目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

札所巡りの仏像を愛で、日の出山へ

2021-02-15 | 山行~奥多摩・奥武蔵

日の出山 標高 902m 三室山646.9m 東京都

2021年1月31日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:35梅の里駐車場7:48--愛宕神社--アタゴ尾根--8:48奥の院--9:13三室山9:23--梅野木峠--10:38日の出山(昼食)11:38--12:49奥の院12:59--13:39駐車場

非常事態宣言が出ているが、近場で途中コンビニに立ち寄る程度なら、山行も許されるのではないかと山の神と奥多摩に出発した。自宅を5:40頃出たが、考えることは皆似たり寄ったりなのか交通量は多い。予定どおり吉野街道に入って道沿いのコンビニで買い出しをし、駐車場で暖房を入れたまま朝食をとる。外は冷えているが、零下までにはなっていない。

事前に調べていた吉川英治記念館前にある梅の里駐車場には7:35に到着した。それにしても、この道は何十回と通っているが、この駐車場にはまったく気づいていなかった。そもそもこの辺りに停めて登れる山は?なんて考えたことすらなかったので、コロナさまさまといったところか。


左:梅の里駐車場(トイレ完備) 右:吉川英治記念館の横の路地から愛宕神社へ

この駐車場は、ちょっと狭くて停めにくいのが難点だが、無料でトイレ付きというのはいい。7:48身支度を終え、山の神と駐車場を後にした。われわれと相前後して四駆の車が駐車場に滑り込んできた。

吉野街道を渡り、吉川英治記念館の向かって右隣にある階段を数段上り、路地に入る。


愛宕神社の鳥居と長い階段

路地を抜けていくと、左手に公園があり、愛宕神社の境内に入る。大きな鳥居の先に参拝客を圧倒する長い階段がある。


左:愛宕神社拝殿の左手に登山道がある 右:登山口の道標

ひとけのない参道を上がって、拝殿で道中の無事を祈り、登山口から山中に分け入った。


即清寺が整備した山内新四国八十八か所霊場

まもなく新四国八十八か所札所めぐりの文字が踊り、〇〇番の木の札とともに石碑が立ち並び始めた。ここからほど近い梅園にある即清寺の住職融慧和尚が慶応年間に四国八十八か所をお遍路し、青梅に持ち帰った四国の砂を用いて、霊場をつくろうと思い立ったのがその始まりであるとしている。

上の写真のように1か所で仏像をかなりの数を集めているところもあるが、山中のところどころに分散して安置されていて、プチ札所巡りの様相を呈している。


左:第78番 中・右:最後に現れる第88番

江戸からも寄進を受けてこの仏像をつくったようだが、和尚の高い志が後進の者にも伝わり、88番までの仏像をつくり完成させたといえよう。私なぞは思わぬ余禄に預かって、得した気分になっていた。


2点とも:奥の院

巻き道をパスして直登していくと、突如として山中に建物が現れる。立派な門構えを下から見上げ石段を上っていくと、拝殿が目の前に鎮座している。先週の雪が残っていて、荘厳な感じを醸している。山の神とお参りし、ふと左手のほうに目をやると、そこには石像があった。


左:奥の院の裏手にあった石像(役行者?) 右:三室山山頂標示

パッと見で役行者かと思ったが、どこにもその名前は刻まれていなかった。ということは違うのか?

奥の院を出て少し下る。すぐに三室山への取り付きと思われる細い道が左手奥に伸びていた。右に行くとたぶん大回りになるのだろうと思い、左手の道へ進んだ。予想通り三室山への最短ルートで、まもなく日陰で寒々とした山頂に着いた。


左:展望なしの三室山山頂 右:梅野木峠。左はつるつる温泉へ、日の出山は右の道

展望はなく、こんぢんまりとしたスペース。とりあえずここで腰を下ろし、山の神とお茶休憩にした。すると梅園のほうから単独の年配登山者が来て通過していく。10分後、われわれも日の出山へと向かった。

やがて林道が下のほうに見えてきて、峠が近いことがわかる。林道と交わるとそこが梅野木峠だ。


左:当時の東京都知事鈴木俊一氏の書。かなりの達筆だ 右:日の出山山頂直下の石垣

林道に出る手前にベンチが置かれていて休憩にはもってこいの場所だが、山の神と私は休憩には早いと通過する。立入禁止になっている電波塔のようなものを右手に見ながら、左へと道をとる。以前歩いている道のはずだが、まったく記憶にない。

