『オランダ人「慰安婦」ジャンの物語』と『母と子のナチ強制収容所』
『オランダ人「慰安婦」ジャンの物語』(1999年、ジャン・ラフ=オハーン著)
石川県立図書館の蔵書検索で、1999年に『オランダ人「慰安婦」ジャンの物語』(ジャン・ラフ=オハーン著)が出版されていることを知った。スマラン性奴隷事件に関する「バタビア戦犯裁判資料」と重ね合わせて読んだ。
著者の幼少時、オランダがインドネシアを植民地として支配していた頃から物語が始まる。著者は植民者の家族として、豊かな生活を享受していたが、日本との戦争が始まり、インドネシアの宗主権を奪われ、抑留所生活を余儀なくされた。(著者にはオランダによるインドネシア植民地支配にたいする負の意識が見られない。)
著者は1992年に金学順さんが日本軍「慰安婦」政策を告発したことに衝撃を受け、ヨーロッパの女性による支援が必要だとして、名乗り出る決心をした。
1992年12月9日の国際公聴会に出席するために、日本に向かう飛行機の中で、日本人の声を聞き、全身に震えが走り、レストランの日本人店主を見て、当時の日本軍人にたいする恐怖がはい上がってきたと語っている。50年を過ぎても、日本政府の謝罪がなく、癒えない心の傷を抱えて生きてきたのだ。
抑留所から強制的に慰安所に連行され、日本軍のための性奴隷(「慰安婦」)を強制された事実関係については、すでに当ブログで資料の一端を紹介しているので、見てほしい。
『母と子のナチ強制収容所』(1989年、シャルロッテ・ミュラー著)
インドネシアにおけるオランダ人収容所の問題について、ドイツの経験から学ぶことにした。20代前半に『夜と霧』(フランクル著)読み、40年後の老人の域に達してしまった私が、今、本書をひらいて、あらためて20世紀に抱えていた人類の危機を再確認した。そして、私達は、はたしてこの危機を乗り越え、21世紀を生きているのだろうかと問うとき、『否』という答が待っている。
アンネ・フランク関係の著書が焚書にあい、在特会などの排外主義が蔓延し、安倍や橋下の極右政治家が大手を振っている。安倍政権は「河野談話」を修正しようとしているが、真実は一つである。来年は戦後70年であり、歴史修正を打ち砕く年にしなければならない。
なお、2002年に、若者のために『夜と霧 新版』(池田香代子訳、みすず書房)が出版されており、ぜひとも読んでいただきたい。
『オランダ人「慰安婦」ジャンの物語』(1999年、ジャン・ラフ=オハーン著)
石川県立図書館の蔵書検索で、1999年に『オランダ人「慰安婦」ジャンの物語』(ジャン・ラフ=オハーン著)が出版されていることを知った。スマラン性奴隷事件に関する「バタビア戦犯裁判資料」と重ね合わせて読んだ。
著者の幼少時、オランダがインドネシアを植民地として支配していた頃から物語が始まる。著者は植民者の家族として、豊かな生活を享受していたが、日本との戦争が始まり、インドネシアの宗主権を奪われ、抑留所生活を余儀なくされた。(著者にはオランダによるインドネシア植民地支配にたいする負の意識が見られない。)
著者は1992年に金学順さんが日本軍「慰安婦」政策を告発したことに衝撃を受け、ヨーロッパの女性による支援が必要だとして、名乗り出る決心をした。
1992年12月9日の国際公聴会に出席するために、日本に向かう飛行機の中で、日本人の声を聞き、全身に震えが走り、レストランの日本人店主を見て、当時の日本軍人にたいする恐怖がはい上がってきたと語っている。50年を過ぎても、日本政府の謝罪がなく、癒えない心の傷を抱えて生きてきたのだ。
抑留所から強制的に慰安所に連行され、日本軍のための性奴隷(「慰安婦」)を強制された事実関係については、すでに当ブログで資料の一端を紹介しているので、見てほしい。
『母と子のナチ強制収容所』(1989年、シャルロッテ・ミュラー著)
インドネシアにおけるオランダ人収容所の問題について、ドイツの経験から学ぶことにした。20代前半に『夜と霧』(フランクル著)読み、40年後の老人の域に達してしまった私が、今、本書をひらいて、あらためて20世紀に抱えていた人類の危機を再確認した。そして、私達は、はたしてこの危機を乗り越え、21世紀を生きているのだろうかと問うとき、『否』という答が待っている。
アンネ・フランク関係の著書が焚書にあい、在特会などの排外主義が蔓延し、安倍や橋下の極右政治家が大手を振っている。安倍政権は「河野談話」を修正しようとしているが、真実は一つである。来年は戦後70年であり、歴史修正を打ち砕く年にしなければならない。
なお、2002年に、若者のために『夜と霧 新版』(池田香代子訳、みすず書房)が出版されており、ぜひとも読んでいただきたい。