目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

ひたすら忍耐、三岩岳

2020-10-04 | 山行~東北

標高 2065m 福島県

2020年9月21日(月・祝)雨のち曇り  

メンバー 山の神と私

コースタイム 6:35小豆温泉スノーシェッド駐車場6:48--国体コース--7:46休憩7:55--8:38黒桧沢分岐8:45--合羽装着--10:36三岩避難小屋(昼食)11:25--12:09三岩岳山頂12:23--13:02三岩避難小屋13:15--14:18黒桧沢分岐14:36--国体コース--休憩--15:51車道--16:00駐車場

前泊は見通りオートキャンプ場。5:00に起床し、朝食を食べてテント撤収、キャンプ場から7~8分で小豆温泉スノーシェッド駐車場に到着した。先着様は那須ナンバーの方で、ちょうど出発していく2人の後ろ姿を見送った。


左:小豆温泉スノーシェッド駐車場 右:国体コース登山口

準備を済ませ写真を撮って、6:48山の神とともに駐車場を後にした。その時ぽつりと雨粒が手の甲に落ちた。今朝は見ていないが、予報では晴れのはず。すぐに晴れ間が出てくるさと気にも留めずにシェッド内の歩道に入った。

シェッド内は車がビュンビュン飛ばしていて、歩道が一段高いところになってはいるものの、気分のいいものではない。黙々とシェッドを抜け10分ほどで国体コースの入口に着いた。黒桧沢コースは通れませんの案内が出ていた。


左:すぐに急登が始まった 右:ブナの美林には癒される

登山口を入ってすぐに急な階段が出てくる。すぐに歩きやすい道になるだろうと思ったのは迂闊だった。地図の等高線が詰まっているからといって、急坂ばかりの道とは限らず、九十九折にして歩きやすくしたりするものだが、ここの登山道は直登ばかりで難儀な道だった。

ブナの美しい森が出てきて癒されるのだが、直登には参った。すぐに汗だくになって、1枚脱ぐことになる。

イタズラの落書き

途中のブナの幹には、残念なことにイタズラ書きが多かった。自分の名前なのか、友だちの名前なのか「星」という苗字が彫られていて、印象に残ったのだが、この日の宿のフロント係がなんと、星さんだった(チェックアウトするときに領収書に押されたハンコでわかった)。檜枝岐には星さんは多いんですか?と聞くと、多いですねの回答。この辺りは3つくらいしか苗字はないからねえといっていた。そうなのか。


左:これでもかと急登はつづく 右:通行止めの黒桧沢への入口

蜘蛛の巣の糸が顔や腕にまとわりつくのにも参った。那須ナンバーの方はこのコースには明らかに来ていないようだった。山の神に、今日は先頭を歩いてみるのもいいかもねと振り向くと、体よく断られた。


左:黒桧沢分岐に設置されていた案内板 右:道標完備!

8:38黒桧沢の分岐に到着する。ポツリポツリと来ていた雨は、この辺りで間断なく降るふつうの小雨になる。休憩後再び歩き始めても、合羽を着ると暑いよなと粘っていたが、止みそうにない雨に促されて足を止めた。ザックカバーを付け、上衣だけ着る。

樹林帯を抜ける頃、いつの間にか山の神の姿が見えなくなっていた。どこかで合羽の下を履いているのかと私もザックを下ろして、下を履き始める。やがて山の神が現れるが、たんに雨雲をスマホでチェックしようとしていたようだった。結局スマホはつながらなかったようだが。

まったく止む気配のない雨

おもむろに山の神も合羽パンツをはき始める。停滞するわれわれをしり目に単独の若い男性が軽やかに追い越していく。今日のこの山の登山者はこれで全員なのかとそのとき思った。

そのうち湿原が出てくるが、想像したよりもこぢんまりとしていて質素。花もなく寂しいかぎりだった。

10:36予定よりも遅れて三岩避難小屋(三ツ岩小屋)に到着した。先ほどの単独者が小屋内でごはんの準備中だった。われわれも昼ごはんにしようと湯を沸かし始める。


左:こぢんまりとした湿原 右:三岩避難小屋を後にする

暗いから扉を開けていたこともあるのだが、小屋内はひんやりしていた。雨で気温がぐんぐん下がっているようだ。合羽で暑くなると思っていたけれど、逆に体は冷えていた。黒桧沢の分岐あたりまでは汗だくだったのに、一転して寒く感じている。山の神は、低体温症の事故はこういうときに起きるんだろうねとぼそり。

