目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

姫神山・森吉山・八幡平プロローグ~不吉なスタート

2017-09-28 | 山行~東北


田沢湖・浮木神社の鳥居てっぺんから山の神と私を睥睨していたハシボソガラスくんたち

転職するにあたり、9月最後の2週間は有給消化となった。うち1週間は、やはり山行だろうと山の神と画策。今年は悪天続きで、パッとせず、東北行きもあきらめていたので、まさにチャンス到来だった。しかしその後の予報で、9月下旬は秋雨前線が停滞して晴天は望めないと発表されていた。なんてことだ。それなら、1日でも晴れれば、独鈷山にでも登り、鹿教湯温泉に泊まろうか、あるいは八丈島へ飛んで八丈富士に登るか、どうしようかねと山の神と悶々とした日々を送っていた。そこへ追い討ちをかけるように台風がやってきた。でも待てよ、台風一過の青空というではないか。台風が雨雲をいっぺんに持っていってくれるのではないのか。しばらくは予報の晴れマークが出たり、消えたりするのに一喜一憂していたが、よし、台風が列島を縦断していく、敬老の日出発だと決めて、東北山行計画を練った。

出発の前日9/18(日)、明日早朝出発では、台風の影響が残っているだろうから、9:00くらいの出発にしようと山の神に告げ、床に就いた。ところがいざ起床して、テレビをつけると、台風は時速85Kmという考えられない猛スピードで北海道へ抜けていた。こんなこともあるのか。もうこれからでは早く出発することはできない。予定どおり自宅で朝食をとり、9:00テントやザックなどを愛車に放り込み東北への山旅は始まった。

東北道にあがり、日光あたりまではいつものように交通量は多かったのだが、福島県に入るあたりから激減。スイスイと順調に進み、菅生PAに13:00すぎに入り、遅めの昼食にした。その後は、仙台を通過していくわけだが、この界隈は坂が多く、カーブも多い。そのためしばらくは80Km規制が敷かれている。と書くと、勘のいい方はもしかしてと思うでしょうけど、そのとおりの展開になった。覆面パトカー登場! 何を話題にしていたかは思い出せないが、山の神との会話に夢中になっていて気づくのが遅れた。追い越し車線をさっそうと走っていると、走行車線で、こちらのスピードに追いつこうと加速する挙動不審のクラウンがいて、なんだ、なんだと思ってミラーで確認したら、赤いものが突然点滅しだしたのだ。時すでに遅し。威嚇だけで通過していくのかと一瞬思ったが、「後ろに着いて来るように」のような文言が書かれたプレートをこちらに向け、私の車の直前に滑り込んできた。やられた。ショック。がっくり。脱力。朦朧。ついこの間、ようやくゴールド免許に戻ったばかりだというのに。しかも山旅初日だ。

PAに誘導され、ばっちり切符を切られた。罰金18,000円。痛い。このあとの多難を予感させる出来事だった。

Part1雷雨注意報で姫神山へつづく

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

燧ヶ岳エピローグ~Jアラートが鳴りっぱなし

2017-09-26 | 山行~尾瀬・栃木・茨城


桧枝岐村にあるミニ尾瀬公園内。奥に尾瀬写真美術館

2017年8月29日(火) くもり  

昨日は、燧ヶ岳から下山し、桧枝岐村の民宿郷(さと)に宿泊した。目と鼻の先に温泉施設の燧の湯があり、宿泊者はありがたいことに無料で入れる。宿の夕食は、地元の野菜、そして採れたて山菜の天ぷらなど、最高のおもてなし。思わずビールのあとに地酒も頼んでしまい、いい気分になってしまった。お隣の席には、同郷の茨城から来たという年配の方たち。燧登山の話で盛り上がってしまった。

さて、したたか飲んでぐっすり眠っていた山の神と私。早朝けたたましい音声でたたき起こされた。なんの音だろう。聞き耳を立てると、「北朝鮮のミサイル……」と言っている。どうせ通り越していくだろうと、再び眠りにつこうとすると、何度も繰り返す。参ったな。

朝食時に昨晩話が盛り上がった同宿の年配の方たちに今朝がたの一件を聞くと、ケータイからJアラートが流れたという。そう、山の神と私は、たいがい夜はケータイの電源を切っているのだ。そういうことだったのか。東京に戻って、Jアラートの対象地域は東北と北海道だったことを知る。貴重な体験をしたけれども、北朝鮮いいかげんにしてくれといいたい。