さくさくと歩いていると、やがて階段が始まり、急勾配に。おばちゃんたちのパーティが早くも下山してくる。


左:日の出山山頂の東屋 右:登山者が続々と山頂にやってきた

最後のひと登りにへばったものの、10:38日の出山山頂に到着した。やれやれ。


丹沢方面を一望する

山頂は、冬場は樹木の葉が落ちていることから、ほぼ全方位を見渡せるという幸福な場所になっている。


山の端にちょっぴり顔を出している富士(中央付近)

意外だったのは、ほんのちょっぴりではあるけれど、富士山が見えたことだ。


ビルが林立しているのがわかるし、スカイツリーも見える

ほぼ快晴で見晴らしがよく、所沢の西武ドームや遠くにそそりたつスカイツリー、新宿の高層ビルなども遠望できた。

まだ昼には早かったが、山の神と山頂奥のベンチを確保し、ごはんにすることにした。いつものコンビニおにぎりとカップみそ汁をザックから出してお湯を沸かし始めた。ベンチの後方には山座同定盤があり、そのせいでやたらと人が集まり、話し声がひっきりなしだった。そのうち子どもを引率してきた人までもが来てしまい、騒々しさはMAXになる。11時台ともなると、御岳山方面から登山者が集まってきて、山頂はすごい人になってきた。


左:山の神とベンチを確保 右:三室山をカットして下山

11:38腹もくち、写真も撮り終えて、登山者でごった返す山頂から撤収することにした。帰路は三室山と奥の院をカットして最短コースをと思っていたのだが、道を誤り、あれっ、また奥の院だと苦笑することになる。まっいいかと、山の神と奥の院で休憩をとり、その後はまっすぐ駐車場へ向かった。

14:00少し前、梅の里駐車場に戻ると数台が停まっていて、それなりに知られた駐車場なのだと、このときにしかとわかった。帰りの甲州街道は若干混雑してはいたものの、大過なく15:00頃にはわが町に戻った。

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陽だまりトレック、槇寄山

2020-12-13 | 山行~奥多摩・奥武蔵

槇寄山 標高 1262.0m 大羽根山 992m 東京都・神奈川県

2020年12月6日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:56 中央区の森駐車場8:12--8:23龍神の滝--8:36仲の平--9:12指導標9:18--9:34大平分岐--10:10西原峠--10:13槇寄山山頂10:28--10:48田和峠--数馬峠--11:31大羽根山(昼食)12:10頃--12:55駐車場

8月に三頭山に行ったときに見つけた中央区の森駐車場。いつの間にこんなところにトイレ付の駐車場ができたのだろうといぶかしく思いながらも、そこから行ける山をチェックしていて、今回の山行となった。

5:00に起床し、5:40山の神とともに自宅を後にした。道路はそこそこ交通量はあるものの、混んではいない。五日市に入り、セブンイレブンで買い出し&朝食をとり、中央区の森駐車場には7:56に到着した。先着はなし、帰るときにも1台こっきりだった。意外と知られていないのか、あるいは季節をはずしているせいなのか。


左:中央区の森駐車。トイレあり 右:寒桜が咲いていた

駐車場を出発する頃には路線バスが到着し、数人が降りてきた。トイレに寄って、バス停横の登山口から登っていったようだ。われわれとは逆回りになるのだろう。逆回りなら、数馬の湯に出て、ひと風呂浴びてビールで乾杯したのちバスに乗れる。

山の神と私は、まずは龍神の滝を目指して、数馬の湯方面に向けて歩き始めた。右手の渓谷のほうに目をやると、なんと寒桜が咲いていた。こんなに寒いのにほぼ満開。

龍神の滝

数馬の湯第2駐車場から龍神の滝に下りる遊歩道がついている。人っ子一人いない渓谷への道を下り始めると、すぐに滝が見える。水流も少なく、小さな滝だ。滝つぼまで行って、下なめで写真を撮る(上の写真)。冬に見る滝は寒々としている。早々に元来た道を引き返し、数馬の湯を越えていくと、仲の平バス停が出てくる。もうその辺に左に折れる車道が出てくるはずと、気をつけていく。


