帰りますよっ!
今は束の間の休み時間というか、これからガッツで遣り抜きますね。
■Easy Lover / Philip Bailey with Phil Collins (Columbia / CBSソニー)
世の中、様々な「つきあい」や「しがらみ」が避けられない以上、その良し悪しを形成する要素のひとつが「相性」ってやつかもしれません。
特に相手やその対象を「気に入らない」という理由が自分でも明確になっていない場合には、「相性が悪いんだよなぁ……」という逃げ口上が用意出来るあたりは、なかなかに便利な用語になりましょうか。
さて、それに事寄せれば、サイケおやじの音楽趣味に「相性」の良くないミュージシャンのひとりがフィル・コリンズです。
説明不要かと思いますが、フィル・コリンズはジェネシスというプログレバンドのドラマー兼ボーカリストであり、何が売れるかを狙えるプロデューサーでもあり、さらには俳優としても子役時代から有名らしく、まさに芸能界の万能選手と言ってしまえば語弊もあるんでしょうが、とにかくサイケおやじはそ~ゆ~実績云々は別にして、まずはフィル・コリンズのドラミングが好きではありません。
そりゃ~、パワフルな音圧は伝わってくるし、きっちり凄いテクニックもあると言われていますが、個人的にはどうにも潔くない感じが???
それとプロデューサーとしても、例えばエリック・クラプトンをシンセ塗れにした前科(?)が許せないという事もあります。
ただし、そんな諸々は、繰り返しますが、結局はサイケおやじと「相性が悪い」という一言で決着が!?
さて、しかしそんな中、例外的に大好きになったのが本日掲載のシングル盤A面曲「Easy Lover」であります♪♪~♪
もちろん、これはアース・ウインド&ファイアー=EW&Fの看板スタアであるフィリップ・ベイリーがソロ名義で1984年に出したメガヒットで、そのメリハリの効いたソウルグルーヴとポップなメロディ、さらにはヘビメタ系ギターソロも唸りをあげるという、まさにロッキンソウルな傑作という中にあって、フィル・コリンズは主役のフィリップ・ベイリーとボーカルパートを分け合い、曲作りにも関わった他にドカドカバッス~~ンっなドラムスまでもやってしまったんですから、いゃ~、もう、これが好きになっているサイケおやじは自己矛盾に苦しむ間もないほどの歓喜悶絶ですよ♪♪~♪
もしかしたら、この曲、このトラックにはフィル・コリンズのドラミングが必要十分条件なんでしょうか?
だとしたら、虚心坦懐に楽しまなければならないんでしょうねぇ~、フィル・コリンズの音楽を……。
ちなみにフィル・コリンズは黒人ポップスというか、モータウンサウンドにも色目(?)を使い、自らそんなカバーヒットを飛ばしていましたが、実はそれすらもサイケおやじは好きになれないのですから、う~ん、この「Easy Lover」は完全なる大例外というわけです。
ということで、常日頃から独断と偏見に満ちた拙ブログにおいてさえ、好きになれないミュージシャンについて書く事はそれほど多くはないと思っているんですが、特に悪口を並べ立てるという趣旨はありません。
ただ、ど~してフィル・コリンズが大きく関与した「Easy Lover」が好きなのか?
というよりも、とにかくフィリップ・ベイリーの「Easy Lover」が最高に好きという正直な気持ちの中に、フィル・コリンズという異分子の存在に不条理を覚えているだけの話です。
そして「相性」という不思議について、あれこれと思索した挙句とご理解いただければ幸いでございます。
仕事とはいえ、こんな場所をウロウロ(?)している……。
何かあったら!?
