島田清次郎「仏蘭西社会運動慨勢」短評
原稿「仏蘭西社会運動慨勢」は強制入院中に亡くなった島清から遺族に引き渡された遺品や他の原稿類のなかに入っていたから、1924年強制入院後の執筆として扱われてきたが、内容を精査すると、論中に「C.G.Tは今春決然分裂するの已むなきに至った」と書かれており、「今春」とは1922年春のことである。したがって、書かれた時期は1922年である。
島清は1922年 . . . 本文を読む
島清が語る「舟木事件」について
島清の『雑記帳』(100ページ)の活字化作業も終盤にかかっている。その過程で、島清の遺品のなかにある『フランス社会運動慨勢』(原稿用紙3枚)を閲覧し、読んでいるが、後日報告したい。
ところで、先日、知人のKさんから1924年2月11日付けの舟木芳江にあてた島清の手紙(2枚中の1枚)のコピーを入手した。この手紙は徳富蘇峰から明翫外次郎に、そして小林輝冶さんにわた . . . 本文を読む
石川近代文学館に、島田清次郎(島清)の遺品として100ページほどのノート(『雑記帳』と呼ぶ)が遺されている。2018年12月に閲覧して、これは島清の実像を明らかにする重要な資料だと確信し、2019年1月から学芸員の協力を得て、解読・活字化作業に取り組んでいる。 . . . 本文を読む
20190120島清書籍の落書き
国立国会図書館デジタルコレクションの『大望』、『地上』第1部、『地上』第2部、『革命前後』(帝王者)、『閃光雑記』を見ると、
余白には、さまざまな落書きが記されている。島清と同時代を生きた人たちの息遣いを感じる。
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『大望』(1920年)落書き
002 島清君よ最後まで大河平一郎の心を持ちつづ . . . 本文を読む
泉鏡花『妖剣紀聞』について考える
とある会合で、泉鏡花の『妖剣紀聞』(1920年)についての学習会があり、その後、ちょっと、いや、かなり気になって、『鏡花全集別巻』を借りてきて、『妖剣紀聞』全文を読みました。いくつか気になることがあり、整理しています。辞書によると、「紀聞」とは「聞いた事を書くこと。聞き書き」とあります。
文中には身分などに関する卑称・賎称を用いていますが、歴史的用語として使 . . . 本文を読む
<7>差別に向きあう島清、①差別にたいする態度、②女性差別にたいする態度、③朝鮮植民地支配にたいする態度、<8>新芽はすでに土を破ろうとしている、①島清文学碑(美川平加町)、②島清追慕碑(小川町)、③プロレタリア文学として(おわり) . . . 本文を読む
『地上』をはじめとした島清作品のなかで展開されている資本主義批判・社会主義論(思想、哲学)について再確認し、さらにそれがマルクス主義なのか、国家社会主義なのか、ブルジョア人道主義なのか . . . 本文を読む