目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

葛城山・発端丈山・城山

2013-03-31 | 山行~伊豆・箱根と富士山周辺

000p3202433葛城山 標高 452m 発端丈山(ほったんじょうやま) 407.8m 城山 342m 静岡県

2005年3月20日(日) うすぐもり

メンバー 山の神と私

コースタイム かつらぎ山ロープウェイ山麓駅8:50--10:07益山寺10:20--10:40発端丈山山頂10:50--11:47城山山頂(昼食)12:30--13:10林道(休憩)--13:45かつらぎ山ロープウェイ山頂駅

5:23あわただしく車に乗り込み家を出発した。コンビニで朝食を買出しし、東名にのった。海老名SAに入って、さっそく買ったばかりのパンと缶コーヒーで朝食だ。7:45頃沼津ICを下り、コンビニで今度は昼食の買出し。伊豆長岡の温泉街を抜け、かつらぎ山ロープウェイ乗り場を目指した。空は雲が広がり、晴れというにはほど遠い。

8:35ロープウェイ山麓駅の駐車場に到着する。この日も花粉は大量飛散だ。しっかりマスクで防備し、山の神とともにザックを背負う。普段は9:00から運行開始なのだが、団体が押しかけてきているせいか、時間前にお待ちかねの運行が始まった。6人乗りのゴンドラに定員いっぱいに詰め込まれる。

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葛城山山頂。細長い「かつらぎ山山頂」の標柱がARみたいだ

ロープウェイの山頂駅は、まさに名前どおり。着いたところが、葛城山の山頂だ。駅の建物を出るとすぐに、富士山と駿河湾が目の前にど~んと広がり、思わず、「お~」と声が出る。ロープウェイで観光客とハイカーがひっきりなしに上ってきて、たちまち山頂は大賑わいになった。ここには、なぜか貧相な源頼朝像が置かれている(冒頭写真)。この小さくて弱々しそうな姿は、どうしても源頼朝とは思えない。

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左:いったん下って益山寺へ向かう 右:益山寺の大楓(左)と大銀杏

葛城山からいったん下る。帰りにここを登り返すことを考えれば、ちょっとぞっとする長い下りだ。車道に出て、横移動していくと、10:07益山(ましやま)寺に着いた。高野山の末寺で、真言宗の寺だ。境内には文化財に指定されている大楓や大銀杏がたくましく枝を広げている。紅葉の季節は、行楽客で相当にぎわうようだ。石仏もずらりと鎮座していて、圧巻のひと言。

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2点とも益山寺の石仏群

凍えるほど冷たい風が吹き抜ける益山寺を10:20後にする。ここからまた横移動し、20分ほどで発端丈山に到着。富士山が再び迎えてくれる。葛城山の山頂に比べれば、人は極端に少なくなる。

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左:発端丈山山頂。富士山ビューを楽しめる 右:城山山頂。狭い山頂は混んでいた

発端丈山から、来た道を戻る。再び横移動をして城山へ向かう。途中登山道を林道が横切っているが、そこに消防車と救急車が停まっていた。何ごとだろうと、近くにいた人の会話に耳をそばだてる。ロッククライミング中に誰かが転落したようだ。登山道を上っていくと、ストレッチャーにのせられた小柄な白髪の男性が運ばれてきた。いっしょに奥さんと思われる女性も下ってくる。城山はフリークライミングには格好の岩場がある。べテランでも油断すると、こうなるのだろうね。気を引き締めなければ。

城山には11:47に到着した。馬酔木等の低木が繁茂していて、風をさえぎってくれるのはありがたい。西側が開けていて展望はいい。年配の方々の2パーティが狭い山頂でお弁当を広げていた。山の神と私も、ここでコンビニごはんを食べる。あいにく空はグレーのままで一向に晴れる気配はない。

07p320245312:30下山開始。13:10葛城山直下の林道まで戻り、休憩にする。目の前に富士山という好ロケーションのベンチがどうぞ休んでくださいと話しかけてくるようだった。山の神と「疲れた~」といいながらも、あとひと踏ん張りだと気合を入れなおす。