左:仲の平 右:空にはぽちっと月

指導標を見つけ、ここだと山の神を振り返る。ふと視線を上げると青空の中に白い月が出ていた。左折してしばらくは車道が続く。こんな山中にも家があるのか、冬場はこの道は凍結するだろうなあ、どうやって移動するんだろうと山の神と話しながら、さらに奥へと進んでいく。


左:登山口近くには日当たり抜群の茶畑が 右:指導標のあるところで最初の休憩

やがて車道の終点に来ると、最後の民家がある。その民家の横から登山道に入って少し歩くと、イノシシが多いのか害獣除けの柵があり、細長く畑が続いている。最後の民家の畑なのだろう。そこを抜けると完全に山中に入る。登山道は思いのほか、陽射しが差し込み冷え込んではいない。

歩き始めて1時間ほどで、指導標が出てきて休憩にした。家で詰めてきた温かいお茶でほっと一息つく。


左:大平分岐 右:「国定忠治が遠見したところ」と書かれていた

大平分岐を過ぎると、個性的な字で書かれた「国定忠治が遠見したところ」という標柱が出てくる。何が見えるのだろうかと山の神とそこから登山道をそれてみたが、木が生い茂っていて遠見はほぼ不能だった。国定忠治が歩いた頃(19世紀半ば)は木がなかったのか。


左:陽だまりの道 右:西原峠、笹尾根に出た

やがて陽だまりの道になり、枯葉を踏みながら、尾根はまだかの合唱となる。10:10ようやく笹尾根、西原峠に出る。


槇寄山山頂から。霞がかかって、いかにも霊峰富士といった趣

峠から槇寄山山頂は指呼の間。あっという間に到着する。山頂からは富士山が一望でき、この日は霞がかかり霊験あらたかな尊いお姿を見せていた。


左:消えかかっている槇寄山山頂の山名標記 右:ゆべしとお茶で大休止

山頂では、山の神と日当たりのいいベンチを占領し、小腹が減ったなと自宅から持参したゆべしを食べた。風もないでいて、おだやかな天候がのんびりモードへと、、、


左:笹尾根歩き。まずは田和峠 右:数馬峠

登り時にはだれとも会わなかったが、そのうちに山頂に単独者がやってきた。やはり冬とはいえ、登山者はいるものだ。下山を始めると今度は2人組、その後も峠やその界隈、大羽根山の稜線で単独者や数人のパーティと出会う。メジャールートだからそれなりに歩いている人はいる。

槇寄山から下ってしばらくは笹尾根なのに笹がないなと山の神にいっていると、突然わんさか笹が登場した。笹尾根になったじゃないかと思わずひと言。


大羽根山山頂からの眺望。正面が御前山、右側のピークが大岳山

大羽根山の稜線に入ると、白樺の木が出てきて驚かされる。なぜこんなところに白樺があるのだろう。でも枯死しているものも目立つ。地球温暖化でこの辺りではもう生きていけないのかもしれない。もしかしたら、大羽根山の由来はその昔、白樺が林立していて、大きな白い羽のように見えたからなのかもしれない(勝手な推測!)。

11:31大羽根山山頂に到着。日陰で寒々とした場所だが、もう昼食にふさわしい場所はなさそうだし、ここで食べようと、山の神と腰を落ち着けた。


左:こぢんまりとした大羽根山山頂 右:冬枯れの道を下る

山頂からは北面が開けていて、正面に御前山、右手に大岳山が見えている。だれも来ない山頂で豚汁をすすりながら、コンビニおにぎりをほおばり、まったりしてから下りに入る。


左:まだ残っていた真っ赤なもみじ 右:駐車場に帰ってきた

下り始めると、いつの間にか中央区の森に入っていて、樹木のネームプレートが次々に出てくる。この木の名前はこれなのかと思って見上げても葉が落ちていてよくわからない。また至るところにレジャー用なのだろうけれど、ベンチが設置されていて、遊歩道も巡らせているようだ。苗木も多く植えられていて、将来的には花が多く咲く山域にしようとしているのだろう。

