目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

計画時から苗場山八合目まで。神楽ヶ峰へ

2021-10-24 | 山行~信越

神楽ヶ峰 標高 2030m 新潟県

2021年9月19日(日) 晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 8:10祓川登山口駐車場8:20--8:45和田小屋8:50--9:55下ノ芝10:16--10:43中ノ芝10:53--上ノ芝--11:30神楽ヶ峰11:35--11:55上ノ芝(昼食)12:35--13:15下ノ芝13:20--14:00和田小屋14:25--14:45駐車場

台風14号が来て、計画変更を余儀なくされた。最初の計画では、秋山郷から小松原湿原と界隈の山を1泊2日で歩く予定だったのだが、台風が通過中の18日は家にいることにし、19日だけの山行、そして苗場山までのロングコースとはせずに手前の神楽ヶ峰までで引き返す計画を立てた。

4:40山の神とともに自宅を車で出発した。高速にあがると、当初はそこそこの交通量があったものの、関越トンネルを越える頃には交通量も激減し、これは登山者は少ないかも、駐車場も数台くらいしか停まっていないかもしれないと山の神と話していた。しかしいざ到着してみると、目の前にトイレのある本来の駐車場は満車で、そこからカーブした車道をぐるりと上がって、その末端に停めることになる。残された駐車スペースはあと数台分といったところだった。


左:ほとんど満車の祓川登山口駐車場 右:和田小屋を見ながら車道を上げる

なぜ山にポルシェと思いながら、その隣に停めた。以前どこかの登山口でフェラーリを見たことがあるが、カーマニアさんも山に登る人はいるんだね。

珍しくサクッと準備を整え、8:20に出発した。まずはアスファルトの車道歩き。さっそく山の神が傍らにウメバチソウが咲いているのを見つけて誇らしげだ。前回の山行、入笠山で予想外にウメバチソウの群落を見ていたので心動かず。そのうち和田小屋がふいに現れる。


左:車道終点 右:登山ポストのあるベンチ

小屋が見えたら車道の終点だ。登山ポストが設置されていて、休憩してくださいといわんばかりにベンチが設けられている。ザックを下ろしてのどを潤していると、目の前のゲレンデの草地に続々と登山者が入っていく。

のんびりしている場合ではなく、われわれも出発だ。最近は足どりが重く、標準コースタイムですら歩けない。


左:六合目 右:ナナカマドの実が真っ赤に色づいている

ゲレンデを横切り森の中へ、そしてブナの原生林を抜けていく。この一帯は地図にぬかるんでいると書かれていたが、まさにその通りで、さらに前日の台風が追い打ちをかけていて、登山道には水があふれていた(下の写真)。

前日の台風で登山道は水浸し

そのうち笹原の道が交差しているところに差し掛かる。スキー場の連絡コースみたいなものか。似たような交差している道がまた出てくるが、こちらは土がむき出しになっていて、入ろうと思えばいくらでも入っていける。そのせいか立入禁止のロープが張られていた。


左:下ノ芝(休憩用ベンチがある) 右:この辺りですでにヨレ始める

9:55ちょっと開けた下ノ芝に到着する。先着パーティがわいわい話しながら休憩中。またわれわれと同タイミングで早くも下山してきた単独者がザックを下ろす。山の神と私は早くも疲れたなと、ここのベンチにどっかと腰をおろして水分補給、ついでにもう小腹が空いたなと行動食に手をつける。


