目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

鹿フェンスを越えて、富士山ビューの石割山へ

2017-04-30 | 山行~伊豆・箱根と富士山周辺

平尾山 標高 1318m 石割山 1412.3m 山梨県

2017年4月16日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:40内野の貯水池駐車場7:55--9:18鹿フェンス沿いの道9:23--10:13平尾山(昼食)10:50--11:18石割山11:23--12:25駐車場

GWを前にして、花粉症のひどい山の神がしばらく歩いていないこともあり、少し足馴らしをしておこうということになった。渋滞にそれほど遭わずに車で行きやすいところと考えると、富士五湖周辺か?と2017年版の地図を購入し眺めた。山中湖辺りはしばらく歩いていないし、新しい登山道も整備されているじゃないかと、内野の貯水池に車を置いて石割山を目指すことにした。

5:15自宅を出発。談合坂SAに入って、前日買っておいたパンを朝食に休憩する。ここで予定外のほぼ1時間くらいを費やしてしまった。急げや急げと、カーナビに目的地を入れて走る。河口湖インターで下りて(下りないほうがよかったのか)、事前にグーグルマップでルート検索していた道とは違うが、まあ、いいかと進んでいく。やがて農道に入り、たぶんこっちだろうと当てずっぽうに進むと大正解。まんざら方向音痴でもないなと自画自賛しながら、7:40貯水池に着いた。

 
左:内野の貯水池下駐車場。奥にトイレ 右:下のほうにはマガモがいた貯水池

1台も車がないのをいぶかしく思いながら、トイレに寄って、山の神とともに出発する。貯水池は柵が巡らされて立入禁止ということもあって、マガモたちがその中で悠々と暮らしている。少し歩くと、もう一つ駐車スペースがあった。

 
左:どん詰まり。ここから強引に上がったが登山道なし 右:ピンクテープがあったが、林業関係者の目印?

林道を上がっていき、ピンクテープに従って砂防ダム沿いに進む。といきなり、道がなくなった。沢沿いは明らかに違う。直登している踏み後があって、これかと登っていくと、踏み後はすぐにはっきりしなくなった。おかしいなといいつつ、ガシガシ登っていく。

 
左:ヤブこぎは続く 右:さらに間違って三叉路を直進

ヤブこぎになって、明らかに違うのだが、もう下る気はさらさらなくて、見上げた先にあるあの稜線に登山道があるはずと、強引に進むことにした。山の神が弱音を吐いているが、かまわず前進。やがて鹿フェンスの向こうに登山道が出てきた。ちょこっと足をかけて乗り越え、登山道にひらりと着地(すいません)。

どうなることやらの緊張も解けて、やれやれと休憩にした。一息ついた後、さてと、ここからは上りだろうと右手に進んでいくと、上方に別荘が見えてくる。あれっ、通り過ぎたのか。稜線の登山道ではないよな、これっとなって元来た道を下る。それがまた失敗だった。どんどん進んでいくと、どんどん下ってしまう。こっちだよとの山の神の言葉に支えられながら進むも、おかしいなと確信が揺らいできた頃、明らかに下山する九十九折の道に出た。

 尾根に出て平尾山への長い階段

やっぱり逆だと登り返す。軽く足馴らしのはずが、とんだ足馴らしになる。先ほど引き返した地点をさらに進むと、鹿フェンスの扉があって、開けて閉める。また扉が出てきてまた開けて閉める。そうしてやっとのこと、山中湖、別荘地、富士山を一望できる稜線に出た。

 
左:平尾山の標柱 右:平尾山から山中湖を見下ろす

そこからバリバリ階段を上り、10:13展望抜群の平尾山の頂上に到着した。すでに何人か登山者がいてくつろいでいた。石割山に行ってメシかな?と山の神に問うと、おなか減ったから、ここで食べちゃおうという。まだ10時台だけどいいかと、レジャーシートを広げて、ご飯にした。


平尾山から冠雪した南アルプスを眺める

間近に見える富士山は圧巻だが、たまにキズなのは、野焼きの汚い煙が常に富士山にまとわり着いていること。せっかくの富士山が台無しだ。代わりに冠雪した南アルプスに目を凝らす。

  
左2点:石割山山頂にて 右:下山時、平尾山への気持ちのいい道

10:50石割山に向けて出発する。さすがに人気の山塊だけあって、多くのパーティとすれ違う。アップダウンがちょっとあって最後の急登を上がると、あっけなく石割山の山頂に着いた。家族連れがいるだけで、人は少ない。記念撮影だけして(左上2点)、早々に下ることにした。


