ということで、富士五湖方面に車を走らせることになった。

つづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蛾ヶ岳ハイキング

2015-11-21 | 山行~南アルプスとその周辺

蛾ヶ岳(ひるがだけ) 標高 1279m 山梨県

2015年11月1日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:20四尾連(しびれ)湖第2駐車場8:40頃--9:48蛾ヶ岳山頂10:05--大畠山--四尾連峠--11:20四尾連湖(昼食)12:05--12:10駐車場

行楽シーズンも終わって、ひっそりと静かな蛾ヶ岳ハイキングコースを歩こうと、山の神と連れ立って5:35家を出発した。四尾連湖は思い切り穴場で、知る人ぞ知る場所だと思っていたが、行ってみると思いのほか人が多い。ジモティたちが集う格好の場所のようだ。私は90年代に一度訪れて以来の蛾ヶ岳。そのときどうだったかをほとんど思い出せないのは、やはりコースが短くその分印象が薄かったからのようだ。覚えていたのは、四尾連湖がどんよりとした沼のように見え、霊気漂う、恐ろしげな場所ということだけだった。再訪してみると、そんな印象は吹き飛んだけどね。

そもそも蛾ヶ岳は、武田信玄の躑躅ヶ崎の館から見て、正午にこの山の上に太陽があったことから、昼ヶ岳と呼ばれるようになったという。それなら、昼ヶ岳のままでいいと思うのだが、後世誤って「蛾」という字を当ててしまったようだ。それにしてもどう転んでも、山の神の大嫌いなあの羽のある「が」としか読めない。アホな役人が「蛭」と書こうとして「蛾」と書いたとしか思えない。いっそのこと昼ヶ岳に戻せば、観光客も増えるのではないかと思うが、いかがだろうか。

 
左:四尾連湖第2駐車場。この直下にトイレがある 右:登山口

8:20四尾連湖第2駐車場に到着した。すでに何台か停まっていて、若者グループが少し前に到着したようで、にぎやかに談笑しながらハイキングの支度中だった。そのうち湖畔の水明荘の人と思われる年配の方が駐車料金徴収に現れた。山の神が支払っていたが、たしか¥500。

8:40頃薄暗い登山口から、林道を歩き始めた。歩調を速めると、前方に先に出発していたパーティがいた。先に行かせてもらうと、20分ほどで大畠山の東肩に出た。ここから明るい紅葉の道になる。

 
左:大畠山東肩(分岐) 右:蛾ヶ岳への稜線では紅葉が始まっていた

なかなかいい道が続く。だいぶ葉も色づき、目の保養をしながら、ゆるゆると横移動をしていく。 

 
左:蛾ヶ岳西の肩から山頂へつづく道 右:蛾ヶ岳山頂

蛾ヶ岳西の肩に到着し、休憩しようかといったん山の神とザックを下ろしたが、山頂まであとわずかだから行ってしまおうとなった。西の肩には味わい深いお地蔵さんが鎮座していて、思わずカメラを向けてしまった(冒頭写真)。ここから急登が始まるが、まっすぐに延びた快適な道だ。単独行者や夫婦らしき2人とすれ違う。

山頂には、9:48到着。山梨百名山の比較的新しい標柱が立てられていた。その後ろには、富士山がすっきりとその輪郭を浮かび上がらせていた。


山梨百名山の標柱の後ろには富士山

反対側に目を転じると、正面に八ヶ岳と甲府盆地が青くかすんで見える。


八ヶ岳もばっちり

八ヶ岳の左手には、南アルプスの峰々が横たわっている。手前を見ると、青々とした稜線に大畠山の鉄塔や、四尾連湖が見える。眺望は最高だ。


四尾連湖の奥に鳳凰三山。その左に北岳

座って休憩していると、徐々に冷えてきて、単独行の方が山頂に到着するのを潮に下山を開始した。じつはもっとのんびりしていたかったのだが、山の神の「寒いから早く行こう」のひと言に負けた。

下り始めると、次から次へと登山者が上ってくる。ちょうどいいタイミングで山頂を後にしたのかもしれない。西の肩から元来た道をどんどん引き返していくと、荷物をほとんど持たないハイカーたちとすれ違った。お子さん連れの方々もいた。「山頂はまだ遠いですか」と聞かれ、答えに窮した。こうした場合、どう答えたものかいつも迷う。まず登山者はこうした質問をしないから、明らかに山のぼらーではないのだ。山の神と私にとっては、山頂はすぐそこだが、滅多に山歩きをしない人にとっては、30分でも遠いという感覚だろう。山の神が「すぐそこです」と即座に答えていたが、彼らはだまされたと思っているのではないかとちょっと後ろめたい思いをした。