左:リフト降り場が上方に見えてくる 右:森林限界を越え、一気に開ける

10:16下ノ芝を出発する。少し登ると、すぐに森林限界となり、笹原と灌木が出てくる。この時点でもうヨレ始めている山の神と私だった。


中ノ芝。前方に平標

10:43中ノ芝のベンチにたどり着く。振り返ると平標が見えていて、なかなかの絶景だ。しばし足を止める登山者が多い。


ちょっぴり雲海が広がる

中ノ芝からしばらくは、前にも後ろにも高層湿原が広がっていて気持ちよく登高できる。


左:ほんのり草紅葉 右:木道はさらに奥へとつづく

色づき始めた草紅葉の絨毯、そこに一筋の木道が天空へ向かって伸びている感じだ。


カッサ湖(田代湖)が見えた

やがてダム湖のカッサ湖(田代湖)が眼下に見える。真っ青な湖面が印象的だ。


左:股スリ岩を通過 右:通過するところだった目的地、神楽ヶ峰

股スリ岩を越え、もうすぐ目的地の神楽ヶ峰だと山の神に声をかける。緑の小道を進んでいくと、大勢の登山者がたまっているところに出た。すれ違うのが難儀なので、山の神と私が来るのを待ってくれていたようだった。何気なしにそこを通過しようとしたとき、ここからちょっと下るな、もしやと思って振り返ると、なんやら書かれている標柱が見えた。そこが苗場山の八合目、今回の登山の最終目的地である神楽ヶ峰だった(11:30)。危ないところだった。人が大勢いて分岐や道標を見落とすことは往々にしてあるので気をつけたい。

予定ではここで昼食だったが、あまりに狭いし、登山者が目の前をどんどん通過するので落ち着かない。ということで、上ノ芝か中ノ芝のいずれかで昼食にしようとすぐに下ることにした。


左:復路で顕彰之碑を見る 右:昼食のため上ノ芝ベンチに

下りがてら、往路でパスした顕彰之碑を見るために登山道からそれた。その碑に刻まれていたのは、昭和5年4月にスキーで苗場山に初登頂したことを顕彰するものだった。4月とはいってもこのあたりではまだ相当の積雪だろうから、ルートファインディングが成否の分かれ目だったのではないだろうか。冬の新潟の空はいつも灰色だけれども、この登頂の日はきっと晴れていたのだろう。それにしても装備も貧弱であった昭和初期に登頂を果たしたのはすごいことだ。

11:55上ノ芝のベンチががら空きだったことをいいことに、山の神と占有して昼食にした。われわれが食べている横を登山者が数珠つなぎに下りていく。おそらく6:00台に登り始めた人たちがもう山頂から下ってここに至っているのだろう。こういう山に来るだけあって、健脚者ぞろいだ。


中ノ芝から魚沼を見渡す

昼食後、中ノ芝まで下りてくると、少し霞んではいたが、魚沼の田んぼと街並みが遠望できた。

14:00だいぶ疲労を感じた頃、和田小屋に到着した。若者たちが自販機でコーラを買うのを横目に山の神と私はQooを購入。疲労したせいか甘いものを体が欲していたのだろう。しばしベンチでくたーと休憩する。

14:45駐車場に戻り、そそくさと片付けて本日のお宿ハツカ石温泉石打ユングパルナスへ急いだのだった。

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入笠山Part2~山頂は大展望

2021-10-03 | 山行~八ヶ岳とその周辺

Part1~一面の花園の続き

ハイキングコース入口から前になり後ろになりと絶えず近くにいた年配者グループがいまは目前を歩いていて何の違和感も感じなかったのだが、なんとゴンドラ駅に戻る道だった。林道を曲がって駅舎が見えてようやく気づいた。気づくのが遅すぎだ。


左:入笠湿原に戻る。前方の人影は山の神 右:カラマツ林を通ってマナスル山荘へ

失敗だと山の神を振り返り、来た道を引き返し鹿フェンスを越え、湿原へと逆戻りした。無駄に斜面を上り下りした徒労感にぐったり。山彦荘の前のベンチにどっかと腰を下ろし休憩することにした。小屋のおやじがおいしい牛乳はいかがですかと大声を張り上げている。

9:58マナスル山荘に向けて腰を上げ、カラマツ林を抜けていく。


左:マナスル山荘 右:入笠山登山口

マナスル山荘はすぐに現れた。入口に掲げられた「ビーフシチュー」の看板にそそられる。マナスル山荘の前に入笠山登山口の標示があり、ここ、ここ。ここが登山口だよと何度も来ている山の神は記憶をようやくよみがえらせたようだった。