しばらく下ると、やがて見覚えのある道路、そして駐車場のトイレの建屋を見つけ、無事12:55愛車に戻った。

帰りは上野原ICに出て中央道に上がったのだが、なんと事故渋滞が発生していた。現場通過時に事故車を観察すると、どんな運転をするとこうなるのだろうか?という状態になっていた。なんと車輪1つがサスペンションごともげて転がっていた。ジグザグ走行と急ブレーキのせいか。車は某ルボ。あくまで私の印象だが、よく後ろからあおってくる車種だ。せっかく渋滞なしに早く帰れるはずだったのに、30分ほど時間をロスしてしまった。

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霧の三頭山

2020-08-10 | 山行~奥多摩・奥武蔵

三頭山 標高 1531m 大沢山 1482m 東京都

2020年8月2日(日) 濃霧

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:30都民の森駐車場7:42--出会いの路--8:09鞘口(さいぐち)峠8:18--9:15三頭山東峰展望台--中央峰--9:30頃 西峰(最高峰)9:34--三頭山避難小屋--9:58大沢山10:05--深山の路--11:00頃 三頭大滝--11:25森林館(昼食)12:00--12:05駐車場

tenki.jpで下界は晴れの予報だったが、檜原村をチェックすると曇りだった。ただし降水確率が10%となっていたから、まあ降られることはないだろうと山の神とともに5:15自宅を出発した。車で移動していくと五日市の奥のほうにどんよりとした雲がかかっているのが見えた。もしや降っているのかと危惧しながら、進んでいく。

五日市のコンビニで朝食や行動食を買い、朝食はその場で食べしまう。ツーリングのライダーたちもここで朝食をとっていて、考えることは同じだ。

檜原村に入ると、なんとフロントガラスに水滴がぽつぽつと、、、ダメか。とりあえず都民の森の駐車場まで行って様子をみるか、あるいは戻って傘をさして払沢の滝ピストンというのもいいかもしれないと山の神と話す。しかし移動しているうちに雨はとりあえず止んだ。


左:都民の森駐車場 右:三頭山へ向けて出発 

7:30都民の森駐車場に到着。8:00前なので奥多摩周遊道路のゲートがあがらず、ライダーたちが大挙してここで時間をつぶしていた。

山の神と私は、予定どおり三頭山へ登ることにし、支度を整え売店横の道から上りに入った。


左:左手上方に森林館がある。その下のトンネルをくぐっていく 右:濃霧で視界は悪い

家族連れがすでにいるし、単独の登山者が前を歩いている。後ろにも登山者。登山者はこれからどんどん増えてくる予感。山の神も私も久々の登山で足は重い。

鞘口峠からの急登

8時過ぎ鞘口(さいぐち)峠に到着する。早くものどが渇いて水分補給し、少し休憩する。その間に3人の登山者が先に登っていった。


2点とも:湿度100%か? この辺りの登高がきつかった

鞘口峠からしばらく急登になる。しかも厚く濃霧がたちこめていて無風、湿度100パーセントなのではないかというくらい蒸す。汗がとめどなく流れ出し、不快指数はマックスだ。山の神と私はこの難行苦行地帯を終始無言で歩いた。


左:ダケカンバ 右:鬱蒼とした森を抜けていく

急登のあとは鬱蒼とした森の中を移動することになる。


左:三頭山東峰展望台 右:三頭山中央峰

9:15三頭山東峰展望台に到着する。見えるはずの大岳は濃霧でかき消されていた。


西峰への最後のひと登り

中央峰を越え、三頭山最高峰の西峰へと足を進める。ほとんどこれら3峰は横移動だったような記憶があったが、西峰へはちょっとした登りになる。9:30頃西峰に到着。先着は3人ほどだった。富士山もまったく見ることができず、後から続々と登山者があがってきて3密気味だなと、山の神を促してすぐさま山頂を後にした。


左:三頭山避難小屋 右:大沢山山頂、ベンチが置かれている

西峰を下ると、すぐに避難小屋小屋が現れ、逆方向から登ってきたカップルや何人かのパーティとすれ違う。そこそこの時間になってきたこともあり、登山者はさらに増えてくる。

