目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

大日三山&立山三山Part4~称名滝

2012-10-31 | 山行~北アルプス

000img_6249標高 約1300m 富山県

2012年9月29日(土) くもり

メンバー 山の神と私

コースタイム 雷鳥荘7:10--7:45室堂バスターミナル8:00--8:30弘法8:35--8:53八郎坂--10:13飛龍橋10:23--称名滝--11:10称名滝駐車場

雷鳥荘の部屋は暑かった。どうやら客室の下に温泉を流しているらしい。そうすることで、部屋の暖房代わりにしているのと、ついでに高温の源泉を冷まして、ちょうどいい湯加減になるようにしているようだ。考えたものだ。でもちょっと暑くて寝苦しかった。

そのせいもあってか、4時台に目を覚ましてしまい、朝風呂に向かうことになった。さすがに誰もいなくて貸切と思いきや、上がる頃にここのスタッフらしき若者が入ってきた。

部屋に戻って2度寝。5:30に改めて起床する。朝食は6:00からで、昨晩の夕食のときのようには、食堂は混雑していなかった。早く出発する登山者がいるからなのだろう。おいしく朝食をいただいて、7:10チェックアウト。屋外に出るとだいぶ冷えている。

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9/28撮影の好天の別山。下のほうに雷鳥沢のテント場が見える

昨日よりもさらに色づきがよくなった山容を見つめながら、山の神とのんびりと室堂のバスターミナルをめざす。いくつものパーティが室堂方面や、別山方面、奥大日方面へと向かう。

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左:雷鳥荘付近の紅葉 右:弘法の探勝歩道入口

室堂バスターミナルで弘法までのチケットを購入する。改札は2列になっていて、終点の美女平まで乗っていく人たちの列と、途中下車組の列になっている。途中下車組がまずバスに先に乗り込み、すぐに降車できるように前のほうの席に座る。8:00バスは動き出し、観光のアナウンスを流しながら、ゆったりと観光道路を下降していった。30分ほどで、弘法に着く。ここで降りたのは、山の神と私だけだった。荷造りしていると、美女平からあがってきたバスの運転手さんに、どこに行くの?と声をかけられる。てっきり室堂に行きたいものと思ったようだ。

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左:弘法付近から見た薬師岳 右:八郎坂に入る

探勝歩道入り口からまもなくバイオトイレの横にさしかかる。道のりは長いから念のため寄っていく。そこから工事中の道を少し歩くと、すぐに八郎坂の入り口に着いた。八郎坂は、このあたりでは有名なガイドだった佐伯八郎氏の名をとってつけたということだ。

006img_6254 展望台からの称名滝

八郎坂は思ったより急で、足場が悪く、日陰でじめじめしていて滑りやすい箇所がある。足元に気をつけながら下っていった分、疲労がたまる。こんな急な道を上がってくる奇特な方はいないだろうねと、山の神と話していると、登山者が上ってくるではないか。しかも直後10人以上とたて続けにすれ違った。ちょうどバスの時間だったのだろうか。

八郎坂の下のほうでは、お花が咲いていて、なかでもこの白くてきれいなのは何だろうと思っていたら、ガイドブックに出ていた。サラシナショウマ(冒頭の写真)だ。そっちにもこっちにも咲いていて存在感のある花だった。

そうこうしているうちに、山の神が疲れた、休もうと言い出した。展望台で休めばよかったのだが、もうちょっと先でといっているうちに腰を下ろせるような適当な場所がなくなってしまった。結局すぐそこが飛龍橋だからと、休憩なしで下まで降りることになった。

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左:八郎坂の碑(飛龍橋) 右:称名滝を下降中の方がいた。中央の赤い点

飛龍橋のたもとにある八郎坂の碑の前で、くたびれたと山の神とともにザックを投げ出すようにおろした。休憩をとらずに歩くと、倍疲れるのだ。しばし休んで称名滝へと向かう。滝に近づいていくと、岩に赤いシミが見えた。何か服が引っかかっているのかと思って、目を凝らすと動いている。人だった。最初は下降していたのだが、いつのまにやら中断して休んでいる。これからどうするんだろうと観察していたら、雷鳥沢ヒュッテで同部屋だった年配のご夫婦とばったり会った。大日小屋から今日下ってきたのだ。奇しくも同じ時間にここにいる偶然に驚く。