この日は、宿をチェックアウト後、ミニ尾瀬公園内にある武田久吉メモリアルホール、尾瀬書美術館、尾瀬写真美術館(白旗史朗氏の写真を展示)の3館を見学(¥500)した。セレブでもないのに優雅に貸切状態でめぐって、尾瀬を名残惜しみ、帰路についた。

途中道の駅たじまに入ろうとすると、入口のところで事故が起きたばかりだった。Jアラートを聞いて、感情が高ぶってしまったのか、バイクと車が正面衝突したようだ。バイクに乗っていたと思われる人がぴくりとも動かずに仰向けに倒れていた。居合わせた人たちは皆、野次馬と化して事故現場を凝視している。まず救急車がやって来て、しばらくしてから警察。イヤなものを見てしまった。

その後は東北道に上がって順調に進み、川口でちょっと詰まったものの、17:00には無事帰宅した。

Part1七入から尾瀬沼へ戻る
Part2長英新道から山頂・御池へ下山へ戻る
燧ヶ岳、足ぼろぼろ下山コースへ戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

燧ヶ岳Part2~長英新道から山頂・御池へ下山

2017-09-10 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

燧ヶ岳 俎嵓(まないたぐら)2346m  柴安嵓(しばやすぐら)2356m 福島県

2017年8月28日(月) うすぐもり   

メンバー 山の神と私

コースタイム 尾瀬沼ヒュッテ6:55--8:14 3合目手前8:22--9:10 6合目上部9:18--10:05俎嵓10:15--10:35柴安嵓(昼食)11:08--11:30俎嵓--12:28熊沢田代12:38--広沢田代--14:00御池

5:15頃隣の部屋で起きだすもの音がしていて、山の神も私も目覚めた。朝食は山小屋にしては遅めの6:00から。5分前には朝食の準備ができましたと館内放送があり、3分前に山の神とともに食堂に赴いた。一番のりかと思いきや2番目。お弁当(おにぎり2個、燻製卵とソーセージなどが付いて800円)も頼んであったので、席につくと、忘れてならじとばかりにすぐに出てくる。昨日夕飯時に食堂で見た面々が続々と現れる。なかには常連のおじいさんもいて、スタッフによく眠れましたかなどと声をかけられていた。

 
左:尾瀬沼ヒュッテのテラスから燧ヶ岳を望む 右:尾瀬沼ヒュッテを振り返る

あたふたと支度を済ませ、小屋の前で記念撮影(冒頭写真)。ヒュッテの巨大テラスからこれから登る燧ヶ岳の有姿を仰ぎ、6:55山の神とともに出発した。昨日休憩した長蔵小屋の売店の横を抜け、まずは大江湿原に出る。昨日愛でたお花を横目に進んでいくと、前方から単独行の方がこちらに向かって歩いて来る。後方からはわれわれと同じヒュッテから出発してくる2人組が見える。皆出発タイムか。

 
左:長英新道(燧新道)入口 右:汗をかいてレイヤー調整

湿原を離れて少し登ると、長英新道(燧新道)の分岐が出てきた。ここからが本格的な登山道になる。出発時に冷えていたこともあり、山の神も私も長袖のシャツを着ていたのだが、たちまち汗だくになって、長袖をザックに仕舞うことに。ザックを下ろしたついでにペットボトルのお茶をひと口飲む。間髪置かず出発し、シラビソの鬱蒼たる森を横移動していく。

 
左:シラビソの森を進む 右:3合目上部にあった遭難者用ソリ

1枚脱いでせっかくクールダウンしたのに、気温が低いようで露出した腕がやたらと冷えてくる。歩いているうちに気にならなくなったのだが、今度は適当な休憩場所が見当たらない。2合目を過ぎた辺りから、休憩しようと山の神と話していたのだが、まったくそうした場所がないのだ。でもいずれは出てくるもので、ベンチになりそうな倒木が目の前に現れた。ただすでに8:14にはなっていたが、、、


尾瀬沼と奥に日光白根山

休憩していると体が冷えてきて、早々に切り上げる。腰を上げて歩き出すと3合目の標示。やがて4合目に出て、展望が開ける。尾瀬沼の奥には雲を従えた日光白根山を遠望できた。

 
左:歩きにくい石ごろごろ道 右:ハシゴもあった

この辺りから急登地帯に突入だ。石がごろごろしていたり、ハシゴがかけてあったりで、難儀な道になってくる。登山道が狭くなった頃、学校登山とおぼしき15,6歳の少年たちが大挙下山してきた。だいじょうぶなんだろうかねと心配になるくらい皆軽装。尾瀬は観光地だから、油断しがちだけど、せめて学校行事で訪れるなら、先生にはちゃんとしてもらいたいものだ。

