目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

入笠山Part2~山頂は大展望

2021-10-03 | 山行~八ヶ岳とその周辺

Part1~一面の花園の続き

ハイキングコース入口から前になり後ろになりと絶えず近くにいた年配者グループがいまは目前を歩いていて何の違和感も感じなかったのだが、なんとゴンドラ駅に戻る道だった。林道を曲がって駅舎が見えてようやく気づいた。気づくのが遅すぎだ。


左:入笠湿原に戻る。前方の人影は山の神 右:カラマツ林を通ってマナスル山荘へ

失敗だと山の神を振り返り、来た道を引き返し鹿フェンスを越え、湿原へと逆戻りした。無駄に斜面を上り下りした徒労感にぐったり。山彦荘の前のベンチにどっかと腰を下ろし休憩することにした。小屋のおやじがおいしい牛乳はいかがですかと大声を張り上げている。

9:58マナスル山荘に向けて腰を上げ、カラマツ林を抜けていく。


左:マナスル山荘 右:入笠山登山口

マナスル山荘はすぐに現れた。入口に掲げられた「ビーフシチュー」の看板にそそられる。マナスル山荘の前に入笠山登山口の標示があり、ここ、ここ。ここが登山口だよと何度も来ている山の神は記憶をようやくよみがえらせたようだった。


左:岩場コース(右側)と岩場迂回コースの分岐 右:岩場コースに岩はそれほどなかった

ちょっとした急斜面に取りつき登り始める。途中で岩場コースと迂回コースに分かれる。とりあえず帰りに迂回コースを通ることにして、上りは岩場コースにしようと山の神に告げた。岩場コースとしている割には、斜度があるだけで岩場ではない。家族連れがわれわれを余裕で追い越し、目の前をスタスタと駆け上がるように登っていった。


左:入笠山山頂 右:八ヶ岳方面は雲が多かった。雲が切れたところに蓼科山

10:36入笠山山頂に到着。アクセスもよくゴンドラを使えば登りやすい人気の山だけあって、かなりの人出だ。八ヶ岳方面にだけは残念ながら、白く帯状の雲がかかっていたが、他は雲は少なく、ほぼ全方位の眺望を楽しめた。


奥に北アルプスが見える。木のてっぺんの先に奥穂


諏訪湖もばっちり


中央アルプス。左から南駒ヶ岳、空木岳。雲の辺りが木曽駒

誤って入笠湿原からゴンドラ山頂駅に向けていったん上がってしまったこともあり、山頂到着は予定よりも遅れていた。もともとコースタイムが短いからどうってことはないけれども、ハイキング気分で来ていることもあり、この後予定していた大阿原湿原はカットすることにした。

10:55下山開始。岩場迂回コースを下り、大勢の登山者とすれ違いながら途中から鹿フェンスを越えて草原側の道に出、大ぶりなご立派な花を咲かせているキキョウのところへ。栄養がいいのか、とにかくでかくて存在感を誇示していた。マナスル山荘近くに来ると、今度はシモツケソウの群落。場所によって赤味が強い花もある。日当たりのせいなのか、土壌のせいなのか、どっちなんだろう。

 
左:キキョウ 右:ピンク系のシモツケソウ。もっと赤いのやもっと白いのも

昼食はマナスル山荘前、登山口辺りにあるベンチにしようと山の神と山頂で決めて下ってきたのだが、お目当ての日蔭の特等席には年配の方が一人くつろいでいて、当面動きそうになかった。このガラガラの状況で、しかもコロナ禍にあって隣の席に座るのはどうかとなって変更。山彦荘まで下ることにした。

山彦荘前のベンチは直射日光が照りつけていたが、すでに11:30を回っていたこともあり、日陰探しはあきらめて、ここで昼食にした。

 山頂駅のカフェメニュー

11:55山彦荘を後にして、ゴンドラ山頂駅を目指す。先ほど間違ってすでに歩いたこともあり、直射日光の照りつける湿原の斜面を登り返すことはやめ、元来た道をたどることにした。12:15山頂駅カフェに到着。ルバーブのミックスソフトにありついた。気温がだいぶ上がってきているのか、受け取るいなや融けだして写真を撮るどころではなく、早々に食べることになった(写真なし)。冷たくておいしい。

帰りは八王子料金所で、またかいなのオリンピック規制に続くパラリンピック規制で、通行できるETCゲートが1カ所だけになっていた。当然渋滞を招く結果に。

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入笠山Part1~一面の花園!