9:58ベンチが設置されている大沢山に到着した。すでに年配の単独者がここで休憩していた。相変わらず周囲は真っ白で何も見えない。


左:尾根から三頭大滝への分岐 右:沢を渡るとすぐに大滝

10:05大沢山を後にする。何組ものパーティとすれ違い、尾根から大滝への下降地点に出る。そこからはもう下るだけだ。沢を渡ると、もう三頭大滝は目の前だった。


吊り橋から三頭大滝を見る

木のチップが撒かれた道に出て吊り橋へ。そこから落差35mの大滝を間近に見ることができる。ビューポイントには撮影に余念のない観光客が集合していてぎわっていた。

この大滝から森林館までは20分ほどだ。トイレに寄って食堂を覗くと、マイタケ天ざるそばが¥850とあった。帰途どこか食堂にでも入って昼食と思っていたが、コロナで閉まっているかもしれないし、もう11:25でもあるので、食べてしまおうと山の神。コロナ対策で店のスペースを贅沢にとっての快適空間だった。もちろんマイタケの天ぷらとざるそばは美味。

昼食後5分ほどで駐車場に戻り、帰り支度をした。帰路はだいぶ疲労感を覚えていたので、予定を変更して上野原に出て中央道で時間短縮することにした。高速は順調に流れていて、14:00頃にはもう地元に戻っていた。

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栃寄から御前山

2020-06-21 | 山行~奥多摩・奥武蔵

標高 1405m 東京都

2020年5月30日(土)晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:25栃寄観光用駐車場7:35--林道ゲート--8:24トチノキ広場8:32--9:25カラマツの広場9:36--御前山避難小屋--10:23御前山山頂10:36--11:13カツラの巨木--11:16活動の広場(昼食)11:56--カツラの巨木--12:23トチノキ広場12:30頃--12:57栃寄森の家--13:12駐車場

非常事態宣言解除後、初の登山。東京都を出るのははばかれるので、久々に奥多摩に照準を合わせた。奥多摩の山地図とにらめっこし、まだ歩いたことのない栃寄から御前山に登ることにした。

5:12自宅を山の神とともに出発する。交通量はそれほどでもなく順調に進み、吉野街道のコンビニで買い出し。寒山寺の駐車場(トイレあり)にすべりこんだ。釣り客らの車がすでに何台も駐車している、その一角に割り込み、朝食をとった。


左:広い栃寄観光用駐車場(トイレなし) 右:ゲート付近

再び車を走らせ、国道411号からトンネルを越えたところで栃寄に左折する。幅が極端に細いところがあるので要注意の道だ。途中望遠レンズを装着したカメラの放列が崖下へ向けられていたから、鷹の巣でもあるのかと思ったが、野次馬している場合ではないとスルー。寒山寺駐車場から30分ほどで栃寄観光用駐車場に到着した。先着はわずかに1台のみ。

7:35山支度を整え、山の神と駐車場を後にする。車道を歩いていくと、すぐに栃寄森の家が出てくる。そこを回り込んでどんどん上がっていく。ゲートを越え、右手に登山口があるはずと見ていくが、ピンクテープがつけられているところが2か所ほどあったが、よくわからずそのまま通過する。とくに指導標もない。


左:車道から見つけた栃寄大滝 右:沢沿いの道は閉鎖中

おかしいなあと山の神と立ち止まり、しばし地図を見て、道が荒れていて閉鎖しているのかもしれないなといいながら、トチノキ広場から山頂ピストンでもいいかと話す。

やがて左手下方に栃寄大滝が見え、まもなくトチノキ広場に着くとわかる。沢へ下りる道には、ロープがかけられ、「木橋崩落の危険あり。通行できません」と書かれていた。


左:トチノキ広場。奥にトイレ。少し上がったところに東屋がある 右:登山道に入る

8:24鬱蒼とした森の中、そして柵の向こうには沢があるトチノキ広場に到着し、トイレ休憩にする。

ここから登山道に入るが、車道も並行して延びていて道路の作業員と思しき軽トラックが上がっていった。


左:山の神、森の道を登高中 右:カツラの巨木

車道沿いのがれ気味の道からやがて気持ちのいい新緑の道に変わる。カツラの巨木も現れ、思わず見上げてしまう。


左:メグスリノキ発見 右:カラマツの広場の高床式東屋で休憩

そこから単独の方など2,3人とすれ違いながら登高を続ける。トチノキ広場から50分ほど歩いて、そろそろ休憩にしようかと久々の山行で足取りの重い山の神に声をかけた。ここからカラマツの広場が近いはずだ。

