鍋割山 標高 1272.5m 塔ノ岳 1490.9m 丹沢山 1567.1m 蛭ヶ岳 1672.7m 神奈川県
2001年11月23日(金・祝)~24日(土) 両日とも晴れ
メンバー 山の神と私
コースタイム
11月23日 大倉9:15--(9:35林道に入る)--10:40二俣手前尾関廣氏胸像ベンチ休憩10:55--11:53後沢乗越12:10--12:45稜線休憩12:55--13:28鍋割山(昼食)14:20--14:50二俣分岐15:00--15:35塔ノ岳 尊仏山荘泊
11月24日 尊仏山荘7:35--8:25竜ヶ馬場8:35--8:55丹沢山9:15--9:50東屋付近10:00--(鬼ヶ岩)--11:00蛭ヶ岳(昼食)12:03--13:18姫次13:30--(八丁坂ノ頭)--14:20休憩14:30--15:40東野
小田急渋沢駅下車。バスで大倉には9:00頃に到着した。連休なので人は多い。身支度を済ませた人から続々と山に入っていく。林道を連なって歩くさまは、まさにツアー登山。われわれもツアーに参加しているような気分になってくる。
二俣手前に鎮座している尾関廣氏胸像の広場で休憩。ちなみに尾関氏は神奈川県山岳連盟会長を勤め、丹沢の登山訓練所設立に尽力した人だ。その施設は1997年まで使用され、現在も取り壊されることなく残っている。山の神も利用したとか、しなかったとか。
二俣で沢を渡り、稜線に向けて登っていく。最後にえいやと急な坂を登りきると、11:53後沢乗越。栗の木洞側から稜線を歩いてきた年配パーティは、寄(やどろぎ)から来たという。「こっちの道はいいよ。大倉からだと林道歩きが長いからねえ」と。
ここまで来れば、鍋割山はもう目と鼻の先だ。水分補給をして出発。
鍋割山には、13:28到着。遅いお昼となる。山頂は広く、本来なら好きな場所でお弁当を広げられるはずだった。でも、鹿さんのコロコロした糞が、もう信じられないくらい到るところに散らばっており、目論見どおりにはいかない。仕方ないので、なるべく少な目のところを選ぶ。弁当を食べながらの眺めは、ガスっていて白いもやがかり。せっかくの晴れなのにちょっと興をそがれた。この白もやの正体は、だいたいが排気ガスと水蒸気だから、午前中であれば、ここまで白くなかっただろう。鍋割山荘の入り口では、「名物鍋焼うどん」の幟がはためいていた。
二俣分岐には14:50着。山の下のほうはまだ一部紅葉が残っていたが、さすがにこの辺りではほとんど葉が落ちている。
15:35塔ノ岳到着。山頂では登山者が、思い思いにコーヒーを沸かしていたり、富士山を漠と眺めていたり、おしゃべりをしたいりとにぎわっていた。この時間帯にまだここにいるということはお泊り? 危惧は大当たりで、本日のお宿、尊仏山荘には大勢の登山者が泊まることになった。山小屋スタッフは、「今日は混んでいますから、抱き合って寝てください」と冗句を飛ばしていた。まあ、それは大げさで、1人に一畳くらいのスペースは少なくとも割り当てられた。繁忙期の3人で一畳みたいな超過密ではなくて、ひとまず安心。
翌朝は、6:00起床。ご来光目当てで外に出てみると、雲が下のほうにべったり付いていて、残念な状況になっていた。待つ間はさすがに寒く、息が白くなる。山頂のいたるところで、カメラを携えた人たちがシャッターチャンスを狙っていた。
朝食後、紅茶を沸かしてテルモスにつめる。7:35尊仏山荘を出発。今日も朝からのんびりモードだ。
8:25ベンチの置かれている竜ヶ馬場で休憩。見晴らしはいい。ここからお散歩コースをてくてく歩いて、8:55みやま山荘、そして丹沢山の山頂の碑に到着。写真ではよくわからないが、横書きで「丹沢山」と刻まれている。山の神の奥には、富士山がでんと見える。その富士山ビューポイントには、登山者がいっぱい溜まっていた。
蛭ヶ岳へのルートでは、だいぶアルペンムードを味わえる。この高所感ともいうべきものは里山にはない醍醐味だ。
鬼ヶ岩では、ちょっと遊んでみた。岩の間に富士山を入れたアングルでパチリと。
蛭ヶ岳には11:00到着。いきなり黒い犬が現れて驚くが、どうやら小屋のパトロール犬(徘徊犬?)らしい。犬がいなくなったところで、昼食スペースを確保。赤土が露出しているところは霜柱がとけてぬかるんでおり、そこを避ける。本日は、昨日の遅いお昼とは打って変わって、早めのお弁当タイムとなる。
この山頂からの眺めも格別。富士山もすっきりくっきり見える。丹沢ではどこへ行っても大きく富士山が見えるからいいねえ。
12:00過ぎ下山開始。ちょっと小広い休憩ポイントである姫次には13:18到着。大勢の登山者でにぎわっていた。これから登る人、下山した人が交わる交差点だ。今日は連休中日だから、まさにその状況なのだ。
八丁坂ノ頭から1度の休憩をはさみ、道志みちへ下りる。15:40東野バス停に着いたが、しばらくバスはなく、次は17時台。そこに運よく、やまなみ温泉まで行くという女の子2人組がいて、4人でタクシーをシェアすることに。われわれは藤野駅まで行きたかったので、その温泉までの料金をシェアした。タクシー代は山の神分と合わせて¥4,200ほどかかってしまったが、無駄に東野で待ち続けているよりはいいかと自分を納得させた。
最後に余談だが、塔ノ岳の山頂付近には尊仏岩という、信仰の対象になっていた巨岩があったそうだ。関東大震災で、崩落してしまったということだが、五丈五尺(約18メートル)の大きさだったというから驚く。『丹沢今昔』という本にこのことが書かれている。この本には他にも、花立まで上がれる小田急のロープウェイ計画があったが地元の反対で頓挫したとか、菩提峠(ヤビツ峠近く)にワンシーズンだけ営業したスキー場があったとか、興味深い話が書かれている。