と、思っています。
通信状況も悪いしなぁ……。
今日は、これで失礼させていただきます。
昨夜から長距離移動しています。
もうすぐ到着とはいえ、ちょっと右足がツッて、コムラガエリ状態……。
本日の1枚の休載、そしてコメントへのお返事の遅れ、ご容赦下さい。
失礼致しました。
■The Real Elvis / Elvis Presley (RCA)
A-1 冷たくしないで / Don't Be Cruel
A-2 I Want You, I Need You, I Love You
B-1 Hound Dog
B-2 My Baby Left Me
好き嫌いは別にして、音楽や社会文化的な観点からだけでも、エルヴィス・プレスリーの偉大さ、凄さを否定するなんて事は出来ないでしょう。
極言すれば、今日のロックに繋がるロックロールという白人音楽は、エルヴィス・プレスリーが登場しなければ、決して出来上がらず、また定着もしなかったと思います。
しかし、そんな事を言い放つサイケおやじは、当然ながらエルヴィス・プレスリーが世界中に衝撃を与えた1950年代中頃の大ブレイク時をリアルタイムで知っているわけではありません。
恐らくは失笑されるにちがいない個人的体験の中でのエルヴィス・プレスリーは、街頭に貼られていた映画ポスターの中のスタアであり、少年期のサイケおやじは、この偉人を小林旭みたいな人かと思い込んでいたんですよ。
もちろん、この書き方は小林旭を軽んじているわけではなく、次元の異なる凄さが両者にはあるという事で、比較出来るはずもない強い存在感が偶然(?)にも映画という媒体によって、サイケおやじの前に提示されただけの事です。
で、そんな言い訳よりも認めざるをえないのが、ボーカリストとしてのエルヴィス・プレスリーが持ち前の「深い」声質から滲ませる特有のグルーヴ感でありまして、それは所謂「黒っぽい」フィーリングであると同時に、感傷的な気分も自然体としか思えない雰囲気で表現してしまう、そうした天性の才能でありましょうか。
エルヴィス・プレスリーが我々に残してくれたレコードの数々には、全てそうした魅力が詰まっていると断じてみれば、今年になってゴッサムシティでゲットしてきた掲載の4曲入りEP盤も、これが世に出た1956年から今日まで、リスナーをシビレさせ続けてきた宝物にちがいありません。
まずは何と言ってもド頭に収録された「冷たくしないで / Don't Be Cruel」こそが、まさに白人ロケンロールの完成形とも言うべき大傑作で、軽快なビートと調子の良い合の手バックコーラスを従えたエルヴィス・プレスリーのグイノリボーカルが実に痛快ですよねぇ~~♪
しかも要所でキメる独特のタメは、まさにナチュラルな名人芸でしょう。
それは強いグルーヴを発散する「Hound Dog」においても同様で、しかも当時としては白人がここまでエグ味を出してしまう節回しなんて、如何にも黒過ぎてアメリカの一般社会からは忌避されたという推察も今や伝説!?
若者を狂熱させるところは白人だからこそのギリギリの選択というか、素晴らしいとは分かっていても堂々と認めるわけにはいかなかった黒人音楽を公平に分け与えてくれるエルヴィス・プレスリーに対する感謝の気持ちの表れというコジツケも!?
ちなみに「Hound Dog」と「冷たくしないで / Don't Be Cruel」の初出は共にシングル盤の裏表に入れられ、1956年の夏に両面大ヒットになっていたんですから、その勢いは「飛ぶ鳥」だったわけですが、やはりその前作シングルとして発売されたのが「I Want You, I Need You, I Love You」と「My Baby Left Me」のカップリングであった事も認めざるをえません。
特に情熱的なバラードソングの「I Want You, I Need You, I Love You」は、白人C&Wと黒人R&Bが最良の形で融合したとしか思えない傑作で、楽曲そのものは普通っぽいポップス歌謡になってしまいそうなところが、エルヴィス・プレスリーだけの節回しが全開すれば、ここまでグルーヴィに仕上がってしまうという典型的な例かと思うばかり!
当然ながらエルヴィス・プレスリーに肖ろうと他の歌手によるカバーレコーディグも聞いたことがありますが、その規範は全てがエルヴィス・プレスリーであって、例えば我が国では内山田洋とクール・ファイブが「夢待ち人」の邦題による日本語バージョンを出していますので、前川清のリードボーカルからは、やはりエルヴィス・プレスリーが滲んでしまういうあたりは妙に嬉しくなりますよ。
また「My Baby Left Me」はCCRでもお馴染みのカバーが作られているほど、このエルヴィス・プレスリーのバージョンにおけるドラムスとベースのコンビネーションが鮮やかな演奏パート、そして威風堂々のソウル&カントリーなスタイルのボーカルを披露するエルヴィス・プレスリーは最高♪♪~♪
ということで、書き遅れてしまいましたが、このブツは4曲入りEPとはいっても、我が国の同形態である所謂コンパクト盤とは異なり、きっちり「45回転」仕様なので、アメリカプレスに特徴的な音圧の高さが、これまた素晴らしいですっ!
