目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

登山道が整備された源次郎岳

2021-05-30 | 山行~中央線沿線・大菩薩

源次郎岳 標高 1476.6m 山梨県

2021年5月2日(日) 晴れのち雹 →ひょう

メンバー 山の神と私

コースタイム 嵯峨塩鉱泉9:50--11:11源次郎岳11:25--12:25嵯峨塩鉱泉

源次郎岳は、昔の山地図では常にルートが点線になっていたけれども、ここ何年か(もっと前か)で整備されて一般の登山者も気兼ねなく登れるようになった。山梨百名山に入っていることからだいぶ前から行ってみたいと思っていたところ、このコロナ禍で近場にしか行きにくい状況となって、奇しくも実現することになった。


左:山の神、宿の強アルカリ水をボトルに詰める 右:登山口。後ろが嵯峨塩鉱泉嵯峨塩館入口

前泊は嵯峨塩鉱泉嵯峨塩館。9:30頃チェックアウトし、車はチェックインタイムの14:00までに出すことを約して宿にそのまま置かせてもらうことにした。山の神と登山靴にはき替えて9:50出発した。


左:日が差して明るい雑木林 右:カラマツの新緑が目にやさしい

いきなりの急登で息もはずむ。畑付近まで来ると、富士山がよく見えた。写真を撮ろうかと思ったが、ちょうどその場所で年配の方2人が立ち止まって息を整えていたので、後でいいやと通過してしまったのが運の尽き。この後二度と富士山の全貌を拝むことはできなかった。


左:未舗装の林道に出ると道標 右:樹木が切り払われた広場の横を進むと林道が目の前を横切る

新緑のカラマツ林を抜けていくと、やがて樹木をきれいに切り払った広場に出た。何か大規模な施設でもつくろうというのか、かなりの広さがある。そこに未舗装の林道が通っている。登山道はその林道を横切り、林の奥へと続いている。

 2本目の林道(舗装路)を横切る

落ち葉を踏んでいくと、2本目の林道、嵯峨塩深沢林道に出る。道幅は狭いながらも、きれいに舗装されている。近くに駐車スペースがあって2台停まっていた。この後山頂で会ったファミリーのものか。意外とここまで車で上がって来られるというのは知られていないかもしれない。


左:牛奥峠。中央の石に「山神」と刻まれている 右:苔むした蛤岩

2本目の林道を越えるとすぐに牛奥峠と標示された場所に出る。そこには蛤岩(はまぐりいわ)と呼ばれている、中央を鋭い刃物でばっさり切られたかのような岩があった。


左:下日川峠と源次郎の分岐 右:源次郎への下りは予想以上に長い(中央の点は山の神)

下日川峠に出ると、快適な森歩きも終わりだ。ちょっとしたピークから下りに入る。こんなに下るのかといいつつ、私が写真を撮っていると、寒い、寒いといいながら、山の神が私を追い越してどんどん先へ進んでいった。やたらと谷筋から冷たい風が吹いてきて、山の神を追い立てたのだ。


源次郎岳山頂の広場

しばらく下って、気持ち登り返すと源次郎岳のピークだ(11:11)。山頂はやりすぎではないかというくらい、ものの見事に木が切り払われた広大なスペースがあり、眺めもいい。先着さまは7、8人のファミリーで、われわれを途中で追い抜いていった単独登山者の方との会話がもれ聞こえてきたところによれば、帰省してきた子や孫たちと登ってきたという。ちょっとしたハイキングで楽しそうだ。コーヒーを沸かしてくつろいでいた。


富士山は雲に隠されていた

山頂の上空は青空が出ているものの、白い雲がもくもくと広がっており、富士山頂は隠れたままだった。前日の小金沢山からの富士山がまったく姿を見せなかったのに比べれば、よほどましだが、残念な感じは否めない。登りはじめの時に見えていた富士山の全貌を堪能しなかったのは悔やまれる。


金峰方面を一望する

11:25山頂で一服して下り始める。往復で2時間くらいと思っていて12:00には下山するつもりだったのだが、予想外に時間がかかっている。往路ではヤシオの花(下の写真)を愛でていたが、復路は早く下ろうとわき目もふらずに通過だ。