このまま帰ってもいいなという雰囲気を醸し出している山の神を促しつつ、雨の中、三岩岳山頂を目指した。ごはんを食べてエネルギーを充填した山の神の足取りは急に軽くなり、スピードアップして歩いていく。先ほどまでの鉛の詰まったような足どりとは別人のようだ。


左:三岩岳山頂 右:ぬめりがついた木道はどうしようもなく滑った

12:09三岩岳山頂に到着。目の前は真っ白で展望なし。晴れていれば名前の由来となった三つの岩、そして周囲の山が見えるはずだったのだが、、、山頂で雲が切れてくることはないだろうかと僥倖を待つも、白いまま。12:23あきらめて下山することにした。

復路は山の神が恐れていたつるつるの恐怖の木道を通過することになる。ここのところの雨で(たぶん)木道にはぬめりがついていて、摩擦係数はかぎりなくゼロに近い。滑り止めに横向きに打ち付けてある角材に足をかけないと間違いなく滑る。危惧したとおり山の神は尻もちをついていた。


左:雨は降り続き白く煙る 右:往路では気づかなかった修験者が奉納したお地蔵様

水たまりの多い樹林帯に差し掛かると、なんと20代と思しきカップルが登ってきた。この雨の中、玄人好みの健脚者向きのコースを登ってくる若い人がいるのかとちょっと驚く。われわれ同様過剰な期待をもって登ってきたのか。

しばらく下ると、往路では存在に気づかなかったお地蔵様が奉納されているのを見つけた。手を合わせて、下降。 


少し青空が覗いたが、田代山方面はいまだ雲がかかっている

やがて人を食ったように青空が覗く。今さら晴れてもねえ。でも雲はまだだいぶ厚く垂れこめている。

往路苦労した急坂を、復路はもっと苦労して下る。

休憩は三岩避難小屋、黒桧沢分岐、そしてもう1か所でとったが、最後のころはだいぶ足に来ていて疲労困憊だった。いい加減もう終わってくれと念じながら、動かなくなってきた足を動かすという拷問。設置されていた案内版にはここは「一般コース」と出ていたが、明らかに「健脚コース」だ。全部「健脚コース」。

休憩のとりすぎもあって予定から1時間45分遅れで16:00駐車場に戻った。お隣の那須ナンバーの車がまだ停まっていて、やはり窓明山に行ったのかと得心。もしや避難小屋泊まりなのかと思ったが、翌朝この前を通過したときに車はなかったから、この後に下山したのだろう。

今日のお宿は小豆温泉、花木の宿。2度目の宿泊だ。前回は夕食が中華の薬膳と決まっていてとってもヘンだったが、今回は普通の和食で温泉宿らしくなっていた。いつの間にか離れが新設されていてとってもよさげだった。次回は離れに泊まってみたいものだ。

ロケ地で有名な大谷資料館から南会津へに戻る

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人気の奥入瀬渓谷へ

2020-04-03 | 山行~東北

標高 230m~400m 青森県

2008年9月17日(水) 晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 14:30頃 石ヶ戸(いしけど)駐車場--馬門岩--阿修羅の流れ--銚子大滝--九段の滝--16:00頃 駐車場

八甲田山から下山後、山の神と酸ヶ湯でアイスクリームを食べクールダウン。その足で奥入瀬渓谷へ向かう。14:30頃石ヶ戸(いしけど)駐車場に車を置き、山の神と散策をスタートさせた。界隈にはツアー客が大勢いて、ガイドの説明が聞くとはなしに聞こえてくる。

どこをどう歩いたのかはよく覚えていないが、奥入瀬渓谷のマップを見てみると、撮影の順番からして車道を歩いたり遊歩道を歩いたりで、行ったり来たりしていたようだ。最後に九段の滝に立ち寄って、駐車場に戻ったものと思われる。

最初のカットがこれ。阿修羅の流れなのか、激流で白く泡立っている。清流といわれている割にはにごっていて、澄んでいなかった。

次に撮影したのが、馬門岩。この見え方であると道路の向こうに立ちはだかっている岩が馬門岩と思われるが、どこをどう見れば、馬の門になるのかはまったくわからない。

これが石ヶ戸(いしけど)。この巨岩は、カルデラ湖として十和田湖ができた915年の噴火のときに飛来してきたものだとガイドの人が説明していた。飛んできたのか、これが、、、

