目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

クレイジージャーニーでアドベンチャーレースを紹介

2017-03-26 | テレビ・映画

TBS「クレイジージャーニー」で3/16(木)・3/23(木)の2週にわたってアドベンチャーレースを紹介していた。「地球上で最も過酷なレースに挑戦続ける男」と題し、チームイーストウインドのリーダー田中正人さんをゲストに呼んで、実際に昨年11月にオーストラリアのウラデューラで開催された「ワールドチャンピオンシップ2016」の模様をとり上げた。結果は参加99チーム中22位。田中正人さんは、今回はヤブこぎがなく体力勝負だったから、勝ち目がなかったとのコメントを残していたが、過去ヤブこぎがあったレースでは、2位という好成績だったという。

アドベンチャーレースとは、決められた大自然の中の長大なコースを、必ずチェックポイントを通過して人力で移動するタイムレースだ。今回のコースは、総距離627Kmに及んだという。
627Km中のカテゴリーは以下のようになる。
●トレッキング 115Km
●カヤック 185Km
●マウンテンバイク 322Km
●ケイビング(洞窟探索) 5Km

参加者はレーススタートの3時間前にコース地図を渡され、初めてコースの全貌を知る。渡された瞬間から各チームは作戦を練り、慌しく出発準備をすることになる。いざ一斉にスタートすると、あとはほとんど不眠不休で先へ先へと進むだけだ。勝負は、疲労困憊になる3日目からだと田中さんはいう。体力、気力、集中力をいかに持続できるか。たとえば、朦朧としながら、睡眠をいつどこで何時間とるのか、チームで話し合って決めるのだが、こうした判断が問われる場面でチームワークをいかに保つかがカギになってくる。

ここで田中正人さん率いるチームのメンバーを紹介しておこう。まずはあの日本百名山一筆書き(2百名山も)を達成したNHK「グレートトラバース」でおなじみの田中陽希くんトル・デ・ジアン5位入賞など輝かしい記録をもつトレランのスペシャリスト小野雅弘さん、そして紅一点の西井万智子さん(通称マチマチ)、と精強な面々だ。リーダーの田中正人さんはといえば、93年に行われた山岳レース第1回ハセツネ杯の優勝者だ。

こんな錚々たるメンバーとはいえ、長丁場のレースでは、さまざまなトラブルが起きて行き先に暗雲がたち込める。スタートすぐにカヤックのラダー(操舵機)が壊れるわ、マチマチは、マウンテンバイクで転倒ししばらく立ち上がれないほどの打撲を負うわ、、陽希くんは、トレッキングで地図読みの高い能力を発揮したものの、気温30度下で熱中症になりバテバテになるわで、その都度にだいじょうぶかとなる。自称鬼軍曹の田中正人さんは、必ず身に着けることを義務付けられていたビブを紛失した。それはペナルティとしてゴール時間にいくばくかプラスされてしまう事態だ(他チームが届けてくれて事なきを得た)。しかし何が起きようとも、メンバーが意識を失うようなダメージを受けない限りレースはやめない。あきらめない。死に物狂いで前へ進むのだ。

視界が悪い中、夜通しカヤックを漕いだり、同様に暗闇の中、岩場をマウンテンバイクを担いで移動するなど、過酷なシーンが連続する。トレッキングでは、ほとんど走っているようなスピードで、そのあり余る体力にびっくりさせられるどころか、それを通り越してあきれてしまうほどだった。ケイビングセクションでは、入らなければならない洞窟の狭さに、見ているこちらの息が詰まる。

参加者全員がこのレースの魅力にとり付かれている。自然と向き合い、自分の限界に挑戦することが大好きな人たち。しかも一番になることを切望している。私も自然は好きだが、限界には挑戦したくない。ゆるゆると景色を愛で、自然と付き合うのがいいね。

番組を見逃した方は、YouTubeをチェックしてくださいね。 

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2百名山も盛りがった『グレートトラバース2 日本2百名山ひと筆書き』

2017-03-19 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『グレートトラバース2 日本2百名山ひと筆書き』田中陽希(NHK出版)

