目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

トムラウシPart1

2011-07-31 | 山行~北海道

000_059_2 トムラウシ 標高 2141m 北海道

2006年7月3日(月)~7月4日(火) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7月3日 東大雪荘5:10--5:30登山口駐車場5:48--6:52カムイ天上手前7:04--(新道)--7:56コマドリ沢8:11--9:30前トム平手前9:44--11:20雪渓上部の岩場(昼食)11:50--12:20南沼キャンプ指定地(テント設営)13:10--13:40トムラウシ山頂14:00--14:50ロックガーデン15:05--(日本庭園)--15:55ヒサゴ沼ビューポイント16:05--17:05ロックガーデン上部17:15--17:50南沼キャンプ指定地
7月4日 キャンプ地6:54--7:55トムラウシ公園先のピーク8:05--9:50新道コマドリ沢上10:08--11:00カムイ天上近辺11:09--11:48登山口駐車場

今日からトムラウシということで、気合を入れて4:00起き。宿備えつけのポットで温かい飲み物をつくり、昨日コンビニで調達した惣菜パンを食べる。5:10居心地のよかった東大雪荘を出発する。

01_029 02_033
左:東大雪荘 右:登山口のエコトイレ

車で20分ほどで登山口に到着した。この登山口には駐車スペースがふんだんにあり、トイレもあるから、車中泊の人も結構いるようだ。月曜日にもかかわらず、すでに10台くらいが停められていた。トイレは最新式のエコトイレ。コトが済んだらボタンを押す。すると、便器のなかのおがくずが電動でかき回される。その電力は、屋根に取り付けられた太陽電池パネルで発電しているようだ。あとはバクテリアが汚物を分解処理してくれる。

5:48登山口を出発。気持ちのいい樹林帯を進むと、そのうち雪渓が融けたせいか、泥でぬかるんだ道になる。荷物の重さに耐えながら、ぬかるみの上りを行き、カムイ天上直前の地点で休憩とする。雲海が見え、下界は天気悪そうだなと、山の神に話しかける。

001_037 03_038
左:カムイ天上手前で雲海を見る 右:カムイ天上

休憩して歩き始めると、すぐにカムイ天上の標識が現れた。ほどなくして分岐。沢沿いの旧道が崩れたためか入り口が閉鎖されていて、代わりに付けられた新道へと入る。沢の上に付けられた道だ。

002_042
十勝・美瑛岳方面を望む

新道を上がっていくと、十勝岳方面の見晴らしがいい。まだ7月だから雪渓が多く残っていて、まだらに入ったホワイトのラインが青い空に映えていい感じだ。

04_045

雪渓の連続に息を切らす

 

 

 

 

新道からコマドリ沢へ下りきると、今度は雪渓歩きが待っていた。思った以上に長く、終わったと思うと、また雪渓。硬くしまった雪で、上りだからアイゼンも付けずに、サクサクと登高する。先行する単独行の方がいた。

そのうち下ってきた外国人の若者に声をかけられる。さすがにインターナショナルな山だ(道内在住かもしれないが)。昨日は上で泊まったけど、終日曇りでアンラッキーだったと。でも今朝は快晴だ。

003_046

9:30前トム平近辺で休憩にした。森林限界も越え、緑の山の稜線がくっきりと見える。青空に刷毛雲が出ていて、おおこれぞ夏山。

出発すると、2パーティが下山してきた。昨日は日曜だったから人が多かったのだろうか。

05_050 06_051
左:前トム平あたり 右:イワウメ

前トム平から上っていくと、チングルマの群落をはじめ、お花畑が現れ始める。さらに高度を上げていくと、ちょっとした頂に着いた。そこがトムラウシ公園だ。その名のとおり、まるで公園のような体をなしている。さも休んでくださいといわんばかりの小広いなだらかな地形だし、また自然公園みたいな景観だから、ここで休憩にしようかと、山の神を振り返る。ところが、腰を下ろす場所はと左右を見渡すも、雪渓から融けだしてきたのか、そこらじゅうから湧水があり、湿地帯のようにじめじめしていて、腰を落ち着ける適当な場所がない。もう少し先に行って休もうと、そのまま通過する。