奥入瀬渓谷では必見といわれている銚子大滝だけあって、観光客だらけだった。

帰りがてらに立ち寄ったのが、九段の滝。年配の夫婦に先を越されてしまい、どのアングルでも入ってしまった。

参考:
奥入瀬渓流子ノ口周辺散策マップ
当ブログ 8~9世紀の大地震と火山の噴火

 

十和田湖散歩へつづく
紅葉には少し早かった八甲田山へ戻る
楽チンコースで岩木山へ戻る
まさかの、、、暗門の滝トレッキングへ戻る
白神岳マテ山コースへ戻る

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紅葉には少し早かった八甲田山

2020-03-30 | 山行~東北

大岳 標高 1584.4m 青森県

2008年9月17日(水) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 6:25酸ヶ湯公共駐車場6:40--7:35下毛無岱7:45--7:51急な階段--上毛無岱--8:40大岳鞍部避難小屋8:55--9:25赤倉岳山頂9:45--10:08大岳鞍部避難小屋10:14--10:33八甲田大岳山頂(昼食)11:25--12:45仙人岱下部12:50--13:10駐車場

去年8月3日の岩木山の山行記録の最後に「八甲田山へつづく」と書いて、それきり忘れていた。メモが出てきて、自分のブログを検索して気づいたしだい。ということで、さっそくつづきだ。

前泊はモヤヒルズ。4:10頃起きだして山の神と朝食の準備を始めた。前日コンビニで買っておいたおにぎりとみそ汁を食べる。テント撤収はさすがに連日となると手際よくいくものだ。さくさくと片付けて5:55山の神とともにテント場を後にした。


左:酸ヶ湯公共駐車場(トイレ完備) 右:北八甲田登山道案内図

6:25酸ヶ湯の公共駐車場(無料)に到着した。すでに車が何台も停められている。酸ヶ湯の旅館やキャンプ場にお泊りの方々、すでに登山を始められている方々の車が停まっているのだろうけど、かなりの台数だ。

6:40山の神とともに駐車場を後にした。歩き出しはブナの美林で快適。しかしそう思った矢先に、残念なやぶっぽい道になってげんなりするが、すぐに湿原の下毛無岱(けなしたい)に出る。


左:太陽がだいぶ上がってきた 右:少し草紅葉の下毛無岱

湿原は視界が開け、見晴らしがよく気持ちがいい。少し草紅葉になっていて、9月にして秋の到来が近いことを知る。ここで10分ほど休憩して再び歩き出すと、昭文社の山地図にも記載されている急な階段が出てきた。

急な階段が続く

この階段、半端なく長く下からでは終点がなかなか見えない。いつ終わるともしれないデジャヴのような同じ景色に耐えながら上がる。さらに追い打ちをかけるように階段に張り出している笹やシダ類は朝露に濡れていて、油断していると衣服を濡らすことになる。


左:上毛無岱の池塘 右:大岳への道

再び湿原が現れ、視界が広がる。池塘にはくっきりと青空が映り込み、最高の天気に感謝だ。


毛無岱を見下ろす

息を切らしながら上り坂を進み、赤倉岳と大岳のコルを目指す。振り返ると、先ほど通過してきた毛無岱が眼下に広がっていた。


左:コルから赤倉岳方面 右:大岳鞍部避難小屋

コルに出ると、夏場は放牧でもしているのかというくらいの牧歌的な場所だった。ベンチが無数に置かれていて、景色を楽しめるようになっている。奥には、比較的新しい大岳鞍部避難小屋があった。豪雪地帯であることを示すように、屋根の直下にも入口がつけられていた。


左:井戸岳の噴火口 右:整備された登山道を進む

避難小屋の前で休憩し、まずは赤倉岳山頂へ向かった。途中井戸岳の巨大な噴火口がぽっかりと口を開けていて、そのへりを歩いていく。


左:赤倉岳山頂 右:赤倉岳山頂の祠

9:25赤倉岳山頂に到着した。先着は年配の夫婦1組のみ。下に車が多く駐車していたが、歩いている人は少なかった。

この山頂から先へと登山道が伸びているのだが、やせ尾根で山地図では点線表記(2008年地図)になっている。見た感じあまり歩かれていないようだ。


赤倉岳山頂から青森市市街地と青森湾を望む

9:45山頂を後にする。来た道をたどり大岳鞍部避難小屋に引き返す。


大岳へ向けて山の神登高中

コルで一服したのち、10:14今度は逆方向に大岳へ向けて出発した。がんがん登り20分ほどで山頂に到着する。大きな山名標示があり(冒頭写真)、山の神とそれをはさんで記念撮影。展望は抜群で360度の大パノラマが広がる。そんな贅沢なおかずで昼食をとる。