休憩後、往路で下ってきた道を延々登り返す。花粉よけのマスクをしていると息苦しく、時々立ち止まっては、山頂を見やる。13:45ロープウェイ山頂駅にたどりついた。駅に併設されている茶屋になだれ込んで再び腰を下ろした。

本日は、下山後贅沢にもお泊り。大仁温泉の富士屋旅館にチェックインした。ここ大仁温泉は全体に湯量が少ないのか、長岡温泉郷のように宿がいくつも軒を連ねて、温泉情緒をかもしているということはない。フツーの田舎の街中に、しかも交差点のところに、この旅館はポツンとあった。でも源泉かけ流しを謳っている。晩飯は霜降りの伊豆牛に舌鼓を打った。

翌日はダイビング・ポイントの大瀬崎あたりをのんびりと散策する。ここも富士山のビューポイントで目の前にその姿を望める。帰途みかんやエボダイの干物をお土産に買った。もちろん山の神と私が食べるのだ。

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鐘ヶ嶽

2013-03-24 | 山行~丹沢・道志

03p3132418標高 561m 神奈川県

2005年3月13日(日) うすぐもり時々小雪 

メンバー 山の神と私

コースタイム 10:10広沢寺温泉前駐車場10:20--浅間神社--11:40鐘ヶ嶽山頂(昼食)12:10--13:00駐車場

家で朝食をとり、7:20出発。この頃はカーナビが車に付いていなかったから、よく道に迷っていた。手帳には、「道に迷って行きつ戻りつして、10:10ようやく広沢寺温泉前の駐車場に到着」と記されていた。いつもどおり、前日は行き先の地図を頭に叩き込んで、翌朝目的地へまっしぐらとなったのだろうが、そうそうたやすくは目的地にたどり着けなかったようだ。だいたい迷ったら、とりあえず道路地図を引っ張りだしてチェックしている。でも道が予想以上にカーブしていたり、道そのものが端折られていたり、新しくできたバイパスなどは、当然出ていなかったりするから、最後はあてずっぽう、いわゆる長嶋茂雄的、動物的勘というヤツで乗り切るしかないことになるわけだ。

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左:にわか作りの駐車場(!?) 右:本日最初の階段

10台以上は停められる比較的広い駐車場に車を置いて10:20出発する。上空を仰ぐと、少しだけ青空がのぞいているが、雲は多い。先行する人たちは、もうだいぶ前にここを発っているのだろう。まったく姿は見えない。もう10時半近いのだから当たり前か。

いったん駐車場から車道を下っていき、県道64号のバス停(簡易トイレあり)地点から登りはじめる。すぐに神社の階段が現れる。

001p3132410_4002p3132411_5003p3132412004p3132413005p3132414006p3132415007p3132416

何丁目と彫られた石仏を見ながら、上り続ける。23丁目まであるから、それだけ石仏があるということか。祈りながら上る先人たちを思い描きながら、山の神とともにバリバリ上っていく。

杉ばかりの暗い道を上っていくと、急に南面が開けている18丁目に出る。石仏はあるものの単調な上りではある。

008p3132421_3 浅間神社につながる長い石段

山頂近くに浅間神社が鎮座しているが、その直前に長大な石の階段が現れて、唖然とさせられる。上らぬことには山頂に着かない。延々と石段を一歩一歩上っていく。

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左:浅間神社 右:鐘ヶ嶽山頂

上りつめると、浅間神社の社殿に到着する。山の神とパンパンと拍手を打って、道中の無事を祈る。ここから左手を回って、11:40鐘ヶ嶽山頂に到着した。たいした休憩もとらずに一気に山頂まで来てしまった。奥のほうでは昼食中のパーティがいる。

010p3132425 011p3132426_2 山頂にあった神像たち

小広いスペースの一角を山の神と占領し、昼食にする。上空は相変わらず雲に覆われている。山頂は3月とはいってもまだまだ冬の装いで、まったく芽吹いていない。葉がいっさいないから、ささやかながらも光が差し込んで明るい。

レジャーシートを広げてコンビニごはんとなったが、座っているだけで体がジンジン冷えてくるほど、山頂は寒かった。追い討ちをかけるように、そのうち小雪がちらついてきた。近くにいたパーティは、寒さから逃げるように先に出発していく。