昨年NHK-BSの番組が終了したときは、ほんとうに「あまロス」ならぬ「陽希ロス」。終わっちゃったなあという喪失感がすごかった。公式HPで、いまこの辺まで来たんだ、明日はここに登るんじゃないかと山の神との食卓の話題にも上った。本の巻末にある「222日間の行動記録」を見ると、スタートは2015年5月25日北海道宗谷岬、そして最後は2016年1月1日九州最南端佐多岬とある。リアルタイムで追っかけていたから、この間陽希くんの居場所をチェックしては楽しんでいたわけだ。

次は3百名山かと脳裏を掠めたが、それはさすがにないだろうね。2百名山よりも登山道は荒れているだろうし、つなげて歩くのは困難だろう。どんな山があるのかもよくわからないけれど、登山道がなくて、冬季だけしか登れないところもありそうだ。

個人的には、今回の2百名山では、東北の山が楽しみだった。東北といえば、おだやかで、湿原があって、ブナの森というイメージがある。姫神山、森吉山、和賀岳、神室山なんて、とても惹かれる山だ。まだ登っていないし、ぜひとも行ってみたい。

それはいいとして、この本、陽希さんの人柄がよく出ている。まったくテレビで見るのと同じように屈託がない。ストレートな感情表現がいい。また読んでいると、見ていた映像とオーバーラップしてくる。訪れる土地土地での地元の人たちとのふれあい。時には、応援者の多さにイラつくこともあって、彼らととどう接すればいいのか悩んだりもする。テレビでも、そのくだりはあったけれども、本のほうが赤裸々だ。山ばかりではなく、ロードの移動時のグルメ話も詳細に出てくる。やはりおいしいものを腹いっぱい食べたいのは人間の性(さが)、読んでいて、こちらも顔がほころんでくるというものだ。

次の陽希くんの山岳チャレンジはあるのだろうか。アドベンチャーレースもいいけれど、日本の山でやってほしいなあ。日本アルプス全山踏破とか、奥羽山脈大縦断とかね。

参考:
番組こぼれ話もある『日本百名山ひと筆書き』
http://blog.goo.ne.jp/aim1122/e/07aa4efa60f9d46809b6aff9f9e50045

グレートトラバース2 日本2百名山ひと筆書き
クリエーター情報なし
NHK出版
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花粉症には漢方!?

2017-03-11 | 山雑記

昨年は花粉症がひどく、じんましんにまで発展して、なかなか治らなかったこともあって、昨秋くらいから漢方を試してみることにした。漢方といえば、体から毒素を抜き、肝臓と腎臓の調子を整えて、体全体をよくしていこうという流れになるけれども、そんなホリスティック医療でも、局所的に粘膜を強化できるものもある。それがイスクラの衛益顆粒(えいえきかりゅう)。花粉症に効くのだという。


いま服用している「イスクラ 衛益顆粒S」のパンフレット

漢方で「衛気(えき)」という用語があって、下にあるように、弱った皮膚や粘膜細胞を強化、活性化させ、外的刺激から体を衛(まも)る力を指している。この衛気を高めるには、「黄耆(おうぎ)」がいいという。黄耆は体の細胞に元気を与える生薬だ。この黄耆を主に調合されたのが、この漢方薬になる。

いまのところ、鼻水を垂らすこともなく、くしゃみも減って、明らかに昨年よりは症状は軽い。でも、山の神は飲んでいないから、目がかゆいとここのところ連日訴えている。山登りに行きたい今日この頃だが、もう少しの辛抱か、、、

注:漢方薬は漢方薬局で処方してもらえます。ただ残念なことに保険がきかないため高額。

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「情熱大陸」にナショジオで有名になった写真家井上浩輝さん登場

2017-03-08 | テレビ・映画

土曜日に録りためていたテレビ番組を次々に見た。2/19放送の「情熱大陸」では、写真家井上浩輝さん(38歳)をとり上げていた。冒頭キタキツネと戯れながら、寝転んでカメラのシャッターを切るシーンがあった。もてあまし気味の大きな腹の井上さんが雪まみれになりながら、じつに楽しそう。楽しくなければ、いいシーンも撮れないか。