奥に高田大岳と雛岳

11:25下山開始。太古は恐ろしいほどの火山活動があったことをうかがわせる山容が目の前に広がる。きれいな三角錐型の高田大岳や雛岳、小岳が見える。


仙人岱へ向けて下山

さらに仙人岱へ下っていくと、左手に折れていく木道が付いていて、その先に仙人岱避難小屋の屋根が見えていた。ここまで来れば残り1時間程度で下りられる。


左:高田大岳分岐 右:硫黄岳を見ながら下山

そうこうしているうちにだいぶ歩いて、そろそろ酸ヶ湯に着くのではないかという頃、山の神も私も足が重くなり、ここらで一度休憩を入れようということになった。かんたんにいえば、休むタイミングを逸していたのだ。休憩後20分ほどで駐車場に戻った。

その酸ヶ湯でジュースでも飲もうかと山の神と話していたとき、白神山下山後にテント泊したアクアグリーンビレッジANMONでお話を伺った福山のご夫婦にばったり会った。われわれとは逆回りで八甲田を登ったとのこと。避難小屋ですれ違ってしまったのだろうか。ご夫婦はこの後、1日休んでまた次の100名山を登るのだとか。とても楽しそうに見えた。

奥入瀬渓谷につづく
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岩手山麓三ツ石湿原へ

2019-09-29 | 山行~東北

三ツ石湿原 標高 1281m 岩手県

2019年8月15日(木) 小雨のち曇り

メンバー 山の神と私

コースタイム 10:25松川登山口駐車場10:40--10:47三ツ石山登山口--11:49松川大橋分岐11:59--12:40三ツ石山荘(昼食)13:15--分岐--14:24休憩14:31--14:51登山口--14:56駐車場

前泊は安比のロッジ。素泊まりだったので、チェックインする前に山の神とマックスバリューで食糧の買出しをした。お盆ということもあり、帰省してくる息子、娘、孫たちのための大家族用惣菜パックがこれでもかというくらい売られていた。その中からホタテやサーモン、サラダ、地元ワインなどを選び、ちょっとした豪華ディナーとなった。

翌朝は、まずたまっていた洗濯物を前日検索して見つけておいたコインランドリーに持ち込んだ。終わるまで、給油したり、セブンイレブンで昼ごはんの買出しをしたりして時間を有効利用。1時間ほどしてからコインランドリーに戻り、「乾燥」が終わったばかりのホカホカの洗濯物をたたんでバッグに詰め、さあ、出発だ。目指すは、岩手山山麓の松川温泉だ。本日はここに宿をとっているが、泊まる前に軽く散策。当初の計画では、三ツ石山と大松倉山に登る予定だったけれども、天候が今いちだったこともあって、三ツ石湿原までとした。

 
左:松川登山口駐車場。右の建物はトイレ 右:三ツ石山登山口

10:25松川登山口駐車場に到着した。先着様は天候が悪いせいもあってか1台しかない。車から出ると小雨が降ってきてしまった。山の神にどうしようかねえといいつつも、待っていてもたいして変わらないだろうし、かといって街に出て観光してもつまらないだろうからと、出発することになった。

10:40松川荘へ向けて車道を下り、温泉の蒸気に見送られながら、三ツ石山登山口から急登にとりついた。

 登りはじめは急登の連続

雨はたいしたことはなく、雨具をつけるほどではない。汗をかきかき、高度をかせいでいく。こんな遅い出発であるし、この天気であるから当然ながら登山者には、まったく出会わない。

 
左:霧に包まれた森 右:松川大橋への分岐。橋方面は通行止めになっていた

登山口から1時間ほどで松川大橋への分岐に出た。水溜りができていて若干ぬかるんでいる。休憩するにはあまりよろしからぬ場所ながら、仕方ないと腰をおろすと、パラパラと雨粒が落ちてくるではないか。最悪だといっていると、それが天に聞こえたのか、ふつりと止んだ。