ちらついていた雪は見る間に本降りに変わる。早く下りようよと山の神が悲鳴をあげる。早々に食べて片付けて12:10撤収となった。体を温めようとサクサク下っていくと、林道のトンネルの入り口辺りに出た。あとはこの道をまっすぐ下っていけば、駐車場に出る。そのまま足早に下り、愛車にたどりつく。腕時計を見やると、まだ13:00になったばかりだった。いつのまにかあれだけ派手に降っていた雪もやんでいた。

帰途七沢のカフェジャルダンでコーヒー(¥525)を注オーダーした。ここでゆっくりと冷えた体を温めた。こぎれいなお店でちょっとした庭がついている。それで“ジャルダン”なのだろうか。外にはテーブルも置かれていて、新緑の季節は快適なんだろうなと思い浮かべていた。

参考:
厚木市 鐘ヶ嶽ハイキングコースhttp://www.city.atsugi.kanagawa.jp/kankou/leisure/hiking/p004902.html

 

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ウェストンは日本の山が好きだった!?

2013-03-18 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

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『日本アルプス 登山と探検』 ウォルター・ウェストン 岡村精一訳(平凡社ライブラリー)

ウェストンといえば、上高地のレリーフを思い出す。嘉門次を案内人に立てて、北アルプスを歩いたイギリス人。何か高尚な、貴族的なアルピニストのイメージが強かったが、読んでみると、案外そうでもないことに気づかされる。

立派な方であることは、間違いないが、もともと宣教師として日本に長く滞在した人だ。そして北アルプスばかり喧伝されているが、ほかにも日本の主な山に足を運んでいる。1891年(明治24年)から1914年(大正3年)の間に北アルプスのほかに富士山、浅間山、恵那山、北岳、間ノ岳、甲斐駒、仙丈、高妻山、妙高山、八ヶ岳等を訪れている。

この時代の登山は、交通機関がまだ整っていなかいから移動が大変だし、登山道も整備されていないから、案内人を立てないことには、山頂へはおろか、登山口にもたどりつけない。はたまた宿には蚤がたくさんいるし、気象庁の正確な天気予報もないわけだから、登山というよりは、もう冒険に近い。

その冒険の最たるものは、やはり猟師の嘉門次を案内人にたてての穂高登山だろう。嘉門次の超絶した仕事ぶりが語られていく。食糧として1ダースの岩魚を釣ったり、谷川沿いの藪を刀でなぎ倒しながら、突き進んだり、かもしかのように岩の屏風をトラバースしたりと、案内役としてウェストンを山頂へと導いていく。今のような歩きやすい登山道はまったくない。いわゆるバリエーションルートだ。しかもすべて。当然時間もかかるわけだが、山なれた猟師の足はそれをものともしないし、驚くことにウェストンもそれについて行けるほどの足の速さだ。

この山行では、野いちごを摘んで食べるほのぼのシーンも描かれている。一方では、ウェストンがブヨに悩ませられたり、嘉門次が地蜂の巣を踏んで、ウェストンまでその蜂に襲撃されるという痛いくだりも出てくる。わざと面白おかしく演出してるのではと勘ぐりたくなるようなハプニングだ。

こんな具合に、ウェストンが山に赴くたびに何がしか事件は起きる。そんなドタバタ劇を読むのは楽しいし、訪れる先々での美しい自然描写が丹念になされているのもいい。

またこの本で興味深いのは、山の記述ばかりではなく、日本の風俗にも目を向けていることだ。明治時代というのは、地方に行けば、ほとんど江戸時代と同じなわけで、公衆浴場はついこの間まで混浴。お上から男湯と女湯に分けろといわれ、湯船にロープが張ってあるだけというところもあったらしい。風呂場は、コミュニケーションの場という観念もあったようで、自宅の風呂が通りに面していて、風呂に入りながら、近所の人と談笑できるというのは、当たり前にあったようだ。

ウェストンが読み継がれているのには、こんな理由もあったのだ。山行記としての性格に、日本の明治時代の風俗誌という性格をもあわせもつというのは、本当にユニークだ。真っ先に山やさんの蔵書に加えられる本というのはうなづける。