2021-10-02 | 山行~八ヶ岳とその周辺

標高 1955.1m 長野県

2021年8月29日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:42富士見パノラマリゾート駐車場 ゴンドラ乗車8:35頃--山頂駅8:55頃--入笠湿原--山頂駅方面から戻る--9:45山彦荘9:58--マナスル山荘--岩場コース--10:36入笠山山頂10:55--岩場迂回コース--マナスル山荘--11:30頃 山彦荘(昼食)11:55--12:15山頂駅カフェ12:35--13:00駐車場

5:07山の神とともに自宅を車で出発した。高速にあがると、交通量はそれほどでもない。サクサク走って双葉SAで朝食をとり、韮崎を過ぎるあたりでは、交通量が極端に減って怖いくらいだった。諏訪南ICで高速を下り、カーナビで指示されるJRすずらん駅側には曲がらずにまっすぐ走ると、国道20号に突き当たり、そこにローソンがある。さっそく車を入れ買い出しだ。今日はコースタイムも短いからと控えめに行動食を購入し、富士見パノラマリゾートに向かった。

7:42富士見パノラマの第1駐車場に到着。手前の第2駐車場や第3駐車場にはテントを張っている人や車中泊の人たちもいた。第1駐車場には、われわれと同じようにいましがた到着したと思われるトレッカー、登山者たちが多くいる。


左:富士見パノラマ第1駐車場。目の前にゴンドラチケット売り場 右:ゴンドラで移動中

山の神と準備を済ませ、チケット売り場を覗くと、8:15から販売開始と出ていた。隣接するインフォメーションにもついでに足を運ぶと、ラッキーなことにゴンドラ割引券が置かれていた。さっそく使わせてもらうことにした。


ゴンドラ往復チケットを購入するともらえるお花のガイドブック「入笠に咲く花」

5分くらい前からチケット売り場に列ができ始め、我々もそこに並ぶ。チケットを買うと、「入笠に咲く花」というお花のガイドブックがもらえる。この特典に惹かれて躊躇なくゴンドラ山行にしたのだが、売り場では1冊でいいですかと山の神に聞いている(なぬ~)。横から2冊お願いしますと私。

チケット売り場からゴンドラ乗り場までそこそこの距離を歩いて移動し、ゴンドラが動き出すまでほかの客とともに並んで待った。スタートは8:30。やがて時刻どおりに乗車が始まり、5分ほど待って空中散歩が始まった。意外と乗車時間は長い。


左:山頂駅の気温は18℃ 右:入笠山ハイキングコース入口

ゴンドラの山頂駅に着くと気温が18℃と出ていた。このくらいの気温がもっとも活動しやすい。

近くにはカフェのメニューが置かれていて、ルバーブのソフトクリームの写真が掲示されていた。帰りはこれだなと山の神に目配せをしつつ、入笠山ハイキングコース入口と書かれた登山道に入った。


左:見事に咲き誇っていたヤマユリ 右:アサギマダラ発見

入ってすぐのところに、いきなり度肝をぬく大きな白いユリの花が咲いていた。ヤマユリだ。こんな至近距離で見るのは久しぶり。花には蝶がやってくる。目の前をひらひらと飛んできて羽を休めたのはアサギマダラだった。俳句でもひねりたいところだが、残念ながら何も出てこない。直前を歩いていた年配の人がアサギマダラをオオムラサキと呼んだせいもある。


左:たぶん初めて見ましたレンゲショウマ 右:エゾリンドウ

レンゲショウマやエゾリンドウなどを見て林を抜けていくと、鹿よけフェンスが出てきて、いよいよ花園、入笠湿原に入る。


入笠湿原と山彦荘

木道を下っていくと、スカッと目の前が開け、見渡すかぎりの湿原に花があちらにもこちらにも咲いているのがわかる。


お月さんと入笠湿原

私が上空にお月さんを見つけて写真を撮っていると、山の神はスタスタと木道を歩いていき、ウメバチソウが咲いていると連呼する。たしかに白い梅の花に似たそれが一帯に広がっていた。