 
左:大畠山山頂 右:ちょっとした広場になっている四尾連峠

大畠山東肩から少し進むと、何の標示もないが、右手に登山道のようなものがあった。これは大畠山への道かといって上がっていくと大当たり。小さな山頂標示があり、先ほど蛾ヶ岳山頂から見えていた鉄塔があった。眺望は皆無で、写真だけ撮って四尾連峠へと下った。

峠には、「あずま屋」とか、「碑林公園」とか確か書かれていた指導標があった。それを見て、ちょうどいいや、あずま屋で昼メシにしようと山の神と峠から歩き始めたのだが、一向にそのあずま屋が出てこない。これって碑林公園の中にあずま屋があるってことだったんじゃないかと思い至り、重い足取りで峠に引き返すことになった。すぐに峠に戻ったものの、昼メシを食べるような快適な場所はない。こんな薄暗いところで食べるよりは、いっそのこと四尾連湖に下ろうとなった。

 
左:四尾連湖 右:四尾連湖畔のキャンプ場

11:20四尾連湖畔に到着する。湖面にはセイルボードで遊んでいる人や、カヌーをやっている人がいた。向こう岸にはテントが張られている。いかにもレジャーのための湖といった趣のあるところだ。ベンチに腰を下ろして、山の神と昼食にした。ご近所でもお弁当を広げている年配の方々がいた。景色を堪能しながらのご飯はなかなかいいものだ。十分くつろいで、四尾連湖を後にする。湖畔のキャンプ場の中を抜けて12:10駐車場に到着した。

帰途道の駅とよとみに寄って、白菜やキノコ等地元の農産物を購入する。車に積んでから缶コーヒーを飲んで一服。さあ、帰るかと重い腰を上げ、甲府南インターから高速に上がった。一所懸命走ると、小仏トンネルあたりで少し混雑していただけで、すんなりと15:00頃には帰宅できた。ちょっとばかり物足りない気もするが、優雅な一日ともいえる。次回は、碑林公園から山頂ピストンの7時間(?)コースかな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山梨百名山、富士見山

2015-06-21 | 山行~南アルプスとその周辺

標高 1639.5m 山梨県

2006年6月4日(日) うすぐもり 

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:18平須ルート駐車スペース--8:30登山口--9:25ベンチ9:35--10:42富士見山展望台10:47--11:00富士見山山頂--11:20展望台(昼食)12:00--12:45ベンチ12:55--13:30駐車スペース

富士見山に行ったのはもう9年も前になるのかと、思いながら画像を整理していると、山の神が覗き込んだ。どこ? たしかに印象の薄い山だ。画像を見なければ、何一つ思い出さないだろう。そんな地味な山ではあるけれど、山梨百名山。訪れて損はない(たぶん)。

梅雨入り直前の貴重な一日を使って、車での行きやすさを念頭にここを選んだ。5:00過ぎに家を出発し、ガソリンを入れたり、コンビニで買出しをしたりと、あわただしく中央道へと急いだ。

 
左:平須の駐車スペース。登山口は右手の車道を上がっていく 右:富士見山登山口

談合坂SAで朝食をとり、甲府南ICで高速を下りた。この頃はカーナビがなかったので、甲府界隈ではよく道に迷っていた。このときもやらかしていて、IC下りて、いきなり逆方向に進み精進湖へ通じる358号を走っていた。トンネルが出てきて、明らかに間違いだと気づいた。引き換えして、道の駅とよとみでトイレ休憩。気を取り直して再出発した。多少の遅れもなんのその、平須の登山口へと急いだ。

8:18がらんとした平須ルートの駐車スペースに到着した。意外にも車は1台も停まっていない。山の神とともに身支度を整え歩き始めた。車道を上がっていくと、バス停の先にすぐに登山口が出てきた。しばらく杉林が続くが、間伐をしてきちんと手入れがなされているせいか、ところどころ日が差していて明るい。

 
左:新緑の道は気持ちがいい 右:丸太を組んだベンチが置かれていた

9:25さも休んでくださいといわんばかりに丸太を組んだベンチが目に飛び込んできた。そろそろ休むかと、山の神とベンチに腰を下ろした。先ほどの杉林とは打って変わって、この辺り一帯は、すがすがしい若葉でいっぱいだ。