うむ、こういうレコードの溝を抉るような音の迫力って、現代の最新デジタル技術でも再現は難しいかもしれませんねぇ~~。
■恋はみずいろ / Claudine Longet (A&M / キングレコード)
冬だというのに暖かいとなれば、本来は涼しさを求めて聴くのが常套の歌や演奏だって、今の時期に聴くのは決して悪い事ではありません。
いやいや、そんな言い訳を弄するまでもなく、お気に入りの素敵な音楽は何時如何なる場合に聴いたって、それはそれは至福が約束されるはずですよねぇ~~♪
そこで本日は、ちょいと場違いという皆様には、あえてサイケおやじの天邪鬼を提示するかのようなご紹介ではありますが、永遠のフェミニンボイスというか、あるいはロリータボイスとでも申しましょうか、例えぶりっ子歌唱と呼ばれようとも不滅のクロディーヌ・ロンジェであります。
ご存じのとおり、彼女はフランス人であり、ダンサーとしてアメリカはラスベガスで働いていた時に有名歌手のアンディ・ウィリアムズから寵愛されて以降、広くメジャーな芸能活動が出来るようになったという流れの中、ちょうどA&Mレーベルを発足させたばかりのハープ・アルパートに誘われてレコードデビュー♪♪~♪
もちろんその内容は彼女の声質を活かしたソフトロックやボサロックを包括したイージーリスニング系のボーカル作品であり、そこには「歌」ばかりではなく、楽曲アレンジや演奏までも同等に楽しめるというナチュラルな心地良さがいっぱい♪♪~♪
ですから、本当に耳触りの良いサウンドに満ちたクロディーヌ・ロンジェのレコードは、そのまんまオシャレなアイテムの代名詞になったわけですが、そういうものが嫌いな人達にとっては、なかなかイヤミの標的でもあった気がします。
つまり、彼女の歌や存在そのものを否定することが、ある意味では硬派の証明だった時期が確かにあったようにサイケおやじは思うんですよ。
それは例えば掲載のシングル盤A面曲「恋はみずいろ / L'amour est bleu」にしても周知のとおり、楽曲そのものはアンドレ・ポップが書いたフレンチポップスの有名なメロディがポール・モーリアのオーケストラバージョン、あるいはピエール・クールの作詞によるヴィッキーのボーカルバージョン等々で広く世界中で大ヒットしていますから、その1967年以来、夥しい競作&カバー作品が溢れ出てきた事は百も承知!?
それでも1968年に出されたクロディーヌ・ロンジェのバージョンが決して忘れられないのは、ナチュラルなフランス語とカタコト系英語の微妙なミックスによるキュートな節回しと持ち前の抑揚を抑えたボーカルスタイルが絶妙にクールだからでしょう。
そこにはアレンジーとしてのニック・デカロ、さらにはプロデューサーとしてのトミー・リピューマという、後にソフト&メローとか、AORとか称される都会派ポップスの源が既に存在しており、だからこそのエバーグリーンな輝きは失せるものでは無いのです。
ただし、繰り返しますが、当然ながら彼女は同系のサウンドに彩られたアルバムを何枚も出していて、その何れもが売れていた現実の裏返しというか、確かにサイケおやじとしても、LP片面を聴きとおしてしまうと、些かの辟易感は否めません。
極言すれば、彼女の歌はシングル盤で聴くのにちょうど良くて、何かの機会にテレビやラジオから流れるオシャレなボーカル、あるいは喫茶店やブティック等々のBGMで偶然に接した時のフィ~ル・ソ~・グ~っな気分の仄かな高揚感みたいな場面で、最高に効果が発揮されるのかもしれません。
その意味で、彼女が残したレコーディグは圧倒的にカバーソングが多く、中でも殊更に知られている「恋はみずいろ / L'amour est bleu」がウケまくったのも当然が必然!?!
数多作られた同曲のレコードの中では、個人的に前述したヴィッキーのビートの強いバージョンもさることながら、このクロディーヌ・ロンジェの気怠いセクシーフィーリングも大好きなんですよ♪♪~♪
ハープシコードやハープを用いたセミクラシック調のアレンジや中間部の蠱惑的な語りも、たまりませんねぇ~♪
しかし、説明不要かもしれませんが、彼女はアンディ・ウィリアムズとの結婚~離婚後、数年を経て愛人射殺事件の容疑者となり、1970年代中頃からは芸能界を引退……。それに伴ってレコードも一時は市場から消えていた頃もあったんですが、現在ではソフトロックの王道定番物として復権を果たしています。
最後になりましたが、彼女には日本語で吹き込まれた歌があるはすで、サイケおやじは現物を確認していませんが、かなり昔にラジオで聴いた記憶もありますので、地道に探索中です。
まあ、そうは言っても既に述べたとおり、シングル盤で1曲毎に聴くからこその魅力がクロディーヌ・ロンジェの存在感だと思っておりますので、コンプリートな箱物が出ていたとしても入手はしない事を、あえてここに宣言させていただきとうございます。
暴言ご容赦下さいませ。
■悲しき北風 / The Cascades (Valiant / 東芝)
今年の冬は暖かい!?