左:ヤシオがところどころで咲いていた 右:もうすぐ下山というところで雹が来襲 

最初の舗装された林道を横切ったころ、いつの間にか曇天に変わっていて、ポツンと冷たいものが落ちてきた。雨か? そのうちパラパラと来て、思わず山の神と目を見合わせた。ヤバい。地面を見ると直径1ミリ程度の白い粒が枯葉の上ではねている。なんと雹(ひょう)だった。山の神は脱兎のごとくスピードアップし、小走りで下っていく。私もその後に続いた。

嵯峨塩鉱泉にたどり着いた12:25には、直径2~3ミリの雹に変わっていて、しばらく宿の前の東屋で雨宿りならぬ雹宿りをした。その間、雹の降り方は激しさを増していく。しかしそんな天候急変も、数分であっけなく何事もなかったように収まった。

やれやれと宿を出て、道の駅甲斐大和に移動し、休憩&ワインを購入(前々回の記事一升瓶の甲州ワインを買ってみる)。昼飯は笹子トンネルを越えて大月に入ったところにある和食レストランか、近辺の食堂に入ろうとしていたのだが、、、コロナのせいかあちらもこちらも休業中だった。道の駅でソバを食べればよかったと臍をかむ。結局中央道にあがって談合坂SAに入り、14:00過ぎにようやく焼きそばにありついた。その後は順調で渋滞に巻き込まれることもなく帰宅した。

笹原とカラマツ林を抜けて小金沢山へに戻る

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田中陽希、酒田停滞期のインタビュー本『それでも僕は歩き続ける』

2021-05-17 | 山・ネイチャー・冒険・探検の本

田中陽希『それでも僕は歩き続ける』平凡社
 
田中陽希さんの日本3百名山ひと筆書きの旅は、コロナの非常事態宣言で一時中断し、山形県の酒田市で3か月ほど停滞を余儀なくされた。その間フリーライターの千葉弓子さんがロングインタビューを行い、まとめられたのがこの本だ。
 
田中陽希さんの今までの番組を見たり、本を読んだりしていれば、新しい情報が少なくて残念な感じは否めないが、ほほえましい子供時代の写真を見られるし、大学時代やアドベンチャーレースのスナップ、もちろん百名山ひと筆書きから現在までの、茶目っ気たっぷりの陽希さんらしい山登りカットも多く収録しているので永久保存版としての価値がある(?)。ついでにいうと、陽希さんのあの独特なイラストも要所要所に入っていて陽希ワールドを演出している。
 
それはさておき、本のなかで最も印象的なのは、2百名山のときに大勢のファンに追いかけられ、精神的に追い詰められた顛末。これは「グレートトラバース」の番組内でも紹介されていたけれども、もっと詳細な状況が書かれている。ファンが一人、二人来るなら、うれしいだろうけど、行く先々に大挙押し寄せ、山はおろか沿道にもいて、好物と公言したポテチをもってくる。話かけられて立ち止まり、一緒に写真をと言われてポーズをとり、サインをくださいと言われてペンを執る。それが連日時間や所かまわずとなると、さすがに気が休まらない。さらには行程の遅れにも結び付き、途中からGPSのリアルタイムの位置情報公開をやめることになる。いやはや。
 
行動食の選び方も紹介していて興味をそそった。行程が長いからだろうけれど、同じ重さならカロリーが高いほうを採用するという。よく食べるのは、焼き菓子でカロリーは高い。フィナンシェがベスト、マドレーヌやバームクーヘンもいいという。ただし菓子パンは、高カロリーではあるけれども、高所で袋がパンパンになったり、添加物を多く含むことから控えているとのことだ。冬場は、亀田製菓の柿の種、明治のアーモンドチョコレートを開口部の大きな500ミリリットルのペットボトルに詰め替えて持ち運ぶ。歩きながらでも取り出しやすく便利なのだとか。
 
総じてわたしのような年配者ではなく、若者に向けてのメッセージが多くつまっているのがこの本の特徴だ。読む人によって、印象が変わるだろうけど、陽希さんの人となり、人生への向き合い方、考え方がよくわかる本であることは間違いない。「グレートトラバース」を見ている人は手にとって損はない本、ぜひご一読のほどを。
 
 
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笹原とカラマツ林を抜けて小金沢山へ

2021-05-09 | 山行~中央線沿線・大菩薩

小金沢山(雨沢の頭)標高 2014.4m 天狗棚山 1957m 山梨県

2021年5月1日(土) 晴れのち雨のち晴れ 

メンバー 山の神と私

コースタイム 7:50甲州市市営駐車場--上日川峠8:10--小屋平--9:06林道登山道入り口9:16--石丸峠--10:06天狗棚山10:15--11:06小金沢山11:17--12:40林道登山道入り口手前の旧道分岐(昼食)13:15--小屋平小休止--14:10上日川峠--14:25駐車場

5:15山の神とマイカーで自宅を出発した。勝沼で中央道を下りた後に通り道にコンビニがないとわかり、上がる前にコンビニに立ち寄り、昼食と行動食を購入。高速道に上がると、非常事態宣言が出ている割には、われわれと同じように近場ならOKと考える人が多いのか、渋滞にはならずとも、それなりの交通量があった。朝食のため談合坂SAに入ると、同様にそれなりに車も人もいる。

順調に進んで勝沼ICが近づいてくると、南アルプスの峰々が前方に見えてきた。おお、だいぶ雪が多いねえ、あの真っ白なのは甲斐駒か? おっと違うなと話していると、目の端に勝沼の出口がちらっと見えた。やってしまった。勝沼ICを通過。仕方なく次の一宮御坂ICで下りた。せっかく遠回りにならないように地元のコンビニに寄っていたのに台無しになった。


左:甲州市市営駐車場 右:上日川峠登山口(公衆トイレ直下)

大菩薩ラインに入って、事前にカーナビに入力しておいた目的地「ロッジ長兵衛」(ロッヂ長兵衛の登録はなかった)に向けて走っていくと、途中で見慣れぬ道に曲がれと指示が出る。はて?近道かと思いながら、その通り走っていくと、「一葉のみち」と標示がある。間違いじゃないかといぶかしんでいると、変な場所で案内が終了した。使えないカーナビだ。

ちょっと遠回りしたものの、7:50上日川峠の甲州市市営駐車場に到着した。昨年の夏に訪れたときに比べれば、停まっている車の台数は少ない。峠の公衆トイレに寄って8:10山の神とともに出発した。


左:なだらかな笹原の道を下っていく 右:山の神、レイヤー調整

上日川峠から福ちゃん荘へ登っていく人は続々とやってきたが、石丸峠を目指す人は皆無だった。しばらく静かな山歩きとなる。気温は11℃くらいだが、陽射しがあってポカポカ陽気。歩いていいるうちに瞬く間に汗が噴き出す。さっそく山の神は一枚脱いでレイヤー調整をした。


左:親水広場界隈 右:小屋平バス停

少し下っていくと、沢を横断することになる。流れの下方に目をやると、優雅にも奥のほうに1張ピラミッド型テントが見えていた。そこからなだらかな斜面を登っていくと、小屋平のバス停(林道大菩薩初狩野線。上がっていくと上日川峠)に出る。道を横断し反対側の斜面に取り付く。結構登りでのある道で長く感じる。


左:林道を歩いて次の取り付き点へ 右:気持ちのいいカラマツ林が続く

やがて上部の林道に突き当たる。道を挟んで反対側にあった登山道は台風で崩れたため、この林道を150mほど奥へ移動することになる。そこでザックを下ろして休憩だ。出発するころ、家族連れがやってきて、さすがは連休だと思い知らされる。

再び歩き始める前にクマ注意の看板を見て、クマ鈴を装着。斜面を登っていくと、カップルが下山してきた。もう下山なのかと思いつつ、気持ちのいいカラマツ林を横移動していく。すると今度は前方に7,8人の家族連れがいた。意外に人は多いのかもと思いながら先へ進んだ。