トムラウシ公園を抜けハイマツ帯を上っていくと、傍らではイワウメがきれいに咲いていた。

07_053 08_054
左:ハイマツ帯を行く山の神 右:テント場までは目と鼻の先

11:20トムラウシ公園上の岩場で簡単に昼食をとる。チーかまをかじりつつ、はちみつを塗り塗りパン食。ミックスナッツでエネルギーを追加充填し、出発だ。

12:20十勝岳・オプタテシケへの分岐に出る。やっとキャンプ指定地に到着した。手ごろな場所を物色してテントを張る。周りには、ハクサンイチゲやキバナシャクナゲが咲いていてメルヘンチックな場所だ。でも誰もいない。もしかして今日はわれわれだけかもなあと山の神に投げかける。ここにはクマは来ないでしょと山の神。13:10サブザックで出発する。

13:40トムラウシ山頂に到着。年配の男性2人組がいた。そのひとりに写真をとってもらう(冒頭の写真)。展望は最高。でもいつのまにか雲がもくもくと出てきていて、景色をさえぎり始めている。ふと時計に目をやり、サブプランを口にする。せっかくここまで来たのだから、ナキウサギを探しに行こうか、時間が許せばヒサゴ沼が見えるところまで足をのばしてもいいしと山の神に提案する。

トムラウシPart2ナキウサギ登場へつづく
前日の白雲山に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白雲山

2011-07-28 | 山行~北海道

01_004 白雲山(はくうんざん) 標高1186m 北海道

2006年7月2日(日) 曇りときどき晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 11:35登山口11:47--12:27鞍部12:32--12:46白雲山山頂13:00--14:15登山口

前日の7月1日3:00起きで、ひたすら関越を西へ移動。新潟発10:30のカーフェリー(写真右上)に乗り込む。行き先は小樽だ。ここから車で、トムラウシと十勝岳をそれぞれ1泊2日行程でまわる計画を立てた。まずは足ならしということで、然別湖畔の白雲山をめざした。

02_0177月2日4:45下船。さっそく小樽市内のコンビニで朝食用のおにぎりを買い、大移動の開始だ。どこで朝ごはんにしようかと山の神と相談しているうちにだいぶ移動して、すでに時計は6:45。長沼町の道の駅マオイの丘公園でのんびりと朝食となった。ここにはキャンピングカーが何台も駐車していて、皆さんここでお泊りだったようだ。ちょうど起き出してきた人たちが、顔を洗っていたり、犬の散歩をしていたり、缶コーヒーをぐびぐびと飲んでいたりとそれぞれの早朝の風景が広がっていた。

日勝峠を越え、鹿追町に入る。目指す然別湖には10:15に到着した。朝食から3時間くらいしか経っていないのだが、小腹が減っている。湖畔のホテル風水を覗くと、レストランがもうオープンしていた。ザックには行動食程度しか入っていないので、山頂でごはんというわけにもいかず、豚丼¥1,050をオーダーして腹ごしらえをすることにした。然別湖を見ながらのランチはなかなか快適だった。

登山口のほうへ車を移動していくと、もう車がずらりと並んで駐車していた(写真左上)。登山口で入漁券を販売している人がいたので、この車列は登山目的というより、釣り目的なんだろう。

11:47登山口を出発する。ひと組の年配夫婦を追い越していくと、上から下山してくる人ふた組。尾根に出ると、気持ちのいい風が吹き抜けていく。ダケカンバの林は心地いい。

04_021 03_018
左:白雲山山頂からの然別湖。温泉地は湖岸の白いところ 右:白雲山山頂の岩場

鞍部で水分補給して、ほどなくして白雲山山頂に着いた。岩場の狭い山頂だが、眼下に然別湖が見える爽快な場所だ。ナキウサギが棲息していて、人がいなければ出てくるらしい。あいにくと、われわれ以外に親子連れやカップルなども山頂にいて、ナキウサギの登場はなかった。

05_023 06_024
左:天望山・然別湖分岐 右:湖畔まで快適な森がつづく

13:00下山開始。あせりを感じるほど、天望山・然別湖の分岐までなかなか着かず、下る道を間違ったかと不安になる。その分岐から湖畔までも長く感じたのは、お散歩コース感覚で登ったせいなのか。でも皆そのように感じるのか、お隣天望山をカットして白雲山だけというハイカーは多いようだ。ほとんどの人が然別湖への道をたどるか、来た道を戻るピストンだ。登山というよりは、ハイキングなんだろうね。