平尾山へ戻って富士山を望む

ヤブこぎが鍛錬になったのか、山の神も私も妙に足取りは軽い。サクサクと歩いて、平尾山に戻った。さっきよりは野焼きの煙が少なくなって、富士山のお姿もちょっとはきれいになった(上の写真)。

 
左:帰りはイヤというほど鹿フェンスを通過 右:朝間違った分岐。でも正しい道(左側)にはテープはないが、右にはある

帰路は、再び鹿フェンスの扉を開けたり閉めたりしながら下る。たぶんこの道が正しいのだろうと、最後は荒れた林道をどんどん下る。そして朝間違った箇所を確認した。その分岐には道標も何もなく、正しい道にはテープなし。違う道側にテープが付けられていた。このテープは作業者用だったのか。ただ、朝ここを通過するときに、もしやこっちかという直感もはたらいたのだが、やはりテープがついているほうに進んでしまった。

12:25あれだけ遠回りしたのに、ほぼ予定どおり下山し、駐車場に到着した。来たときとまったく同じで、愛車エスクードがぽつんと1台停まったきり。人気がない登山道というよりは、まだ知られていないし、整備されていないからだろうね。帰りの高速は、予定どおりの下山時間だったこともあり、渋滞なし。すんなりと14時台に自宅に戻った。

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縄文時代以前は火山の爆発が続いた日本『火山で読み解く古事記の謎』

2017-04-22 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

『火山で読み解く古事記の謎』蒲池明弘(文春新書)

古事記といえば、日本最古の歴史書。この本では、古事記に登場する神々は、縄文時代やもっと前に日本列島で活発に活動していた火山をモチーフにしているというユニークな論を展開している。なぜかという解説を読んでいるとたしかにそんな気がしてくる。人々を苦しめるヤマタノオロチは、まさに火砕流が火口から流れ出てくる様子をこの化け物に仮託しているととれる。古事記の描写では、黒々とした体にマグマのような赤い筋がちろちろと見えているとしている。シンゴジラみたいなもんだ。天岩戸(あまのいわと)伝説は、噴火による噴煙が上空何万メートルかを漂い太陽の光を遮ったことをアマテラスが岩戸に隠れたとしたのか。それがにぎやかな祭祀中に、たまたま噴煙が流れ、晴れ間が覗いてきたのか。また日本の神話は、九州と出雲を舞台にしているが、九州といえば、阿蘇、霧島連峰、桜島近辺の姶良カルデラといった火山群があるし、出雲には三瓶山がある。いずれも縄文時代以前に大噴火を起こしている。出雲にいたっては、雲が出づるという名前で、これは噴煙による雲を指しているとも考えられる。

この本を読んで、真っ先に思い出したのが、いま私の机上に100ページくらい読んで止まっている『1万年の旅路 ネイティブ・アメリカンの口承史』。この本は、驚くべきことに、ベーリング海峡がかろうじてまだ地続きだった頃に、アジア側から北米大陸へ徒歩で渡りきったある部族の口承による記録だ。口承であるのに、かなり詳細に一族の長い旅の状況が伝わっている。それは、一族のなかでもっとも優れた記憶力をもつ者、ただ一人が、一族の重要な歴史、すべてのエピソードや指導者の言葉などを暗唱し、次世代に伝える義務があったからだ。

一方で日本の口承伝はどうだろうか。何かを正確無比に口頭で伝えようということはあったろうか。おそらくないだろう。であれば、縄文時代以前に火山噴火によってもたらされた災害は、口から口へと経るごとに、さまざまなものに置き換わったり、内容も尾ひれがついて改変され、世代を超えて伝えられたに違いない。そう考えていくうちに、蒲池氏の説はまんざら荒唐無稽とは言えないし、むしろ真実に近いのではないかと思った。

そんなことをつらつら考えているうちに、日本の縄文時代が長いのは、そして国家の成立が遅かったのは、活発な火山活動で被災することが多かったせいではないかと思い至った。ちょっと飛躍か。でも総じて示唆に富み、古代の日本列島がどんな状況で、人々の暮らしがどうだったのかと想像が膨らむ面白い本だった。

火山で読み解く古事記の謎 (文春新書)
クリエーター情報なし
文藝春秋
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祝!南谷真鈴さん北極点到達

