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サイケおやじの生活と音楽

チコはロックのマドモアゼル

2013-03-19 15:52:53 | 日本のロック

新宿マドモアゼル / チコとビーグルス (日本ビクター)

一概にロックと言っても、そこにはフォークロックやラテンロック等々があるのと同じく、日本には歌謡ロックや演歌ロックが当然のように存在しています。

ところがある時期、そういう日本語でやるロックが絶対的に否定され、如何にもダサい代名詞であった事も、また確かでありました。

中でもGSブーム全盛期であった昭和40年代前半に活動していたグループやバンドは、それこそ露骨に槍玉にあげられて……。

つまりどんなに本格的なロックを指向していても、シングルヒットを出さければメジャーになれないというジレンマから、ベタベタの歌謡曲をレコーディングしていた現実は、例えばゴールデン・カップス等々、枚挙にいとまがありません。

しかし逆に言えば、最初っからその路線を狙っているのであれば、傑作が生まれて当然という土壌も、当時はあったんですねぇ~~♪

本日掲載のシングル盤A面曲「新宿マドモアゼル」は、まさにその代表格であり、チコとビーグルスにとっても最高の名唱名演であったと思います。

ちなみにチコとビーグルスは、ど~しても同じ時期に大ブレイクしていたピンキーとキラーズの二番煎じという存在感ばかりが印象的なんですが、テレビ出演やライプの現場では、きっちり自前の演奏をやっていた事をサイケおやじは目撃していますし、思い出しても、なかなかロック性感度が高かったんですよっ!

ただし、公式デビューの大ヒット「帰り道は遠かった」が民謡調のロック演歌だった事から、似たようなイメージで貫いたような存在感が強すぎたのでしょう。

それでもチコのエグい味わいのボーカルは圧巻でしたねぇ~♪

そこで肝心の「新宿マドモアゼル」なんですが、おそらくは3作目のシングル曲として昭和44(1969)年秋に発売されながら、ほとんどヒットしていません。

しかし作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平というだけで、これは名曲にちがいないという確信を抱かされてしまうのは、全く現代の視点に立てば、そのとおりであり、実際に聴いて熱くさせられる事、請け合いですよっ!

とにかくイントロから強引に弾きこまれてしまうファズ効きバッチリのエレキギターとオーケストラのコラポレーションは最高ですし、調子の良いリズムやコーラス&掛け声の使い方も流石なんですが、やっぱりモロに歌謡曲なメロディをアクの強い節回しで聞かせるチコのボーカルが良い味、出しまくり♪♪~♪

そして間奏のファズなエレキも気持が良いです♪♪~♪

ちなみに当時のメンバーはチコ=硲千鶴子(vo)、石橋治虫(g)、関森清(key)、富岡隆広(b)、吉田俊夫(ds) とされていますが、ジャケ写には5人しか写っていませんので、かなり流動的だったんじゃ~ないでしょうか。

もちろんレコードで実際に演奏している可能性が極めて低いのは、当時の慣例として、言うまでもないと思います。

しかし、それでも良いんですねぇ~~♪

チコとビーグルスの最大の魅力は、やっぱりチコのボーカルにあって、そのコブシの力感がグルーヴィーでソウルフルなニッポンのロックなんですからっ!

ということで、イノセントな歌謡曲ファンの皆様からのお叱りも覚悟してはおりますが、歌謡ロックをバカにしていたら、歌謡曲というジャンルはつまらないでしょう。

雑食性と汎用性の高さがあればこそ、本来は朝鮮半島のモードであったという保守本流の歌謡メロディとアフリカ土着をルーツとするロックのビートが素晴らしい融合を果たし得たのでしょうから、素敵♪♪~♪ と思ったものを素直に楽しまなければ勿体ないですよ。

なぁ~んて、分かったような事を書いているサイケおやじにしても、若かった頃はそれなりのツッパリから、日本語のロックは??? というフリをしていた事を告白しておかなければなりません。

まあ、齢を重ねた今、それがようやく素直に言えるというわけです。

コメント (4)
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