07_026ここで薀蓄をひとつ。ヤマケイの「北海道百名山」によると、天望山は別名くちびる山と呼ばれているとのことだ。形状がまさにくちびる。天望山そのものが上くちびるで、然別湖の湖面に映るその姿がちょうど下くちびるに見える。マリリン・モンローのあのくちびるの形だ。ちょっとした天然アートだね。

然別湖の湖畔に出て(写真左)、景色を堪能したあと、14:15車に戻る。

さあ、明日に備えて買出しだ。しかおい道の駅で産直トマト、セイコマートでパンやお茶を買う。それからはひたすらトムラウシ温泉を目指して走った。目的地に近づくにつれ、大自然の中へ突入といった趣になる。ブラジル移民のドラマをこの地でロケしたらしいが、いやホントまさにおあつらえ向きの原生林が続く。道は未舗装路に変わり、白い土ぼこりをまき上げながら進む。路面に凸凹なんかもあって、どんどん人間社会から遠ざかっていく感は募る。路肩に何かが出てきた。薄汚れた痩せたキタキツネだった。仄聞によると、人馴れしていて何かもらえるんじゃないかと道路沿いに顔を出してくるようだ。

トムラウシのテント場に到着。薄暗い鬱蒼とした森の中で荒れ放題だった。雑草がぼうぼうで、誰もいない。吉村昭の「熊嵐」が脳裏をよぎる。おお怖! 思わず山の神と顔を見合わせ、あかん、この場所は怖すぎだと逃亡決定。国民宿舎東大雪荘に逃げ込み、1泊夕食付きで泊めてもらうことにした。部屋は広く、温泉もゆっくりと入れ、メシもうまい。しかも安い。いつヒグマに襲われるともしれない、あのテント場と比べれば、まさに天国。

トムラウシPart1へ続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

還るべき場所

2011-07-27 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

1

この本の主舞台、ブロードピークとK2がこんなにも近いとは知らなんだ。ブロードピークからK2が見えるということだ。

私の場合、K2といえば思い出すのがインド。90年代にインド、スリナガル近郊のSonamarg, Baltalへトレッキングに行ったことがある。ことの発端は、ニューデリーの怪しげな旅行代理店で、2,700ドルで2泊3日のK2トレッキングはどうだとしつこく勧められたことにある。K2トレッキングと称していたが、うさんくさい匂いがプンプンしていて、インド商人だから、あまりにも高くふっかけてくる。もっと格安のトレッキングツアーはないのかと訊いてみると、このインド北西部の氷河を見るトレッキング案を出してきたのだ。

Img0011_2 Img0028
左:Sonamargのテント場。このボロい英国車で到着 右:奥に氷河が見える

この辺りの中国・パキスタン国境地帯では常に紛争のタネが転がっているから、登山やトレッキングでも面倒な手続きが多い。私は軍の駐屯地前を車で走る際には時速20Km以下の制限を受けたし、パスポートの提示や国名と名前の記入を求められたりした。これに乗じてインドでも怪しげな人間が金の匂いをかぎまわっているのだから、本に出てくるパキスタンでも同じことだろう。リエゾンオフィサーがこの手合いとして設定されているのは思わずうなずいてしまう。実際にいてもまったく不思議ではない。

リエゾンオフィサー以外でも、アルパインスタイルを標榜するが、実際の行動はそれとは正反対のアルゼンチン3人組、ワンマン経営の会長など、クセのある人たちを登場させる。この本の面白さの一つにあげられるのは、こうした登場人物の多様さと人物造形の巧みさにあるといっていい。さらにラストが盛り上がるように周到に計算されたさまざまな仕掛けが、いたるところに配されている。巻末に至るブロードピーク登山とともに、それらの仕掛けがあっちこっちで炸裂し、また巻頭で提示されていた謎も解明されていく。こうなるともう読むのを中断できなくなる。

ラストは美しくまとめあげられている。主要な登場人物はトラウマを背負い、今の生活の中でさまざまな矛盾や葛藤と闘いながら(放置しながら?)、宙ぶらりんな状態で浮遊していたのだが、それぞれがそんな現状に気づき、本来「還るべき場所」を見つけていくのだ。主人公たる翔平も、パートナー聖美との訣別のときを知る。