2017-04-20 | テレビ・映画

「エクスプローラーズ・グランドスラム」達成! なんのことだろうと思ったら、世界七大陸最高峰と北極・南極の極点に立ったということだった。昨日4/19(水)は、弱冠20歳の日本人女性が世界最年少でこれを成し遂げたとして、世界中をこのニュースが駆け巡っていた。私は北極点到達は、まだまだ先だと思っていたので、かなりびっくりしてしまった。

なぜって。それは先週ニューズウィーク日本版のサイトで「世界最高峰に立つ日本人女性冒険家の戦い」という記事を目にしていて、挑戦がスタートしたばかりと勝手に思い込んでいたから。この時点では、以前「クレイジージャーニー」に出演していた北極冒険家、荻田泰永さんのことを思い出しながら、たいへんだろうなと想像を巡らせていた(「クレイジージャーニー」はYoutubeで視聴可)。荻田さんによれば、北極は大陸ではなく、氷の塊が海に浮いている場所。だから自分では前進しているつもりでも、氷が海流に乗って、ヘタしたら後退していることもあると発言していた。さらにはキャンプ地ではホッキョクグマが襲来したり、乱氷帯に行く手を遮られたり、氷の割れ目が延々と続いて目指す方向に進めなかったり、おまけに超低温で消耗が激しいと、その苦労を語っていた。挙句は北極は楽しくないと本音もポロリ、じゃあ、なんで行くんだよと、番組では激しく突っ込まれていた。

そんな極限地帯に挑むこと自体が、普通の感覚では信じられない。でも、行っちゃうんだねえ。根っからのチャレンジャーか。報道によれば、荻田さん同様、ホッキョクグマに遭遇、しかも食糧を持っていかれている。同行していた仲間が凍傷で離脱したエピソードも明かしている。

そんな南谷真鈴(みなみや・まりん)さんはまだ大学生。早稲田大学政治経済学部3年生というから、若くてうらやましいし、誰もが認める才媛だ。しかもこの図抜けた行動力。すごいね。次はセーリングの世界一周が目標というから、末恐ろしい。垂直(山)志向だけはなく、水平志向もある、植村直己さんのような冒険家を目指すのだろうね。でもちょっと違うか。次は海だもんね。ブランソンみたいに空も、宇宙にも飛び出すんだろうか。

参考:南谷さんのエクスプローラーズ・グランドスラムの軌跡
2015年1月 アコンカグア
2015年8月 キリマンジャロ
2015年12月 コジオスコ
2015年12月 ビンソンマシフ
2016年1月 南極点
2016年3月 エルブルス
2016年5月 エベレスト
2016年7月 デナリ(マッキンリー)
2017年4月 北極点

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春爛漫

2017-04-16 | 日記


4/9(日)野川の桜。あいにくの雨

春といえば桜。今年も山の神との花見はかなわなかった。イオンで白ワインを買って準備していたのに、、、天気が悪いとねえ、なかなか外でお花見という気分にはならない。今週は晴れたけれども、もう葉桜。うまくいかない。代わりに山中湖方面に行ったので、次回に報告しますね。

 
左:ドウダンツツジ 右:桃(観賞用)

桜が咲いていると、そればかりに気をとられるけれども、春爛漫という言葉があるとおり、ほかの花々も温かくなると、一斉に自己主張を始める。自宅の庭や鉢植えにしている植物たちも例外ではない。ただクロッカスの花は、ちゃんと観賞していないうちに、いつの間にか終わりにさしかかっていて残念だった。小さくてかわいらしい紫の花を咲かせる。来年に期待するとしよう。

 
左:チューリップ 右:ヤエヤマブキ

去年収穫した球根から花をつけたチューリップは、今のところ一輪だけ。たった一輪の割には存在感たっぷりなのが頼もしい。ヤエヤマブキは今年はだいぶ遅い。春だと思い出したように今月に入ってから花を咲かせ始めた。もうすぐ咲きそうなのは、モッコウバラとヒメウツギか。今年は寒かったせいもあって、開花を忘れたようだ。春のお楽しみは少しとっておこう。

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滑落事故があった天祖山へ

2017-04-09 | 山行~奥多摩・奥武蔵

標高 1723.2m 東京都

2007年5月27日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 八丁橋駐車スペース8:50--9:20尾根9:25--天神神社(大日大神)--10:10休憩10:20--11:20休憩11:25--11:43天祖山山頂・天祖神社--13:00分岐(昼食)13:45--14:05八丁橋

