標高 春日山 1235m 滝戸山 1221m 山梨県
2015年4月12日(日) 晴れのち曇り →
メンバー 山の神と私
コースタイム 8:38鶯宿峠手前駐車スペース8:48--鶯宿峠--9:46境川への分岐手前ピーク9:55--名所山--黒坂峠--10:38春日山山頂10:50--林道--11:40鶯宿峠11:45--12:30滝戸山山頂(昼食)13:15--13:52駐車スペース
2月に8年前の山梨百名山の山行記録(釈迦ヶ岳・大栃山)をアップしていて、そのときに見た桃の花を思い出していた。また桃の花を見たいなと、その周辺の山でまだ行っていないところを物色した。桃の花を見物がてら、春日山・滝戸山をセットにして行こうと山の神に提案すると、大賛成だった。
4月12日早朝、都心部は恥ずかしくて走れないほど埃と花粉で汚れ放題の愛車エスクードを見て、少しは見てくれをよくしようと軽く汚れをぬぐいとり、山の神を乗せてあわただしく5:38家を出発した。途中ファミマで朝食と昼食の買出しをし、高速にあがった。
左:鶯宿峠手前の駐車スペース 右:登山口
人だらけの談合坂SAで朝食をとり、一宮御坂ICで高速を下りる。すぐにお目当ての桃の花が目に飛び込んできた。濃いピンクが華やかな気分にさせてくれる。そのうちソメイヨシノの満開地帯も通過する。桃と桜の競演を見られるとは思いもよらなかった。いいことありそうだと思いながら、ホクホク顔でいたのもつかの間、カーナビに設定していた笛吹市役所芦川支所までは順調に進んだのだが、その先の右折ポイントがわからなかった。それらしき道があまりに狭かったので、もっと先だろうと進んでいくと、鶯宿峠の道標が出てくる。当初は黒坂峠を目指していたので、明らかに行き過ぎだった。引き返して川(水路?)沿いの狭い道を上がってみた。本当に狭い。でもこの道のはずだと上がっていくと、閉鎖されていた。仕方ない。当初の計画、黒坂峠から春日山と滝戸山をピストン、ピストンするのはやめて、拠点を鶯宿峠にすることにした。
再び鶯宿峠の道標が出ていた右折地点へ行き、林道を上がっていく。しばらく行くと鶯宿峠の道標を見つけた(右上写真)。黒坂峠という道標もあって、この道をさらに上がっていくと黒坂峠にも行けそうだとほくそえんだ。最初の計画どおり行けそうじゃないかと山の神に話していると、なんと黒坂峠への道は閉鎖されていた。冬季閉鎖なのだ。きちんと調べていなかったのは失敗だった。戻って先ほどの鶯宿峠の道標付近にあった駐車スペースに車を停めた。われわれ以外にだれも車を停めていない。
牧野富太郎博士命名「両面ヒノキ」(なんじゃもんじゃ)
8:48身支度を整え、山の神とともに出発する。歩き始めてすぐに鶯宿峠に着く。なんじゃもんじゃの巨木が現れる。なんでも植物学者で有名な、かの牧野博士が、新種であるとして「両面ヒノキ」と名づけた木である。苔むしてまるで緑青をふいたような幹が、つくりもののように見えて不思議な世界をつくっている。
峠から春日山を目指して、指導標どおり登山道をたどる。しかし、途中山の神のひと言「下だよ、下」で右手(南東方向)の尾根に迷い込んでしまった。やがてちょっとしたピークに着くと、その先にはもう道がなかった。ヤブこぎか?でもおかしい。戻ろうとなった。登山道がわからなければ、林道に出ればいいといながら引き返していくと、間違った箇所が判明する。木の幹につけられた赤ペンキのところを上へ行くと、登山道が続いていた。
左:ところどころにアカマツのある防火帯が続く 右:名所山山頂
小学生が集団で遠足に来て休憩できるような大きな広場を越えていく。結構な斜面を汗をかきかき登って、9:46境川へ下る分岐手前のピークで休憩をとることにした。野鳥のさえずりだけが辺りに響いている。
水分補給をして、最後のひと登り。アキレス腱を伸ばしながら名所山の山頂に到達する。春日山最高点の標示があった。
左:名所山山頂から南アルプスが見える 右:名所山から黒坂峠への急峻な道
名所山までだいぶ急登を上がってきたので、黒坂峠への道は、その分激しく下ることになった。足元に気をつけながら下り、黒坂峠に出る。石碑やベンチ、何台か置けそうな駐車スペースがあった。
左:黒坂峠の石碑。後ろに見える手は山の神 右:樹林帯の中の春日山山頂
黒坂峠では休憩せずに道を挟んだ反対側の春日山登山口からダラダラと上がっていく。そのうち年配の夫婦が向こうから歩いてきた。本日の山行で初めて会った登山者だ。交通の便はそれほど悪くないのに、これほど人が少ないとは意外だった。10:38春日山山頂に到着した。隣の敷地には興ざめしてしまうが、電波塔があった。でも樹木が切り払われている分、見晴らしだけはいい。遠くに存在感たっぷりの八ヶ岳が見えていた。
春日山山頂の電波塔下から八ヶ岳を望む
久々の山歩きで、足が重い。山の神とともに疲れたなといいながら、10:50重い腰を上げた。黒坂峠に戻り、そこから林道を歩いて鶯宿峠を目指した。
左:林道は至るところで崩落していた 右:林道から春日山を振り返る
林道はあちこちで法面が崩れていた。工事の看板が土砂で押しつぶされているところもあった。恐ろしいことに、落石の直撃を受けたのか、砕けた岩がごろごろしているところにテンの死骸があった。だれも葬ってあげないから、そのままだ。ちょっと怖すぎて誰も触れないか。
11:40鶯宿峠にたどりつく。昼食はどうしようかと山の神に問うと、山頂がいいという。じゃあ、あと40,50分で滝戸山だから、山頂でお昼にしようと、早々に峠を後にした。
左:滝戸山登山口。この反対側にはベンチが並んでいる 右:滝戸山山頂
滝戸山登山口で、単独行の人が荷造りしているのを見かけた。山の神と私がスローペースで登っていると、あっという間にその人に追い抜かれ、たちまち姿が見えなくなった。12:30滝戸山山頂に到着した。ミズナラの鬱蒼とした樹林帯の中にそれはあって、年配者3人がいた。われわれよりほんの2,3分前に着いたようで、まさにこれから昼食の準備を始めるところだった。山の神と私もようやく昼食にありつけた。
13:15山頂を後にする。誰ともすれ違うことなく、鶯宿峠を経由して13:52駐車スペースに戻った。出発するときとまったく同じで、ぽつんと1台だけわれわれの車があった。訪れる人の少ないほんとうに静かな山だった。
帰途は、山の神の希望で芦川農産物直売所おごっそう屋(笛吹市)に寄って野菜やお菓子を購入した。再び桜と桃の花を愛でながら中央道に向かうと、もう相当にいい時間になっていて、久々に大渋滞にどっぷりはまってしまった。事故渋滞にも巻き込まれ、通常よりも1時間半くらい余計にかけてようやく家にたどりついた。