左:岩場コース(右側)と岩場迂回コースの分岐 右:岩場コースに岩はそれほどなかった

ちょっとした急斜面に取りつき登り始める。途中で岩場コースと迂回コースに分かれる。とりあえず帰りに迂回コースを通ることにして、上りは岩場コースにしようと山の神に告げた。岩場コースとしている割には、斜度があるだけで岩場ではない。家族連れがわれわれを余裕で追い越し、目の前をスタスタと駆け上がるように登っていった。


左:入笠山山頂 右:八ヶ岳方面は雲が多かった。雲が切れたところに蓼科山

10:36入笠山山頂に到着。アクセスもよくゴンドラを使えば登りやすい人気の山だけあって、かなりの人出だ。八ヶ岳方面にだけは残念ながら、白く帯状の雲がかかっていたが、他は雲は少なく、ほぼ全方位の眺望を楽しめた。


奥に北アルプスが見える。木のてっぺんの先に奥穂


諏訪湖もばっちり


中央アルプス。左から南駒ヶ岳、空木岳。雲の辺りが木曽駒

誤って入笠湿原からゴンドラ山頂駅に向けていったん上がってしまったこともあり、山頂到着は予定よりも遅れていた。もともとコースタイムが短いからどうってことはないけれども、ハイキング気分で来ていることもあり、この後予定していた大阿原湿原はカットすることにした。

10:55下山開始。岩場迂回コースを下り、大勢の登山者とすれ違いながら途中から鹿フェンスを越えて草原側の道に出、大ぶりなご立派な花を咲かせているキキョウのところへ。栄養がいいのか、とにかくでかくて存在感を誇示していた。マナスル山荘近くに来ると、今度はシモツケソウの群落。場所によって赤味が強い花もある。日当たりのせいなのか、土壌のせいなのか、どっちなんだろう。

 
左:キキョウ 右:ピンク系のシモツケソウ。もっと赤いのやもっと白いのも

昼食はマナスル山荘前、登山口辺りにあるベンチにしようと山の神と山頂で決めて下ってきたのだが、お目当ての日蔭の特等席には年配の方が一人くつろいでいて、当面動きそうになかった。このガラガラの状況で、しかもコロナ禍にあって隣の席に座るのはどうかとなって変更。山彦荘まで下ることにした。

山彦荘前のベンチは直射日光が照りつけていたが、すでに11:30を回っていたこともあり、日陰探しはあきらめて、ここで昼食にした。

 山頂駅のカフェメニュー

11:55山彦荘を後にして、ゴンドラ山頂駅を目指す。先ほど間違ってすでに歩いたこともあり、直射日光の照りつける湿原の斜面を登り返すことはやめ、元来た道をたどることにした。12:15山頂駅カフェに到着。ルバーブのミックスソフトにありついた。気温がだいぶ上がってきているのか、受け取るいなや融けだして写真を撮るどころではなく、早々に食べることになった(写真なし)。冷たくておいしい。

帰りは八王子料金所で、またかいなのオリンピック規制に続くパラリンピック規制で、通行できるETCゲートが1カ所だけになっていた。当然渋滞を招く結果に。

Part1に戻る

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入笠山Part1~一面の花園!

2021-10-02 | 山行~八ヶ岳とその周辺

標高 1955.1m 長野県

2021年8月29日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:42富士見パノラマリゾート駐車場 ゴンドラ乗車8:35頃--山頂駅8:55頃--入笠湿原--山頂駅方面から戻る--9:45山彦荘9:58--マナスル山荘--岩場コース--10:36入笠山山頂10:55--岩場迂回コース--マナスル山荘--11:30頃 山彦荘(昼食)11:55--12:15山頂駅カフェ12:35--13:00駐車場

5:07山の神とともに自宅を車で出発した。高速にあがると、交通量はそれほどでもない。サクサク走って双葉SAで朝食をとり、韮崎を過ぎるあたりでは、交通量が極端に減って怖いくらいだった。諏訪南ICで高速を下り、カーナビで指示されるJRすずらん駅側には曲がらずにまっすぐ走ると、国道20号に突き当たり、そこにローソンがある。さっそく車を入れ買い出しだ。今日はコースタイムも短いからと控えめに行動食を購入し、富士見パノラマリゾートに向かった。

