OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

水原弘の最高の証明

2014-03-01 15:02:05 | 歌謡曲

へんな女 / 水原弘 (東芝)

水原弘は昭和34(1959)年の「黒い花びら」や昭和42(1967)年の「君こそわが命」というウルトラメガヒットを放ち、その卓越した歌唱力によって、我国芸能界に偉大な足跡を残していますが、サイケおやじにとっての水原弘は、昭和45(1970)年頃からアース製薬の殺虫剤CMで由美かおると共演し、あの有名なホーロー看板で日本中に顔を売ったスタアであり、そして同時期に本日掲載のシングル盤A面曲「へんな女」を歌った、変な歌手でありました。

現在では良く知られているように、水原弘は失礼ながら、ちょっぴり破滅型の天才であり、歌は最高に上手いと思いますが、様々なトラブルを抱え、どうにも安定した活躍が出来なかった印象があって、今にして思えば、よくもまあ、優良イメージを何よりも大切する企業CMに起用されたなぁ~~、という感慨が……。

さて、そこで件の「へんな女」は、当時相当にヒットした所謂コミックソングというのが、水原弘の逆説的イメージをさらに鮮烈にしています。

これは実際に聴いていただくのが一番なんですが、それにしても作詞作曲を担当した浜口庫之助のブッ飛びフィーリングが、まずは最高!

フルバンのキャッチーなイントロから、ウパウパジンジンなコーラスの楽しさに導かれ、実にお気楽なムードを発散させる水原弘の絶品の歌唱力があればこそ、ナンセンスな歌詞の説得力も素晴らしすぎるんですねぇ~♪

おまけに最後のオチが、これまた絶品!

なんとっ!

 へんな唄歌うぅ~ へんな男ぉ~

と自嘲した次の瞬間、子供達のコーラスが「みずはらひろしぃ~」と合の手を入れるんですから、たまりせんよ♪♪~♪

あぁ、まさに昭和元禄も爛熟期の様相がビシッと楽しめる名曲名唱と思います。

ということで、なんで水原弘のような超一流の歌唱力があるボーカリストが、こんなミョウチキリンな唄を演じるのか? それは水原弘が、変な歌手だから??

なぁ~んていう素朴な疑問が当時からありました。

そりゃ~、確かに水原弘は凡人からすれば、「変」かもしれませんよねぇ~。どんな楽曲でも、完全に自分の色に染め上げて歌える、その歌唱力は天才であり、だからこそ、自業自得のような生き様からスタアの唯我独尊を感じさせてしまうのですから……。

しかし水原弘が、もしも「普通」の歌手であったなら、この「へんな女」はつまらない仕上がりになっていた気がするサイケおやじなのです。

う~ん、水原弘、最高ぉ~~~♪

コメント (9)
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