この井上さん、有名になったのはNational Geographic誌の写真コンテストでネイチャー部門1位に輝いたのがきっかけ↓
http://www.nationalgeographic.com/travel/photography/photo-contest-behind-the-picture-fox-chase-japan/
つがいのキタキツネ2匹が淡いピンク色の空をバックに美瑛の丘を疾走していく、幻想的なシーンだ。

番組では、井上さんの日常を追いかけた。どんな撮影をしているのか。番組ではだいぶ編集したようだが、ひたすら被写体を追いかけ、待ち続けてばかり。それが基本のようだ。たとえばキタキツネを撮ろうとして、足跡を見つけたら、出没が予想される時間帯に車でそこへ行き、ひたすら待ち続ける。待っている間に腹が減ったら、すぐに食べられるもので空腹を満たす。そのとき視線は出没しそうな場所に張り付いたままだ。こんなシチュエーションを見ていたら、ふと土門拳を思い出した。土門拳の「古寺巡礼」のベストショットも、愚直に同じ場所に毎日通い続け、10年間で1回こっきりのチャンスをものにしたという。恐ろしいまでの執念。写真家魂のなせる業か。

話は戻って、井上さん。写真は独学だそうだ。「師匠は世界中にあふれているユニークで美しい写真」という。どうやってその写真を撮ったのか、構図や時間帯や光の入り方、レンズは? 場所は? いろんな視点で写真を眺め、考え、工夫を施しながら、自分の新しい世界を構築していく。それにしても、いい写真を撮るにはたいへんな労力、テクニック、根気が要る。だからこそ、納得のいく1枚が撮れたときの喜びもひとしおなのだろう。井上さんは、ベストショットが撮れたとき、自分へのご褒美として、ラーメンを食べるという。そんなマイルールが井上さんらしくていい。

井上浩輝さんの公式サイト
http://northern-island-colors.com/
情熱大陸2/19
http://www.mbs.jp/jounetsu/2017/02_19.shtml

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クレイジージャーニー、アルパインクライマー平出和也登場!

2017-03-06 | テレビ・映画

TBSの「クレイジージャーニー」(パーソナリティ:まっちゃん、小池栄子、バナナマン設楽統)の再放送を見た。会社の同僚がすげえ~と言っていて、ああ、見逃した!と思っていたら、ラッキーなことにまた放送していたのだ。

平出さんといえば、竹内洋岳氏とヒマラヤの8000m峰に登っていたのを思い出す。ガッシャーブルムⅡ峰とブロードピークだ。彼は日本の代表的な登山家といって間違いない。登頂はかなわなかったものの、NHKの撮影隊が追いかけた、ミャンマーの最高峰、カカポラジにも行っているし、最近でいえば、田中陽希さんのグレートジャーニーも百名山、2百名山ともに撮影スタッフとして参加している。

2009年にはフランスの山岳誌が主宰している、登山界のノーベル賞、ピオレドール賞を日本人で初めて受賞。昨年2016年には植村直己冒険賞受賞という栄誉にも浴している。

そんな彼の半生を紹介する番組だった。番組では大きく3つのパートに分けて、平出さんの業績を紹介していた。まずは2005年のインドのマッターホルンといわれるシブリン登頂の逸話。装備の道具にこだわり、食糧や燃料をけちったために足の指を凍傷で3本失ったこと。教訓で終わりにするだけではなく、彼がすごいのは、自らの症状を凍傷の記録として、きちんと後世に残そうとしたことだ。

2010年のアマ・ダグラムでは、雪質の悪さで進退窮まり、ヘリの救助を要請、助けに来たヘリがローターを雪壁に当てて墜落し救助員が死亡した。このときは山をやめようと思ったと心情を吐露する。しかし救助員のお葬式に出席した際に、亡くなった救助員のお母さんが言う。息子が亡くなったのは運命、登山を続けてくださいと。

そしてチベットのナムナニ。登頂を目前に3度も断念している因縁の山だ。今年7月に4度目の正直で登るという。未踏峰ばかりにこだわる熱き魂をもつ平出さん。今後の挑戦に注目だ。

参考:当ブログ
Nスペ「幻の山カカボラジ」
進化するサバイバル術『ツンドラ・サバイバル』 

 

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