まあ、その主題よりも私も含めた「山屋」さんにとって、登高シーンやクライムダウンの詳細な描写はゾクゾクするほどうれしいのではないか。この臨場感は山岳小説にとってかけがえのないものだ。たんなるエンタメに堕していないのは、こうした筆力を著者が備えているからなんだろうね。

ただ枝葉末節、重箱の隅ツツキだが、ブロードピークのクライマックス、この高々度でなんでこんなに元気に行動でき、しかも声高らかに会話ができたりするのかは疑問だ。それに著者の仕掛けによって、次々に困難な状況が出来するわけだが、それを打開するために翔平はほとんどあり得ないスーパーマンになってしまう。フィクションだから大目に見るべきなのか。はたまた許されざるやりすぎなのか。この思考の「還るべき場所」はいったいいずこに?

還るべき場所 (文春文庫)
クリエーター情報なし
文藝春秋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金峰山・瑞牆山Part2

2011-07-24 | 山行~奥多摩・奥武蔵

000img_5051 瑞牆(みずがき)山 標高2230.2m 山梨県

2011年7月18日(月・祝) 曇りときどき晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 富士見平6:25--6:53天鳥沢--7:27大ヤスリ岩手前樹林帯7:35--8:10瑞牆山山頂8:28--9:32天鳥沢9:40--10:04富士見平(テント撤収)10:44--11:15瑞牆山荘横駐車場

明るくなってくると、テント場もざわめきだし、山の神と私も4:00すぎ目を覚ます。テントの周囲を飛び回っているハエや蜂の羽音もかまびすしい。5:00起き出し、朝食の準備だ。奥で幕営していた大パーティはもう出発しようとしている。金峰山へ向かうようだ。

6:25テントは張ったままで、瑞牆へ向けて出発する。昨日の選択が効いている。予定どおり大日小屋にテントを張っていたら、今頃テントを背負って移動することになっていた。軽いザックににんまりとしながら、富士見平小屋の横を登っていく。

今日は十分睡眠もとっていて余裕綽々。昨日の金峰山でのヨレ方を考えると見違えるほどの活力を示す山の神と私なのであった。歩きながらヨタ話をかます。しか~し昨日は疲れたよと山の神。ヨレているときにハイドレーション・システム(いわゆる水をポリ袋状の容器に入れてザックに装着し、歩きながらにしてチューブから水を補給できるシステム)があればいつでも水が飲めて楽チンなのにねとのたまうたので、昨日はハイゴレーション・システム(いわゆる背後霊)をつけていたから、背後からエネルギーを吸われて参ったよと返した。へへへ。

くだらないがまとめると、
ハイドレーション・システム=エネルギー(H2O)充填システム
ハイゴレーション・システム=エネルギー放出システム

01img_5028 02img_5030
左:天鳥沢出合 右:ぱっくりと割れている桃太郎岩

沢の音が聞こえてきてしばらくすると、いっきに下って、天鳥沢に出る。ここでスモーキングタイムの若者パーティがいた。今日も人が多そうだ。沢を渡ると目の前に巨岩が横たわる。桃太郎岩だ。桃太郎岩とはよくいったもので、真ん中付近でぱっくりと割れている。登山者のいたずらか、まるで岩を支えているかのように棒きれが立てかけてある。登高していくと、デジャブのように似たシーンを何度も見かけた。

桃太郎岩の横には階段が付けられている。すぐに急登が待っていて、それは山頂手前まで容赦なく続く。距離のわりに時間がかかるのは、こういうことなのだ。

03img_5035 001img_5037
左:登山道には岩がごろごろ。途中ピーチクパーチクとイワヒバリ?の声が響く 右:大ヤスリ岩

巨岩を縫うようにして登っていくと、大ヤスリ岩がお出迎えしてくれる。これを見るともう山頂のような気がしてくるが、まだまだ山頂までは遠い。

大ヤスリ岩の横にはスラブ(一枚岩)状の箇所があり、登りずらいのだが、周囲をみると迂回路がつけられていた。復路はそちらへ回避した。

002img_5039
大ヤスリ岩を振り返る。遠くに八ヶ岳

岩だらけの道を辛抱強く登っていくと、ようやく稜線に出る。黒森分岐だ。不動沢からの道と合わさる。岩陰の登山道を進んでいくと、頭上にシャクナゲがきれいに咲いていた。金峰の終わりかけのシャクナゲとは打って変わって瑞々しい。