山頂ルートから少しはずれるけれども、カラマツの広場と指導標が指している方へ向かう。実際にちょっとした広場になっていて、高床式の立派な東屋があった。人影もなく、われわれの貸し切りだった。ここで行動食などを食べながら、体力回復に努める。


新緑の森

カラマツの広場でゆっくりし、また元のルートに戻って御前山へと登り始める。意外に人気のコースなのか、再び何人かの下山者たちとすれ違う。


大岳山を遠望する

途中大岳山を一望できる開けた場所があり、立ち止まって仰ぎ見る。近そうだけど、遠いんだろうな。


左:御前山避難小屋 右:御前山山頂

初めて見る御前山避難小屋もこのルート上にある。中に入ってみたが、まだ新しい感じできれいな小屋だった。ただこのコロナ禍のさなかにに泊まるには勇気がいるが。

10:23御前山山頂にたどり着いた。すでに6人くらいの先着様がくつろいでいた。中にはがっつりとマスクで口を覆っている人もいる。あとから3人が上がってくる。おそらく東京在住の方々でわれわれと同じようなことを考えてここに来たのだろう。


御前山山頂からの展望

まだ時間も早いし、少し下ってからごはんにすることにしようと、休憩したのち10:36山の神と元来た道を戻り始めた。

途中で森の家のスタッフなのか、声をかけられ、活動の広場に行くのなら、カツラの巨木のところから行くとわかりやすくていいといわれる。荒れたコースが多いということなのか。いわれたとおり、カツラの巨木まで戻り、そこから活動の広場へと向かう。


左:活動の広場。写真の右側あたりで昼食にした。下のほうにトイレあり 右:栃寄森の家。トイレが使える

活動の広場はカツラの巨木からは指呼の間で、あっけなく到着する。人っ子一人いない。建物があって、中に入れるのかとドアノブに手をかけたが、鍵がかかっていた。広場の朽ちかけのベンチで昼ごはんにした。ごはん中だれも来ることはなく、とても静かな場所だった。

11:56下山開始。カツラの巨木からしばらく下ると、こんな時期、こんなところで外人さんたちのパーティとすれ違う。東京在住なのだろうか。

12:23トチノキ広場の東屋に着き、しばし休憩する。ここからは車道だ。

最後は栃寄森の家に立ち寄る。あとから下山してきた年配の夫婦もここのトイレを借りていた。私は山の神を待つ間、カメラをザックに仕舞い、帰宅モードに入っていた。山の神が建屋から出てきて、さてと立ち上がり、森の家を出て最初のカーブをぐるりと回ったところで、左手の草むらをするすると進んでいる蛇に気づいた。体には赤いまだら模様があっていかにも危険生物でございという威圧感を発している。これはもしかしてヤマカガシじゃないかと思って、近づくと「あんた、だれやねん」と鎌首を上げる。ヤバいと立ち止まると、蛇はそそくさと道を横切り始め、草むらに逃げ込もうとしていた。必死にザックからカメラを取り出したが、撮影はかなわなかった。後でスマホで撮ればよかったなと悔やみつつ、「ヤマカガシ」を検索してみると、ドンピシャだった。ちなみにこの蛇の毒はハブよりも強い猛毒とのことだが、あごの構造から噛まれても毒が出にくいらしい。

13:12ヤマカガシに襲われることもなく無事駐車場に着いた。帰りの道もスイスイだったが、反対車線はけっこうな混み具合で、観光やドライブに繰り出して来た人がこんなに多いのかと驚かされた。寄り道していると渋滞に合いそうだと、まっすぐ自宅へ向かい、15:30には我が家の敷居をまたいだ。

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滑落事故があった天祖山へ

2017-04-09 | 山行~奥多摩・奥武蔵

標高 1723.2m 東京都

2007年5月27日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 八丁橋駐車スペース8:50--9:20尾根9:25--天神神社(大日大神)--10:10休憩10:20--11:20休憩11:25--11:43天祖山山頂・天祖神社--13:00分岐(昼食)13:45--14:05八丁橋

