OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

またしても奥の細道のビートルズ

2010-12-30 14:21:47 | Beatles

Matchbox c/w Slow Down / The Beatles (Capitol)

これ、買いましたっ!

アメリカプレスの7インチシングル盤なんですが、もちろん狙いはピクチャースリーブ♪♪~♪ また、当然ながら、アメリカ盤特有の強いカッティングプレスによる豪快なR&R本来の「音」を楽しみたかった目論見もありました。

そして実際に針落として、そのド迫力にシビれたわけですが、なんとも怖~い、奥の細道的な泥沼に足をとられてしまったですよ……。

今では有名になったこの2曲の秘密の中で、モノラルとステレオの両バージョンにおける様々な違いは、英国オリジナル仕様とは異なる米国キャピトル社独自の発売方針の結果というのが、実に大きな要因となっています。

ご存じのように両曲共、初出は1964年6月にイギリスで発売された4曲入りEP「ロング・トール・サリー」でしたが、それはモノラルバージョンでした。

ところがアメリカでは前述の様にキャピトルがオリジナルどおりの発売はせず、同年7月に独自の編集アルバムとして出した「サムシング・ニュー」に収録したことから、当時のLPアルバムの慣例に従って、ここにステレオとモノラルの両バージョンが登場したのです。

さらに当然ながら、そこから再び独自にシングルカットした掲載の7インチシングルはモノラルバージョンなんですが、今回、実際に入手して聴いたところ、どうやら「音」の違いの他に、「ミックス」そのものが微妙に異なっているように感じました。

これって、キャピトル独自のモノラルミックス!?!?

まあ、このあたりは、あくまでも個人的な主観であり、感性の問題も大きいと思います。

しかし、それなりに親しんで聴いていた感覚とは、やはり違う現実は否定出来ません。

ちなみに日本での発売状況としては、両曲ともキャピトル盤と同じカップリングのシングルとして、しかもピカピカの新譜扱いで昭和39(1964)年11月に出たはずです。なにしろリアルタイムで従姉が速攻でゲットし、聴かせてくれた記憶が今も鮮明なんですよねぇ~♪

おぉ~~、こんなカッコ良いビートルズ!

もちろんリンゴが歌う「Matchbox」はカール・パーキンスがオリジナルの所謂ロカビリー、またジョンが熱唱する「Slow Down」はラリー・ウィリアムズが十八番の黒人R&Bなんですが、その頃の我国の一般的な洋楽ファンはカパー物という認識よりは、「ビートルズの新曲」という喜びの方が遥かに大きかったと思います。

そして実際、ビートルズならではのロック感覚に満ち溢れたアレンジと歌と演奏は圧巻!

で、気になるその後の収録状況なんですが、このシングルが日本で発売されてから約半年を過ぎた翌年5月、我国独自の編集アルバム「No.5」に揃って2曲が入り、これはモノラルバージョンでした。しかし同時期に売り出された4曲入りEP「のっぽのサリー」には、共に疑似ステレオのバージョンが入っていたんですねぇ。

当然ながらリアルタイムでは、サイケおやじも些細な事には無頓着だったわけですが、後にビートルズ史を探求する過程において、そうした様々な思惑や顛末に興味は尽きません。

一番気になるのは、リアルタイムの東芝レコードが、英国EMIと米国キャピトルのどちらからマスターコピーの供給を受けていたか?

その点なんですよっ!

まあ、順当に考えれば日本盤は「Odeon」印がある以上、それは英国からなんでしょうが、このシングル盤のようにアメリカ独自のカップリング発売を追従したものは???

ということで、年末年始は、このシングル盤を起点に聴き比べ大会になりそうです。

しかし決定的なのは、ここでも圧倒的な存在感を示すビートルズのR&R魂!

特に「Slow Down」での物凄いドライヴ感には畏敬の念を覚えるほどです。

あぁ、ビートルズに出会えて、つくづくと幸せ感じるのでした。

コメント (2)
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