 
左:リンドウとアキノキリンソウ 右:5合目上部にちょうどいい休憩地

さて、急登を越えると、一服してってよといわんばかりの小広い場所に出た(9:10)。腰かけてってよという倒木まであって、休まないわけにはいかない。すぐ目の前には俎嵓。そして、リンドウやアキノキリンソウ、マルバダケブキなど、ちょっとしたお花畑が広がっていて目を楽しませてくれる。


7合目を過ぎると森林限界。尾根に出て一気に展望が開ける

休憩地からひと登りすると、ナデッ窪からの道と合わさり、森林限界になる。ハイマツとシャクナゲが密生している。見上げると、点々と登山者が山頂に向かっているのが見えた。

 
左:俎嵓(まないたぐら)、左端に柴安嵓(しばやすぐら) 右:柴安嵓の石碑

最後の急登をよじり、10:05俎嵓に到着した。祠のある山頂にはすでに数人の登山者がいて、展望を楽しむ人、食事中の人、記念撮影に勤しむ人と思い思いの山頂を楽しんでいた。われわれもひとしきり展望を楽しみ、さあ、隣にも行こうかねと山の神に声をかけると、なぜか渋る。ええっという感じだ。まさか行かないの?と聞くと、どうしようかなと。柴安嵓に行けば、尾瀬ヶ原と至仏山が真正面に見えるはずだよ、それからあっちで昼食のほうがよさそうだというと、なんとなく行くことに落ち着いたのだった。

下って、登り返して10:35柴安嵓到着。思ったとおり、絶景が広がっていた。やはり来てよかった。しかも広い山頂で、開放感抜群。さっそく尾瀬沼ヒュッテでつくってもらったお弁当を広げ、おにぎりをほおばる。副菜の燻製卵は絶品だった。


柴安嵓からの尾瀬ヶ原と至仏山


手前から2列目左のなだらかな山容を見せるのが平ヶ岳。日本海側は青空が覗く

昼食後は、再び下って登り返し、11:30まだ多くの登山者がいる俎嵓に戻った。休むにはまだ早いから素通りだと、御池(みいけ)に向けて下山開始。御池への道をとると、かなりのご高齢のおじいちゃんがあえぎながら、ちょうど登ってくるところだった。こちらの道も長いから大変だったろう。

 
左:熊沢田代へ下りていく 右:モウセンゴケの群生地、広沢田代

楽しみにしていた熊沢田代は山頂付近からもう見えている。しかし、歩けども歩けども到着はしない。柴安嵓から休憩なしで1時間20分も歩き、ようやく池塘にはさまれた熊沢田代のベンチに到着した。クタクタで座りたいと念じながら、ベンチの前まで来たのだけれど、満席。と、驚きの瞬間が訪れた。休憩していた年配の方2人が突如として席を立ち譲ってくれたのだ。私たちはだいぶ休憩したから、どうぞ、どうぞと。ありがたいことだ。

12:38次は広沢田代だと木道を再び歩き始めた。だいぶ消耗して、山の神も私も疲れた、疲れたと口をついて出始めていたけれど、再び湿原に出ると、ちょっと心やすらぐ。よく見ると、モウセンゴケがいたるところに自生していた。

 
左:ガラガラの御池駐車場に下山 右:七入では愛車エスクードがぽつねんと1台きり

石ころだらけのすごい急な坂をバンバン下らされて、足がジンジンして、そろそろ動かなくなるんじゃないかと危惧し始めた頃、ようやく温泉小屋と御池の分岐に出た。もう終着点まで目と鼻の先だ。登山者をカウントするセンサーを通過し、駐車場に上がる。おお、着いたよと。月曜だけあって、駐車している車は非常に少ない。もう8月も終わりだしね。

14:00御池着。自販機で買ったジュースをグイグイ飲み、バスが来るのを待つ。会津高原駅まで行くバスが14:40発だ。車を置いてきた七入にも止まる。お待ちかねのバスが来ると、大半の登山者が御池に車を停めていたのだろう、ほとんどが降りて、がら空きになった。山の神とバスに乗り込むと、すぐに発車し山道を下っていく。対向車はほとんどない。やがて15分ほどで七入に着いた。降車して人の喧騒がなくなっているのに気づいた。そして自分の車を見たときにはもう、あっけにとられてしまった。昨日の満車状態とは打って変わって、よもやの1台だけ。夏の終わりを痛感した。