 ウメバチソウ


お花の種類の多さに興奮気味の山の神

名前のわからない花は、チケット売り場でもらったお花のガイドブックで探してみる。ないかと思っていると、ある。今夏は長雨があったせいか、花期が少し前のものもまだ咲いていて、その分多くの花を堪能できたことになる。

 
左:サワギキョウ 右:マツムシソウ

花に釣られて、また人の流れに釣られて正面の斜面を上がっていく。ワレモコウやマツムシソウ、サワギキョウなどの花がずらりと整列して山の神と私を迎えてくれている。壮観だ。中には見慣れないアケボノソウも咲いていて、思わずカメラを向けた。


左:アケボノソウ 右:鹿よけフェンス

湿原を抜けて登りきると、鹿よけフェンスが出てきて、何気なしにそこを通過したのだが、、

Part2ヘ続く

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滝めぐり~横谷峡トレッキング

2021-09-18 | 山行~八ヶ岳とその周辺

横谷峡 標高 1200~1500m 長野県

2021年7月24日 晴れのち曇り 

メンバー 山の神と私

コースタイム 横谷峡駐車場9:40--乙女滝--霧降の滝--鷲岩--一枚岩--10:46東屋(王滝展望台)--11:08おしどり隠しの滝11:18--12:30駐車場

前泊は横谷温泉旅館。フロントで一言断って車を旅館の駐車場に停めたまま、散策に出発しようかとも思ったが、時間を気にしながら歩くのもなと思い返して、前日に見つけていた横谷峡散策用の駐車場に車を置くことに決めた。


左:横谷峡駐車場 右:木戸口神社を越えていく

9:30頃宿をチェックアウトし、横谷峡駐車場に移動する。すでに何台も車は停まっていて、それなりに人気のスポットであることがわかる。山の神と登山靴にはきかえ、9:40出発した。


左:横谷温泉旅館側へ下る 右:乙女滝への分岐

横谷温泉旅館のほうに戻り、木戸口神社を越えた辺りで、峡谷に下りる道が出てくる。

 乙女滝

下ってすぐ水しぶきを盛大にあげている乙女滝に到着する。散策の方々が多くいて滝の間近まで攀じって行く人、i-Padで写真を撮っている人、マイナスイオンの恵みを一身に浴びている人など思い思いのスタイルで滝を楽しんでいる。


左:峡谷沿いの遊歩道 右:横谷温泉旅館裏にあったアルパカ広場。山の神が覗くが一頭もいなかった

前を歩く人のあとについて峡谷沿いの道をゆるゆると進んで行くとすぐに横谷温泉旅館の下に到着する。峡谷からいったん離れ旅館の建屋の間を抜けて林道に出る。旅館の裏手にはアルパカ広場があった。季節によってはアルパカがお目見えになるようだ。


左:地味に霧降の滝が登場 右:炭焼窯跡

しばらく歩くと、やがてこぢんまりとした地味な霧降の滝や、わざわざ「炭焼窯の跡」と案内板を立てていた石積みが現れる。また、この辺りの道で這っていたコクワガタを発見した(冒頭の写真;追記 ミヤマクワガタのメスでした。訂正します)。

鷲岩

そして鷲岩。たしかにこの露岩は鷲の羽根っぽく見える。直後木々が邪魔をしてよく見えないが、屏風岩が出てくる。接近を試みるもこの季節は木々が生い茂っていて全貌は見えない。しかし冬場は木々の葉も落ち屏風岩に氷瀑がかかるようだから、冬に来た方がそのダイナミックさを味わえるのだろう。


川床は一枚岩

次に待っていたのは、茶褐色に見える川床の一枚岩。数十メートルにわたる一枚の岩というからかなりのスケールだ。

蓼科中央高原観光協会のサイトにあった横谷峡遊歩道によれば、この先に王滝への道が書かれていたのだが、実際には、その道の入口に自己責任において通行してくださいとの標示があって、限りなく通行禁止に近い処置がとられていた。

 東屋から王滝を望む

山の神にこの道はやめとくかといって、王滝の展望台である東屋を目指すことにした。東屋は快適とはいえない、ジメっとした日陰にあった。そこにはすでに何人かの先着様がいてくつろいでいた。肝心の滝はといえば、けっこう遠くに見えていて、2段に渡って水を落下させている。まるでミニチュアといえなくもないが、悪くはない。


