OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

風に乗りたい時もある

2013-03-27 16:06:05 | 日本のロック

風に乗って c/w Easy Come, Easy Go (Kitty)

全く漂泊中のサイケおやじにとって、現在の心の歌がカルメン・マキの「風に乗って」と言えば、何か自分でも恥ずかしい気分になるんですが、まあ、それほどこの歌は最高~~って事をご理解下さいませ。

ご存じのとおり、この頃のカルメン・マキはロックど真ん中の活動でしたから、決してデビュー時のようなメジャーな舞台からは遠ざかっていたと思われがちですが……。

どっこい! 今となってはロック期の彼女が一番「らしい」という世評に間違いはありません。

というよりも、持ち前の魅力であった歌声の綺麗な説得力が「ニッポンのロック」を知らしめる大きなエネルギーになっていた事は絶対的でしょう。

平たく言えば、何時如何なる時にも、彼女の歌声が流れてくると自然に耳を奪われる事は必定という真実があるのです。

さて、そこでこの「風に乗って」なんですが、実はB面に収録されている「Easy Come, Easy Go」の日本語バージョンというのが種明かし!?

発売されたのは昭和54(1979)年でしたから、所謂ニューミュージックが確固たる位置を占めていた我国の芸能界においては、日本語の歌詞に英単語を混ぜる手法が確立され、それを洋楽メロディに乗せてしまう遣り口が自然の法則になっていました。

しかし、それじゃ~、「本物のロック」にならなかったのは時代の必然とでも申しましょうか、極言すればアイドルだって同じような事をやっていたんですから、中途半端に「それっぽい」レコードを出していたら、ロックシンガーは務まりません。

そしてカルメン・マキは流石にその次元がちがっていると痛感させられたのが、この「風に乗って」というわけです。

ちなみに前述した英語バージョン「Easy Come, Easy Go」は同年発売のLP「ナイトウォーカー」に収録されており、驚くなかれ、プロデュースを担当したのがバニラ・ファッジベック・ボガード&アピス等々でロックの歴史を作ってきたカーマイン・アピス! もちろん海外レコーディングで、本人直々のドラムスが聴けるのは当然ですし、他にも盟友の春日博文(g) 他、一流ミュージャンがバックに参加しているのですから、何も言えないほどに素敵な仕上がりでありました。

ただし英語の歌は我国芸能界に所属しているかぎり、ど~してもシングル向きではありませんから、日本語バージョンが作られた事に対しての批判があったとしても、こちらに共感を覚える者はサイケおやじを含めて、大勢存在しているのも現実です。

これはカルメン・マキ本人がステージライプでは英語バージョンをメインに歌っていたリアルタイムの実相がありますから、尚更に複雑ではありますが……。

まあ、このあたりの諸々は皆様が各々、聴いていただければ、後は自ずと十人十色の好き嫌いでしょう。

ということで、刹那の気分も前向きな心が込められた歌詞、それをたっぶりの説得力で歌ってくれるカルメン・マキ♪♪~♪

もう、それだけで我儘な仕事で世間を狭くしつつあるサイケおやじは、貫ける気分になっているのでした。

コメント
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