9:35再び歩き始めると、左手にガレ場が出てくる。さらに登高していくと、しだいに暑さで汗ダクになり、連日の寝不足でどんどんバテて来て、足取りは重くなる一方だった。這這の態で、10:42展望台に到着した。きれいに晴れていれば、富士山が見えるはずなのだが、残念ながら何も見えなかった。

 
左:枯れても威容を誇る針葉樹 右:富士見山山頂は樹林帯のなかにあった

小ピークを越え、アップダウンを経て、ようやく11:00富士見山山頂に到着した。樹林帯のなかの山頂で、非常に地味だ。まったくもってつまらない。昼食は展望台だなと、山の神に同意を求め、すぐに引き返した。11:20展望台に戻ると、ちょっとした奇跡が起きた。今日はもうムリと思っていた富士山が顔を覗かせたのだ。つかの間にしろ、富士山を拝めたのはラッキーだった。展望台には後から3人の年配パーティがやってきた。手には山梨百名山のガイドブック『アタック山梨百名山』を携えている。われわれも山選びに山梨百名山をチェックしているのだが、『アタック山梨百名山』はルート解説が付いていて便利な本だ。彼らは全山踏破を目指しているのだろうか?

山の神と展望台で昼食をとって、12:00下山を開始した。2人連れと相次いですれ違うが、なぜか片方が空身というミステリー。12:45往路で休んだベンチが出てきて、おお、最後の休憩だとベンチに腰掛けた。10分ほど休んで、あとは一気に下山し、13:30駐車スペースに着いた。朝は1台の車もなかったのだが、下りてきてみれば、われわれの車以外に2台停まっていた。先ほどすれ違った人たち?

帰途は、山の神のリクエストにより再び道の駅とよとみに立ち寄った。トイレに寄って、産直品を買う。ついでにのどを潤してと、モタモタしているうちに中央道の渋滞は始まっていた。ところどころで渋滞に遭い、帰宅は17:00を回っていた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山梨百名山、春日山・滝戸山

2015-04-26 | 山行~南アルプスとその周辺

標高 春日山 1235m 滝戸山 1221m 山梨県

2015年4月12日(日) 晴れのち曇り 

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:38鶯宿峠手前駐車スペース8:48--鶯宿峠--9:46境川への分岐手前ピーク9:55--名所山--黒坂峠--10:38春日山山頂10:50--林道--11:40鶯宿峠11:45--12:30滝戸山山頂(昼食)13:15--13:52駐車スペース

2月に8年前の山梨百名山の山行記録(釈迦ヶ岳・大栃山)をアップしていて、そのときに見た桃の花を思い出していた。また桃の花を見たいなと、その周辺の山でまだ行っていないところを物色した。桃の花を見物がてら、春日山・滝戸山をセットにして行こうと山の神に提案すると、大賛成だった。

4月12日早朝、都心部は恥ずかしくて走れないほど埃と花粉で汚れ放題の愛車エスクードを見て、少しは見てくれをよくしようと軽く汚れをぬぐいとり、山の神を乗せてあわただしく5:38家を出発した。途中ファミマで朝食と昼食の買出しをし、高速にあがった。

 
左:鶯宿峠手前の駐車スペース 右:登山口

人だらけの談合坂SAで朝食をとり、一宮御坂ICで高速を下りる。すぐにお目当ての桃の花が目に飛び込んできた。濃いピンクが華やかな気分にさせてくれる。そのうちソメイヨシノの満開地帯も通過する。桃と桜の競演を見られるとは思いもよらなかった。いいことありそうだと思いながら、ホクホク顔でいたのもつかの間、カーナビに設定していた笛吹市役所芦川支所までは順調に進んだのだが、その先の右折ポイントがわからなかった。それらしき道があまりに狭かったので、もっと先だろうと進んでいくと、鶯宿峠の道標が出てくる。当初は黒坂峠を目指していたので、明らかに行き過ぎだった。引き返して川(水路?)沿いの狭い道を上がってみた。本当に狭い。でもこの道のはずだと上がっていくと、閉鎖されていた。仕方ない。当初の計画、黒坂峠から春日山と滝戸山をピストン、ピストンするのはやめて、拠点を鶯宿峠にすることにした。

再び鶯宿峠の道標が出ていた右折地点へ行き、林道を上がっていく。しばらく行くと鶯宿峠の道標を見つけた(右上写真)。黒坂峠という道標もあって、この道をさらに上がっていくと黒坂峠にも行けそうだとほくそえんだ。最初の計画どおり行けそうじゃないかと山の神に話していると、なんと黒坂峠への道は閉鎖されていた。冬季閉鎖なのだ。きちんと調べていなかったのは失敗だった。戻って先ほどの鶯宿峠の道標付近にあった駐車スペースに車を停めた。われわれ以外にだれも車を停めていない。

