OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

たづみ I Love You

2014-03-09 15:24:20 | 歌謡曲

行き暮れて c/w 海がみたい / 豊島たづみ (ポリドール)

好きな人には、好きでたまらないのが、豊島たづみでしょう。

彼女の活躍したフィールドは所謂ニューミュージックだったんてすが、それを新種の歌謡曲と解釈すれば、豊島たづみの立ち位置も、自ずと明確になるのかもしれません。

例えばその魅力のひとつには、ハスキーというよりも、スモーキーという感じの声質を活かした節回しの上手さがあって、時にはソフトで深みのある表現から、またある時には芯の強いドライヴ感を強く滲ませるパワフルなボーカルスタイルの使い分けが最高なんですねぇ~~♪

もちろん、その中庸を兼ね備えた懐の深さも実力派の証明でありました。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は昭和54(1979)年晩秋に発売され、特にA面の「行き暮れて」がジャケ写にも記載があるとおり、当時のテレビドラマ「オレンジ色の愛たち(TBS)」の主題歌であったことから、かなりのヒットになっていた記憶があります。

しかし、と書いたのも、サイケおやじは件のテレビドラマには全く接することがありませんでしたから、そのイメージの喚起の度合いはちがっているはずですし、それでも盛り場の有線放送で聴く豊島たずみの歌の中では、相当に流行っていたんじゃ~ないでしょう。

なにしろ作曲:桜井順&編曲:大村雅朗によるメロディとサウンドの狙いはモダンな歌謡ボサノバですから、落合恵子の綴った如何にも「らしい」歌詞があっては、普通のお洒落なAOR歌謡曲で終わってしまいそうなところに、豊島たづみのグッとしぶとい歌い回しがあるんですから、派手さは無くとも、ジワジワと滲み込んでくる、大人の胸キュンフィーリングが本当に良い感じ♪♪~♪

そしてさらに素敵なのがB面収録の「海がみたい」で、こちらは作詞作曲が豊島たづみ本人ということもありましょうが、極めて都会的な川村栄治のジャズっぽいアレンジがあっても、これほどハートウォームな仕上がりは予想外の絶品ですよっ!

冒頭に述べたとおり、それは豊島たづみの歌心が昭和歌謡曲に特有の「泣き」や「やるせなさ」を自然体で大切にしているからと、サイケおやじは独りで納得している次第ですが、こう書いてしまっては、歌謡曲そのものがダサいという結論にはなりません。

むしろ歌謡曲が成り立つための汎用性、あるいはその雑食性がある限り、日本語による歌心を求めれば、歌謡曲フィーリングは捨てられるものではないでしょう。

当然ながらサイケおやじは豊島たづみには一面識も無く、それゆえに彼女が何を心がけて歌っているのかは知る由もありませんが、「伝わって来る」のは歌の真実のみと思いたいわけです。

ということで、ゴチャゴチャと屁理屈を述べるのは恥ずかしいほどです。

これまた最初に述べた事を鑑みれば、豊島たづみは好き嫌いを大いに誘発する歌手であり、失礼ながらリアルタイムではルックスで損をしていた感も……。

しかし何であれ、好き嫌いは実際に接してみなければ、己の感性だって信じるわけにはいきません。

あぁ~、豊島たづみが好きだぁ~~~~♪ 

コメント (2)
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