エピローグJアラートが鳴りっぱなしにつづく
Part1七入から尾瀬沼へ戻る
燧ヶ岳、足ぼろぼろ下山コースへ戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

燧ヶ岳Part1~七入から尾瀬沼

2017-09-03 | 山行~尾瀬・栃木・茨城

燧ヶ岳 標高 2356m 尾瀬沼 1660m 福島県

2017年8月27日(日) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 9:00七入駐車場9:15--10:21休憩10:33--11:17抱坂の滝--11:31休憩11:37--12:10頃 沼山峠(昼食)13:03--14:09長蔵小屋売店14:30--三平下(往復)--15:30尾瀬沼ヒュッテ(泊)

天候不順な今年の8月。ロングコースを歩くには雨が気になる。近場でどこか行こうかと山を物色していたところ、山の神はまだ燧ヶ岳に行ったことがないと主張。日曜・月曜は晴れという天気予報を信じて1泊2日の燧ヶ岳山行に決めた。

前回尾瀬を訪れたときには、御池(みいけ)に車を停めたけれど、何時に着いたのだろうとチェックしてみると、出発4:30くらいで到着は9:15だった。ということは遅くとも9:30までには桧枝岐に着くかと、その時間を起点に計画を立てた。わざわざ過去の記録を参考にしたのは、Googleでルート検索してみたら、予想外に長く時間がかかると表示されたためだ。そういえば、会津に入ると、桧枝岐まで信号がほとんどないんだっけ。そのおかげで実際には早く着くのだ。

 
左:七入駐車場(キャンプ場側)。トイレは道路はさんだ反対側にある 右:林道を進む

早朝4:40山の神とともに自宅を出発した。東北道に入ると、比較的交通量はあるものの、順調に流れている。大谷PAで朝食をとり、西那須野塩原ICで高速を下りた。塩原に入る直前の交差点にあるセブンイレブンで昼食や行動食の買出し。そこから渓谷を抜け、会津をサクサク進んで、七入(なないり)に到着したのは、まだ9:00だった。ただ9:00とはいえ、駐車場は昨日から停められていると思われる車でびっしりと埋めつくされていて、キャンパーたちでにぎわっていた。支度をして、9:15山の神と七入山荘横の林道を歩き始めた。

 
左:沢を何度も渡る 右:登山道横には、ブナの巨木も

すぐに沢を渡ることになる。そして沢の左岸を歩いたり、右岸を歩いたりを繰り返す。ブナの美林が続き、気持ちのいい道だ。事前に仕入れた情報どおり人も少なく静かな山歩きを楽しめる。当初山の神は前回同様、御池に車を停めて、沼山峠までシャトルバスで入ろうと提案したのだが、それでは初日の歩行時間が短すぎるし、ブナ林歩きをカットすることになるからつまらない、しっかりと七入から歩こうとしたのは正解だった。

 抱坂の滝

10:30頃倒木のところで休憩をとり、さらに進んでいくと、本日初めての登山者に出会った。3頭もの犬を連れて下山してくる3人パーティ。その後同じように犬を連れた登山者たちの団体とすれ違ったが、もともと同じパーティだったのか。みなさん、ツヤツヤの毛並みをした高そうな洋犬をはべらせ、上品そうな方々だった。

道が急になってきた頃、抱坂(だきさか)の滝への分岐が現れた。右へ下って行くと、水量はそれほどでもないが、どーんと目の前に滝が登場した(11:17)。山の神はもっと小さな滝と思っていたようだが、それなりのスケール感で圧倒された。滝を見ながら休憩と思ったら、とてもそんなスペースはなかった。やむなく引き返して、分岐から少し登ったところで2度目の休憩をとった。

 
左:沼山峠休憩所。パラソルの下で昼食をとった 右:沼山峠からの階段を越えると、木道に

ちょっと急登をよじり、平坦地を進むと、木の間から建物が見えた。あそこだ、あそこだと、山の神と歩みを速め、階段を上がって12:10頃沼山峠に到着した。休憩所のテラスには、バスを待つハイカーたちや、昼食をとっている登山者が数名腰を下ろしていた。ここまで来れば、もう着いたようなものだとしゃべりながら、山の神と私も昼食にしようと、パラソルの一画を陣取り、ザックを下ろした。

そのうち団体の下山組がやって来て、にぎやかになるが、すぐにシャトルバスに吸い込まれて元通りの静寂に包まれた。13:00すぎようやく山の神と私は重い腰を上げ、峠を後にした。