日本アルプス―登山と探検 (平凡社ライブラリー)
クリエーター情報なし
平凡社

 

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芦ヶ久保から丸山

2013-03-16 | 山行~奥多摩・奥武蔵

000img_6531標高 960m 埼玉県

2013年2月24日(日) おおむね晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:30道の駅果樹園あしがくぼ9:43--10:00分岐(国道299号より左折)--10:38 550m近辺(竹林地帯)休憩10:47--11:23大野峠11:30--11:58丸山山頂(昼食)12:38--14:00道の駅果樹公園あしがくぼ

当初は奥日光方面へスノーシューだと、計画していたのだが、仕事が繁忙期につき、ちょっとよれていた。体力的にキツそうだから、方針転換し、近場の陽だまり山行にしようと出かけたのだったが……。

7:25家を出発し、高速を使わずに下の道を所沢経由で行く。国道299号に入ると、信号も少なくなり、ストレスなく走れる。途中コンビニで買出しをし、道の駅果樹園あしがくぼには、9:30に到着した。気温は3℃しかなく、車から降りるとかなりひんやりしている。まだ観光シーズンには、早いからか、駐車場は比較的空いていた。山の格好をしたグループが先行して出発していくのが見える。

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左:道の駅果樹園あしがくぼ 右:国道299号から左に入っていく

9:43山の神と私も道の駅を後にする。国道299号沿いにしばらく歩いていく。そろそろ左に折れる頃合だと時計を見る。釣堀を過ぎるとすぐに、間違いようのないくらい目だつ道標が出てきた。

左に入っていくと住宅がまばらにあって、すぐに山道になる。杉の林がしばらく続く。今年はありがたいことに花粉がなかなか飛散していないが、この日も葉を赤くしている割には、目や鼻を直撃しては来ない。横移動をしばらく続ける。

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左:大野峠の東屋 右:パラの発進場。とても見晴らしがいい

杉林のなかで、ひと際青々とした竹が群生している箇所で、ちょっと休憩をとる。再び歩き始めると、急登に入る。薄暗い道をぐんぐん高度をかせいでいくと、突然車道に突き当たる。大野峠だ。山に上がっていく舗装路は雪がしっかり着いている。どこへ向かったのか、わだちが残っていた。

大野峠の東屋でお茶を飲んで出発する。峠からはいきなり急な上りとなる。しかしすぐにパラグライダーの発進場が現れた。見晴らしもよく、日向ぼっこには、もってこいの場所だ。すでに昼時だったので、お弁当を広げているパーティや単独行の方がいた。

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左:明るく快適な道 右:丸山山頂の展望台

ここから丸山へは、快適な道が続く。ハイカーも多く、何組かとすれ違う。正午ごろ丸山山頂に到着した。だいぶ雪が残っていて、さらには風が強く吹きつけ、とにかく寒い。展望台の建物のなかで、風をやり過ごしている人もいた。山の神と私は吹きさらしのベンチで昼ごはんとなった。

寒いと食べる速さも自然と上がるのだが、火力が弱かったせいか、お湯がなかなか沸かずにじれていた。おにぎり二つを食べ終えてもなお、沸騰しない。水を入れすぎたかと、今さらといいながら、少し水を捨てる。

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山肌を削られた武甲山

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榛名山系を望む

07img_6539泡がちょっとプクプク出てきた頃、沸騰したことにして、スープや味噌汁にお湯を注いだ。もたもたしているうちに山頂にいた人たちは続々と下山していく。人がいなくなると、余計寒さが身にしみてくる。風は相変わらず強い。

しかし目の前には、風などものともしない秩父の主、武甲山がでんとある。日本の山ではないようなこのピラミッド形状は、痛々しい感じもあるが、人工的な美を備えているともいえようか。

12:38下山開始。雪をなめてくる風が体を冷え込ませる。そもそも雪なんてないだろうと、タカをくくっていたのだが、予想外に大量に残っていた。山頂でアイゼンを装着している人もいるほどだ。山の神と私は、アイゼンをつけるほどではないと判断したのだが、やはり雪のついた下り斜面は、非常に歩きにくかった。中途半端に雪がついているところは、本当に厄介だ。

