目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

山女日記

2014-11-30 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『山女日記』湊かなえ(幻冬舎)

読み始めて、すぐに軽い読み物かと思ったが、読んでいくとそうでもない。艱難辛苦を背負った人たちが山で発散する話なのかと思い始めたが、読みすすめていくとそうではない。二つ目の山、三つ目の山と話が進んでいくと、ようやく著者の目論見がほの見えてくる。

まず、面白いと思ったのが、登場人物がいろいろな山に重複して出てくることだ。しかも主人公だった人が、次には脇役で、ヘタしたらもう通りすがりの人として出てくる。主観と客観が交差している。作家の老練なテクニックが光る。

山の選び方も憎い。富士山ブームだから、富士山を避けたのかもしれないが、あえて富士登山は書かない。妙高・火打から始まるのが、ちょっとツウだ。山初心者で、とりあえず行ってみたくなるのがこの山だ。私も山を始めて早々にここを訪れている。とにかく火打の高谷池や天狗の庭などは絶景以外のなにものでもない。もうその写真を見た瞬間に行きたくなる山だろう。

ほかに、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山といったメジャーどころが次々に読者をひきつける。最後は聞いたことのあるような、ないような「トンガリロ」。ああ、そうそうニュージーランドだよ。海外まで読者を連れて行って、ものがたりを締めくくる。なかなかの手だれだ。山登り自体がもうそれだけで、日常から切り離された世界であるけれども、さらに海の向こうに赴くことで、日常から最果ての地に登場人物たちは、そして読者は投げ出される。自分を見つめなおすロケーションとしては、もってこいだ。

どの山のストーリーも身近にいそうな人たちが主人公で、感情移入して読める。しかも自分の趣味である山登りをモチーフにしているから楽しさ倍増。山のぼらーや山ガールの方々にはぜひおすすめです。ちなみに山の神にも薦めておきました。

山女日記
クリエーター情報なし
幻冬舎
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稲包山

2014-11-24 | 山行~上州

標高 14597.7m 群馬県

2014年11月2日(日) 晴れのち曇りのち雨

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:35赤沢やすらぎ広場8:46--9:35林道分岐(「緑の回廊・三国線」看板設置場所)9:43--10:35赤沢峠10:45--11:56稲包山山頂(昼食)12:37--13:41赤沢峠13:50--15:00赤沢やすらぎ広場

いつもなら予定より10分遅れとなるのだが、珍しく5分も早く4:55家を出発した。日が短くなってきたせいか、車の出足も鈍くなってきているようで、交通量はそれほどでもない。と思ったのは勘違いだったのか、関越の上里SAに入ると大賑わいだった。ここで朝食をとり、渋川伊香保ICで下りる。時間のせいか品揃えが今イチのコンビニで買出しをし、一路目印となる四万温泉を目指した。

 
左:赤沢やすらぎ広場駐車場(4台分) 右:稲包山登山口

最終トイレ、こしきの湯に寄ってから、奥四万湖をぐるりと回り登山口に着いた。1台路肩に停まっていたが、きちんとした駐車場があるはずと、行ったりきたりして、いったんは通過した駐車場に戻った。車を停めて標示を見ると、赤沢やすらぎ広場と出ていた。登山口から少し離れているけれど、ここでいいかと身支度を始める。

8:46背後の錦秋の山を仰いだあと、歩き始める。先ほどパスした登山口にまもなく到着する。登山口にあると勝手に思い込んでいた駐車場は結局ないことがわかった。この登山口前のスペースに皆さん停めているようだ。

 
紅葉の競演

登山口の階段を上がっていくと、すぐに紅葉の競演が始まる。黄色、橙色、そして真っ赤に彩られた木々の間を縫って登っていく。青空のもと気持ちのいい道が続く。

 
左:上のほうへいくと紅葉も終わりかけ 右:葉の落ちた稜線。笹原が広がる

9:35右手に林道へ下る道がつけられた分岐で休憩。「緑の回廊・三国線」と大きな看板が出ている。空を見上げると、雲が広がり始めた。

たらたらとした尾根筋を登っていくと、年配の夫婦が前を歩いている。この後、赤沢峠の東屋で話したのだが、単調な景色でつまらないし、もう疲れてしまったという。いい感じの紅葉だと思っていたのだが、たしかに峠近くでは、葉が落ちて単調な景色といえなくもない。

 
左:赤沢峠の東屋(復路で撮影) 右:稲包山のとんがりが見える 

だいぶへばった頃、ようやく赤沢峠に到着した(10:35)。山の神にいわせると、私のペースはふだんよりだいぶ落ちていたし、足どりが重たかったようだ。たしかに足が前に出ず息は上がっていた。でも、ここで行動食をとり、お茶をがぶがぶ飲んだら、体力も活力も復活した。

