目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

雪崩注意報

2016-02-21 | 山雑記


写真は2015年1月入笠山登高中のもの

2/21(日)はスノーシューだ! 2/20の土曜昼下がり太極拳の練習を終え、喫茶店でコーヒーを飲みながら、明日は奥日光にしようか、それとも谷川方面にしようかと、思い悩んでいた。いずれにしても雪山!!と思って、意気軒昂、スノーワールドへ突入と思っていたのだが、家に帰って早々にかる~く山の神にいなされた。今晩は大雨、明日は強風、そして雪崩注意報、やめたほうがいいよ。ぐさりと胸に突き刺さる。

スノーシューに行きたいけれど、大雨で雪は解けてシャーベット状態になるだろうし、ヘタしたら、ほんとうに雪崩が起きるかもしれないなと、いろいろ悪い予感が頭の中を駆け巡った。行きたいという「欲望」と行ってしまうとヤバイだろうという「現実」が、私の頭の中でバトルを始めた。結果、「欲望」が白旗を挙げた。両者を天秤にかけてみれば、当然常識的なところに落ち着く。だいたいにおいて遭難するときは、ムリっぽいなと薄々思っているのに決行してしまうことから起こるものだ。

雪山山行を中止と決めたら、次への展開だ。いくつかストックしていた山行計画から幕山行きはどうかなと山の神に提案すると、すぐに賛成。決め手は、幕山公園の梅林だ。この時期、白梅や紅梅が高貴な香りを漂わせ咲き誇っているはず。近々山行記録アップします!

幕山へつづく

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山人たちの賦

2016-02-13 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

 『山人たちの賦 山暮らしに人生を賭けた男たちのドラマ』 甲斐崎 圭(ヤマケイ文庫)

読んでいて、あれっと思って後ろのほうのページを見ると、1986年に刊行された書籍の文庫化と出ていた。道理でネタが古い。とはいえ、興味深い話が多く、その世界に引き込まれるものばかりだ。なかでも「イワナの養殖師」は面白かった。イワナは極度の“人間嫌い”だから、養殖などとてもムリとされてきた。その常識を覆そうと、一人気を吐くのだが、、、そう簡単にはコトは運ばない。いちばん驚かされたエピソードは、イワナがまったくエサを食べないというくだり。釣り人は生きたエサでイワナを釣るわけだけれども、多数のイワナを育てる養殖では、それは物理的にムリだ。必然的に人工のエサを生簀に撒くことになるのだが、警戒心の強いイワナは頑として食べない。挙句やせ細って、餓死する。そこで編み出された方法が、採卵から始め、餌付け箱から人工エサを食べさせるというやり方。それでも食べないやつは、食べない。食べない率はなんと、90パーセントに上るというから筋金入りだ。そんな強情なイワナを、衰弱させたり、餓死させたりするのはしのびないと放流すると書かれていたが、それでは商売にはならない。やはりイワナの養殖はムリなんでしょうね。

あとへえと思ったのは、奥駈けの前鬼の宿坊守、五鬼助儀价さんをとり上げた章。てっきり先日テレビで見た方の話だと思って読んでいたら、まったくの別人だった。人工衛星の存在を知らないという浮世離れした話が出てきて、こんな山里に住むとこうなるのかと思っていたら、まったく時代の違う方だったのだ。前鬼といえば、役行者の夫婦の弟子、あの前鬼と後鬼の前鬼だ。それが地名になっている。この前鬼には、子孫たちが5つの宿坊を構えていたが、今は1軒のみ。それも五鬼助儀价さんが倒れたあとは、後継者がしばらく現れず、宿坊は無人だったが、その後ようやく五鬼助義之さんが意を決して宿坊を守るようになったという。私がテレビで見たのは、この義之さんだったようだ。

ほかに奈良県大塔の木地師や北海道の羆撃ち、白馬岳のボッカなど、いくつも面白い話がある。ちょっとした時間で1話を読めるので、ザックに入れて電車山行のときに読むといいかもしれない。

最近とりあげた本http://blog.goo.ne.jp/aim1122/c/68ea91d587577709cf5f778451992693

ヤマケイ文庫 山人たちの賦 山暮らしに人生を賭けた男たちのドラマ
クリエーター情報なし
山と渓谷社
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氷降る小仏城山・景信山

2016-02-07 | 山行~中央線沿線・大菩薩

小仏城山 標高 670.3m 景信山 727.1m 東京都・神奈川県

2016年1月31日(日) 晴れときどき曇り 

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:00小仏峠入口駐車場9:10--9:35頃 小仏峠--10:03小仏城山10:28--11:28景信山(昼食)12:14--13:05駐車場

山に行くというのに近場だからゆっくりめ。家でごはんを食べて7:40車に乗り込んだ。途中コンビニで昼食の買出しをし、見慣れた高尾駅前を越え、カーナビの指示通り旧甲州街道へと右折。狭い道をどんどん進んでいくと、ちょうどバスから降りたばかりの登山者が数珠つなぎに林道を歩いていた。当然聞こえないのに、すいませんといいながら、横をすり抜け、林道終点の駐車場に向かった。