04img_5043 05img_5045
左:山頂手前で花を咲かせていたシャクナゲ 右:のこぎり岩たち

8:10瑞牆山山頂に到着する。登っているときに、早くも下山していく何人かとすれ違ったが、山頂にも数名ほど先着様がいた。よいしょと岩頭に上がると、大展望が待っていた。昨日登った金峰山をはじめとして、富士山、南アルプス、八ヶ岳、遠くに北アルプス、浅間山と大パノラマが広がる。雲が多い割には、不思議と山にかかっていない。まさに僥倖!

003img_5047
金峰山。五丈岩がポッチとなって見える

004img_5048
遠くに富士山。上空には怪しげな高層雲が広がる

005img_5055
八ヶ岳全景。中央左寄りに赤岳が見える

山頂からの眺めをひとしきり楽しんだ後、8:28下山を始めた。ピストンで富士見平へ下る。下り始めると、続々と日帰り組の登山者が登ってくる。山頂はひっきりなしの登山者でにぎわうのだろう。

10:04富士見平に戻り、テントを撤収する。テント場では単独の年配の方に声をかけられる。4年連続でここにテントを張ってますよ。今日は4:45出発で金峰山を往復してきました。以前は日帰りで来てたんですけどね。ここを基地にすると楽なんですよ、とビールを一杯ひっかけた赤ら顔で楽しげに話していた。毎年の恒例行事にするというのも、ひとつの登り方だわね。

山の神と私は、10:44富士見平を後にし、それから30分ほどで駐車場にたどりついた。当初の予定どおり、増富の湯¥700に寄る。混雑していて、もうちょっと空いていればなあとブーたれるも、3連休だから仕方ないかとあきらめる。でもミストサウナや薬湯に浸かり、汗も流して疲れもとれすっきり。悪臭を放つ衣服も、帰宅用のものに着替えてさっぱりする。

帰りの中央道は、増富の湯の混雑どころではなく大渋滞。平常時プラス3時間の長丁場を余儀なくされた。ああ疲れた。けど、山は最高によかった。

Part1に戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金峰山・瑞牆山Part1

2011-07-23 | 山行~奥多摩・奥武蔵

000img_5002 金峰山 標高2599m 山梨県・長野県
(甲州側では「きんぷ」、信州側では「きんぽう」と読む)

2011年7月17日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:40瑞牆山荘横駐車場7:50--8:18水場手前尾根8:22--8:30富士見平(テント設営)9:08--9:55大日小屋10:05--10:35大日岩10:40--11:30砂払いの頭11:40--12:30金峰山(昼食)13:27--13:45金峰(きんぽう)山小屋13:50--14:40大日岩手前樹林帯14:50--15:17大日岩15:22--16:25富士見平

朝5:00前に中央高速にのるも、もう混雑し始めていた。恐るべし3連休。梅雨開けのせいもあるのだろう。双葉SAで朝食をとり、須玉ICで高速を下りる。141号沿いのローソン(今回ルートの最終コンビニ)で買出しをして、増富ラジウムラインに入る。7:35瑞牆山荘前を右折し無料駐車場入り口に到着。がしかし、だいぶ手前から路肩にも駐車していて、とめるスペースがなさそうだ。もしやと駐車場内をぐるりとめぐったが、やはり1台のスペースもなかった。戻って瑞牆山荘の先に駐車スペースはないかと見ると、目に飛び込んできたのは、「駐車禁止」の看板。パッと見でそう判断したのだが、ちょっと待ってと山の神。「駐車禁止」ではなく、「車中泊禁止」だよと。おお、よく見るとそう書かれている。皆私と同じ早トチリをしたのか、ガラガラだ。この余裕のスペースに車を置いて出発となる。

02img_4972 01img_4971
左:瑞牆山荘 右:ここだけ人知れずガラガラだった駐車場

テント背負って、颯爽と歩き出すといいたいところだが、3歩くらいで重いなあとつぶやく。ちょっと寝不足だし。年配の女子パーティを追い越して、高度を上げていく。車の数に比例して、登山者は多い。数珠繋ぎというやつ。

