東京銀座にある名画座「シネパトス」が、いよいよ今月末で閉館となります。
ご存じのとおり、この劇場は以前、「地球座」の名称で親しまれ、サイケおやじも何度も通った思い出の場所であり、「シネパトス」と改称されてからも、その妙にレトロな雰囲気の良さは、まさに「昭和」でありました。
なにしろデジタル上映が普通の現在、頑なにフィルム映写に拘っていたような感さえありましたからねぇ~♪ オールドウェイヴなサイケおやじは、そういう姿勢に好ましいものを覚えていましたが……。
しかし施設の老朽化により、ついに取り壊しが決定したのは無念というよりも、諸行無常なのでしょうか。
もちろん各方面から、それを惜しむ声が高まるのも必然という中、流石という最後の企画が、現在絶賛上映中の「インターミッション」という作品です。
なんとっ! これはその「銀座シネパトス」を舞台にした、完全バーチャルな劇中劇であり、客席に居並ぶ面々がすなわち出演者という設定は、単なる稚気以上の素晴らしさと思います。
これは映画を愛する者であれば、誰もが夢見る企画でしょう。
しかし舞台となる映画館そのもののラストショウとリアルタイムの現実感があってこそ、可愛さ余って憎さ百倍なんですよねぇ~♪
正直、サイケおやじを含めて、やられたぁ~~~~、と痛感させられた映画愛好者は数知れずのはずです。
ちなみに監督の樋口尚文は気鋭の映画評論家であり、様々な映画関連のイベントをプロデュースしてきた、所謂「映画愛」の絶対的な持ち主として、サイケおやじも強い共感を覚える鬼才!
まあ、もちろんサイケおやじは、直接に一面識もないわけですが、決して香りの高さを売り物にしないところも好感が持てるのです。
そして樋口監督ならではの人徳なのでしょう、とにかく出演者の顔触れが日本映画演劇界の新旧名優ばかりなんですから、これは見逃せません。
詳しくは公式サイトをご覧いただければ、震えて感涙は必至ですよっ!
しかし現実は非情です。
実はサイケおやじは絶対にっ!
と心に決めていながら、仕事に責められてスケジュールがギチギチ……。
もう、今回は諦めよう……、と自分に言い聞かせていたんですが、実は出演者のひとりである、ひし美ゆり子のプログを読んでしまえば、後は覚悟を決める他はありません。
つまり、この「インターミッション」を鑑賞することは、歴史に立ち会う意義であり、映画愛に溢れた時空のバーチャルリアリティを体験出来る、ほとんど奇跡の時間を過ごす事だと思います。
そしてサイケおやじは覚悟を決めました。
それはとにかく万難を排して時間を確保し、今月末で閉館されてしまう「銀座シネパトス」で「インターミッション」を鑑賞するっ!
これを自らの存在証明と言ってしまえば、例によってサイケおやじの大袈裟と思われても反論は出来ません。
しかしそんな自己満足がなければ、何のために仕事をやっているのか、わからんじゃ~ないかっ!
というのが、サイケおやじの立場なんですよ。
その為には多少強引な事も必要になりそうですし、もしかしたら後腐れも懸念されますが、それでも後悔しない覚悟と言い換えても、良いです。
どうか皆様も、少しでもトキメキを感じるのであれば、「銀座シネパトス」のラストショウにご参集下さいませ。
きっと素敵な思い出になるでしょう(敬称略)。