実際、雪国のスキー場には肝心の雪が極めて少ないらしく、また野菜の価格も安値安定、おまけに冬物衣料が売れず、既に春物を並べている店もあるほどの悲喜こもごもではありますが、やっぱりそれなりの四季の移ろいを感じてこその味わいは大切にしたいと思いますので、本日は些か確信犯的なご紹介として、カスケーズが1963年に出した「悲しき北風 / The Last Leaf」を掲載致します。
もちろん、きっちり哀愁が滲むメロディラインとボーカル&コーラスのコラボも絶品ながら、お約束とも言える「木枯し」のSEだけでツカミはOKですよ♪♪~♪
ちなみに「悲しき北風 / The Last Leaf」は本来、「内気なあの娘 / Sht Girl」のシングルB面曲だったというのが本国アメリカでの真相らしく、しかし現実的には、こっちが流行ってしまった事情は世界各国共通の認識らしいですよ。
もちろんサイケおやじとしても、昭和40年代からのラジオでは、カスケーズの代表曲として「悲しき雨音」に続き、この「悲しき北風 / The Last Leaf」にはすっかり刷り込まれた印象があり、前者が「梅雨時」ならば、後者は「晩秋~冬」という、所謂パブロフの犬みたいな定番洋楽になっています。
しかし、掲載の私有盤をゲットしたのは決してリアルタイムではなく、実は1年ほど前に知り合いから頂戴したものですから、ありがたやぁ~~♪
ジャケット裏には書き込みが相当にありましたが、レコードそのものはしっかりと健在でした♪♪~♪
また、この「悲しき北風 / The Last Leaf」は故・大瀧詠一のお好み曲という事で、本人も多羅尾伴内楽団名義でインストカバーを出していますし、作曲クレジットがどうあろうとも、小林旭の大ヒット「熱き心に」の元ネタという逸話は今や有名なはずです。
う~ん、哀愁サウンドには洋の東西なんてカンケ~ねぇ~~っ!
てっことなんでしょうねぇ~~~♪
興味を抱かれた皆様であれば、カスケーズのオリジナルバージョンと共に、件の大瀧詠一=多羅尾伴内楽団のインストアルバム「Vol.1」に収録のインストバージョンをお楽しみ下さいませ。
そこには所謂北欧エレキインストの味わいに拘ったトラックがぎっしりの中に、低音域への執着も好ましい「悲しき北風 / The Last Leaf」が存在感を強めていますよ。
ということで、こんなに暖冬だと、後が怖いという思いは万人の気持ちかもしれません。
願わくば穏やかな師走が年末年始へと続きますように!
そして最近はちょいと再び、洋楽ポップス趣味が蘇っているサイケおやじであります。
■Happy Together / The Turtles (White Whale / キングレコード)
洋楽のフォークロックには何時の世も耳に残る名曲名演が数多あり、1967年にタートルズが大ヒットさせた本日掲載のシングル盤A面収録の「Happy Together」も、そのひとつとして決して忘れられないでしょう。
なにしろ曖昧ながらも不思議と胸キュンなメロディ、浮遊感が滲む演奏アレンジも印象的ですが、タートルズが聞かせてくれるボーカル&コーラスの逆説的な高揚が、もしも計算されつくしたものならば、これほどの成功例は無いと思うばかりなんですねぇ~~♪
また、サイケおやじと同世代の皆様ならば、昭和47(1972)年頃からラジオの文化放送で夜の9時スタートだった「落合恵子のハッピートゥゲザー」のテーマ&ジングルとして、このタートルズのヒット曲が使われていたからこその刷り込みもあるんじゃ~ないでしょうか。
いゃ~、こう書いていて、なにか強く思いだされる、あの頃のあれやこれや♪♪~♪
という感慨はさておき、主役のタートルズは掲載のジャケ写では6人組で紹介されているものの、その実態はハワード・ケイラン(vo) とマーク・ヴォルマン(vo,g,key,etc) の高校同級生コンビが常に主役であり、そこへタートルズとしての公式デビュー時にはアル・ニコル(g) が加わり、次いで1970年頃の解散までにジム・タッカー(g)、チャック・ポーツ(b)、チップ・ダグラス(b)、ジョン・バーバータ(ds)、ジョエル・ラーソン(ds)、ジョン・セイター(ds) 等々が去来していたようです。
そしてフォークロックのグループとしてはお約束というボブ・ディランのカバー曲は言わずもがな、1965年にその「悲しきベイヴ / It Ain't Me Babe」を初めての大ヒットにして以来、P.F.スローンが作った「Let Me Be」やスティーヴ・バリ関連の「You Baby」等々の定番ヒットを出し続け、ついに放ったチャートトップヒットこそが、この「Happy Together」でありましたが、もちろん他にもメンバー自らが作編曲した名演名唱はシングル&アルバムで数多く残しています。
また、それで要注意なのが、アレンジを担当したチップ・ダグラスの存在で、その魅力的なサウンド作りの妙がアメリカの音楽業界では殊更高く評価されたのでしょう、以降はタートルズを抜け、広くポップス畑の縁の下の力持ちという裏方の実力者になっていくのですから、侮れません。
それはタートルズ本隊にしても同様であり、この頃から発表していくLPにおいては所謂トータルアルバム指向が顕著となり、今となっては一般的なポップスファンよりも、マニアックなロック愛好者の間で人気が高い作品が残されているんですねぇ~♪
中でも個人的にはキンクスのレイ・デイヴィスがプロデュースに関与した1969年の「タートル・スープ」が、如何にも当時のキンクスが十八番にしていたホノボノ系ロックオペラスタイルをアメリカ西海岸風味に変換させたような雰囲気で、大好き!
しかし、グループとしてのタートルズは、この頃から失速し、所属レコード会社との確執もあって、ついには翌年に解散……。
それでもハワード・ケイラン とマーク・ヴォルマンはフロー&エディとなって、例えはフランク・ザッパのバンドに加わったり、様々なセッションに顔を出している他、自分達名義のプロジェクトも様々にやっていますので、これまた何時も面白いコンビですよ。とにかくそれらを聴くと、ハワード・ケイラン とマーク・ヴォルマンこそがタートルズの正統と納得する他はありません。
ちなみに件のフランク・ザッパとの関わりについては、ザッパ御大がタートルズのライブステージが大好きだったという伝聞がありまして、残念ながらそれに接した事の無いサイケおやじは、ますますタートルズが気になっていた時期が確かにありました。
ということで、タートルズの音源はそれなりにCD化されているはずですから、往年のアメリカンポップ&ロックをお好みの皆様であれば、一度はお楽しみ下さいませ。
これまた個人的な趣味嗜好になりますが、やはりサイケおやじが大好きなソンビーズとの共通項も見出せるような気がしているのでした。
■アブラハム・マーティン・アンド・ジョン(魂は今も)/ Dion (Laurie / キングレコード)
さて、次なるリーダーと目されているアメリカのトランプ次期大統領候補の発言が何かと問題になっていますが、その元凶はイスラム系テロ集団であって、決してイスラム圏、あるいはイスラム教信者の人々では無い事が確かな以上、やはり包括的な差別は好ましくありません。
ところがアメリカは多民族による国家形成が是認され、それこそがアメリカであるという歴史がありますから、その裏返しのような人種差別や貧富の差が、これまた堂々とまかり通ってしまうという二律背反の常識があるんですから、件の候補者ばかりか、妙な立場に追い込まれ、ついには命を落としてしまったリーダーが大勢いた事は説明不要かと思います。
極言すれば、アメリカなんていう国は「恥」を売って栄えてきたようなものかもしれません。