7:42富士見パノラマの第1駐車場に到着。手前の第2駐車場や第3駐車場にはテントを張っている人や車中泊の人たちもいた。第1駐車場には、われわれと同じようにいましがた到着したと思われるトレッカー、登山者たちが多くいる。


左:富士見パノラマ第1駐車場。目の前にゴンドラチケット売り場 右:ゴンドラで移動中

山の神と準備を済ませ、チケット売り場を覗くと、8:15から販売開始と出ていた。隣接するインフォメーションにもついでに足を運ぶと、ラッキーなことにゴンドラ割引券が置かれていた。さっそく使わせてもらうことにした。


ゴンドラ往復チケットを購入するともらえるお花のガイドブック「入笠に咲く花」

5分くらい前からチケット売り場に列ができ始め、我々もそこに並ぶ。チケットを買うと、「入笠に咲く花」というお花のガイドブックがもらえる。この特典に惹かれて躊躇なくゴンドラ山行にしたのだが、売り場では1冊でいいですかと山の神に聞いている(なぬ~)。横から2冊お願いしますと私。

チケット売り場からゴンドラ乗り場までそこそこの距離を歩いて移動し、ゴンドラが動き出すまでほかの客とともに並んで待った。スタートは8:30。やがて時刻どおりに乗車が始まり、5分ほど待って空中散歩が始まった。意外と乗車時間は長い。


左:山頂駅の気温は18℃ 右:入笠山ハイキングコース入口

ゴンドラの山頂駅に着くと気温が18℃と出ていた。このくらいの気温がもっとも活動しやすい。

近くにはカフェのメニューが置かれていて、ルバーブのソフトクリームの写真が掲示されていた。帰りはこれだなと山の神に目配せをしつつ、入笠山ハイキングコース入口と書かれた登山道に入った。


左:見事に咲き誇っていたヤマユリ 右:アサギマダラ発見

入ってすぐのところに、いきなり度肝をぬく大きな白いユリの花が咲いていた。ヤマユリだ。こんな至近距離で見るのは久しぶり。花には蝶がやってくる。目の前をひらひらと飛んできて羽を休めたのはアサギマダラだった。俳句でもひねりたいところだが、残念ながら何も出てこない。直前を歩いていた年配の人がアサギマダラをオオムラサキと呼んだせいもある。


左:たぶん初めて見ましたレンゲショウマ 右:エゾリンドウ

レンゲショウマやエゾリンドウなどを見て林を抜けていくと、鹿よけフェンスが出てきて、いよいよ花園、入笠湿原に入る。


入笠湿原と山彦荘

木道を下っていくと、スカッと目の前が開け、見渡すかぎりの湿原に花があちらにもこちらにも咲いているのがわかる。


お月さんと入笠湿原

私が上空にお月さんを見つけて写真を撮っていると、山の神はスタスタと木道を歩いていき、ウメバチソウが咲いていると連呼する。たしかに白い梅の花に似たそれが一帯に広がっていた。

 ウメバチソウ


お花の種類の多さに興奮気味の山の神

名前のわからない花は、チケット売り場でもらったお花のガイドブックで探してみる。ないかと思っていると、ある。今夏は長雨があったせいか、花期が少し前のものもまだ咲いていて、その分多くの花を堪能できたことになる。

 
左:サワギキョウ 右:マツムシソウ

花に釣られて、また人の流れに釣られて正面の斜面を上がっていく。ワレモコウやマツムシソウ、サワギキョウなどの花がずらりと整列して山の神と私を迎えてくれている。壮観だ。中には見慣れないアケボノソウも咲いていて、思わずカメラを向けた。


左:アケボノソウ 右:鹿よけフェンス

湿原を抜けて登りきると、鹿よけフェンスが出てきて、何気なしにそこを通過したのだが、、

Part2ヘ続く

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