冬場だからガラガラだと思っていた駐車場は、ほぼ満車。左下の写真のスペースにはもう停められず、反対側の車止め付近に車を置いた。キャパは15台くらいだろうか。

 
左:林道終点にある小仏峠入口の駐車場。15台程度駐車可 右:ゲートから歩き始めたばかりの地点。予想外に雪が残っていた

山の神と身支度をしていると、先ほどの登山者が続々とやってくる。遅れまじと、9:10われわれも出発する。歩き始めるとすぐに、ポツポツと雨が来た。と思いきや、氷の粒だ。枝に付着していた氷が、太陽に照らされて解け出し、落下し始めたのだ。ザックが濡れるのはまずいなと、たまらずザックカバーをつける。

やがて、しのつく雨のようにバラバラと勢いよく氷が降り注ぐ小仏峠に到着した。つるつるに凍結しているところもあって、コンディションはよくない。でもわれわれと同じように大して雪はないと思ったのか、比較的登山者は多い。何枚か写真をパチリパチリと撮り、城山に向けて移動開始する。かなりの数の登山者が小仏峠へ下ってくる。そして皆アイゼンを着けていた。こちらはといえば、上りということもあり、アイゼン着けるほどでもないよと、そのまま登高した。

 
左:小仏峠の地蔵様と毘沙門天 右:小仏城山の茶店

山の神がフリースを脱ぐというので、いったんザックを下ろすと、目の前に葉先の雫を凍らせた青々とした常緑樹(アオキ?)があった。触ってみると、なんと葉の表面に氷の薄膜がついている。それはいとも簡単にはがれ、葉脈をきれいに写し取った氷の彫刻になった(冒頭写真)。隣の葉も周りの葉もすべて氷の薄膜ができていた。思わぬところで自然の造形美を発見して感激する。

10:03小仏城山に到着。着いた当初はまばらだった登山者も続々と上がってきて、たちまちにぎやかになった。茶店やきれいなトイレもあって、宴会向きの山頂だ。そんな山頂だから油断するとまったりしてしまう。さて下る段になって、やはりアイゼンかとなり、モタモタしながら4本歯のアイゼンを登山靴に装着した。立ち上がって時計をみると、なんとここに25分もいて愕然とする。油断大敵! まあ、今日の行程は短いからいいか。


小仏城山から西新宿の高僧ビル街を望む

 
左:小仏城山山頂にあった天狗の木彫り 右:小仏峠上の展望台からは相模湖が見える

小仏峠へ向けて元来た道をたどるが、すぐに山の神があれっと異常を訴えた。片方のアイゼンがいつの間にかなくなっていた。なんともお粗末なと思いながらも、戻るしかない。はずれるとしたら、さっきのぬかるみのところじゃないかと、戻っていくと果たしてそこに山の神のアイゼンが転げていた。

再び歩き始めると、山の神がまたはずれたという。滅多に使わない道具というのは、こういうものだ。正しい装着の仕方、使い方を忘れている。そのうち装着位置はここだということがわかり、はずれなくなった。

 
左:景信山の標柱 右:標柱の隣には、氷に鎧われた小枝が

小仏峠に戻り、そこから一気に登高が始まる。日が高くなってきたこともあり、頭上からの氷の攻撃は、徐々に激しくなってきた。山頂手前では、豪雨のごとくバラバラと氷が落下してきた。

11:28景信山山頂にたどり着いた。これで終わりかと思ったら、今まさに氷の爆撃はピークに達していた。


景信山山頂の見事な樹氷


景信山山頂は、激しい樹氷崩落が起きていた。皆樹木から離れたところか、屋根のあるところにいる

あずま屋の屋根に落ちて砕ける氷の音がすごかった。ガッシャーン、ズドーン。怪我をするほどではないが、油断していると氷の直撃を受ける。見上げて樹氷があれば、そこは危険。そんなベンチは皆敬遠してなるべく木から離れたところに登山者はいた。

とりあえず安全そうな空いたテーブル、ベンチを山の神と確保し、やれやれと昼食にありついた。食べている間も、落氷の轟音はひっきりなしに続いた。しかし、氷の量にも限りがある。昼食を終えて、下山しようという頃になると、枝に着いていた氷はもうまばらになっていた。

 
左:山の神、下山中 右:ようやく雪がなくなり、冬枯れの登山道に

12:14景信山山頂を後にする。再び小仏峠へ下るのは芸がないと、東側の尾根を下る。登山道に雪が時折出てくるが、しばらく下るとほとんどなくなり、アイゼンをはずした。その後は明るい冬枯れた道になる。やがて中央道を行き交う車が木の間に見え、林道に出た。ちょうど上方から下ってくる人たちがいて、彼らに導かれるようにバス停方向に歩きかけたが、すぐに逆だと気づいて難を逃れた。13:05無事愛車に到着。駐車場はすでに半数以上がお帰りになっていて、ガランとしていた。

帰りは、圏央道の高尾山ICから高速に上がる。まだ渋滞する時間帯ではないので、スイスイ走って帰宅。ゆるゆると過ごせる余裕の午後となった。

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