OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

楽しいよ、そういう時代の歌謡ロックは♪

2014-03-04 16:10:02 | 日本のロック

センチメンタル急行 / ローズマリー (TRIO)

我国で一番ロックが燃え盛っていたのは、昭和42~45年頃のGSブームであった事は今や歴史になっていますが、だからこそ、その残滓というには、あまりにも素晴らしく、同時に無視され続けているグループのひとつが、本日掲載のシングル盤を出したローズマリーです。

と、またまた自分だけが分かっている書き出しになってしまったのは、ローズマリーは前述GSブームの中で殊更スタアであったオックスの正統を継ぐバンドであり、また今となっては、現在マルチタレントとして活躍しているモト冬樹が在籍していたというネタがありますからねぇ~。

そういう流れの中で、最初は元オックスの福井利男(b) と岡田志郎(g) が中心となってピープルと名乗る前身バンドが結成され、サイケおやじは未聴ですが、シングル盤を1枚出した後、昭和48(1973)年頃にメンバーの入れ替えを経て、発展したのがローズマリーだと言われています。

メンバーは、その福井利男(b) と岡田志郎(g,ds) に加えて、中尾喜紀(vo)、東冬木=モト冬樹(g)、上原おさむ(key)、愛川かつみ(vo,per,etc.)、仲原克彦(g) 等々、実は度々顔ぶれが変わっていたという真相もあるようですが、少なくともレコードを聴く場合には問題ありません。

何故ならば、当時のローズマリーの公式音源はスタジオで作り込まれた楽曲が多く、このシングル盤A面曲「センチメンタル急行」にしても、ブラスやストリングがたっぷり導入された、これが素敵なバブルガム系ロッキンソウルな歌謡曲になっているんですねぇ~~♪

とにかくハナからケツまで、楽しいアイドル歌謡という雰囲気も濃厚であり、しかしタイトなドラムスやキメまくりのペースは実に痛快!

まさに穂口雄右の作編曲が、制作発売された昭和49(1974)年の洋楽流行をズバリと借用再構成して、秀逸の極みですよ♪♪~♪

そしてもちろん、松本隆の綴った歌詞がアイドル志向の変化球に感じられるのも、ローズマリーならではの個性というか、同時期に活動していた人気バンドのチャコとヘルスエンジェル共々、やはりGSの衣鉢を受け継ぐ姿勢と思うばかりです。

ということで、今日では当時の我国ロック事情が、何故かニューロックや日本語のロック云々で語られる事が多く、こういう歌謡曲寄りのグループは歌謡フォークでもありませんから、再発見も無いのでしょうか……。

まあ、そのあたりはリアルタイムから風当たりが強く、時代遅れだとか、アイドル丸出しでロック魂が無いとか、決してロックに燃える野郎どもからは相手にされなかった実情も、確かにありました。

しかし、その頃の洋楽では、例えばグラムロックから派生したパワーポップのバンド、あるいはガレージ系バブルガムサウンドのグループが、なかなか人気を集めていた現実もあったのです。

それを鑑みれば、ローズマリーはもっとブレイクしても良かったはずなんですが、それでも泣かず飛ばずのうちにメンバーチェンジを繰り返し、バリバリのアイドル歌手だった伊丹サチオがリードボーカリストで参加していた頃も含めて、決して日本のロック界の仇花では無いと思います。

最後になりましたが、掲載ジャケ写をご覧になっても、モト冬樹がどこに居るのか、ちょうと不明でしょう。もちろんサイケおやじにも分かりませんし、理由は言わずもがなということにしておきます、はい。

コメント (6)
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