 
左:木道が現れる 右:アキノキリンソウ

分岐からは横移動となり、8月12日に馬返しから登ったときと同じような花が姿を見せる。岩手山麓だから当然か。

12:40パッと目の前が開けて、こぢんまりとした三ツ石湿原に出た。手前に大松倉山への分岐があったが、かなりやぶっぽくあまり歩かれているふうではなかった。

 

 
左:三ツ石山荘(三ツ石避難小屋) 右:三ツ石山荘をバックに山の神

腹減ったな、三ツ石山荘で昼食にしようと山の神に声をかけ中に入ると、驚いたことに中に人がいた。縦走している年配の登山者と岩手県の山岳救助隊の方だった(詳細は次回)。

ぼろぼろな小屋をイメージしてきたので、そのきれいさ(トイレも)に驚き、思わず心の中でラッキーと叫んでいた。ザックのなかの食糧を出して、お湯を沸かし、先客様たちと会話をしながら、ここで昼食をとった。


到着時は真っ白だったが、帰る時にはだいぶ霧が晴れ三ツ石山荘もはっきりと

昼食後小屋の外に出ると、到着したときには真っ白だった風景もだいぶ霧が流れて湿原の景観を楽しめた。


三ツ石湿原

先ほど会った先客様たちによると、ここ三ツ石湿原界隈の紅葉は、何度訪れても見飽きない、すばらしいものらしい。当然ながら、その頃の登山者はすこぶる多く、今日のような静かさは望むべくもないと。

ふ~ん、そうなのかと山の神とうなづきながら、頭でちょっとばかり紅葉の景色を想像しながら湿原を再び見て、13:15帰路についた。

 下山時にようやく晴れ間が見え始めた

平坦な道をサクサクと進み、登り時に休憩した松川大橋分岐を越えてから小休止。少しばかり晴れ間が覗いた青空に癒されながら、下山した。

 

快楽の30日間山ごもりへつづく
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直登の連続! 修行山行、岩手山

2019-09-08 | 山行~東北

標高 2038m 岩手県

2019年8月12日(月・祝) 雨のち曇りのち晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 馬返しキャンプ場6:02--6:25新0.5合目6:28--6:45 1合目6:48--7:05 2合目7:10--2.5合目旧道・新道分岐--新道--8:05 4合目8:19--9:17 鉾立(7合目)9:25--9:40八合目避難小屋9:50頃--10:45岩手山山頂10:50--11:30不動平(昼食)11:57--12:15 八合目避難小屋12:23--12:33 鉾立(7合目)--旧道へ--13:23休憩13:33--13:50 3合目14:00--15:00馬返しキャンプ場

夜半結構な雨が降っていて、翌日の天気が危ぶまれた。朝方目覚めると、残念ながら霧雨。朝食をとっている間も一向に天候が回復してくる気配はなく、出発をずらそうかと考えていた頃、雨具をつけた登山者が続々と登山口に集ってきた。いずれやむだろうから、われわれも出発しようと山の神と準備にとりかかった。当初は、テントを撤収してからの出発予定だったが、濡れたテントを仕舞うのはなあと、張りっぱなしで出発することにした。

 
岩手山馬返しキャンプ場の登山口 右:0.5合目分岐。右へ行けば直登コース

予定より30分ほど遅れて6:02家族連れを横目に登山口から一歩を踏み出した。雨具をつけて歩き出すと暑い。とにかく蒸す。0.5合目のブナの巨木を見上げながら、早くも水分補給をする。ここで後ろから追いついてきた先ほどの家族のお父さんが家族に向かって雄雄しく宣言した。

「お父さんは合羽を脱ぐ!」

われわれも脱ぎたいところではあるけれども、脱げばびしょぬれだ。

 
左:1合目で休憩 右:2.5合目

1合目でまた水分補給し2合目へ。雨があがったのを機に合羽の上を脱ぎ、ザックにしまった。これだけでもだいぶ暑さをしのげる。

やがて2.5合目の旧道と新道の分岐に出た。山の神は景色ゼロの樹林帯の中を登高する新道を当初から避けようとしていたが、まだ雨の心配がある。このまま樹林帯の新道を進むのが無難だとの判断になった。

8:05、新道の4合目で腰を下ろす。薄日が差してきて、ようやく晴れてくるのかと期待が膨らんだ。

 
左:新道上部(6合目付近)から旧道の岩場が見える 右:鉾立(7合目)