10年前の山行記録。この前年にここで滑落事故があったのだが、すっかりそんなことは忘れていて、遭難場所をおっかなびっくり通過した(後述)。

さてこの日は6:00に山の神とともに自宅を出発した。吉野街道沿いのセブンイレブンで買出しをし、寒山寺駐車場に入って、朝食をとった。

 
左:八丁橋(下山後撮影) 右:日原川

その後日原街道に入り、最後はダートコース。目を奪われるもえる新緑の中、八丁橋に到着した。かなりの数の工事車両が停まっていて、ムムムと思いながら、端っこに車を停めた。山支度をして、山の神と出発する。日原川に架けられた八丁橋を渡り、登山口へ向かう。

 
左:天祖山登山口(まっすぐ行けば富田新道、雲取へ) 右:天神神社(大日大神;おおひおおかみ)

登山口から急な登りが続いて早々に休もうと、尾根に出てすぐに水分補給休憩にした。しかし風がちょっと強いなと、早々に腰を上げる。やがて廃屋と化した神社が現れた。これは何神社だろうと山の神と話していると、道標の真ん中にマーカーで「大日大神(おおひおおかみ)」と書かれていた。正しいと信じて、そうしておこう。2万5000分の1の地形図には天神神社と出ているので、正式には天神神社なのだろう。

 
左:新緑の気持ちのいい道を進む 右:傍らに祠

新緑の気持ちのいい森を抜けていく。途中1度休憩を挟み、けっこうな急登を耐えていくと、突然開けたところに出た。立ち枯れ地帯だ。

 
2点とも:開けたと思ったら、立ち枯れの木が目立つ

90年代に1度訪れているのだが、立ち枯れの木が増えたように思える。そのうち丸坊主になるんじゃないかとさえ感じた。春の日差しが柔らかに入り込んで、気持ちがいいけれども、汚染物質がちょうどここに流れ込んできているのかもしれない。この山の北東斜面で石灰岩を削りとっているから、そこからの可能性もないとはいえないだろう。先日歩いたタワ尾根からは、この採石場はよく見えた。


天祖神社/天祖山山頂

立ち枯れ地帯で5分ほど休憩し、山頂へ向かった。11:43天祖山山頂に到着。山頂標示があるところには天祖神社があった。天祖神社は天学教会の神社で、天祖山を霊山とし、ご神体としているようだ。山頂にこれだけの建物を造るとは、信仰心が篤い方々のなせる業だろう。奥には社務所もあった。


立ち枯れ地帯

さあ、お昼にしようと山の神にいうと、なんか荒れているから、もっといい場所を探そうという。でも登ってくるときにそんないい場所はあったかなと思いながらも、下り始めた。

やはり、適当な場所はなかった。朝通過した気持ちのいい新緑地帯は、太陽が天頂を回ると薄暗い場所へと変貌していた。そのうち杉林になり、天神神社まで来てしまった。そこから少し下り、尾根からはずれ急坂になる分岐で、もう食べるところないよと観念した。

 
2点とも:滑落現場

登り時に滑落注意の文字が気になっていたのだが、下山時に山の神が思い出したようにいった。そういえば天祖山で誰か滑落事故を起こしているよねと。ここだよ。たしかにトラロープが張られていないと、まっすぐ下ってしまいそうだ。覗くとかなり危なそうな急斜面、というかほとんど崖。ここは左に巻いていくのが正解となる。今改めて検索して調べてみると、この頃3件の事故が起きていた。

・2004年11月7日 植生調査の私立女子大生(21)70m滑落、死亡
・2006年11月4日 下山中の68歳女性が60m滑落、重症
・2006年11月4日 下山中の46歳女性が50m滑落、死亡

2006年は同日だから、もしかして同じパーティか? 助けに行って、2次災害か?天祖山の登山口近くは、ちょっとした岩場になっていて危険だ。下山時にルートを間違って滑落したのだろう。今はきちんと整備されているからそんな心配は無用だろうけど。

山の神と私は、花が手向けられている遭難現場を見ながら、14:05八丁橋たもとの駐車スペースに無事下山した。滑落しなくてよかった。すぐに帰り支度をし、寄り道せずにまっすぐ帰宅。渋滞なしでスイスイだった。

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