10年前の山行記録。この前年にここで滑落事故があったのだが、すっかりそんなことは忘れていて、遭難場所をおっかなびっくり通過した(後述)。

さてこの日は6:00に山の神とともに自宅を出発した。吉野街道沿いのセブンイレブンで買出しをし、寒山寺駐車場に入って、朝食をとった。

 
左:八丁橋(下山後撮影) 右:日原川

その後日原街道に入り、最後はダートコース。目を奪われるもえる新緑の中、八丁橋に到着した。かなりの数の工事車両が停まっていて、ムムムと思いながら、端っこに車を停めた。山支度をして、山の神と出発する。日原川に架けられた八丁橋を渡り、登山口へ向かう。

 
左:天祖山登山口(まっすぐ行けば富田新道、雲取へ) 右:天神神社(大日大神;おおひおおかみ)

登山口から急な登りが続いて早々に休もうと、尾根に出てすぐに水分補給休憩にした。しかし風がちょっと強いなと、早々に腰を上げる。やがて廃屋と化した神社が現れた。これは何神社だろうと山の神と話していると、道標の真ん中にマーカーで「大日大神(おおひおおかみ)」と書かれていた。正しいと信じて、そうしておこう。2万5000分の1の地形図には天神神社と出ているので、正式には天神神社なのだろう。

 
左:新緑の気持ちのいい道を進む 右:傍らに祠

新緑の気持ちのいい森を抜けていく。途中1度休憩を挟み、けっこうな急登を耐えていくと、突然開けたところに出た。立ち枯れ地帯だ。

 
2点とも:開けたと思ったら、立ち枯れの木が目立つ

90年代に1度訪れているのだが、立ち枯れの木が増えたように思える。そのうち丸坊主になるんじゃないかとさえ感じた。春の日差しが柔らかに入り込んで、気持ちがいいけれども、汚染物質がちょうどここに流れ込んできているのかもしれない。この山の北東斜面で石灰岩を削りとっているから、そこからの可能性もないとはいえないだろう。先日歩いたタワ尾根からは、この採石場はよく見えた。


天祖神社/天祖山山頂

立ち枯れ地帯で5分ほど休憩し、山頂へ向かった。11:43天祖山山頂に到着。山頂標示があるところには天祖神社があった。天祖神社は天学教会の神社で、天祖山を霊山とし、ご神体としているようだ。山頂にこれだけの建物を造るとは、信仰心が篤い方々のなせる業だろう。奥には社務所もあった。


立ち枯れ地帯

さあ、お昼にしようと山の神にいうと、なんか荒れているから、もっといい場所を探そうという。でも登ってくるときにそんないい場所はあったかなと思いながらも、下り始めた。

やはり、適当な場所はなかった。朝通過した気持ちのいい新緑地帯は、太陽が天頂を回ると薄暗い場所へと変貌していた。そのうち杉林になり、天神神社まで来てしまった。そこから少し下り、尾根からはずれ急坂になる分岐で、もう食べるところないよと観念した。

 
2点とも:滑落現場

登り時に滑落注意の文字が気になっていたのだが、下山時に山の神が思い出したようにいった。そういえば天祖山で誰か滑落事故を起こしているよねと。ここだよ。たしかにトラロープが張られていないと、まっすぐ下ってしまいそうだ。覗くとかなり危なそうな急斜面、というかほとんど崖。ここは左に巻いていくのが正解となる。今改めて検索して調べてみると、この頃3件の事故が起きていた。

・2004年11月7日 植生調査の私立女子大生(21)70m滑落、死亡
・2006年11月4日 下山中の68歳女性が60m滑落、重症
・2006年11月4日 下山中の46歳女性が50m滑落、死亡

2006年は同日だから、もしかして同じパーティか? 助けに行って、2次災害か?天祖山の登山口近くは、ちょっとした岩場になっていて危険だ。下山時にルートを間違って滑落したのだろう。今はきちんと整備されているからそんな心配は無用だろうけど。

山の神と私は、花が手向けられている遭難現場を見ながら、14:05八丁橋たもとの駐車スペースに無事下山した。滑落しなくてよかった。すぐに帰り支度をし、寄り道せずにまっすぐ帰宅。渋滞なしでスイスイだった。

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