滝から駐車場に戻ると、11:10。ほぼ予定どおりに愛車の元に帰って来た。曇天から雨粒が落ちてくることもなく、ぎりぎり天気がもったのは、何はともあれラッキーだった。

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Part1大日平山荘に戻る
Part2大日三山に戻る
Part3別山・真砂岳・立山三山に戻る

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大日三山&立山三山Part3~別山・真砂岳・立山三山

2012-10-28 | 山行~北アルプス

別山 標高 2874m 別山北峰 2880m 真砂岳 2861m 富士ノ折立 2999m 大汝山 3015m 雄山 3003m 富山県

2012年9月28日(金) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 雷鳥沢ヒュッテ6:50--8:08休憩8:15--8:35剱御前小舎8:45--9:20別山山頂--北峰--9:35別山山頂9:40--10:28真砂岳10:38--11:20富士ノ折立の岩峰往復11:33--11:43大汝休憩所(近くで昼食)12:30頃--大汝山山頂12:35--12:50雄山山頂(雄山神社)13:10--13:43一ノ越13:50--14:30頃 室堂ターミナル

5:00に起きて朝風呂につかり、6:00の朝食までゆっくりする。食事後は、あわただしく準備を整え、6:50ヒュッテを後にした。同部屋だった年配夫婦は先に出発していった。われわれとは反対コースで、今日が大日三山へ向かうとのことだった。偶然にも、翌29日に称名滝で再び再会することになる。

空を見渡すと、昨日につづいて、きれいに晴れている。目の前の山肌は、心なしか昨日よりも色づきがよくなったように見える。雷鳥沢のテント場を横切り、沢を渡って雷鳥坂に入ると、いきなりの急登が始まった。しかし出だしは元気一杯で、山の神と私は快調に登っていった。上る途中途中で黄と赤の葉やすすきが目を楽しませてくれる。

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2点とも:雷鳥坂の紅葉

一度休憩を挟んで、8:35別山乗越、剱御前小舎に着いた。ちょうど清掃中で、掃除機の音があたりに響いていた。小屋の周りには、ホシガラスがいて、餌を探してあちっこっち飛び回っている。そういえば昨日も雷鳥沢へ下る際に何羽か見かけたっけ。

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剱岳と剱沢

雷鳥平にいると見えない剱岳がまた姿を現した。剱沢小屋や、剣山荘がふもとに小さく見えている。このグレーの巨塊は、いつ見ても大迫力だ。

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左:別山山頂の祠 右:硯(すずり)ヶ池。北峰寄りにある

剱岳を見ながら、またしても急な上りを進む。9:20別山山頂。反対側から騒々しい1パーティがあがってきた。人気コースだから、いろいろな人がやってくるのだ。

北峰へ向かうと、右手には後立山連峰が手の届くような近さで見えている。しかし長野側は曇っているようで、稜線を白くガスがなめ始めていて、場所によっては、こちら側に越境してきそうな様子だった。

北峰からピストンで戻って、別山山頂の祠付近で休憩する。ちょっと風が強くなってきた。

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左:真砂岳山頂 右:富士ノ折立への痩せた尾根

さて、別山からは、浮石があって歩きにくい道を下る。まもなく、コルから真砂岳への上りに差し掛かると、団体が大挙下ってきた。しかし、その団体をやりすごして10:28頂上に行ってみると、なんと誰もいない。しかも地味な山頂だ。巻き道を進んでいく人もいたが、何かわかるような気がする。また行くことがあれば、巻き道を行くだろう。

水分補給して真砂岳山頂を後にする。ちょっと下るとガレた稜線になっている。富士の折立につながる道は痩せ尾根で両側が切れ落ちているから、なかなかの高度感を味わえる。いつの間にか、登山者が増えていて、前方のだいぶ先のほうまで稜線を歩く姿が点々と見えている。

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左2点:富士ノ折立 右2点:大汝山山頂にて。山の神と私

富士ノ折立への道はキツい。エイヤで上りきったと思いきや、そこは山頂ではなく、左手に富士ノ折立の岩峰があった。山の神は、あっさり行かない、ここで待っているというので、私一人で岩に取り付き、速攻で山頂をおとしいれた。