峠を後にすると、いつのまにか空は雲に覆われ、寒々とした風景に様変わりしていた。落ち葉を踏みしめ、ペースアップして登高していく。そのうち稲包山のとんがりが見えてきた。

   稲包山頂から苗場が見えた

右手に法師温泉側へ下る道がいくつも出てくるが、休むことなくどんどん登っていく。カップルが下ってきた。登山口に1台停まっていた車の持ち主だろうか。山頂は人がいなさそうだと思いながら、最後のひと登りを一気に行くと、話し声が聞こえてくる。11:56稲包山山頂にたどり着くと、目の前には団体様がいた。

山頂付近はガスが大量に流れていた。そんな中でも苗場だけはよく見えていて、こんなに近いのかと驚く。山頂を占領していた団体様はすぐに下山を始め、静寂が訪れる。その後は、三国峠側から来た年配の夫婦と単独の方が1名だけだった。昼食をとって12:37下り始める。赤沢峠で別れた夫婦が登ってくる。なんとか山頂に到着のようだ。


赤沢やすらぎ広場から奥四万湖を望む

13:41赤沢峠に戻る。見上げるとどんよりとした雲がたれ込めている。ヤバそうだ。さっさと下ろうと、山の神を促した。紅葉の森に戻ると、人の声が聞こえてくる。そして視界に赤や青のウェアが。山頂にいたあの団体様だった。先に行かせてもらえるだろうかと思っていると、今度はポツリポツリと雨粒が落ちてくる。矢継ぎ早に押し寄せてきた不幸にがっくりきながら、ザックカバーと上だけ雨具をつける。あと30分くらいで下山できたのに……。

団体様はこの雨で雨具をつけた人から歩き始めていて、何人かのグループにばらけていた。先に行かせてもらううちに、先行していたグループは、途中の分岐から林道へ下っていった。団体様がいなくなりホッとして、雨そぼ降る中、紅葉の道を下った。15:00赤沢やすらぎ広場に戻った。 

車を出すと、ダムの周辺には大勢の観光客が紅葉狩りをしていた。カメラを携えた人、スマホで撮影する人、皆が山を愛でている。濡れそぼった山は、さらに紅葉を美しく染め上げていた。彼らの横をすり抜け、いつもならこのまま帰るのだが、本日はふもとの温泉、四万温泉に予約をしていた。国民宿舎ゆずりは荘へチェックインする。四万の病を治すという名湯、とてもいい湯で、とてもくつろげた。

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NEW登山靴

2014-11-16 | 山道具&ウェア

NEW登山靴

 

 

 

 

 

 

 

すでに今日で3度履いた、おNEWの登山靴

 都内某所の山道具屋で先日重登山靴を購入した。直前まで使っていたものがだいぶ靴底が磨り減ってしまったので、えいやの奮発。一度ソールを張り替えていて、もう一度張り替えができそうではあったのだが、どうもへたり具合が気になっていた。いっそのこと、新しいものに買い換えてしまえとなった。

 購入にあたって店頭で重登山靴を物色していて、「自分のサイズがないんですけど」と店員に聞いた。「街中で履くんですか?」ときた。思わず目が点になった。重登山靴を指定しているのに、そう聞くか。店員から見れば、まったく山をやらない人間に見えたようだ。シティ派のヤサ男というところか。

「いや、重登山靴を探してるんです」と繰り返して、やっと納得してもらえた。それにしてもこんな勘違いをするということは、裏を返せば、登山靴を街歩き用に使う人がけっこういるということなのだろう。街歩きに登山靴では、足が疲れるだけだろうに。ちょっとしたファッションなのだろうか。まっ、いずれにしても購入できてよかった。

さっそく北アルプス、霞沢岳山行から使用している。ホールド感がいい靴で履き心地はいい。皆さんもこれから購入される方は、SIRIO、お勧めです。

 

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上州三峰山

2014-11-09 | 山行~上州

標高 1122.5m 群馬県

2014年10月19日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:40河内神社駐車場8:55--9:13河内神社9:20--10:10トンネル上 越えた辺りで休憩10:15--10:55三峰山山頂(昼食)11:41--12:53三峰沼13:07--天狗岩--13:50河内神社駐車場

目覚まし時計が電池切れで鳴らず、山の神とともにすっかり寝過ごしてしまった。時計を見てえっと驚き飛び起きた。慌しく準備して少しだけ巻き返して5:45家を出発した。今回の山行は、一部のガイドブックにしか出ていない穴場の山、三峰山。三峰山はほかにもあるので、通常は上州三峰山と呼ばれている。交通の便はよく、関越自動車道月夜野ICを下りてすぐに登山口がある。