左:横谷観音・おしどり隠しの滝分岐 右:遊歩道に架けられた赤い鉄の橋

さて、ここからどうするか。山の神が当初主張していた、ここで引き返すか、あるいは私の希望どおりおしどり隠しの滝まで行くか。東屋からさらに奥に進んでいく人を見て、われわれも行こうとなった。

東屋からの急登を上がると、あとはそれほどでもない。横移動の末、おしどり隠しの滝に着いた。


おしどり隠しの滝

おしどり隠しの滝は思いのほか地味だった。急流であるから広義の滝ではあるが、なんといっても迫力不足。山の神の落胆ぶりがこちらにも伝染してくる。明治温泉のある反対岸に渡ると、多くの観光客がいて記念撮影に余念がない。トレッカーもここまで縦走して、歩いて戻るではなく、バスで移動する人も多いようだ。

雲行きが怪しいと速足に

山の神と私はここで水分補給をして元来た道を戻ることにした。復路は空に雲が広がり、もしかして雨かと思いながらの移動だったが、予想外に多くの散策者とすれ違った。なんの装備もなくとも歩けるコースだから、お手軽なのだ。

12:30駐車場に到着した。腹が減ったなと山の神と急いで片付け、目指した蕎麦屋は休み、その先にあったうどん屋は駐車場が満車で入れなかった。昼食は中央道に上がってようやくありつくことができた。やれやれと思ったのもつかの間でこのあとは渋滞の嵐だった。もっともひどかったのは八王子料金所。オリンピックだからとETCの出口を1車線にするという信じられない規制をしていた。

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定員オーバーの北横岳

2021-08-16 | 山行~八ヶ岳とその周辺

北横岳南峰 標高 2472m 北峰 2480m 長野県

2021年7月23日(金・祝) くもり時々晴れ |

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:45北八ヶ岳ロープウェイ駐車場--10:20山頂駅10:28--11:36北横岳南峰(昼食)12:03--12:08北峰12:11--七ツ池--12:35北横岳ヒュッテ12:40--13:21ロープウェイ山頂駅13:30--13:37山麓駅

9:15頃前泊したベルクコットをチェックアウト。30分ほどで北八ヶ岳ロープウェイの駐車場に到着した。何度か来ているはずなのにビーナスラインから曲がるところに見覚えがなかった。最近来ていなかったからということもあるけれど、来ていたのは冬場が多かったためかもしれない。また2012年4月を境にいつの間にかピラタスという名称もなくなっていたことを知った。

ロープウェイ乗り場に並ぶと、連休で混んでいるかと思いきやすぐに改札となり、それほどでもないのかと最初は思った。しかし、すぐに乗れると思ったのはつかの間で、その次の便までお預けとわかり結局20分も待つことになった。


坪庭入口から縞枯山を望む

山頂駅では、三々五々乗客は展望テラス、坪庭、縦走路へと分かれて出発していく。

山の神と私はまずは坪庭組で、入口のところでお茶を一口飲んでから、やおらスタートした。この日は天候が今イチかもしれないと懸念していたのだが、青空も覗き、まずまずだった。


左:山の神と坪庭の木道を進む 右:北横岳への分岐

観光客のためにスニーカーでも歩けるようにした坪庭の遊歩道は、よく整備されていて歩きやすい。すぐに北横岳への分岐に出た。


左:雨池峠への分岐 右:北横岳ヒュッテ

その分岐に北横岳ルートは登山者向けであると注意が出ていたものの、そんなことはまったく意に介さず、装備らしい装備もなく軽装で登っている人を見かけた。登山道をふさいで、私は山頂まで行く、私たちはここで引き返すと相談しているご婦人がたもいたし、学校登山で来ている女子高生1学年分もいた。大勢で休日に登山するということがほかの登山者にどれだけ迷惑をかけているか、想像力の乏しい学校の先生には参る。

山でのルールやマナーを知らない人も多くいた。登りと下りですれ違う際には(原則は)下る人が道を譲り、安全確保のために山側によけるというものがあるが、なぜか我が物顔で下ってくる御仁がいるばかりか、谷側によける人が続出。待つ人も通過する人もお互いに安全でありたいものだ。

論外なのは、おしゃべりしながら歩いてまったく後ろを気にしない人。自分たちの後ろに長蛇の列ができているのに道を譲ろうとしない。明らかに後続の登山者が視界に入っているのに、話に夢中で気づいていないのか、あるいは確信犯で完全無視なのかはわからない。人を思いやる心を持とうよといいたい。


樹林帯を抜けると一気に開けた場所に出る。山頂はすぐそこ

登山者やハイカーだらけの道を歩くこと1時間10分。いや、厳密には待っている時間も含めてか。樹林帯を抜けてパッと開け、北横岳南峰のピークに達した。


左:北横岳南峰 右:南峰から北峰を遠望する

最初はそれなりの景色が目の前にあったのに黒っぽい雲が流れてきて、たちまち視界を閉ざしてしまった。それでもまだ指呼の間である北峰のピークに大勢の登山者が見えていて、あそこで昼メシにするには窮屈すぎるよなと山の神と相談。まだ人が少なめの南峰で昼メシにありつくことにした。


左:北横岳北峰 右:北峰は大勢の登山者でにぎわう

昼食後、北峰に移動。ものの5分もかからないくらい近い。北峰の標高が8メートルほど高いためか、こちらを主峰として登ってくる人が多く、自然と北峰に人が集まってくる。とりわけて広い山頂ではないので、3密状態だ。写真を撮って早々に退散する。


左:七ッ池の巨大な標示 右:北横岳ヒュッテから下るとまず現れる七ッ池の入口

下山を始めると、まだまだ登ってくる人は多くここでもそこでもすれ違いまくる。ロープウェイで容易に高所まで来られて展望もあり、池もあり、しかも短時間で歩けるというお手軽さで八ヶ岳屈指の人気コースなのだ。

北横岳ヒュッテまで下れば、そこから七ッ池への道がついている。行ってみると登山者が1人だけで静かだった。壊れかけた木道が荒れた感じを出していたけれども、奥に進むほど秘境っぽい感じの場所になる。水面が鏡と化して、風景を映し込み、ちょっとした絵画のような趣で目を奪われる。 


水面は鏡面のようになり周囲の景色を映し込んでいた。紅葉の時期もまた来たい


入道雲を飲み込んだアート作品のようだ

景色を堪能していると、続々と登山者がやってきて騒がしくなり、興を削がれてしまった。北横岳ヒュッテに戻り、小休止。山の神はヒュッテのブランコに乗ってご満悦だった(冒頭の写真)。

休憩後坪庭へ下り、歩いていない残りの坪庭コースをめぐって、ロープウェイ山頂駅には13:21に戻った。ベンチでお茶を飲んでいるとちょうど改札が始まり、ラッキーとばかりに13:30発のロープウェイに乗り込んだ。ここでのんびりしていて混雑で待たされるのはごめんだった。ロープウェイが下り始めると、シカが何頭も草を食んでいるのを見下ろせた。この辺りでも増えすぎているのだろう。

山麓駅に到着して、コケモモとバニラのミックスソフトクリームを食べる。さっぱりしてほんのり甘くておいしい。食べ終わって、さあ出発かなというときに、登山道でおしゃべりに夢中で渋滞を引き起こしていた妙齢のご婦人グループがやってきた。われわれと同じようにソフトクリームを買ってここで食べようという腹積もりのようだ。私がその存在に気づいたとき、向こうに立っていたその1人と目が合った。山の神がテーブル席を立つと、当のご婦人グループはもうワープしてきたのかというほど素早く移動してきて、テーブルをアルコールティッシュで拭き始めた。まだ私がテーブルに広げていた地図や手帳などを仕舞っているところなのに早すぎる。ありがとうねといいつつ、早くも座る態勢に入っていた。体よく追い出され、すごすごと山の神の後を追った。

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天狗岳Part2~イワヒバリ遭遇後に雨じゃんじゃん

2021-08-09 | 山行~八ヶ岳とその周辺

Part1のつづき


左:西天狗岳の登山者たち 右:東天狗岳へ移動開始

12:10山の神と東天狗岳に向けて下り始める。前方の山肌に登っている登山者がポツリポツリと点になって見えている。逆に向こうからくる登山者も多い。


左:東天狗岳山頂 右:すりばち池への分岐。まっすぐ進むと中山峠

12:32東天狗岳に到着した。狭い山頂では記念撮影の順番待ちだ。写真を撮ってすぐに直下に移動し、適当な場所で休憩した。しだいにガスが上がってきて、怪しい天気になってくる。

