OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

みんなニッコリ、ハニーカムズ

2015-12-10 15:09:21 | Rock

Is It Because? / The Honeycombs (pye / 日本コロムビア)

シーラEと同じくというか、1960年代中頃に人気を集めた女性ドラマーがハニ・ラントリーでした。

それは掲載したシングル盤のジャケ写からも一目瞭然、実は彼女は所謂ブリティッシュビートの大ブームから飛び出したハニーカムズのメンバーであり、当然ながらライブの現場では激しく叩きまくるアクションも華やかでしたから、当時の音楽マスコミも扱い易かったでしょうし、様々な意味でファンも多かった事は説明不要と思います。

また、バンド名の「ハニーカム」とは、彼女の芸名というか、ニックネームの「ハニー」と同じくヘアスタイルが蜂の巣=Honeycomb に起因している逸話は有名でした。

しかし、ハニーカムズは決してそれだけのバンドではなく、実はトルナドースの「Telstar」やジョン・レイトンの「霧の中のジョニー / Johnny Remember Me」等々で知られるイギリスの鬼才≒奇才プロデューサーだったジョー・ミークに認められていたという力量は、確かに残されたレコードを聴くかぎりにおいても、ジョー・ミークが想起作成した宇宙的なミステリアスサウンドをきっちり出せているのですから、侮れません。

それは1964年に公式デビュー2作目として発売された、このシングル盤A面曲「Is It Because?」でも素晴らしく、性急なビートで突っ走る歌と演奏を彩るギターの澄んだ音色と不思議系フレーズの妙は、なかなか独特の面白さがありますよ♪♪~♪

ちなみにハニーカムズのメンバーはデニス・デル(vo)、マーティン・マレイ(g)、アラン・ワード(g)、ジョン・ラントリー(b)、そして前述した紅一点のハニー・ラントリー(ds,vo) というのが通常の布陣とされていますが、レコーディングの現場はともかくも、実質的なバンドの顔ぶれは解散前後も含めて、なかなか流動的だったと言われています。

それはリーダーだったマーティン・マレイが人気沸騰時の1964年秋、ステージライブの最中に事故で手足を骨折し、そのまんま代替メンバーを起用されてからの大ブレイク、さらにはプロデューサーのジョー・ミークの急逝、そしてハニー・ラントリーばかりがスタア扱いという内外諸々のゴタゴタが重なっては、グループとしての存続は難しく……。

結局は4年ほど活動した後の1967年、解散しています。

ところがハニーカムズは本国イギリスよりも、ドイツやイタリア、そして日本での人気が高かったようで、サイケおやじは当然ながら接していませんが、来日公演もあり、その時のレコーディングも残されていたように記憶していますし、これまた自然の成り行きとでも申しましょうか、1990年代には再結成ハニーカムズをサイケおやじはドイツで見ています。

もちろん、ここで「見た」と書いたのは、書き遅れていましたが、全盛期メンバーのジョンとハニーのラントリー兄妹が中心の巡業バンドのテレビ出演だったからで、それが本当に演奏していたかは、些かあやふや……。

それでも、確かに若さは失われていたものの、ハニー・ラントリーは例のヘアスタイルで、バシバシ叩きのアクションを披露していましたですよ♪♪~♪

ということで、こんなふうに書き進めてしまうと、ハニー・ラントリーはキワモノみたいな女性ドラマーと思われる皆様も大勢いらっしゃるかもしれません。

しかし個人的には、ハニーカムズのサウンドの要はラントリー兄妹が弾き出していたリズム&ビートに重きがあると思っていますので、今日でも映像で残されているハニー・ラントリーのアクションドラミングだって、それなりに大切な意味があるはずっ!

コメント (2)
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