そして、思い出してしまったのが、本日掲載のシングル盤A面曲「アブラハム・マーティン・アンド・ジョン(魂は今も)/ Abraham, Martin And John」でした。
ご存じのとおり、この歌はシンガーソングライターのディック・ホラーが、1968年のロバート・ケネディ上院議員の暗殺事件に触発されて書いたと言われ、それを幾つかの競作レコードがある中で最もヒットさせたのが、ご紹介のシングル盤の主役たるディオン(日本盤ジャケ写の表記ではダイオン)でありました。
もちろんロバート・ケネディはアメリカ大統領として同じく暗殺されたジョン・ケネディの実弟であり、共に人種差別問題に深く関与していたことは説明不要でしょう。
そして当然ながら、この「アブラハム・マーティン・アンド・ジョン(魂は今も)/ Abraham, Martin And John」の曲タイトルと歌詞に登場しているのはアブラハム・リンカーン、マーティン・キング、そしてジョン・ケネディという、偉大なるがゆえに葬られたリーダー達であり、その最後にはロバート・ケネディと思しき人物も登場しています。
彼がどこに行ったのか知っていますか
大勢の人々を自由にしたけれど
どうやら善人は早死にするのでしょう
しかし周囲を見ても
彼はここにいない
彼等が立ち上がって求めたものを
君は大切だと思いませんか
彼等はあなたや私のために
何か素晴らしいものを見つけようとしていたのでしょう
私たちは自由になれるでしょう
きっと何時か
きっと何時の日か 早いうちに
というような歌詞の中身は、もちろん前述した偉人を讃えて、歌われているんですが、もちろんサイケおやじがそれを知ったのは後の事で、リアルタイムというか、1969年頃にラジオの深夜放送で偶然にも聴いた「アブラハム・マーティン・アンド・ジョン(魂は今も)/ Abraham, Martin And John」は、とにかく弾むような如何にもフォークロックなメロディ展開と動きまくるベースが印象的な洋楽ポップスであり、しかも流麗にして刺激的なストリングスも良い感じ♪♪~♪
さらに歌っているダイオンじゃ~なくて、ディオンもまた今や説明不要、所謂オールディズの有名スタアとしてディオン&ベルモンツ名義では1958年の「I Wonder Why」、そして続けて翌年からは「A Teenager In Love」や「Where Or When」等をヒットさせ、さらには1960年からソロに転じては「Lonely Teenager」「浮気なスー / Runaround Sue」「The Wonderer」等々、洋楽ファンならずとも、それこそ一度は耳にした事があろうという歴史的な大ヒットを飛ばしていたんですが、告白すればサイケおやじがディオンを強く意識したというか、真っ直ぐに聴くようになったのは、この「アブラハム・マーティン・アンド・ジョン(魂は今も)/ Abraham, Martin And John」がきっかけでしたから、前述した履歴は当然ながら後追い鑑賞による認識です。
それは流行のR&Rから白人系ドゥワップと云われるジャンルであり、だからこその人気を集めたディオンの魅力だったのですが、1960年代に入るとボブ・ディランに触発されたかのような、大衆ヒットとは縁遠いハードフォークな楽曲も吹き込んでいた事をサイケおやじは同時に知ってしまったんですねぇ~~!?!
ということは、ディオンにとっての「アブラハム・マーティン・アンド・ジョン(魂は今も)/ Abraham, Martin And John」は決して突発的な傑作じゃ~ないという真相があるんじゃ~ないでしょうか。
ちなみにディオンは本名がディオン・ディ・ムーチというイタリア系のニューヨーカーで、父親は歌手、そして母親は女優だったという芸能一家に育ちましたから、少年期からテレビ出演やレコーディングもやっていたらしく、だからこそ前述したディオン&ベルモンツから別れてのソロ活動にも場慣れがあったのかもしれません。
実際、なかなか堂々とした歌いっぷりはレコードはもちろん、残されている映像からも感じ取れるあたりは流石の存在感だと思いますので、こ~ゆ~歌手こそ、レコード会社横断のコンプリート&アンソロジーが望まれると願っているのはサイケおやじだけでしょうか。
ということで、冒頭の話に戻れば、渦中の次期大統領候補だって、決して極右的な票集めだけで発言したわけではなく、国を思う気持ちが偏った方向へと表れてしまったような気もします。
そりゃ~、確かにアメリカのような、あっちこっちで恨みや因縁を作ってしまう国家を纏めようとすれば、それなりに過激な思想や行いは必要なはずで、しかし、だからこその自制がなければ、人の上に立つなんてことは困難が付きまとうはず……。
そんな気分のサイケおやじは、もちろん、そうした立場の深層心理は理解出来かねる凡人というわけです。
ということのようです……。
結局、ソフトの絶不調から、PCをクリーンアップ作業中なんですが、なんだかなぁ~~。
バックアップしたファイルは戻らないし、凹んでいます。
またまた本日の!枚は休載、心苦しいばかりです。
どうか、ご容赦下さい(__)