大江湿原から至仏山を望む

しっかり整備された木道を上がり、ピークとなる展望台から今度は下っていくと、目の前がパッと開けて大江湿原。1本道が尾瀬沼へ向かってすっと伸びている。その先には至仏山が小さく三角形の姿を現していた。


右手に燧ヶ岳を見ながら進む

右手には、明日登る燧ヶ岳がくっきりとその稜線を描いていた。

  左:サワギキョウ 右:ヤナギラン

大江湿原には、8月末とはいえ、まだまだ花があって、マルバダケブキ、シャジン、サワギキョウ、そして大きなオゼヌマアザミが咲き誇っていた。

 
左:長蔵小屋の売店。店の前にはウッドデッキ&ベンチが 右:長蔵小屋の窓から顔を出していたクマさん

14:09大江湿原を縦断し、登山者でにぎわう長蔵小屋売店に着いた。さっそく店内を覗いて、私はレモンの輪切りが入ったシャーベットアイス、山の神は冷たい飲み物を購入し、売店前のウッドデッキでクールダウンした。


三平下へ向かう途次、燧ヶ岳を望む

比較的まだ時間があるので、予定どおり三平下まで足を延ばすことにし、14:30長蔵小屋売店を後にした。ぬかるみの道を歩いていると、前からひとり若者が来て、興奮気味に話しかけてきた。「熊がすぐそこにいましたよ。子連れの熊。尾瀬沼とこの道の中間くらいの草むらです」。山の神がえっえ~とひるむものの、木道にいたわけじゃないから、人が行けば逃げるはずと、私は構わずそのまま前進した。山の神は仕方なく私の後ろをついてくる。すぐ後ろを歩いていたパーティは、固まっていたが、私がどんどん行くものだから、だいじょうぶだろうと背後にぴったりくっついて歩き出していた。あまりにも近いので、先に行きますか?と声をかけると、いやあ、どうぞどうぞと遠慮して、先頭を切って進むつもりはない。結局、残念ながらというべきか、幸運というべきか、熊の姿を見かけることはなかった。


三平下で尾瀬沼湖畔に出ると真正面に燧ヶ岳

三平下では、眺望を楽しめると思っていたのだが、樹林帯の中だった。なあんだ戻るかと思いきや、湖畔に出られる道を発見。山の神と小さなボート2艘が置かれた、猫の額ほどの湖畔に出た。満々と水を湛えた尾瀬沼の向こうに存在感たっぷりの燧ヶ岳を仰ぎ見る。ふと足元を見ると、なんの魚かはわからないが、メダカほどの大きさの魚がきびきびと泳ぎ回っていた。魚がいるんだね、尾瀬沼は。

来た道を戻り、15:30本日のお宿、尾瀬沼ヒュッテに到着。さっそく熱い風呂に浸かって疲れをとった。

Part2長英新道から山頂へに続く
燧ヶ岳、足ぼろぼろ下山コースへ戻る

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

燧ヶ岳、足ぼろぼろ下山コース

2017-09-02 | 山行~尾瀬・栃木・茨城


燧ヶ岳から御池への下りは石がごろごろ。この辺りはまだ歩きやすいほう

山に行って足が痛くなったのは、10年ぶりか、いやもっとか。燧ヶ岳を下山し、桧枝岐村の民宿に泊まったのだが、民宿の部屋に入ったときにすでにふくらはぎに違和感を感じていた。翌日にはそれは筋肉痛へと変わっていた。原因は燧ヶ岳頂上から御池への下りだ。延々と石ころだらけの道。しかも傾斜がかなりあって、どこかにつかまりながら、あるいはストックをつきながらエイヤと足を下ろす。場所によってはぬかるんでいるという、足に過大な負荷がかかるだけの地獄道だった。てっぺんから御池まで始終これだから始末に終えない。唯一熊沢田代の辺りは歩きやすかったが、ほんの気休めで、すぐに無間地獄へと引きずり込まれた。

山の神に至っては、28日(月)に下山したというのに、8/31(木)くらいまで、足をひきずっていた。それだけ凄すぎる道だったのだ。民宿で会った茨城から来たという年配の方の話では、御池から燧ヶ岳への上りに使うのはいいけれども、下るのは避けるべきだと。そういわれても、時すでに遅し。

しばらくはというか一生、この道は歩かなくていいかもなと山の神と話したのだった。

燧ヶ岳Part1七入から尾瀬沼へつづく

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする