目指せ! 標高1122メートル

山の神にお供して歩きつづける、ある山のぼら~の記録。ネイチャー、冒険の本もとりあげるよ。

見逃した「山番組」をDVDで!

2010-09-29 | テレビ・映画

夏の北アルプス あぁ絶景! --雲上のアドベンチャー 〔DVD〕
出演:田部井淳子、内多勝康

昨年の大晦日にNHKで夜通し放送していた北アルプス番組(再放送?)は録画して、少しずつ山の神と食卓で見ていた。だれもが山素人の内多アナがジャンダルムに行っていいのかと思ったことだろう。縦走中は脚を痛めたり、バテバテになったり、悪天になったりで結構見ていてハラハラした。加えて、高天原で露天の温泉に浸かった以外は風呂なしだから、相当臭くなったことだろう、などど想像をたくましくして眺めていた。でもそんなことを抜きにすれば、マウンテンビューが最高で、山好きには十分そそられる内容だった。視聴者は、ああ行きたい、時間と金があれば……と嘆息している人も、私も含めて多かったはずだ。見逃した方は、ぜひ視聴を。

 

白夜の大岩壁に挑む--クライマー 山野井夫妻〔DVD〕
出演:山野井泰史、山野井妙子

つい先ごろは山野井夫婦のグリーンランド大岸壁クライミングのドキュメンタリーを再放送していた。高度な技術を要するクライミングを楽しみながら、淡々と2人で頂上へ向かうこの夫婦の存在感はすごい。報道では、シンプルに結果としての事実だけが伝えられるが、こうしたドキュメンタリーを見ると、シンプルな結果だけではない枝葉末節がわかって、ああそうなんだ、あの後こうなったのかと納得するなり、感心するなりする。凍傷で指を失ってからの苦労や、それによる新しいライフスタイル、そしてこの山での達成感を、われわれに身近に感じさせてくれる。
山野井さんの近況は、山野井通信 http://www.evernew.co.jp/outdoor/yasushi/yasushi4.htmで。たまに私も覗いています。でも9/5付エントリーは、ちょっとやばそうなことが書いてあるなあ。

 

絶景 エベレスト街道をゆく--標高5000m 天空のトレッキング〔DVD〕

エベレスト街道もよかった。エベレストそのものではないので、一般人でも体力的には何とかなる。ちょっとそそられる場所ではあるが、行くにはコース長すぎだ! われわれのようなフツーのサラリーマンでは、望むべくもない。行くことを抜きにして、他人事(ひとごと)として映像をただ単に観賞するにはいい。でも見ていて感情移入してしまうと、自分が行った場合はどうなるかを、常に頭の片隅で想像して、疲れるかもしれないが。

番外 いま旬のクライマー番組を作って!

本ブログのサイドバーにリンクを設けているけど、栗城氏のエベレスト登頂と竹内氏のチョー・オユー登頂がちょうど今佳境を迎えている。それぞれ成功にしろ失敗にしろ、どこかのテレビ局でとりあげないかね。栗城氏はやんちゃな若者、竹内氏はスマートな大人で、好対照。登るスタンスも、周囲をとりまく仲間も、ライフスタイルも違っているような……。それぞれ本(両方とも本人への聞き書き?)が書かれているから、いずれ目を通してここで紹介してみようと思う。

栗城史多オフィシャルサイト http://kurikiyama.jp/
登山家・竹内洋岳 公式ブログ http://weblog.hochi.co.jp/takeuchi/



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杁差(えぶりさし)岳

2010-09-28 | 山行~信越

標高1636m 新潟県

2009年9月21日(月)~9月22日(火) 21日 晴れ 22日 雨

メンバー 山の神と私

コースタイム 9月21日 奥胎内ヒュッテ前6:00--(登山バス)--6:10足の松登山口6:20--7:10姫子の峰7:17--8:00滝見場8:05--8:45ヒドノ峰上部8:55--9:50西ノ峰10:00--(10:07大石山)--10:48鉾立峰(昼食)11:20--11:50杁差岳&杁差小屋12:20--12:50鉾立峰13:00--13:42大石山13:50--14:30頼母木小屋(泊)

9月22日 頼母木小屋5:45--6:15大石山6:20--7:27休憩7:35--8:13姫子の峰8:20--(9:05足の松登山口)--9:55奥胎内ヒュッテ手前駐車場

前泊は奥胎内ヒュッテ。宿で用意してくれた朝食のお弁当は昼食用にして、朝はカップめんとパン。荷物を抱えてロビーにおりていくと、もう団体が続々と集結。われわれも宿の代金は晩のうちに済ませており、出発するばかり。車をヒュッテから移動して、一般観光客、登山者用の駐車場へ。だいぶ車はとまっている。5:45バス乗り場に行くと、人が多くて、早々に第1便目が出発。そのバスには乗れず、待つことに。2便目は、そのバスが行って帰っての出発となる。6:00頃発。¥300。

01img_2728 02img_2730

6:20頃足の松登山口から登山道に入る。平坦な道はすぐに終わり、急な登りが始まる。前のバスに乗っていた年配の方々に追いつき、追い越す。どうやらほとんどが地元の人で、大石山ピストンのようだ。杁差ピストン日帰りの猛者にも途中で会う。

03img_2732_2 飯豊は上の稜線に上がるまでがつらいのぉ

ぶなの続く、足の松尾根を登る。7:10姫子の峰で休憩。追い越した人たちが追いついてきて休憩もそこそこにすぐに出発。

04img_2740 010img_2741 遠くに滝が

滝見場には8:00到着。水分補給してすぐに出発。どんどん山に分け入っていくと、見えるものは、谷や稜線や滝で、飯豊山塊のふろころの深さ、山深さを感じる。マタギ気分だ。

05img_2744 鬱蒼としたぶなの森

がんがん稜線を登っていくと、疲労もがんがんたまってくる。これぞ飯豊。甘くない。さっきまで広がっていた雲はさあ~っととれ、晴れ間が広がってくる。ヒドノ峰上部の見晴らしのいいところで休憩8:45

002img_2746 ちょっとだけ紅葉

連続した急登で、疲れもピーク。でも、どんどん見晴らしはよくなっていく。あっちもこっちも紅葉が始まっており、いい感じだ。1525mの西ノ峰で休憩9:50。大石山を越えていくと、今度は大パノラマが待っている。

004img_2752 このあたりからは、爽快な山歩きが楽しめる

なぜか大石山に荷物がデポされていた。ここからサブザックで杁差ピストンなんだろうか。飯豊のお山に来る人は健脚揃いだから、不思議ではないか!

003img_2750 �琢差岳を一望

005img_2754 頼母木方面を望む

日差しをさえぎるものがなく、暑い。鉾立までの上りをふうふう言いながら登る。

006img_2757 鉾立峰を望む

007img_2759_2 展望よしの山頂で昼飯

鉾立峰には10:48到着。腹が減っては戦はできぬ、ということで早くも昼食。宿でつくってもらった朝飯用おにぎりを食べる。おかずは揚げ物が多くて、ランチにはうってつけだった。でも逆に朝だったら、これは食えないんじゃないだろうか。11:20出発。下って、また上り。風が吹いて涼しい。

008img_2768_2 000img_2770 大熊尾根

11:50�琢差岳山頂に着くと、先着様が大勢いてにぎわっていた。3連休だから、縦走してきた人もいるのだろう。山頂からの眺望はもう最高。紅葉をはじめた山が視界いっぱいに広がり、気分は爽快。今回はとりやめた二王子岳も見える。

009img_2769 長者原方面

泊まるつもりでいた杁差小屋は、すでにこの時点で20人くらいはいた。これはもう大混雑必至だ。シャレた概観で、見晴らしも抜群だが、ちょっとシンドそうだ。山の神と相談し、明日の行程も短くなるので、頼母木(「たもぎ」or人によっては「たもんぎ」)小屋を宿泊地に決める。

06img_2771 07img_2772
左:杁差小屋 右:遠くに日本海も見えた

08img_2773 奥が二王子岳

12:20に善(?)は急げと、頼母木小屋へ向けて驀進。鉾立では、追い越してきた年配の方々や、これから山頂を目指す人たちが後から後からやってくる。この人たちは皆杁差小屋泊まりなんだろうか? 

13:42大石山着。まだまだ杁差を目指す人が大勢やってくる。杁差小屋は恐ろしいことになりそうだ。14:30ヨレながら頼母木小屋に到着。テントが数張。もしやと小屋の中をのぞくと、空いていた。来てよかった。その後、到着してくる人も数人ほどで、フツーに寝るスペースを確保でき、比較的快適に過ごせた。仄聞するに、前日は御西小屋、本山小屋はダダ混みで土間にも寝ていたそうだ。この小屋もたいそうな人数だったらしい。ついてる! さらにラッキーなことに、この小屋は水が豊富で使いたい放題だった。

011img_2784_3 小屋は2階もあり、2階の住人はプライベートを大事にしていたようだが、われわれのいた1階は、日が暮れてくると、皆飲み始めた。夕方、ラジオでなかなかの音量で「キューティハニー」を聞いていたおじちゃんは、地元の山岳会の人で、飯豊を端から端まで縦走するという。地元の人だけあって、一般人が入れないゲートのキーを持っていて、奥さんがそこを開けて、車で下山口に迎えにくると。ほかにも宇都宮ハイキングクラブの人や、小名浜の人、北茨城の人たちがいて、「そうだっぺよ」「だっぺ」が飛び交い、なつかしいなまりが耳にここちよかった!?(私は茨城出身) 山の神は地方出身じゃないから、この感覚はわかるまい。宇都宮の方には胡麻焼酎「紅乙女」をいただき、酔いしれておりました。ゴマの香りがいい。

この小屋でおもしろかったのは人間だけではなく、トイレも。バイオ式で、用を済ませたら、自転車よろしくペダルをこいで、かき回さなければならない。ちょっとした運動。後ろで待っている人がいると、全速力でペダルをこがねばねえ。

9月22日 居酒屋と化していた1階の住人たちは一種の連帯感が生まれていて、「気をつけて」を言い合って、それぞれの下山コースへ向けて出発していった。われわれは5:45小屋を後にする。山の神と下山していくと、昨晩隣にいた宇都宮の方と大石山で会い、ほとんど下まで同行することになった。なぜか彼ら2人パーティは、別行動で、1人は杁差経由で下山、1人はそのままわれわれと下山した。ここで薄暗くなってきた空からついに雨がポツポツ降り始めた。

8:13姫子の峰で休憩していると、でかいニホンザルが登山道をのっしのっしと歩いてくる。人間をまったく恐れていないようだ。私も気づいて振り返ると、悠然と引き返していった。

足の松登山口間近で雨が強くなる。あともう少しで駐車場だというのに。バスは13:00までないので、林道をひたすら歩く。途中から工事車両が行きかっており、落ち着かない。胎内ヒュッテには9:55に到着した。

下山後は、村上市内で有名な石田屋旅館のハラコ丼を食べ、道の駅神林で時間をつぶして、雲母(きら)温泉のかくれ里 清流荘へ。この宿で供されたご飯は、彼の地関川で収穫されたコシヒカリで格別においしい。最高です。この米の味が忘れがたく、最新の炊飯ジャーを買ってしまったが、足元にもおよばなかった。部屋は、われわれは奮発して離れに泊まったが、本館2階からの眺めも捨てがたいそうだ。

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栗駒山 須川温泉コース

2010-09-25 | 山行~東北

標高1627m  宮城・秋田・岩手県境

2010年9月17日(金) 晴れのち曇り

メンバー 山の神と私

コースタイム 須川温泉8:45--9:30昭和湖9:40--10:15天狗平10:20--10:40栗駒山山頂10:55--(11:30産沼)--12:40須川温泉

前泊は須川高原キャンプ場の予定だったが、悪天のため、@ビジネスホテル一関 三関店に変更。じゃらんのポイントを使って、ツイン一泊朝食付き¥6,200。格安。同じ系列の駅前店は付近に飲食店があって便利だが、三関店は駅までちょっと遠いのと、周りには中華屋しかないので、晩飯は食べてからチェックインするほうがいい。われわれはその中華屋でビールを飲みながら、レバ定や餃子定を食べ、満腹。東北に来てから連日食べ放題状態で、体重が気になり始めた。

9月17日、天気予報が午後から晴れといっているので、なるべく遅めの出発にすることにはしたが、下山後の温泉宿も楽しみなので、ジレンマを感じながらも7:00にホテルをチェックアウト。朝食付きだったが、7:00からなのでパスして、部屋でコンビニめしを食べて、出発とあいなった。

山越えの移動に備え、ガソリンは満タンにし、コンビニで行動食、お茶を購入。国道342号に入る。道は空いている。真湯温泉の辺りから山道になり、九十九折。狭いところが多く、紅葉の時期は身動きとれなくなるんじゃと思いながら、須川温泉を目指す。

01img_4029 キャンプ場は隣の駐車場のトイレ近くから上がった所

8:15須川温泉到着。なんと青空が。天気はおそらくダメだと踏んでいたから、この僥倖を逃すまいと、全速力で登山の仕度にとりかかる。とは口ばかりで、トイレに寄ったり、スパッツを装着したり、登山口はどこだなどと言っているうちに時間はみるみる過ぎた。8:45に須川高原温泉の建物の横から登り始める。湯気がもうもうと立ち上る。硫黄の匂いがすごい。

02img_4031 03img_4032

登山道は水たまりがあったり、川のように水が流れていたりと昨日の雨の影響をもろに受けている。歩き始めてすぐに年配の観光客3人を追い越す。名残ヶ原に出る手前で栗駒を一望。

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ほどなくして 名残ヶ原。湿原だ。

04img_4038 05img_4041

苔花台の分岐を進むと、沢の渡渉。

06img_4042 002img_4044_2

9:30昭和湖に出る。白濁の水が印象的だ。ベンチがあってゆっくり休める。

Img_4049

9:40昭和湖から樹林帯に入る。ここから登り始めの登山道は整備中で、何人かの作業員が真新しい丸太を埋め込んだ階段を設置していた。ぬかるんでいるから、泥々になりながらの作業。ごくろうさまです。

10:15天狗平。急劇にガスってきて、青空終了。何てことだ。ちょっと休んで山頂へ向かうと、何組かのパーティと遭遇。平日だというのに。さすがは人気の山!

栗駒山頂には10:40到着。残念ながら、ガスって白いママ。行動食として持ってきたバームクーヘンを食べながら、一瞬でも晴れてこないかと期待したがダメだった。

004img_4053_2  08img_4058

10:55あきらめて下山開始。

09img_4060 登山道にはあいも変わらず水、水、水

下山してからの昼食を予定していたので、休憩なしでさくさく下りる。産沼は11:30通過。

10img_4064 産沼にはすすきが。ちょっと秋の気配

湿原まで下ると、毎年この時期に来ているという単独行のおじいさんに会う。去年来たときは、きれいに紅葉していたけど、上のほうはどうかね? 全然ですよと答えると、ちょっとがっかりしたようで、今日は曇っているし、上に行くのは明日だから……と言い残して去っていった。

11img_4075

下山は、12:40。だいぶ遅くなってしまった。食堂で昼飯にする。山の神は温かいなめこそば¥650、私はざるそばと稲荷のセット¥800。

本日の泊まりは鳴子温泉。でも岩手・宮城内陸地震の影響で崩れた道がまだ開通しておらず(なんと翌18日が開通だった)、山のほうを迂回していくことに。でも災い転じて福となすで、黒基調の建物で味わいのある山間の秘湯泥湯や河原毛地獄を見られた。

12img_4076 河原毛地獄

ただし、この泥湯への道では2つハプニングがあった。泥湯に通じる唯一のこの狭い林道で工事をしていた。一本道だから通行止めにできないのだろう。工事車両と幅ギリギリですれ違った。もう一つは、脱輪騒ぎ。おそらくすれ違いに失敗し、蓋のない側溝にはまったのだろう。既にいた他のドライバーとともに、島根ナンバーの車の脱出のお手伝いをした。貴重な体験? 鳴子温泉にはほぼ予定どおり、15:30頃到着。平日の格安プランで前日に予約しておいた、名湯・秘湯・うなぎ湯の宿 琢�魅(たくひで)にチェックイン。お肌がうなぎのようにつるつるになる極楽の湯で、山の神もご満悦だった。

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焼石岳 つぶ沼コース

2010-09-23 | 山行~東北

標高 1548m 岩手・秋田県境

2010年9月15日(水) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム つぶ沼駐車場6:33--7:25ブナ樹林帯休憩7:35--8:33石沼上部8:43--(9:20中沼分岐)--9:45銀明水10:05--11:35焼石岳山頂(昼食)12:20--13:25銀明水13:40--15:00胆沢ダム工事が見える開けたところ15:10--16:05つぶ沼駐車場

前日早池峰山に登って、北上のビジネスホテル、南部ホテルに移動。素泊まり。じゃらんのポイント使ってツイン¥7,290。コインランドリー洗濯¥300、乾燥¥300があって、利用可能。ただし洗濯機、乾燥機は各1台しかない。

9月15日は4:00起き。コンビニで朝食と昼食を買出し。がらがらの国道4号、397号を走って、つぶ沼の駐車場へ。駐車場には先着様1台。でも登山者ではなかった。日の出とともに去っていった。ご来光目当て? ここから建設中の胆沢ダムがよく見え、雲海が遠くに見えていた。

01img_3939 02img_3940
左:駐車場。かなりでかい。建物はトイレ 右:道はさんで反対側のキャンプ場。テントなし

日の出前の暗さは、熊出没注意の不気味な看板を異様に印象づける。つぶ沼からの妖気そして人気(ひとけ)のなさがさらに不気味さを増幅している。完全に明るくなってから朝食にし、駐車場内にある比較的きれいなトイレを使用。6:33駐車場を後にする。

胆沢ダム工事の作業員が続々とバスやワゴン車でやってくる。それを尻目に国道を渡ったところにある登山口から山に入る。森の中に入ると、日は出ているのに、暗い。限りなく暗い。どうしようもなく暗い。ブナの鬱蒼とした森だ。

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左:国道397号沿いの登山口 右:日が差し込んでこない登山道

しばらく行くと、ぬかるみの世界が待っていた。スパッツは必携だ。昨日までの雨が元々ぬかるみのある登山道をさらに悪化させている。足元が悪いと時間がかかる。7:25ブナの樹林帯で休憩。歩いても歩いてもぬかるみから抜け出せない。さらに、追い討ちをかけるようにやぶっぽいところがあって忍耐を要する。

002img_3956 石沼

右斜面が崩落している箇所に出ると、すぐに石沼が現れる。湖岸は、一見工事現場のように見えるが、よく見るとそうではない。水は青く澄んでいてきれいだ。焼石の稜線も見え、アルペンムードは盛り上がる。この石沼上部で一休み。8:33

001img_3955 焼石稜線

ここからちょっとした上りになる。中沼分岐に着いてみると、中沼方面への道はやぶで覆われていた。2年前の岩手・宮城内陸地震で林道が崩壊し、いまだ中沼登山口が使えないせいだろう。歩かれない道は消滅していくのだ。

08img_3962 07img_3961 09img_3963 10img_3968
銀明水のわれわれの座ったベンチの上にはナナカマドがあった

銀明水には9:45到着。ちょっとした広場でくつろげる。涼しくて快適。銀明水のベンチから2、3分のところには避難小屋がある。表示が何もないが、入り口っぽい石段を上がるとすぐだ。まだ新しい清潔な小屋で、バイオトイレがある。銀明水でもたもたして、10:05出発。

木道を歩いていくと、いっきに開け、涼しい風が吹き抜けていく。左手に湿原そして横岳、右手に下界が一望できる。ちょっとした滝も登場。

003img_3969

このあたりは高山植物の宝庫。オヤマリンドウはこれでもかと登山道沿いに咲いていた。

11img_3974 巨大に成長していたオヤマリンドウ

姥石平で東焼石岳への分岐が出てくる。

13img_3984 岩がごろごろしている

さらに進むと泉水沼。ベンチが置かれていて、ここで昼食にしようかと山の神に提案すると、予定より時間がかかっているから、早く山頂へと急かされる。風も強くなってきて、先を急ぐ。

004img_3987 泉水沼

焼石岳山頂は、11:35到着。誰もいない。下から見上げたときに動いていた白い人影2つは、すでに下山開始していて、登山道を歩いている姿が見えた。山頂からの眺望は最高。日本海側には、雄雄しい鳥海山の姿が。南本内岳方面や東焼石も見渡せる。

14img_3992 005img_3995_5
左:鳥海山のシルエット

006img_3999 南本内岳方面

風があまり来ない山頂の端で昼食を早めに済ませる。腰を上げた頃に、地元の年配の登山者が一人上がってきた。つぶ沼からは長いから最近は歩く人は少ないねえという。たしかに誰にも会わなかった。平日だしね。このおじさんは、最短コースをとり、秋田側から登って来たという。途中で松本や大阪から来た人とすれ違ったとも。秋田側コースのほうが今や一般的なのかもしれない。

15img_4000 焼石を振り返る。ついさっきまで青空だったのに

12:20下山開始。おじさんが現れたときにすでに、下のほうからガスがやってきていて、山頂を覆い始めていたが、もうあたりは真っ白だ。あとはピストンなので、ひたすら駐車場に向けて足を運ぶのみ。

13:25銀明水。なぜか人影。避難小屋泊まりなのかと一瞬思ったが、明日は予報では雨。なぜ? 山頂までどれくらいかかりますかと年配の夫婦に聞かれる。結局その夫婦は登山続行を断念してわれわれの後から下山してきた。

007img_4010_3 06img_3951
右:朝撮影の雲海。ここで休憩をとる

登り時には、泥道オンパレードだったが、ぬかるみの程度はだいぶやわらいでいる(写真左)。比較的順調に下るが、休憩なしでどんどん下りたため、山の神がギブアップ。朝雲海が見えていたところで腰を下ろす。15:00

そこからいっきにつぶ沼まで下りた。16:05着。久々に長い山行だった。
駐車場には、ここで車中泊して明朝焼石に登るという大阪から来た単独行の人がいた。百名山は制覇して、今二百名山狙いだと。でも明日は天気崩れるけどなあ。

本日の泊まりは焼石クアパークひめかゆ。素泊まり8畳間で1人¥4,650。6畳間はもっと安い。温泉浸かって、食堂でカツカレーとビールを頼む。高カロリーメニューで食べすぎ! ここは日帰り湯もやっていて¥500。地元の人の利用が多いようだ。

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早池峰山

2010-09-20 | 山行~東北

標高1914m 岩手県

2010年9月14日(火) 晴れ

メンバー 山の神と私

コースタイム 河原坊駐車場8:17--(9:05小田越)--9:30一合目(森林限界の岩場)9:40--10:28五合目御金蔵10:38--11:15早池峰山山頂(昼食)12:05--13:13一合目13:29--14:09河原坊駐車場

前々日に東京から一路岩手県に入る。予報どおり雨模様なので、花巻の宮沢賢治記念館遠野市立博物館を見物。翌日もくもりで、午前中は遠野を観光してまったり。遠野は昔から三陸側と内陸の盆地とを結ぶ交通の要衝として栄えていたようで、海のもの、山のものが集まってくる。ここでおいしいものを食べて、翌日河原坊キャンプ場かうすゆき山荘に泊まろうと画策していた。遠野の宿は、くら乃屋。平日でわれわれだけの宿泊。昨年開業の新しい建物は快適だった。1泊朝食付の風呂付部屋で¥6,500

9月13日午後遠野の市街地から河原坊に移動。1時間15分くらいで到着。信号がほとんどないので早い。市内はくもりであったが、山のほうに上がっていくと、霧雨。キャンプ場泊まりは断念して、避難小屋のうすゆき山荘にその日の宿を決める。

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うすゆき山荘泊まりは、われわれだけでわが別荘のように使えたが、夜はさびしかった。トイレは別棟で、行くたびに熊が出ないか、びくびくして行った。水は沢からとっていて煮沸しないと飲めない。

翌朝5時頃に目を覚まし、外に出ると、うすぐもり。天気は回復基調だから、いっきに雲がとれると踏んでいたが、霧雨になる。食事をすませ、7:30河原坊の駐車場に行って待機。しばらくして、隣に駐車した年配の3人組が登山の身支度を始めた。霧雨がつづくが、隣の動きに触発されて、われわれも重い腰をあげて準備にとりかかる。そのうちに雲が切れて青空がのぞいた。合羽を着て、8:17出発。

02img_3898  03img_3899
左:河原坊の休憩所。道をはさんで駐車場とトイレがある。右:フツーはここから登り、小田越に下る

前日雨が降っていたので、沢の渡渉があるコメガモリ沢の登山道はパスして、小田越に向かう。舗装された狭い林道を登る。途中で完全に雨があがり、青空になる。合羽を脱いで、身軽に。9:05小田越の登山口に到着。

04img_3901  05img_3905

ご立派な登山口の碑がある。入るとすぐに木道。晴れてよかった、ラッキーと言い募りながら、緩やかな登りをあがっていくと、森林限界を越える。9:30に一合目の碑が出てきて、そこで休憩する。

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見上げると、蛇紋岩の岩、岩、岩。

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振り返ると、薬師岳

蛇紋岩は、尾瀬の至仏山でいやというほどすべりまくった記憶があり、さらに悪いことに雨上がり直後だから余計にすべると思い込んでいたが、そんなことは微塵もなく、まったくの杞憂だった。なぜかただの岩と同じ。さくさくと登れた。しばらくすると、9月だというのに高山植物の花がまだ咲いているのに出くわした。花は全然ないと思っていたから驚き。でもよく見ると、元気のない花。もう終わりだね。

 

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左:ハヤチネウスユキソウ 右:ナンブトラノオ

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赤っぽくみえるのは、ナンブトウウチソウの大群落

五合目には10:28着。岩が蔵のように折り重なっている。それで御金蔵なのだろう。

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岩の道を上がっていくと、最大の難所のはしご。とはいえ、普通の体力があれば、なんてことはない。山の神も難なく、クリア。

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さすが百名山だけあって、登山口の届け書によると、天候をものともせず昨日の雨天時にも登っている人がいるし、この日も平日だというのにだいぶすれ違った。はしごを乗り越えていくと、老夫婦と息子の3人パーティと出会った。おばあちゃんはさっそく岩手弁で話しかけてきた。どっちに下んの? 向こうはおっかねえ、やめたほうがええ。こんてにきついところに息子に連れてこられて、危なく殺されるとこだ。
おばあちゃん、お元気で!でも、はしごは大丈夫だったのだろうか。

10img_3926 山頂手前の木道

早池峰山山頂には、11:15到着。先着のおじさんによると、祠のうしろにオコジョがいたらしいが、もう姿は見えない。北アルプスで一度しか見かけたことがない小動物。あのかわいらしい姿を再び見たかったが、まったく気配なしだった。

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山頂からの眺め。左端赤く見えるのは避難小屋の屋根

祠の裏側の岩場でカップめんを食べ、12:05山頂を後に。下山はピストンで元来た道をたどる。日差しが照りつけ暑い。

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13:13一合目で再び休憩し、駐車場へ。14:09河原坊駐車場に到着した。

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