 牧野富太郎博士命名「両面ヒノキ」(なんじゃもんじゃ)

8:48身支度を整え、山の神とともに出発する。歩き始めてすぐに鶯宿峠に着く。なんじゃもんじゃの巨木が現れる。なんでも植物学者で有名な、かの牧野博士が、新種であるとして「両面ヒノキ」と名づけた木である。苔むしてまるで緑青をふいたような幹が、つくりもののように見えて不思議な世界をつくっている。

峠から春日山を目指して、指導標どおり登山道をたどる。しかし、途中山の神のひと言「下だよ、下」で右手(南東方向)の尾根に迷い込んでしまった。やがてちょっとしたピークに着くと、その先にはもう道がなかった。ヤブこぎか?でもおかしい。戻ろうとなった。登山道がわからなければ、林道に出ればいいといながら引き返していくと、間違った箇所が判明する。木の幹につけられた赤ペンキのところを上へ行くと、登山道が続いていた。

 
左:ところどころにアカマツのある防火帯が続く 右:名所山山頂

小学生が集団で遠足に来て休憩できるような大きな広場を越えていく。結構な斜面を汗をかきかき登って、9:46境川へ下る分岐手前のピークで休憩をとることにした。野鳥のさえずりだけが辺りに響いている。

水分補給をして、最後のひと登り。アキレス腱を伸ばしながら名所山の山頂に到達する。春日山最高点の標示があった。

 
左:名所山山頂から南アルプスが見える 右:名所山から黒坂峠への急峻な道

名所山までだいぶ急登を上がってきたので、黒坂峠への道は、その分激しく下ることになった。足元に気をつけながら下り、黒坂峠に出る。石碑やベンチ、何台か置けそうな駐車スペースがあった。

 
左:黒坂峠の石碑。後ろに見える手は山の神 右:樹林帯の中の春日山山頂

黒坂峠では休憩せずに道を挟んだ反対側の春日山登山口からダラダラと上がっていく。そのうち年配の夫婦が向こうから歩いてきた。本日の山行で初めて会った登山者だ。交通の便はそれほど悪くないのに、これほど人が少ないとは意外だった。10:38春日山山頂に到着した。隣の敷地には興ざめしてしまうが、電波塔があった。でも樹木が切り払われている分、見晴らしだけはいい。遠くに存在感たっぷりの八ヶ岳が見えていた。


春日山山頂の電波塔下から八ヶ岳を望む

久々の山歩きで、足が重い。山の神とともに疲れたなといいながら、10:50重い腰を上げた。黒坂峠に戻り、そこから林道を歩いて鶯宿峠を目指した。

 
左:林道は至るところで崩落していた 右:林道から春日山を振り返る

林道はあちこちで法面が崩れていた。工事の看板が土砂で押しつぶされているところもあった。恐ろしいことに、落石の直撃を受けたのか、砕けた岩がごろごろしているところにテンの死骸があった。だれも葬ってあげないから、そのままだ。ちょっと怖すぎて誰も触れないか。

11:40鶯宿峠にたどりつく。昼食はどうしようかと山の神に問うと、山頂がいいという。じゃあ、あと40,50分で滝戸山だから、山頂でお昼にしようと、早々に峠を後にした。

 
左:滝戸山登山口。この反対側にはベンチが並んでいる 右:滝戸山山頂

滝戸山登山口で、単独行の人が荷造りしているのを見かけた。山の神と私がスローペースで登っていると、あっという間にその人に追い抜かれ、たちまち姿が見えなくなった。12:30滝戸山山頂に到着した。ミズナラの鬱蒼とした樹林帯の中にそれはあって、年配者3人がいた。われわれよりほんの2,3分前に着いたようで、まさにこれから昼食の準備を始めるところだった。山の神と私もようやく昼食にありつけた。

13:15山頂を後にする。誰ともすれ違うことなく、鶯宿峠を経由して13:52駐車スペースに戻った。出発するときとまったく同じで、ぽつんと1台だけわれわれの車があった。訪れる人の少ないほんとうに静かな山だった。

帰途は、山の神の希望で芦川農産物直売所おごっそう屋(笛吹市)に寄って野菜やお菓子を購入した。再び桜と桃の花を愛でながら中央道に向かうと、もう相当にいい時間になっていて、久々に大渋滞にどっぷりはまってしまった。事故渋滞にも巻き込まれ、通常よりも1時間半くらい余計にかけてようやく家にたどりついた。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする