フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

8月6日

2014年08月06日 06時27分44秒 | 日記
2002年8月6日。
あの時、私はその場に立っている、ということだけで十分だった気がする。遠いと思っていた地、遠いと思っていたイベントに立っている、それだけだった。
だから細かいことは正直分からなかった。なぜ無料なのか、なぜこの日なのか、大切な人の笑顔を思い浮かべる意味は。
はっきり言えば今だって正確なことは分からない。自分なりに思うことはあるが、それが本当に主催者が伝えたかったものなのか。正確には分からない。
2006年にさださんが8月6日に長崎で歌うことをやめてから、それでも翌年の8月6日の稲佐山で誰かが歌うことがやむことはなかった。私は当日長崎にいたが感想はたった一つ。
「安易に後追いしても仕方ないよ」
私と同じようにそう思った人も多いはず。でなければ後継イベントにはもう少し人が来ても良かったはずだ。
そのあと、件の後継イベントに魅せられた私からすれば、そういう感想には我ながら憤懣やるかたないが、出演者の知名度を考えれば、これはまあやむを得ないとは言える。責めることはできない。
ただ、少なくとも私は、「夏 長崎から」の後継イベントたる「夏 まだまだ長崎から」を見ることによって8月6日に長崎でイベントが行われる、ということの意義が自分なりに見えたような気がする。たくさんのお客さんの影になって見えなかったものが、お世辞にも人の多くない客席の芝生になって初めて見えたような感覚。だからこそ私は「夏 まだまだ長崎から」が愛おしかった。このイベントが複数回開催されることに感謝しながら、会場でリンガーハットの焼きそばとキュウリの浅漬けをツマミに呑むビールはこの上なく美味しかったなあ。

「夏 まだまだ長崎から」はさださんが再び稲佐山で歌う、ということで、実質それに席を譲る形で終了した。おおよそ考えられうる限り理想的ともいえる形で幕を閉じた。それに合わせたというわけでもないのだが、足かけ11年通った8月6日の長崎に、私も行かなくなった。時は流れ、状況は変わっている。
だが、変わらないものはある。今週末、「夏 まだまだ長崎から」主宰の川田金太郎さんはさださんと酒でも酌み交わすんだろう。海に落ちる夕日は相変わらずため息が出るほど美しいんだろう。
そして8月6日、野外ステージではないものの、稲佐山展望台のホールにて稲山訓央さんの奏でるのこぎりの音色が流れる。今年も8月6日の稲佐山は音楽と共にある。

それは、私にとっては、とても嬉しいことなのである。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ウクレレを買ってみたいかな... | トップ | 40年連続40回目 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事