笹原の向こうに小金沢山

そのうちカラマツ林がなくなり、バーンと開けた場所に出る。これから登る小金沢山が遮るものなく、目の前に現れた。


石丸峠

やがて大菩薩峠からの道と合わさる石丸峠にたどりつく。


左:いずれは縦走したい牛の寝通りへの分岐 右:天狗棚山

石丸峠からすぐのところに牛の寝通りへの分岐に出る。牛の寝通りは、いずれは歩いてみたい草原の尾根だ。そこから指呼の間で天狗棚山に到着する。反対側から単独者が来る。


左:地図に書かれていた通りの悪路 右:小金沢山山頂

10分ほど休憩して狼平に入る。この頃から徐々に風が強まり、予報通り天気が崩れそうだと山の神が心配気に足早になる。

地図に記載されている通り根方が張り出し、また岩場もあって非常に歩きにくい道になる。天候もどんどん怪しくなり、青空は姿を消し、冷たい風が頬を刺し始めた。

やたらと長く感じるこの稜線を進んでいくと、最後のひと登りのところでトレランっぽいパーティに抜かれた。あっ、もうそこが山頂だと山の神のほうを振り返る。小金沢山の標柱が見えた。


左:富士山は裾野ビュー 右:冷たい風にさらされて山の神爆走中

11:06小金沢山の山頂に到着。秀麗富岳12景の一座なのだが、富士山は裾野をうっすらと見せるのみで、雲に包みこまれていた。

ここで昼食にするには冷えすぎだと、行動食として買った安納芋パイだけを食べて11:17下山に入る。石丸峠辺りまでは暑くて汗をかいていたのが、まるで嘘であったかのように冷え込んでいる。谷をなめてくる風がすこぶる冷たく、しかも強く吹いて真冬のような厳しさだ。時折雨粒も落ちてくる。たまらず山の神は飛ぶように下山していく。


左:昼食ポイント(撤収中) 右:上日川峠に戻ると青空

昼食どころじゃないねえと、食べるタイミングを逸してひたすら下ることになった。12:40林道に出る手前まで来て、ようやく風をしのげて落ち着けるポイントに出た。ここでレジャーシートを広げてメシにありついた。山の神はもうクタクタのようで、持ってきたみそ汁はいらないという。ここで昼食を済ませ、午前中に歩いた道を戻る。

小屋平を過ぎるころから、下り坂の予報を完全に裏切って晴れてきた。上日川峠に出ると、何事もなかったかのようにおだやかな晴天に変わっていた。

(冒頭の写真は登山道の傍らで咲いていたタチツボスミレ)

登山道が整備された源次郎岳へつづく

 

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一升瓶の甲州ワインを買ってみる

2021-05-05 | 山雑記


主役は甲州ワイン、まるき。あてはサーモンのマリネ、マッシュルームオリーブオイル炒め、鳥ささみのから揚げ

GWは予定通り(!)1泊2日で大菩薩界隈を歩いた(山行報告は後日)。山のぼらーのあなたも近場をどこか登られただろうか。

さて今回の報告は甲州ワインだ。大菩薩といえば山梨。山梨といえば甲州ワイン。その昔会社の山の会でロッヂ長兵衛に泊まり、一升瓶の甲州ワインを皆でガブ飲みしていたのを思い出す。

宿の夕食では、まず瓶ビールを山の神と1本開け、その後甲州ワインに移行した。最近の甲州ワインは、ぶどうの品種改良に加えて品質もどんどん進化しているようで、おいしくなったとの評価が高まっているけれども、昔ながらのすっきりとした味わいを求めていただいた。和食との相性もいいのでお勧めだ。

けっこういけるねと気をよくして、翌日の帰途、道の駅甲斐大和に寄り家飲み用のワインを買おうとなった。せっかく山梨に来たのだから、やはり一升瓶だろう。独特の〇にキのラベルが目を引いて、思わず手に取った。それは日本最古のワイナリーを標榜するまるき葡萄酒株式会社のワインだった。嬉々としてそのままレジへ。

その後地元のスーパーに立ち寄り、サーモンやマッシュルームなどを買い込み、ワインのあてに。その夜さっそく封を切って味見をした。山梨県民になったつもりで、一升瓶からワイングラスへ白ワインを注ぐ。辛口でライト、スイスイ飲めて飲みすぎに注意なワイン。山の神と2人で飲んだら、もうなくなっていた。

参考:当ブログ一升瓶の甲州ワインをガブ飲み


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