そこから指呼の間で大汝山。歩き出すと、大汝休憩所の建物がすぐに見える。岩場を横移動していくと、あっさりと立派なトイレを完備している休憩所に到着した。なるべく見晴らしのいい場所をと、山の神とこのあたりを物色してお弁当を広げた。

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左:雄山山頂 右:雄山山頂から見下ろす

大汝山からまた横移動で、岩稜を歩いていく。石積みが崩れそうで恐ろしげな巻き道を通り、回りこんで雄山神社の鳥居をくぐる。大勢の登山者でにぎわっていた。室堂から雄山ピストンというハイカーが多いいせいだろう。

12:50雄山山頂に到着。海外からのお客様もいる。天気は崩れることなく良好で、見晴らしは抜群。

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右:雄山山頂にある雄山神社 左:一ノ越から雄山山頂をあおぐ

下山は、人が多い分、気を遣った。足元の浮石に気をつけながら、おっかなびっくり下っている年配者やハイカーを無理に追い越さずに、こちらものろのろと後に続く。そのうち一ノ越から大挙して、ツアー客の団体が上ってきた。登山道を塞いでいて、顰蹙行為以外のなにものでもない。しかも自分たちで渋滞を引き起こしていて、後尾は立ち止まったままになっている。歩きやすいところを、占領しているから、仕方なく足場の悪いほうを下る羽目になった。

一ノ越に下りて、やれやれだ。一服して、13:50室堂平に向かう。遊歩道まで下ると、散策している観光客がいたるところにいる。上空にはヘリが飛び交っていて、紅葉を撮っているのだろうか。

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日に日に葉が色づいてきた室堂平と大日三山

14:30過ぎ、室堂バスターミナルに到着した。今日のうちに立山市内のビジネスホテルに移動し、居酒屋の海鮮料理で一杯やろうと画策していたのだが、次のバスは15:00という。山の神がここで不安を口にする。これから立山駅に下りて、称名滝の駐車場まで行き、しかも宿の予約もしてないまま、市街地に移動していると、かなり遅くなるんじゃないのと。たしかにそうだ。ぶつぶつと繰り返す山の神にだんだん腹立たしさは募るが、暗くなってホテルを探して、うろつくよりは、ここにとどまろうとなった。

その判断はまあまあの正解となった。

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Part1大日平山荘に戻る
Part2大日三山に戻る
Part4称名滝へつづく

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大日三山&立山三山Part2~大日三山

2012-10-20 | 山行~北アルプス

大日岳 標高 2501m 中大日岳 2500m 奥大日岳 2605.9m 富山県

2012年9月27日(木) 快晴

メンバー 山の神と私

コースタイム 大日平山荘6:15--7:27鏡岩手前7:35--8:40大日岳分岐8:52--9:17大日岳山頂9:25--9:33大日岳分岐--大日小屋9:47--中大日岳--10:33七福園越えた尾根上10:43--11:50奥大日岳山頂(昼食)12:33--13:48中ノ又谷を見下ろすビューポイント13:58--14:50立山雷鳥沢ヒュッテ(泊)

5:00起床。大日平山荘の朝食は通常6:00からだが、前日に泊り客全員が早く発ちたいといっていると、大日平山荘のスタッフの気配りで、5:20には朝食の用意ができていた。ありがたいことだ。

6:00頃山荘を発とうとすると、スタッフのお兄さんが、不動滝は見ましたかと。それは同宿のお姉さまにも言われていたのだが、どこから見えるんだろうと思っていた。山荘の裏手に道がつけられていて、ほんの2,3分だった。遠くに絵に描いたような巨大な滝が見えた。自然の偉大さを改めて痛感させられる勇壮な風景だ。今日は朝からスカッと晴れていて気持ちがいい。でも、霜が下りるほど、気温はだいぶ下がっている。

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左:大日平山荘裏手から遠望できる不動滝 右:霜が下りて、滑りやすくなった木道

山荘に戻りスタッフに挨拶して、さあ出発。そのスタッフが朝食時にいっていたとおり、歩き出すと湿原地帯に設けられている木道がすべること、すべること。時折つるりと足をとられ、ヒヤリとする。山の神と私以外は下山組なので、登山靴に山荘提供のワラをまいて出発したことだろう。

木道が終わると、急な上りが始まる。しばらくいくと、ランプの宿、大日小屋に泊まっていた登山者たちが続々と下ってくる。単独の年配の方に声をかけられる。ここのところずっと天気悪かったけど、あんたらのおかげだ。この山はなかなか晴れない。こんな快晴は初めてだといわれる。でも、去年山の神と私は立山に来て、雨にたたられたからねえ。今回はたまたまだろう。

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左:大日岳山頂 右:大日岳と大日小屋

大日小屋が見えてから、なかなかそこに着かない。先ほどまでは、寒かったのに、照りつける日差しはジリジリと肌を焼くほどに暑く感じられる。黙々と足を運び、大日小屋直下の大日岳分岐に8:40ようやく到着した。ここにザックをデポして、空身で大日岳を往復する。

大日岳山頂からは、白山(下のほうに写真)や剱岳が見渡せた。帰りのバスの運転手さんによると、白山が見えることはなかなかないという。それだけ今回の山行は、天候に恵まれたといえよう。

大日小屋でトイレを借りて、出発。小屋から稜線をどんどん上がっていくと、すぐに中大日岳の山頂標示が出てきた(左下)。

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左:中大日岳山頂 右:美しい自然の庭園「七福園」

岩いわした山頂を通過すると、まもなく人工的に造られたのではと疑いたくなる自然の造形が姿を現す。まるで庭園。名前のとおり「七福」」を招来してくれそうな、そんな気分にさせてくれる。

001img_6131 002img_6132 奥大日岳山頂。山の神と私

ここからアップダウンのある長い尾根の移動になるが、すばらしい景色を従えての山歩きでまったく飽きない。少し巻いて池を通り越し上りに入る。11:50奥大日岳山頂に到着。ここからの眺めも最高だ。山頂に人があまりいないのもいい。

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奥大日岳より大日岳を望む

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遠くには、白山が見えている

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左:大日平山荘でつくってもらったボリューム満点おにぎり 右:池で見つけたサンショウウオ

奥大日岳の山頂で、大日平山荘でつくってもらったおにぎりを食べる。絶景をおかずに食べるおにぎりは最高だ。腹も減っているし。美味! 山の神が重いとこぼしていたこのおにぎりは、ここですべて消費する。

12:33山頂を後にする。尾根を進んでいくと池があって、視線をやると、ちらっと動く気配が。池の中を覗き込んでみると、なんとサンショウウオがいるではないか。久々に見るサンショウウオだ。こんなところにも棲息しているのか。池はもうひとつあって、そこにもサンショウウオがいた。

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雷鳥沢に向け下りていくと、目の前には立山三山の雄々しき姿(中央)

下りに入ると、立山三山がど~んと目の前に立ちはだかってくる。中央の台形状の山が立山三山だ。しだいに姿が大きくなってくるこの山容には圧倒される。

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中ノ又谷にガスが上って来て、雲海となる

13:48山の神と、疲れた疲れたとこぼしながら、中ノ又谷上部で腰を下ろした。年配のトレッカーが一眼レフのカメラを構えて、しきりに雲海に向けてシャッターを切り続けていた。紅葉の季節だから、カメラ趣味の観光客やトレッカーも多いのだ。

重い腰をあげて、小さく見えていた雷鳥沢のテント場に近づいていく。別山乗越から下ってくる登山者らと合流して、ようやく雷鳥沢だ。ヨレてだいぶペースダウンしたようだ。立山雷鳥沢ヒュッテに到着したのは、14:50になっていた。宿泊の受付をすませ、さっそく温泉で汗を流した。

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大日三山&立山三山Part1~大日平山荘へ

2012-10-14 | 山行~北アルプス

大日平 標高約1600m 富山県 

2012年9月26日(水) 曇り

メンバー 山の神と私

コースタイム  称名滝駐車場11:33--11:53大日岳登山口--12:45猿が馬場12:52--14:00大日平(小屋近く)--14:15大日平山荘

4:40頃家を出発した。高速にあがると平日のせいもあって、スイスイ進む。順調に上信越道に入り、人がまばらにしかいない横川SAで朝食。さらに進んで工事中の妙高SAで休憩。北陸道でも有磯海SAで休憩をとって、立山ICで下りた。交通量の少ない道をこれまたスイスイ進んで、称名の滝駐車場には10:50に到着した。平日なのに予想外に車は何台も停められていた。さすがは大観光地、立山。

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左:称名滝駐車場 右:大日岳登山口

早めに到着したものの、予定通りにここで昼食にした。称名の滝の展望台(あまり見えないが)に移動し、コンビニで調達したおにぎりを食べる。年配夫婦があとからやってきて、粋なことに画帳をとりだしてスケッチを始めた。

11:33身支度を整え、駐車場のトイレに寄ってから出発した。滝へ向かう観光客、そして戻ってくる観光客が意外にも多い。一般車両通行止めの車道を歩いて、20分ほどで登山口に到着。先ほどまでは青空が広がっていたのに、山のほうからどんどんドス黒い雲が流れてきて、あっという間に空を覆ってしまった。しかし立山の市街地のほうを見渡すと、わずかながら青空が覗いている。

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2点とも:猿が馬場

蒸し蒸しした粘っこい空気のなかを登り始めた。山頂からはガスが流れてきて、すっかり天気は悪くなってしまった。山の神は登山口で長袖のウェアを1枚脱いで涼しげなかっこうで上っていたが、私はそのままで、たちまち汗だくになる。途中でたまらず、1枚脱ぐ。

猿が馬場には12:45到着。ベンチが置かれていて格好の休憩場所だ。真新しい木材が傍らに置かれていたから、ベンチを新しくするのかもしれない。腰をおろすと、滝の音に気づいた。称名の滝が近いからね。ただこの登山道からはその姿を拝むことはできない。

001img_6080 ここで遭難事故があったとか。供花が痛々しい

猿が馬場から登高していくと、トロッコというのか、小さなモノレールというのかが目に飛び込んできた。上のほうに視線をやると、かなり大掛かりに足場を組んで法面(のりめん)の工事をしている。そこへ資材を運ぶためのものだ。近くまでいくと、ちょうど資材を積載したその乗り物がぐんぐん上ってきた。さすがに作業員が乗っているその乗り物を写真には撮れなかった。観光資源じゃないからね。

さて、その工事現場を横切っていくと、牛ノ首の標示が置かれていた。隣には花が添えてあって、山の神いわく、ここで遭難事故があったんだって。そんなに怖い場所なのか。

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もう紅葉というのにまだまだ花は咲いていた。左:アキノキリンソウ 右:ミヤマダイモンジソウ

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大日平山荘近くの木道。木道の横では、草もみじへと衣替え中

木道が出てくるともう大日平だ。湿原が延々と続く。途中歩荷のお兄さんが座り込んでいた。へたり込んでいたといったほうがいいかもしれない。背中にはポカリスエットの山。ちら見をして、なあんだビールじゃないのかとちょっと失望する。もう気分は、山小屋到着ASAP(as soon as possible)ビールだからね。

そこからちょっと進んだところで、小屋がすぐそこだということに気づかずに山の神と休憩していると、先ほどのお兄さんが時折気合の声を発しながら、やってきた。すぐそこにベンチがあるし、小屋ももうすぐだよという。下山してきた人にも、すぐそこにベンチがあるよと教えられる。

大日平山荘には14:15到着した。山荘のスタッフに風呂の準備がすぐにできるといわれ、感激する。ここは風呂があるのか!順番が来てゆったりつかった後に、お待ちかねのビールをあおった。小屋の食事時には、本日お泊りの年配の夫婦と単独行のお姉さま、そして山の神と私の5人で山談義。みなさん北アルプスをよく歩かれていて、山の神とともに、ほとんど聞き役に回っていた。さあ、明日は、いよいよ大日三山!

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大日三山&立山三山 プロローグ~山小屋

2012-10-07 | 山行~北アルプス

000img_62119月26日(水)~9月29日(土)

おおむね晴れ 

久々のブログ更新だ。

なぜこんなに間があいたのか。それは、9月末に休みをとって山に行こうと、必死で仕事を前倒しで進めていたのと、去年のように天候が急に雨予報に変わった場合に備えて代替計画を練っていたため、そして最大の理由は、パソコンを買いかえたことだ。データ移行とソフトのバージョンアップは厄介だ。とくに画像処理ソフトは、お金をかけたくない私にとっては、悩みの種となり、あれこれフリーソフトを探して試してみた。でも結局は大枚はたいて、使い慣れたADOBEのソフト、Photoshop Elements10に落ち着いた。

さて、本題に戻ろう。無事9月末に休みをとって、行ってきました、まさに昨年のリベンジとなる立山

まずは軽いジャブで、今回は山小屋の風景録を綴っていこう。初日に泊まったのは大日平山荘。まだ新しく非常に快適な小屋だった。まるでペンションのようだ。スタッフのお姉さんはかわいらしくてよく気が利くし、お兄さんは気のいい益荒男でサービス精神旺盛。小さいながらも風呂もあって(交代制)、汗を流せたのもいい。小屋の裏手に回ると豪勢な不動ノ滝を一望できる。

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赤い屋根が大日平小屋。湿原の端っこにたたずむ

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左:大日小屋 右:山の神ヒュッテ(仮名)

2日目、最近テレビでとり上げられて宿泊客が増えているランプの山小屋、大日小屋の前を通過。最近はギターの演奏もあるとか。稜線上なので、節水の小屋である。

この日に泊まったのは、山の神がそれと知らずに予約してしまった山の神ヒュッテ(仮名)。あらゆる面でひどかった。雷鳥荘やみくりが池温泉に宿泊者が流れるのはよくわかる。まずフロント。見えるところに家族が寝そべっていて、テレビを見ていた。フロントにいたお兄さんに翌日の弁当を頼むと、立山三山なら室堂にすぐ下りられるから、必要ないと断られる。三山と別山にも行くのだがと、いえばよかったのだが、即ムッとしてしまってどうでもよくなってしまった。輪をかけるように、寝そべっていたここの女将らしきおばちゃんが、くるりと顔をこちらに向け、歩くペースは人それぞれだからと関心なげに、しかも誰にいったのかわからないようにボソッという。

部屋は、節約して相部屋にしたのだが、古くて汚い。ふとんも清潔感ゼロ。年配の夫婦と同部屋となる。いっぽうで他の個室部屋はガラガラだった。食堂に行くと、横柄なここの姉ちゃんが堂々と客の行く手をさえぎって歩いてくる。なぜ客がよけて待たねばならない。客が少ないのに1つのテーブルで皆くっついて食事。とくに朝は驚いた。山の神と2人でテーブルに向かうと、3つのトレーがくっつけて並べてあり、そこに料理が載っている。テーブルはバカみたいに空いているのに詰め詰めで並べていて相席状態。

風呂は内湯はよかったが、半露天は、熱すぎてなかなか入れなかった。一番風呂の方は、水で薄めて入ってくださいと書かれていたが、水を止めると、ものの5分や10分で、また熱湯に戻るから、入る人、入る人つねに一番風呂だね。風呂から出るときには、水を止めろと貼紙。ダメな宿というのは、やたらと貼紙が多いものだ。ここもその例にもれず、ベタベタとあちこちに貼紙があって、あれもするな、これもするなとすさまじい。

ここ立山は登山者が多いから、こんな殿様商売でもつぶれずに営業を続けられるのだろうけど、少なくとも私は今後いっさい泊まることはないだろう。

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左:剱御前小舎 右:雷鳥荘

3日目は山の神ヒュッテから、ポツンと点のように見えていた剱御前小舎へあがる。ここは剱へ向かう人、そして戻ってきた人が主に利用する山小屋だ。あるいは剱沢とか剱山荘が混んでいてやむなくここにという人もいるだろう。ここから別山に向かう。

この日は、ひたすら上って下りて、立山の市街地か富山の市街地に移動しようかと考えていたが、時間が押して、結果断念することになった。室堂周辺の山小屋に泊まることにし、いちばん近いみくりが池温泉に電話してみると部屋が空いていないといわれる。そこから歩いて15分くらいの雷鳥荘は空いていて、ご厄介になることにした。雷鳥荘は非常に快適だった。昨日のことがあるから余計そう感じたのかもしれない。部屋は新しく清潔。生ビールも飲めて、食事もおいしい。食堂がほぼ満席だったから、ここもみくりが池温泉同様満室に近かったようだ。温泉も堪能できて、大満足だった。
008img_6238 さらば雷鳥荘

4日目の朝、雷鳥荘をチェックアウトした。こんなに快適な宿なら、また泊まってもいいなと思う。リピーターが多いわけがわかった。山の神もここで2泊していればと何度もそういっては悔しがっていた。

※冒頭の写真はイワギキョウ

Part1大日平山荘につづく
Part2大日三山へ飛ぶ
Part3別山・真砂岳・立山三山へ飛ぶ
Part4称名滝へ飛ぶ

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