下っていくうちに登山道の雪は消えた。そのうち車道に出て、目の前に果樹園。そこからはもう道の駅が見えている。日向山のほうから下ってくるパーティが追いついてくる。14:00道の駅に無事到着した。地場の野菜を買って家路につく。今晩のおかずねと山の神。早く家に帰って風呂だと、圏央道、狭山日高インターを目指した。

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天覧山・多峰主(とうのす)山

2013-03-09 | 山行~奥多摩・奥武蔵

天覧山 標高 197m 多峰主山 271m 埼玉県

2006年2月5日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 高麗駅10:20--11:10高麗峠11:20--11:50天覧山11:55--雨乞池--12:28多峰主山(昼食)13:28--14:25飯能駅前

近場の低山ということで、ゆっくりめの7:00頃に起き出した。新聞を取りに外に出てみると、非常に冷え込んでいる。寒波到来なのだ。外のバケツには氷が張っていた。家で朝ごはんを食べて8:00出発する。

電車を乗り継いで池袋に出、西武線急行飯能行き9:01発に乗り込んだ。比較的空いていて快適な乗り心地だ。終点飯能で乗り換えて、起点となる高麗(こま)駅には10:10頃到着した。

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左:高麗駅。このトーテムポールのようなものは強烈な印象を残す 右:樹林帯の中の高麗峠

駅前広場には、巨大なトーテムポールのようなものがあった。山の神とこの不思議な光景を眺めながら、これはいったい何だと、どこかに案内板はないのかと、あたりを見回してみたが何も見つけられなかった。

あとからネットで検索してみると、この地は名前から伺い知れるように、高麗(こうらい)ゆかりの地とわかる。高句麗が新羅・百済に滅ぼされたときに、この地に王族が逃げのびてきて、そのまま定住したようだ。このトーテムポールのようなものは、朝鮮半島では将軍標と呼ばれており、日本の道祖神にあたるという。

高麗駅を後にし、まずは巾着田を目指す。道はわかりにくいが、ところどころに道標があるので、それを見つけては進んでいく。この日は、巾着田で凧揚げ大会があって、大勢の人が詰め掛け凧揚げに興じていた。冷たい風が吹き抜けていたが、そんなことには一切かまわず元気一杯子どもたちは走り回っていた。

巾着田を抜けて、丘陵地帯を上っていく。11:10高麗峠の道標に出て、いったんザックを下ろした。休憩していると、じわじわと冷え込んでくる。やはり寒波の影響で寒い。

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左:天覧山山頂 右:天覧山山頂からの眺め。標高は低いながら、見晴らしがいい。

峠から30分ほどで天覧山のこぢんまりとした山頂に到着した。明治天皇が近衛兵の演習をこの山頂からご覧になられたことから、この名がついたという。たしかに標高は低いものの、見晴らしはいい。

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左:雨乞池 右:雨乞池近辺の雑木林

天覧山を11:55後にする。ほどなくして杉に囲まれた雨乞池に出る。相当気温は低く、池はカチンカチンに凍結していた。奥にあずま屋があったが、あんな日陰にいたら、凍えるだろう。

明るい雑木林を抜け、12:38多峰主山山頂に到着した。この寒いなかでも、ハイカーや登山者が大勢いる。皆お弁当を広げ、ご歓談中だ。ふと目をやると、団体もいて大賑わいだった。

007p2053067_2 多峰主山山頂

P2053070 山頂からの眺望

陽だまりのベンチをひとつ山の神とともに占領し、昼食にした。ここからの眺めも悪くない。この山は、飯能の駅からハイキング目当てで訪れる人も多い。ちょっとしたジモティのくつろぎの場のようだ。

下山は飯能駅へ向かう。だいぶ体が冷えたせいもあって、駅前のどこか喫茶店で、熱いコーヒーでも飲みたいねと山の神。それはいいと、駅への道を急いだが、道を間違えたようで遠回りをしていた。ようやく街中に入ってくると、すぐに珈琲館の看板が目に飛び込んできた。よしここだと、山の神と店内に吸い込まれていったのだった。

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