20年くらい前に岩手山に来たときも、やはり夏にこの樹林帯の道を延々と歩き、しんどい山だと思ったが、今回もまったく同じ感想をもった。長く単調な道をへばりながら辛抱して進むことを余儀なくされた。

あごが上がった頃に旧道と合わさると鉾立(7合目)に到着した。風が強く、先ほどまで暑いと不平をこぼしていたのに、体温を奪われて、寒く感じるほどだった。

 
左:オトギリソウ 右:ツリガネニンジン

鉾立から八合目避難小屋はすぐだった。9:40小屋前の休憩場所に山の神とザックを下ろした。清潔な水洗トイレを完備しているから、利用している人は多い。到着時には登山者でごった返していて、皆お目当ての冷たい御成清水でのどをうるおしていた。

 
左:シモツケソウ属 右:アキノキリンソウ

この避難小屋からの登山道はお花畑になっている。ツリガネニンジンをはじめ高山植物のお花が咲き乱れていた。

不動平から砂礫の歩きにくい急登が始まる。しかもガスがたちこめてきて、怪しい天気。あえぎながら登りきり左回りにお鉢巡りに入る。とタイミングが悪すぎることに強風が吹き荒れ始めた。そのうち雨まじりになって踏んだり蹴ったりだ。

 
左:山頂への道。石仏が点々と続く 右:山頂直下にはコマクサ

本来なら石仏を眺めながらの道なのだろうけど、そんな余裕はなく、ひたすら足を前へと運び、山の神と山頂を目指した。そして10:45やっと山頂に到着。強風をものともせず登ってきた人たちで山頂はにぎわっていた。写真を撮っていると、ついいましがたの雨がウソのように青空が覗いた(冒頭写真)。

変わらず風は強く、長居することなくすぐに山頂を後にした。山頂付近にはコマクサの群落があり、ピンクの花が間隔を空けてポツリポツリと咲いていて、見る人の気分を昂揚させる。

 
左:こんなところにイワブクロ(誰かさんの登山靴に種がついていたのか) 右:岩手山神社奥宮

風は止むことなく、白いガスが立ち込めたり、さあっと流れたりを繰り返し、あたりの景色をめまぐるしく変えた。石仏の道を進み、最後はお鉢内に下りる道へ入り、岩手山神社奥宮へ出た。


中央のピークが岩手山山頂(薬師岳)

さらに進むと、なんと霊験あらたかな神社のおかげか、奇跡的に晴れ間が出た。なかなかの絶景に山の神と足を停めて景色を堪能した。


八合目避難小屋を見下ろす

再びお鉢巡りコースに戻ると、今度は八合目避難小屋が緑の中にポツンと見える。こんな景色が見られるとは、来た甲斐があったというものだ。


不動平と千俵岩

山頂付近では風が強く昼食どころではなかったが、空腹が募ってきた。不動平でごはんにしようと、一所懸命下り、設置されていたベンチの一角を山の神とともに陣取った。お湯を沸かし、カップめんで腹を満たす。なぜか左右のベンチでもカップめんをすすっていた。 

 
2点とも:露岩地帯の新道を下る

12:15八合目避難小屋へ移動し、トイレに寄ってから下り始める。天気は回復基調で青空が広がり始めた。鉾立からは旧道の露岩地帯に入り、太陽に照り付けられて暑いのなんの。暑いと当然ながら消耗する。しかも足元は悪く、砂礫や浮石だらけ。砂礫のところで足元を掬われた山の神が2度ばかり尻餅をついていて、せせら笑っていたが、なんともっと深刻な事態が自分の身に降りかかってくるとは思わなかった。

ヨレまくっていた足。右足を踏み出した時にバランスを崩して、とっさに踏み出した左足は浮石の上。ああと下のほうの岩へとスローモーションのように落下。見えていた状況からたいしたことにはならないだろうと、とっさに右半身から落ちるように体をひねってばったりと倒れこんだ。結果右ひじをすりむいた程度で済んだ。山の神がだいじょうぶ?と声をかけてくる。ちょっとした打撲程度で済んだのはもっけの幸いだった。心理的なダメージは大きかったが。

その後3合目でぐったりと座り込みというか、へたり込み、体力の低下を実感。暑いなあ、疲れたなあを連発しながら、15:00山の神と這う這うのていで馬返しキャンプ場にたどりついた。

あおもり犬に会いに行く」につづく
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