OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ブートで聴けるJTの幻のライブ盤

2011-02-11 17:52:57 | Singer Song Writer

Baby James By The Bay / James Taylor (The Polar Bear = bootleg CD)

ブートの素材で一番多いのが、ライプレコーティングでしょう。

これは大まかに言って、客席からファンが隠密で録音した所謂オーディエンス物、あるいは関係者が記録用に録ったサウンドボード直結ソース、そして放送や発売用も含めた公式ライプ音源に分類されると思いますが、もちろん最高音質なのは三番目にあげたオフィシャルリールです。

しかもそれが様々な事情によって未発表に終わったブツであるほどに、ファンはその流失に歓喜悶絶♪♪~♪

本日ご紹介するジェームス・テイラーのブートも、そんなひとつとして「Recorded By Warner Bros. For An Unreleased Live Album」とクレジットされているとおり、素晴らしい音質で1972年という絶頂期が楽しめます。

 01 Sweet Baby James
 02 Something In The Way She Move
 03 Greensleeves
 04 Tube Rose Snuff
 05 Sunny Skies
 06 Chile Dog
 07 Rainy Day Man
 08 Highway Song
 09 On Broadway
 10 Fire And Rain
 11 Love Has Brought Me Around
 12 Woah, Don't You Know
 13 Steamroller Blues
 14 Help Me Find This Groove
 15 Promised Land
 16 You Can Clode Your Eyes

上記した演目は、これまでにジェームス・テイラーが自己名義で出していた3枚のアルバム、つまり1968年にアップルで作られたデビュー盤「ジェームス・テイラー」、心機一転の1970年に大ブレイクの端緒となった「スウィート・ベイビー・ジェイムス」、そして個人的にも好きでたまらないソウルジャズっぽさがモロ出しという1971年の「マッド・スライド・スリム」からの十八番を中心に、次作アルバム「ワン・マン・ドッグ」に収録予定の新曲やステージ用のオールディズカパーも入っているという豪華さが、ファンにはたまらないところでしょう。

そして前半は本人のギターだけによる弾き語り、中盤からはバンドメンバーが適宜加わりながらの盛り上げ大会という構成は、如何にも当時のブームが記録されています。

その中で特筆すべきは、やはりジェームス・テイラーが弾くアコースティックギターの力強さというか、従来のフォークソングとは一線を画するロック&ソウルなビートがピンピンに出まくるスタイルが、実に最高ですねぇ~♪

もちろん、それがあっての独り舞台は絶対にダレる事も眠くなる事もありません。

とても細かいギターワークが強いアクセントを伴ったベース音で支えられる、これもひとつの神業でしょうねぇ、当然ながら「歌」の伴奏でありながら、ギターそのものが歌っているという、疑似二重唱!?!

本当に最高です!

またジャズっぽいコードの使い方やソウルっぽい粘っこさが、そうしたロック味満点のアコースティックギターで表現される時、そこには初期のユーミンや小坂忠あたりのキャラメル・ママをバックにした元祖ニューミュージックに繋がる影響がモロなんですよねぇ~~♪

多分、当時のミュージシャンならば、絶対に無視出来ないスタイルであったと思いますし、そこから表出される新鮮味が一般の音楽ファンを惹きつけたのでしょう。そういうサイケおやじも、そのひとりとして、無謀にもギタースタイルをコピーしようとして挫折した過去があるわけですが、正直言えば、どうやって弾いているのか全く分からなかったのが真相です。

まあ、それはそれとして、いよいよ中盤からはバックバンドが入り、ピアノが導く「Highway Song」のユーミン味には和みますよ♪♪~♪ というか、本当は逆なんですけどねっ! まあ、いいか♪♪~♪

ちなみにメンバーの記載は無いんですが、おそらくは時期的にグレイグ・ダーギー(p,org,vo)、リー・スクラー(b)、ラス・カンケル(ds.per)、そしてダニー・コーチマー(g,vo) という後にセクションとなる面々が参加していると思われます。

しかし気になるのは女性コーラス隊の存在で、なんとなくキャロル・キングやカーリー・サイモンの声もソラミミでしょうか???

そして後半は、お約束(?)のエレクトリックセットで、これは確実に分かるという、例の落ち着きの無いスタイルを披露しまくるダニー・コーチマーのエレキギター、それに対するジェームス・テイラーのサイドギターも味わい深いコンビネーションで、絶妙のグルーヴを作り出しますから、時には完全なファンキーロックと化す展開は、サイケおやじが最も好きな至福の瞬間に他なりません。

ソウルっぽいブルースロックの「Steamroller Blues」、ビシバシなビートにソウルフルなコーラスも熱い「Help Me Find This Groove」、そしてR&Rの古典として当時のジェームス・テイラーがファンにサービスしていた「Promised Land」の楽しさは本当に素敵です。

まさにノリにノッていた上昇期の証明でしょう♪♪~♪

さらに盛り上げるだけやっておいて、オーラスに再び弾き語りで歌ってくれる「You Can Clode Your Eyes」のシミジミとした祭りの後の感傷も流石だと思います。

ということで、これは有名ブートなんで、今でも簡単に入手出来る1枚です。

欲を言えば「君の友達」や「Don't Let Me Be Lonly Tonight」が入っていないという恨みもありますが、シンガーソングライターのブームを牽引していたジェームス・テイラーの真実には間違いなく接することが出来るはずです。

また、どうしてこれが公式発売にならなかったのか?

という謎に対しては、やっぱりリリース予定時期の流行からは地味な感じがするからでしょうか? 実際、1973年頃からのジェームス・テイラーはバンドサウンドをメインにしつつ、後年のAORに先駆けたようなスタイルを推進するのですから!?

その意味で、逆に言えば、ここに聴かれるアコースティックギターの響きは、とても心地良いかぎり♪♪~♪ ギブソンの「J50」と推定される、これまた地味な音の素晴らしさに酔うことが出来るのでした。

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