 
左:ゆったりとしたスペースの河内神社駐車場。トイレあり 右:パラグライダー用のモノレール乗り場

登山口である河内神社の駐車場には8:40に到着した。このあたりで作業をするのか、草刈機のエンジンをかけようと四苦八苦している年配の方がいるのみで、あとは誰もいない。本日の登山者はゼロかと思いながら、山の神と身支度をして出発すると、車が1台滑り込んできた。降りてきたのは年配の夫婦だった。のちほど山頂で会うことになる。

林道を上って行くと、パラグライダーをやる方々のためのモノレールが出てきた。乗り場の奥にある祠の右手に登山道(参道)は続いている。

  
左:河内神社。上がって左手にトイレがある 右:カラマツの美林がつづく

河内神社への階段を上り、境内に入る。なかなかの眺望を楽しめる。神社で休憩して、再び登りはじめる。すぐにパラグライダーの発着所分岐が出てくる。通過していくと、カラマツの美林が続く気持ちのいい道になる。

  
左:紅葉の落ち葉がちらほらと 右:三峰山山頂。右端の人影は山の神

しばらく起伏がない平坦な道で、まさにハイキングコース。そのうち三峰沼の分岐を通過。この辺りの登山道には栗がそここに落ちていて、秋らしさを演出していた(冒頭写真)。

ちょっとした傾斜地に入り、ちらほらと紅葉が目に入ってくる。再来週あたりが最盛期になるのだろうか。時計をみると、神社を出て50分ほどが経過していた。そろそろ休もうかと山の神に声をかけ、登山道脇に腰を下ろした。地図を広げてみると、トンネルの上を越えたあたりのようだ。

5分ほど休憩したのち、登高開始。アップダウンを繰り返して、10:55三峰山山頂に到着した。そこは樹林帯の中で、谷川岳方面だけが開けていて、トマとオキの2つの耳を遠望できた。右に視線を移すと、樹間から武尊山もかろうじて見える。


山頂からは谷川岳(右)が望める

写真を撮って、さあ、昼飯にしようと、山頂で唯一のベンチを山の神と占領してザックから食糧を取り出していると、駐車場に後から到着してきた夫婦が愛犬を伴ってやってきた。元気に吠えるワンちゃんだったが、もう老犬だとか。そのうち温泉コースからという年配のご夫婦がやってきた。人っ子一人いなかった山頂は、たちまち6人になった。とはいえ、静かな山だ。この山行で会った登山者は、この4人だけだった。それだけ一般には知られていない山なのだろう。

 黄葉が陽光に輝いていた

11:41下山開始。黄葉の樹下を通過していく。帰途は、登山道を右にそれ、三峰沼に廻る。

 
左:三峰沼に到着 右:湖面が合わせ鏡のように紅葉を映す

沼に到着すると、周囲にきちんと遊歩道がつけられていた。ぐるりと回りこんでいくと、湖面がまさに鏡と化していて、ちらほらと色づいている葉がそのままに映り込んでいる。まるで一幅の絵画のようだ。その自然が生み出した絵画を山の神と鑑賞する。

突然湖面に小さな動く影を発見した。なんだろうと思って、見上げると、パラグライダーだった。上空に5つ。気持ちよさそうに遊泳中だった。

 
河内神社から赤城山を望む

三峰沼から元の登山道に戻り、河内神社まで下る。再び赤城山の巨大な山塊を仰いだ。でっかい。上州の心のふるさとといわれる赤城山。その存在感はすごい。 

神社から駐車場に戻る林道で、天狗岩の道標が出てきた。そういえば、登るときに帰りに寄ろうといっていたんだっけ。ここから1分と書かれている。山に分け入っていくと、地味な岩と祠が出てきた。天狗岩と称するには、ちょっと違和感がある。ピストンで林道に戻り、河内神社の駐車場には13:50にたどり着いた。

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OCNから引っ越しました。

2014-11-03 | このブログについて

OCNで、2010年7月12日に「目指せ! 標高1122メートル」の第1回目の記事を書いてから、はや4年。始めた当初は誰も読まなかったし、検索してもヒットしないさびしいブログでしたが、先ごろ通算で44,000PVを越えました! 見ていただいている方、まことにありがとうございます。

引越しにあたり、使い勝手が変わったこともあって間があきましたが、またぼちぼちとやっていきます。今後ともどうかよろしくお願いいたします。 

「1122メートル」のあるじより

 

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