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アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

20211217 堀辰雄『風立ちぬ』を読む

2021年12月17日 | 読書
堀辰雄『風立ちぬ』を読む  月1回の風変わりな学習会があり、そこでは、参加者の関心ごとや、読んだ本についてレポートし、ワイワイ、ガヤガヤと討論する場である。ずいぶん長くつづいているが、私は5年ほど前に大串龍一さんに誘われて、顔を出すようになった。  先日は、堀辰雄の『風立ちぬ』が俎上にのせられたが、一読して、性愛の物語であり、私には気乗りのするテーマではなかった。それでも、議論に参加するためには . . . 本文を読む
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20211201 『タリバン復権の真実』(中田考著)の感想

2021年12月02日 | 読書
『タリバン復権の真実』(中田考著)の感想 【はじめに】  2021年8月15日にタリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧したと報じられてから、タリバン=悪者論がマスコミを覆い、違和感を感じていたところに、『北陸中日新聞』読書欄に『タリバン復権の真実』(中田考著)の書評が載り、購入して読んだ。  マスコミの論調は、「タリバン=諸悪の根源」であり、8月18日付け『北陸中日新聞』では「アフガン留 . . . 本文を読む
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20211018『きみが死んだあとで』

2021年10月20日 | 読書
20211018『きみが死んだあとで』  標題が気に入らない。私たちの目の前で撲殺された山崎君が、「死んだ」などと、空言のように表現してほしくないのである。もしも、私に、山崎君ほどの勇気があれば、装甲車の向こう側に行き、私こそが山崎君であったはずだ。  山崎君が殺されたという事実を知ったのはいつの時点だったのだろうか、弁天橋で怒りがこみ上げたという記憶もなく、放水でずぶ濡れのまま、法政大学に引 . . . 本文を読む
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20210805『美しき愚かものたちのタブロー』(原田マハ著2019年)

2021年08月06日 | 読書
『美しき愚かものたちのタブロー』(原田マハ著2019年)  原田マハの『美しき愚かものたちのタブロー』を読む機会があった。松方幸次郎の美術品収集に関するお話である。結局は「松方偉人伝」であり、まあ「八田與一物語」と似たようなものだ。松方は美術品を収集したこと、八田はダム建設の責任者だったこと、その歴史的背景や、歴史的責任を捨象して、偉人伝を構成している。  松方は徳川 . . . 本文を読む
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20210729高橋真樹著『日本のSDGs―それってホントにサステナブル?』を読む

2021年07月29日 | 読書
SDGsの欺瞞性  最近、「SDGs」という標語があふれており、高橋真樹著『日本のSDGs―それってホントにサステナブル?』(2021年)を読んでいる。 17のゴール  SDGsとは「持続可能な開発目標(サステナブル デベロップメント ゴールズ)」のことであり、なんとなく気象変動や環境問題に関する標語だと思っていたが、SDGsが掲げる「17のゴール」には、「【人間】①貧困をなくそう、②飢餓をゼ . . . 本文を読む
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20210724 『華僑二世徐翠珍的在日』(徐翠珍著2020年発行)

2021年07月25日 | 読書
『華僑二世徐翠珍的在日』(徐翠珍著2020年発行)  新聞もテレビも五輪に占領され、1年ほど「積ん読」状態だった『華僑二世徐翠珍的在日』を読んでいる。私も著者徐翠珍さんと同年生まれ、同じ時間を生きてきたが、…。 徐さんの母  徐さんの母は1912年に上海(屈家橋村)で生まれ、7歳のときに、製糸工場の童工(トンコン=児童労働者)として働き始め、20年間働き通した。1920年代には、「満州」や上海 . . . 本文を読む
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20210327 『レイシズムとは何か』(梁英聖著2020.11)

2021年03月28日 | 読書
20210327 『レイシズムとは何か』(梁英聖著2020.11)  『北陸中日新聞』紙上で、斉藤美奈子さんが表記の本を紹介しており、石川県立図書館から借り受けて読んだ。「はじめに」には、本書の執筆目的を、「差別する権利・自由を否定する反レイシズム規範を日本社会でどのように打ち立てたらよいか」としており、私の問題意識と一致したからである。  昨年、ナショナリズムについてレポートしたこともあり、 . . . 本文を読む
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20210218 読書メモ『99%のためのフェミニズム宣言』

2021年02月19日 | 読書
20210218 読書メモ『99%のためのフェミニズム宣言』 人文書院 2400円+税 シンジア・アルッザ、ティティ・バタチャーリャ、ナンシー・フレイザー共著 惠愛由 訳  表題の本は2019年に出版され、2020年秋に日本語訳され、すでに25カ国語に訳され、世界中で読まれている。  本書(『宣言』)は体制内的なフェミニズム批判から始めている。それは、企業フェミニズム、リベラルフェミ . . . 本文を読む
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20200202 篠弘『戦争と歌人たち―ここにも抵抗があった』

2021年02月04日 | 読書
20210202 篠弘『戦争と歌人たち―ここにも抵抗があった』  昨年12月、『北陸中日新聞』に表記の本の紹介があり、石川県立図書館にリクエストした。1万円(+税)という高額であり、またあまり読まれそうにもない本なので、却下かと思っていたが、豈図らんや、1月下旬に「購入」の知らせが届き、粗々と読んでいる。  700ページ近くの膨大な本で、と書き綴られている。  「第3部 弾圧された運動体」の第1 . . . 本文を読む
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20201001 論考『21世紀の日本ナショナリズム』(抄)

2020年10月03日 | 読書
20201001 論考『21世紀の日本ナショナリズム』(抄) 【X】敗戦と占領で失ったもの  本論考の目的は21世紀現代の日本ナショナリズムの姿を明らかにすることにある。  前稿では、天皇制ナショナリズムの形成(明治期)から、戦時ナショナリズムとその瓦解までを考察したが、本論考では、敗戦と占領による天皇制ナショナリズム瓦解後の再生過程(高度経済成長期~)と攻めぎ合い、そして21世紀現在の日本ナシ . . . 本文を読む
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