お茶を飲んでいると、背後でバリバリバリと鳴り響く遠雷。ヤバいとこれを潮に山の神と腰を上げ、黒百合ヒュッテを目指した。中山峠へとまっすぐ進む登山者につられないように地図で確認して、すりばち池への分岐から尾根をはずれる。


左:見た目はGood Viewだが、道はとことん歩きにくい 右:天狗の奥庭上

見た目はきれいな景色が続くのだが、岩がごろごろしていて歩きにくい。この歩きにくさのせいで、足の裏がジンジンしてくる。13:20たまらず天狗の奥庭上と書かれた指導標のところで休憩にした。


左奥に蓼科山

天狗の奥庭を突き進んでいくと、奥のほうに蓼科山が見えた。なかなかの絶景ポイントだ。


両端にイワヒバリ

さらに行くと、登り時にも見かけたイワヒバリをここでも発見。しかも2羽いて、つがいなのか(?)。思わず足を止めて山の神とじっくり観察することになった。


イワヒバリ

羽根はスズメの文様を拡大したような感じで、頭はグレー。名前にヒバリとつくだけあって、ピーチクパーチクと小刻みに鳴く。この岩場では鳴いていなかったが、唐沢鉱泉から西尾根に上がる森の中では、しきりに鳴いていて登山道脇の茂みに留まったり登山道を横切ったりしていた。こんな近くでイワヒバリが見られるとは思わなかった。しばらく逃げずにこの岩に留まっていた。


水の干上がったすりばち池

すりばち池まで来ると、前方に人影が見えた。黒百合ヒュッテにお泊りの人が散策しているのだろうか。

14:06黒百合ヒュッテに到着。休憩する登山者であふれかえっていた。ペットボトルのお茶を飲む人、小屋で買ったアイスクリームをなめている人、ちょっとしたリゾート地のカフェのようだ。山の神と私も座れるスペースを端っこのほうに見つけ、ぐったりと腰かけ休憩した。


左:黒百合ヒュッテ 右:ヒュッテからの下山路も歩きにくい

14:18チョコレートなどを食べてエネルギー充填し、黒百合ヒュッテを後にする。再び森の中へ。この下山路は夏と冬に一度ずつ歩いているはずだが、ちっとも覚えていない。こんなに歩きにくい道だったか。疲れた体に鞭打って歩く。山の神の消耗度もかなり大きいようだ。

15:03唐沢鉱泉への分岐で休憩をとる。昭文社の山地図ではここから40分ほどで唐沢鉱泉とされていたが、とんでもなく長かった。不幸は突然やってくるものだ。分岐から40分ほど歩いて、そろそろ鉱泉に着くかと思った頃、ポツポツと雨が降ってきたのだ。曇っていたとはいえ、空は明るかったので、まさか降られるとは思いもしなかった。

山の神も同様で、ザックカバーだけ装着して再び歩き始めた。私はこれはしばらく止みそうにないなと雨具の上衣も着ることにした。山の神も足を止め上衣を着る。


もうすぐ唐沢鉱泉だと思ったのだが、、、

しかし、雨は止まぬばかりか、勢いを増した。途中で追い越した親子はどうしているだろうか、などと考えながら、修験僧のように黙々と下山。登山用パンツはしっとりと濡れて、いまさら雨具の下もはこうとは思わず、早く唐沢鉱泉に着かないかと足を速めたが、一向に着く気配はない。

鉱泉の建屋が見えた頃は土砂降りになっていた。軒下を借りて雨宿り。それでも変わらぬ雨脚にあきらめて、車のところに急ぐことにした。すると我々よりひどい状態の単独者が前を歩いている。雨具をもっていなかったのか全身濡れネズミだ。

16:35鉱泉から結構離れた場所に駐車していた愛車に到着。1時間半くらい予定より遅れての下山となった。すぐ前に停まっていた車はもう出発した後で、この雨には遭わなかったようだ。なんて不運な山の神と私。ペースが遅すぎだったか。私はびっしょり濡れた登山用パンツを脱いで半ズボンにはき替えた。

ペンション・ベルクコットにつづく
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