03img_4976 04img_4978
左:富士見平 右:広い富士見平にテント設営中

8:30富士見平に到着。もうここに大量の登山者が溜まっていた。通過して大日小屋まで足を伸ばそうとすると、大日小屋での幕営はここでお申し込みくださいとの表示が出ていた。ガイドブックにもそう書かれていたが、あるブログには、大日小屋に管理人がいるようなことが書かれていたので、まっすぐ大日小屋を目指すつもりでいた。ここが運命の分かれ目になった。富士見平小屋の中を覗くと、管理人さんらしき人がいた。大日小屋で幕営したいのだがと申し出ると、やめたほうがいい、ここにテントを張ったほうがいいとしきりに勧められる。大日小屋のトイレは強烈に汚いからよしたほうがいいと。そういわれると、躊躇してしまう。山の神はトイレが汚いに過敏に反応している。ん~ここにテント張るか。即決して、1人¥500を支払う。

これによって、今日の行動時間はどのくらい延びるのか。ボォっとした頭では暗算できず、富士見平・大日小屋間往復で1時間45分くらいだから、プラス1時間45分、長くねえ? 山の神は澄まして、下りの45分だけ延びるんだよと冷静な判断を下す。サクサク下りたら、実際には30分くらいかもよと。

張りっぱなしのテントがかなり残っている中、小屋とトイレからだいぶ離れたところにテントを設営する。9:08軽くなったザックを背負って富士見平を後にする。

05img_4989 06img_4990
左:大日岩。右手に八丁平への道がついている 右:大日岩横の休憩場

腰に手をあてながら登っていたバテ気味の兄さんたちを追い越して、9:55大日小屋に到着。登山道から見下ろす位置にあって、トイレが汚いかどうかは、わざわざ見には行かなかった。 狭いテント場に腰をおろして休憩。何組かのパーティがわれわれを追い越していく。

10:35大日岩でも休憩。ここで八丁平からの道と合わさる。ここから単調な長い樹林帯と岩の道が続く。体力を奪う道だ。

001img_4994
砂払いの頭から稜線をたどると、五丈岩が見えてくる

稜線に出ると、視界が開ける。森林限界を越えたようだ。ここ砂払いの頭で休憩とする。日差しがジリジリと照りつけてくる。疲労と暑さでやたらとのどが渇き、持ってきた500mlのボトルはすでにからっぽだ。

07img_5005 08img_5007
左:五丈岩のてっぺんに人が 右:写真中央にいるのは私。恐すぎてここで終わり

12:30金峰山山頂に到着した。山頂は広く、大勢の登山者が弁当を広げてにぎわっていた。赤ちゃん連れの方までいる。ふと五丈岩を見ると、てっぺんに人がいた。簡単に登れるものなのかと、チャレンジしてみるが、すぐにムリとわかる。ボルダリングでもして普段から技術を磨いていなければ、素人にはキケンすぎる。以前ここを訪れたときには、誰も五丈岩には登っていなかったような気がして昔の手帳を繰っていくと、1998年10月25日に金峰山に登った記録があり、雪がついていたと書かれていた。さすがにそのコンディションでは、誰も登らないわな。

山頂でコンビニごはんを食べ、13:27下山開始。山の神が岩場の稜線歩きを嫌ったため、いったん金峰(きんぽう)山小屋へ下る。

09img_5012 奥に見える岩峰が明日登る瑞牆山。手前の屋根が金峰山小屋

 

 

小屋に到着してみると、若者パーティが大挙して休憩していた。冷たいジュースでもないかと小屋に入り物色すると、コーラが1本だけ無造作に置かれていた。山の神が手に取る。冷えてないんじゃ?と私。これで十分だよと山の神。触ってみるとひんやりする。¥400のコーラでさっそくのどを潤した。コーラの甘みが体じゅうに滲みわたる。

半分飲んでザックのサイドポケットに突き刺し出発だ。ほぼ横移動で砂払いの頭に戻り、樹林帯に突入する。この頃すでにだいぶ体力を消耗していてヨレていた。

その後残り半分のコーラを飲んで休憩をしているうちに、後ろから来た若者パーティや単独の年配の方等に次々に抜かされ、ほうほうの体で16:25富士見平のテント場にたどり着いた。

Part2へ続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする